受発注システムの市場規模について|拡大している背景やデジタル化しないリスク

2024/02/08 2024/02/08

受発注管理システム

受発注システムの市場規模

電話やFAXなどによるアナログな受発注業務をデジタル化する「受発注システム」。働き方の多様化の観点からも注目されている受発注システム市場は、現在どのような状況なのでしょうか。本記事では、受発注システムの市場規模を、拡大の背景やデジタル化しないリスクと併せて解説します。

受発注システムの市場規模

受発注システムとは、受注・発注に関するさまざまな業務をデジタル化し、一元管理するためのシステムです。受注・発注業務には、見積りや注文書の作成、契約締結、納品など、多くの工程が含まれており、手間がかかります。そこで、受発注システムを活用することで、煩雑な作業を自動化し、業務効率を高めることができるのです。

受発注システムは、製造業や小売業をはじめ、幅広い業界で導入されています。特に近年、受発注システムの市場は拡大傾向にあり、注目が高まっているようです。

それでは、受発注システムの市場は、実際にはどれほど拡大しているのでしょうか。規模感を掴むヒントとなるのがEC市場の動向です。今や生活に根ざしたECですが、ECサイトを運営するには受発注システムの導入が欠かせません。そこで、ECの市場規模の現状をBtoB分野、BtoC分野に分けて見ていきましょう。

BtoB分野のEC市場規模

まずはBtoB分野におけるEC市場規模の現状を見てみましょう。

経済産業省の「令和4年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」によると、2022年のBtoB分野におけるEC市場規模は、前年比12.8%増の420兆2,345億円。EC化率は前年比1.9ポイント増の37.5%となったことが示されています。

企業が新型コロナウイルスによる打撃を受けた2020年は、一時的にEC市場規模が縮小しました。しかし、2021年以降は再び規模が拡大。2018年の市場規模が344兆2,300億円、EC化率が30.2%だったことと比べても、約5年間で市場規模、EC化率ともに増加傾向にあることがわかるでしょう。

[出典:経済産業省「令和4年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」]

BtoC分野のEC市場規模

続いて、BtoC分野におけるEC市場規模を見ていきます。

同じく経済産業省の「令和4年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」によると、2022年の物販系分野のEC市場規模は、前年比7,132 億円増の13兆 9,997 億円・EC化率は前年比0.35ポイント上昇の9.13%となりました。特に、新型コロナウイルスによって外出制限などが行われた2020年を機に市場は大きく拡大。物販系分野におけるEC市場の規模は、右肩上がりとなっています。

また、サービス系分野におけるEC市場規模は、前年比1兆5,053億円増の6兆1,477億円。前年と比べて32.43%増加し、大幅に拡大していることがわかります。ただし、デジタル系分野におけるEC市場規模は2兆5,974億円で、前年比マイナス1,687億円と減少に転じました。

分野によって増減はあるものの、物販系・サービス系・デジタル系の3分野を合計した国内BtoC分野における市場規模は、前年比2兆499億円増の22兆7,449億円。2013年の市場規模が11兆1,660億円だったことと比較しても、約10年の間で市場規模が大幅に拡大したことが見て取れます。

[出典:経済産業省「令和4年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」]

このように、ECの市場規模はBtoB分野、BtoC分野のいずれも拡大傾向にあります。これに伴い、注文を迅速に処理し、効率よく商品やサービスを届けるための受発注システムの導入も広がりを見せていると考えることができるのです。

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受発注システム市場の拡大が予想される背景

ここまではEC市場の動向をヒントに受発注システムの市場拡大について見てきました。EC市場と受発注システムは確かに切っても切れない関係にありますが、受発注システムが導入される理由はそれだけではありません。取引形態や働き方の変化にも注目する必要があるのです。

従来の受発注は、主に電話やFAXを利用したアナログな業務でした。一方、現代のビジネス界はデジタル化が進み、受発注業務においてもシステムによる自動化が推進されています。

そこで、受発注システムの市場が拡大している背景としては、特に以下の要因が考えられます。

  • Web上での取引需要が高まっているため
  • 業務の効率化が推進されているため

それぞれの背景を詳しく見ていきましょう。

Web上での取引需要が高まっているため

受発注システムの市場規模が拡大している背景の1つに、企業と顧客の双方においてWeb上での取引需要が高まっていることが挙げられます。

一昔前までは、取引先とのやりとりは電話が基本であり、見積書や請求書の送付にはFAXが使われていました。しかしこの方法では、取引先や取り扱い商品が増加するにつれて、従業員の業務負担が大きくなります。そこで、受発注業務のデジタル化が注目されるようになりました。煩雑な受発注業務をデジタル化することで、人件費の削減や人手不足解消の効果を期待できるため、システムを介したWeb上での取引需要が高まっているのです。

