無料で使えるおすすめのCMS10選を比較|無料製品の選び方やメリット・デメリット
CMSには、初期費用やライセンス費用が発生しない無料の製品があります。無料のCMSを賢く使えば、費用を抑えたWebサイトの構築・運用が可能となるでしょう。本記事では、無料で使えるおすすめCMS10選を紹介し、製品の選び方やメリット・デメリットを解説します。
目次
CMSとは?
CMSは「Contents Management System」の略称で、Webサイトの構築や運用を手軽に行えるシステムのことを指します。
HTMLやCSSなどの専門知識が無くても、簡単な操作でサイトを立ち上げたり更新したりできることが特長です。無料で利用できるCMSは「クラウド型」と「オープンソース型」の2種類に大別されます。
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クラウド型CMS
クラウド型CMSは、インターネット上でのみ提供されるCMSサービスです。
CMSのソフトウェアを自社のサーバーにインストールする必要がないため、インターネットの接続とブラウザさえあれば、手軽にWebサイト運営を開始できることが特徴です。初期費用が無料、または低コストで済むのがメリットですが、カスタマイズ性が制限されていたり、広告が表示されるといった制約に注意が必要です。
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オープンソース型CMS
オープンソース型CMSは、ソースコードが公開されており、誰でも自由に利用や改変ができるCMSで、高度なカスタマイズも制限なく行える点が強みです。
利用料金は無料であることが多いですが、カスタマイズや運用にはある程度の知識が必要となります。また、サーバーの準備や保守も自身で行う必要があるため、コストや手間を考慮する必要があるでしょう。
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無料で使えるCMS製品の選び方
無料で使えるCMSにも多くの種類があり、用途や要件に合わせて適切なものを選ぶ必要があります。以下に選び方のポイントを紹介します。
機能の利用制限で選ぶ
無料のCMSを選ぶ際、最初に考えるべきは機能の利用制限です。というのも、無料のCMSには機能が限定されているケースが多いためです。
例えば、編集アカウントの利用人数や投稿できるコンテンツの数、ストレージの容量など、無料プランでは限られたリソースしか使用できないケースがあります。ビジネスの規模やWebサイトの目的によっては、これらの制限が致命的となる可能性もあるため、Webサイトのニーズに合った機能が備わっているか、あらかじめ確認しておくことが重要です。追加費用で制限を外せるかどうかの拡張性も、最初に把握しておくとよいでしょう。
目的に合った機能が使えるかで選ぶ
CMSを選択する前には、必ず利用する機能を洗い出し、その目的を果たせる製品を選びましょう。
ECサイトを運営するのか、ブログを書くのか、企業サイトを作るのかなど、サイトの目的によって必要な機能は大きく異なります。無料のCMSでもその機能が十分に利用できるかどうかを、最初によく検討しておくことが肝心です。多くの無料CMSには無料体験期間が設けられているので、導入前に洗い出した必要機能を一つずつ試してみるとよいでしょう。また、求める機能が備わっていない場合は、プラグインなどで後付けできるかもチェックしておいてください。
システムの操作性で選ぶ
操作性のチェックも重要です。長く利用するシステムですので、少しでもストレスの少ないインターフェースを持つCMSを選びましょう。
初心者でも直感的に扱える操作画面や、スマホからでも簡単に投稿できる利便性などを軸に、実際にCMSを使ってみて判断するのが賢明です。操作性は慣れると気にならなくなる傾向がありますが、CMSは不特定多数の担当者が長期的に利用するシステムです。初心者になったつもりで厳しくチェックすると、後々の運用コストが大きく削減されます。
日本語に対応しているかで選ぶ
無料で利用できるCMSは海外製品が多く、たとえ日本語化されていたとしても、不自然な翻訳である製品も少なくありません。
運用する際のストレスを避けるため、日本語対応が十分かどうかを忘れずチェックしましょう。特に、日本語の入力や表示に不具合がないかを重点的に確認してください。また、不自然な日本語訳のせいで扱いに困ったとしても、無料のCMSには技術サポートがないケースが多いことも想定しておきましょう。
テーマ・プラグインの充実度で選ぶ
カスタマイズ性を高めるテーマ、またはプラグインが豊富にそろっていれば、無料のCMSでも十分な機能を持ったWebサイトを作ることが出来ます。
自分でカスタマイズするだけの技術力がない場合には、こうしたオプションの充実度を事前に確認しておきましょう。必要な機能をプラグインで手軽に追加でき、全体のデザインをテーマで着せ替えできるようであれば、無料のCMSでも十分すぎるほどのカスタマイズ性を確保することができます。
導入実績で選ぶ
導入実績やシェア率も重要な選択基準です。多くの企業に選ばれているCMSは、その使いやすさや信頼性が証明されているためです。
特にビジネス用途での利用を考えている場合には、同業他社に選ばれているという実績は重要な評価ポイントです。もし、特別な機能を求めていない場合には、導入実績を参考に導入可否を判断しても構わないでしょう。それほどに、導入実績やシェア率は重要な指標と言えます。
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無料で使えるおすすめのCMS10選比較
無料で利用できるCMSにはさまざまな製品があり、特徴が異なります。以下に代表的な10種類を紹介します。
WordPress
WordPressは、その使いやすさと柔軟性で世界中で最も普及しているオープンソース型CMSです。
ブログからコーポレートサイト、さらにはオンラインショップまで、あらゆるWebサイトを構築するための機能が備わっています。豊富なテーマとプラグインにより、コーディング知識がなくても高度なカスタマイズが可能であり、初心者からプロフェッショナルまで多くのユーザーに選ばれています。なお、Wordpressには2種類のサービスが存在します。無償のオープンソース型CMSである「Wordpress.org」と、有償のクラウド型CMSである「Wordpress.com」が用意されていますので、混同しないように注意しましょう。
提供元 | Automattic Inc. |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 無料プラン:無料 ※別途WordPress.comには有料プランあり |
導入実績 | 6,000万人以上 |
機能・特徴 | カスタマイズ可能なデザイン、SEOフレンドリー、レスポンシブサイト、ハイパフォーマンス、高度なセキュリティなど |
URL | 公式サイト |
baserCMS
baserCMSは、無料で使える国産のオープンソース型CMSとして、直感的な操作性と高いメンテナンス性、安全性を実現しています。
メールフォームやブログ(複数ブログ)といったサイト制作に定番な機能が標準装備されているため、インストール後に複雑な設定やプラグインの追加をしなくても、すぐに利用を開始できるでしょう。大規模なサイトや、導線が複雑なサイトほど強みを発揮します。
提供元 | BaserCMS普及委員会 |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 無料 |
導入実績 | 35万ダウンロード以上 |
機能・特徴 | フロントページ機能、コンテンツ管理機能、ブログ機能、フォーム機能、多言語対応機能、ユーザー管理機能、プラグイン機能など |
URL | 公式サイト |
JS CMS
JS CMSは「簡単・柔軟・リアルタイム」がコンセプトの、小規模から中規模サイトに特化した、まったく新しいWebサイト構築用のオープンソース型CMSです。
一般的なCMSは、サーバー側でPHPなどのプログラムを実行して処理を行います。しかし、JS CMSは処理のほとんどを、サーバー側ではなくクライアント側のウェブブラウザにて、JavaScriptで実行しています。ほとんどの処理をブラウザ上で実行するため、非常に高速に動作することが強みです。さらに、データ形式としてJSON形式を採用しています。 JavaScriptとJSON形式を使っていることから、JS CMSという名前が付けられています。
提供元 | ウェブデザイナー田中成憲 |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 無料 |
機能・特徴 | マルチデバイス、エクセル連携、リアルタイム、超軽量動作、プレビュー、ファイルマネージャ、アップローダ、バックアップなど |
URL | 公式サイト |
SOY CMS
SOY CMSは「人員を増やさず受注量を増やしたい」、「取引を継続的なものにシフトしたい」、「受注できる仕事の幅を増やしたい」と願うWeb制作会社のためのCMSです。Webへの投資の費用対効果を最大化させたいサイトオーナーにもオススメです。オープンソースライセンスで公開、配布しているので一切が無料です。サポートが必要な場合にのみ、有償でサービスを受けることも可能です。
提供元 | 株式会社Brassica |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 無料 |
機能・特徴 | 目的に合わせて柔軟に形を変更、機能拡張(カスタマイズ)を本体と独立して実行、バージョンアップが容易、充実したサポートなど |
URL | 公式サイト |
Joomla!