また、特に近年はリモートワークが普及したことで、出社しなくても受発注業務を遂行できる体制の構築が急務となりました。Web上での取引であれば、電話やFAXと異なり、時間や場所を気にせずに受発注を行ったり、状況をリアルタイムで確認をしたりすることが可能です。新たな働き方に対応していくためにも、Web上での取引需要は今後さらに拡大すると予想されます。

業務の効率化が推進されているため

働き方改革の流れに伴い、業務の効率化が推進されています。これまでの受発注業務は管理工数が多いだけでなく、取引先の都合に左右されることもあるなど、効率面での課題がありました。さらに、企業の規模が拡大するにつれ受発注業務も増加し、従業員の負担は増加の一方だったのです。

そこで、業務効率化を目指して受発注システムの導入が進められるようになりました。受発注システムによってデータをWeb上で自動管理すれば、業務の効率化が見込めます。また、作業工程の短縮によって従業員の働き方の改善や生産性の向上を実現できるため、組織課題の解消にも効果的です。

受発注システムによる自動化のメリットは業務の効率化だけでなく、人手不足の解消や人的ミスの防止という面にも表れます。煩雑な受発注業務を手作業で行う必要がなくなり、入力ミスなどを削減することができるためです。

さらに、空いた時間や人員を、より重要なコア業務へ投入することも可能となります。従業員がコア業務に集中できれば、事業の成長速度が加速し、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

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受発注業務をデジタル化しないリスク

一方で、受発注業務をデジタル化しないままでいることには、どのようなリスクがあるのでしょうか。特に深刻なリスクとして、以下の3つが挙げられます。

  • 取引の機会を損失する
  • コストダウンの機会を損失する
  • 業務効率化の機会を損失する

それぞれ詳しく説明します。

取引の機会を損失する

受発注業務をデジタル化しないままでいると、取引機会の損失につながるリスクが高まります。

受発注システムを活用する企業は年々増加しており、アナログ業務が次々とデジタル化されています。デジタル化を進めている企業にとっては、アナログ対応のままの企業よりも、デジタルに対応をしている企業のほうがやりとりが楽です。そのため、アナログ対応の企業とのやりとりは面倒だと感じ、取引を避けられてしまう可能性が高まります。

取引先だけでなく、顧客にとってもデジタル対応の企業のほうが好都合でしょう。受発注システムを導入していれば、顧客は24時間いつでも注文が可能です。「今買いたい」という顧客のニーズに対応できれば、取引機会を逃す可能性を減らせるでしょう。また、受発注システムによって迅速かつ正確な管理を実現できるため、顧客満足度も高められるはずです。

社会的にも、デジタル化が進んでいる企業は「先進的な取り組みをしている」という好印象を受けるため、企業のイメージアップにもつながります。

コストダウンの機会を損失する

受発注システムを導入しないリスクとして、コストダウンの機会損失も考えられます。

受発注システムには導入のための初期費用や月々の運用コストが発生します。しかし、システムを活用することで従業員の業務負担が減り、残業時間や人員の削減が可能に。人件費のコストダウンという大きなメリットを得ることができます。

またWeb上で取引管理ができるため、紙媒体での資料保管やFAXの運用が不要になります。したがって、印刷代や用紙代も削減できるでしょう。

以上のように、長期的に考えると、受発注システムの導入はコストダウンにつながる可能性が高いのです。

業務効率化の機会を損失する

受発注システムを導入せずにいると、実現可能な業務効率化を達成できず、組織の課題解決が遅れてしまうかもしれません。

受発注業務の内容は多岐にわたりますが、デジタル化が可能な工程は多くあります。たとえば、単純なデータ入力や分析などは、必ずしも人の手で行う必要はなく、システムでの自動化が可能です。

従業員が膨大な受発注業務をすべて手作業で行わなければならない場合、時間がかかるだけでなく、人的ミスが発生する恐れもあります。スピーディーなやりとりができないことやミスが発生するといった事態は、取引先や顧客からの信頼損失にもつながりかねません。

そこで受発注システムを導入し、迅速で正確な業務の遂行を目指す必要があるのです。企業全体の生産性向上も見込まれるため、組織としての成長にもつながるでしょう。

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受発注システムを積極的に導入しよう

本記事では、受発注システムの市場規模について解説しました。EC市場規模はBtoB分野、BtoC分野ともに拡大しており、今後もさらに普及していくことが予想されます。受発注システムは、業務の効率化やコスト削減など、企業が抱える課題の解決につながるツールです。ぜひ、積極的に受発注システムを活用し、事業の拡大を目指しましょう。

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