Joomla!はWordPressと双璧をなす人気のオープンソース型CMSです。
Webサイト全体の9%となる、約200万のアクティブなWebサイトに導入されており、世界中の中小企業、政府、非営利団体にて、大規模組織のコンテンツを構築、編成、管理、公開するために使用されています。多くのユーザーコミュニティが形成されているため、質の高いテーマやプラグインを探しやすいメリットを持つうえ、豊富なカスタマイズ性と高度なセキュリティで信頼性が評価されています。
提供元 | Open Source Matters, Inc. |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 無料 |
導入実績 | ダウンロード数1億4,300万回以上 |
機能・特徴 | 検索エンジンに優しい、モバイルフレンドリー、無制限のデザイン、多言語対応、柔軟かつ完全に拡張可能、マルチユーザー権限レベルなど |
URL | 公式サイト |
EC-CUBE
2006年に日本発のECオープンソースとして生まれたEC-CUBEは、サイト構築に特化したオープンソース型CMSで、オンラインショップを手軽に開設できます。決済機能をはじめ必要な機能が整っているうえ、無料で利用できる範囲は広いため、中小規模の事業者におすすめです。全国の制作会社・SIer・決済会社・ホスティング企業とのパートナーシップと、オープンソースコミュニティの共助の精神により、モールやASPでは実現できない35,000店舗以上のオリジナルのECサイトを創り出しています。
提供元 | 株式会社イーシーキューブ |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | GPLライセンス:無料 ※商用ライセンス別途。26万4,000円(税込) |
導入実績 | ダウンロード数180万突破 |
機能・特徴 | ページ管理、フリーページ作成、ブロック機能、テンプレート機能、SEO管理、スマホ専用サイト機能、プラグイン機能など |
URL | 公式サイト |
microCMS
microCMSはAPIベースの日本製ヘッドレスCMSです。構築が非常に簡単で、運用コストを最小限に抑えられるのが特徴です。
APIを介してWebサイトにコンテンツを配信する形式なので、プログラミングスキルがあれば無料で本格的なWebサービスを作ることができるでしょう。管理画面では、編集者にもわかりやすい直感的な操作が可能なうえ、データ取得を行うAPIは開発者向けに最適化されています。
提供元 | 株式会社microCMS |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
|
導入実績 | 8,000社以上 |
機能・特徴 | ヘッドレスCMS、テキストフィールド、リッチエディタ、画像、ファイル、日時、真偽値、複数コンテンツ参照、拡張フィールドなど |
URL | 公式サイト |
ジンドゥー
ジンドゥーはオープンソース型のCMSながら、非常に洗練された操作性やマニュアルを完備しています。無料版でも基本的な機能をフル活用できるため、Webサイトや企業向けグループウェアなどの構築に適しています。また、AIを活用した「ジンドゥーAIビルダー」というプロダクトを駆使すれば、更なる工数の簡素化を実現できるでしょう。
提供元 | 株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | ■AI ビルダー PLAY:無料 START:990円(税込)/月 GROW:1,590円(税込)/月 ■クリエイター FREE:無料 PRO:1,200円(税込)/月 BUSINESS:2,600円(税込)/月 SEO PLUS:4,250円(税込)/月 PLATINUM:5,330円(税込)/月 ※金額は12カ月の契約期間時の月額換算 |
導入実績 | 3,200万以上のサイト |
機能・特徴 | 常時SSL対応、お問い合わせフォーム、モバイル最適化、画像ライブラリ、ネットショップ、ブログ、ファイルダウンロードなど |
URL | 公式サイト |
Concrete CMS
多くのCMSは、システム開発者のニーズとコンテンツ編集者のニーズのどちらかに偏っています。使いやすさとカスタマイズ性、両方のニーズを満たすCMSはないのだろうか?Concreteは、そんな疑問から生まれました。
プログラミングの知識なしに、誰にでも簡単に、かつ安心してコンテンツの編集ができる操作性を完備しつつも、プログラマに大きな自由を与える拡張性の高いシステム設計が可能です。さらに、エンタープライズ用途に耐える豊富な機能を搭載したConcreteは、あらゆるWebサイトの構築に最適なパッケージと言えます。
提供元 | Concrete CMS Japan Users Group & PortlandLabs, Inc. |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 無料 |
機能・特徴 | 編集モード、バージョン管理&ロールバック機能、1段階の承認フロー、 インターフェースの複数言語対応、モバイルプレビュー機能など |
URL | 公式サイト |
Ameba Ownd
Ameba Owndは手軽にWebサイトが作成できるクラウド型CMSです。初心者に寄り添ったガイドが用意されているのが大きな強みです。
アメーバブログで培ったノウハウを基に、ホームページを作成するために必要な機能を全て揃えたCMSとして、自分オリジナルのホームページ、ブログ、メディアを簡単に作成できます。スマホサイトにも完全対応してあるので、手軽に導入できるCMSとして強い存在感を発揮しています。
提供元 | 株式会社サイバーエージェント |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | ベーシック:無料 プレミアム:960円(税込)/月、9,600円(税込)年 |
機能・特徴 | ブログ機能、ソーシャルメディア連携表示、デザイン編集、商用利用OK、SEOにも強い、ブログ引越し、EC機能、アクセス解析など |
URL | 公式サイト |
無料で使えるCMSを導入するメリット
無料で使えるCMSには、費用を大幅に抑えられるなど、さまざまなメリットがあります。以下に主なメリットを紹介します。
導入〜運用にかかる費用を抑えられる
無料のCMSは、システム自体に費用がかからないことが最大の魅力です。
有料のCMSを利用した場合と比べると、導入から運用に至るまでにかかるコストを大きく抑えられます。クラウド型のCMS以外では、サーバーを自社で用意する必要のあるものの、有料のCMSにかかる費用と比べれば微々たる金額に納められるでしょう。
カスタマイズ性が高い
無料のオープンソース型CMSは、ソースコードを自由に編集できるため、Webサイトのデザインや機能を自在にカスタマイズできる強みがあります。
つまり、技術や知識さえあれば、どんなことでも実現できることが無料のオープンソース型CMSの特徴です。また、無料のクラウド型CMSの場合でも、プラグインが豊富に提供されているものであれば、ある程度はカスタマイズ性を確保できるでしょう。
▷はじめてのCMS構築完全ガイド|構築方法や進め方・費用相場などを簡単に解説
無料で使えるCMSを導入するデメリット
無料のCMSには注意すべきデメリットも存在します。
主なデメリットを以下に説明します。
メンテナンス・トラブル時のサポートが得られない
無料のオープンソース型CMSでは、メンテナンスやトラブル発生時にベンダーからの技術サポートは原則として期待できません。全てが自己責任となるので、技術面に自信がない場合は別の選択肢をとるほうがよいでしょう。また、無料のクラウド型CMSでも、無料プランの場合では技術サポートが制限されていることがあります。つまり、無料のCMSを選択するならば、トラブル時の対応をあらかじめ準備しておくことが必要不可欠となります。
CMSの専門的な知識が必要
無料のオープンソース型CMSを最大限に活用するには、ソースコードを編集するなどのプログラミング知識がある程度必要となります。
HTMLやCSS、場合によってはPHPなどの言語に対する理解が求められ、初心者にとってはハードルが高いかもしれません。ある程度はプラグインなどで補うことも可能ですが、将来的には専門知識が求められることを覚悟しておくとよいでしょう。
セキュリティリスクがある
無料のCMSやプラグインは極めて便利ですが、セキュリティ面での脆弱性を持つものも少なくありません。
特に、更新が止まったプラグインでは定期的なアップデートやセキュリティパッチが適用されず、サイバー攻撃のリスクが飛躍的に高まります。使用するプラグインの選定には慎重を期し、セキュリティ対策を怠らないようにしましょう。
無料で使えるCMSを上手に使いWebサイトの運用に役立てよう
無料で利用できるCMSには一長一短があり、メリット・デメリットを十分理解したうえで、適切に運用していく必要があります。必要に応じて無料CMSを上手に活用し、コストを抑えたWebサイトの運営を目指してみてはいかがでしょうか。
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