PBXとCTIの違いとは?仕組みや機能・連携メリットをわかりやすく解説

最終更新日時:2022/12/23

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PBXとCTIはそれぞれ役割が違います。また、連携することでさらなる業務効率化を図ることが可能です。本記事では、PBXとCTIの違いや仕組み、機能や連携することのメリットを詳しく解説していきます。導入をお考えの方は参考にしてみてください。

PBXとCTIの違いとは

コールセンターなどで利用されるPBXとCTIには、どんな違いがあるのか疑問に感じている人も多いのではないでしょうか。PBXとCTIでは機能や役割が異なります。

しかし、双方を連携することで、業務の効率化も可能です。2つの違いを知るために、それぞれについて詳しく確認していきましょう。

PBXとは

PBXとはPrivate Branch eXchangeの略で、電話の構内交換機のことです。外線からの接続を管理・制御する機能や、内線同士を無料でつなげたりするシステムのことを指します。PBXには、以下のような機能が搭載されています。

  • 外線の発信
  • 着信の制御
  • 内線同士の通話機能
  • 代表番号着信機能
  • 転送機能
  • ダイヤルイン機能

PBXはCTIと連携することで顧客管理の効率化が図れます。

CTIとは

CTIとは、Computer Telephony Integrationの略で、電話とコンピューターを連携する技術やシステムのことです。電話とコンピューターを連携させることで、インバウンドなど多くの顧客から受信する電話の内容や、情報の管理ができます。主な機能は次の4つです。

  • ポップアップ機能
  • 録音機能
  • 着信履歴表示
  • 電話制御

この他にもCRMとの連携による顧客情報の管理、SFAの自動入力などの機能が搭載されたシステムもあります。

PBXはCTIに統合されるシステムの1つ

PBXは電話の着信・転送・保留の制御を行うものです。CTIは単体で利用するシステムではなく、複数のシステムを連携させる役割を持っています。

つまり、PBXはCTIによって統合されるシステムの1つです。CTIを通してSFAやCRMなどと連携することにより、コールセンターのシステムが構築されます。

PBX・CTIの仕組み

PBXとCTIはそれぞれ役割が異なり、利用する目的も違います。2つのシステムはどのような仕組みになっているのか、具体例を挙げながら詳しく解説します。

PBXの仕組み

PBXは、オフィスやコールセンターなど社内に敷かれた複数の電話回線を集約する仕組みです。

さらに、外線と内線の接続を制御したり、内線同士の接続を行ったりすることで、回線の混乱や不具合を防ぐことができます。PBXには3つの種類があり、それぞれの特徴は次のとおりです。

種類概要特徴・メリット
レガシーPBXオフィスにPBXを設置し電話線を利用する交換機

  • インターネット回線がなくても内線と外線を利用できる
  • サーバーダウンや停電の影響を受けにくい
IP-PBXIPネットワークを利用して通話が行える電話交換機

  • 工事が不要
  • IP網を使うためPCとの連携性が高い
クラウドPBXクラウド環境で利用するPBX

  • 移転や拡大にも対応可能
  • PCやスマートフォンとの連携性に優れている

クラウドPBXの事例として挙げられるのが、テレワークへの対応です。コロナ禍において急速に推進されたテレワークでは、「電話対応のために出社しなければいけない」という課題が多く見受けられました。

クラウドPBXを導入することで、在宅での電話応対が可能になり、スマートフォンを内線化できるようになります。

電話対応のための出社や、コールセンターの出勤人数確保などが不要になり、業務の効率化や働き方改革を推進できるのです。

CTIの仕組み

CTIの仕組みは、電話・PC・FAX・CRMなどを連携させることです。PBXと電話端末を連携し、CTIでPCや外部機能と連携させることで、PCを使った通話が可能になります。

コールセンターなど、顧客から多くの電話を受信する業務では、CTIを利用することでPCとヘッドセットのみで電話対応ができるシステムを構築できます。

CTIの導入の具体例として、一番わかりやすいのが通販のコールセンターです。CTIを導入し、PBX・PC・CRMと連携することで、電話番号の記録、注文内容の入力、顧客の注文履歴やクレーム有無の確認などが一度に行えます。これにより、業務の効率化や顧客満足度の向上が図れるのです。

PBXの主な機能

ここでは、PBXに搭載されている主な4つの機能についてご紹介します。

1.発信・着信の設定

PBXは、発信・着信の設定が可能です。代表番号だけではなく、部署の直通電話番号の管理や、内線と外線の紐づけが可能です。

部署ごとの直通番号と内線電話を紐付けすることで、外部から直通番号にかかってきた電話を、部署へ直接つなぐことが可能です。また、内線電話機から外部へ架電する際に、直通番号を相手側に表示できます。

2.内線の通話・転送

PBXには内線電話機同士の通話や転送を行う機能があり、外部から受けた電話を内線電話機を通して担当者へ転送できます。

また、内線電話機同士での通話もできます。担当者の不在や話し中の際には、他の内線電話への転送も可能です。

3.各端末への転送

社内の内線電話だけではなく、社員のスマートフォンなどの端末へ電話を転送できる機能が搭載されたPBXもあります。

外出している営業担当者宛ての電話をスマートフォンへ転送できるので、顧客とのスムーズなコミュニケーションが実現するのです。

また外出先から会社へ連絡する際も、内線電話として扱われるため、通話料が発生しないというメリットもあります。

4.保留の引き継ぎ

保留の引き継ぎもPBXの機能の1つです。

通常は受けた電話でしか保留後の対応ができませんが、PBXでは保留をした電話以外でも電話対応が可能です。

担当者ではない社員が受電した場合でも、一旦保留して担当者へ引き継げるので、相手を待たせることなく速やかに通話が再開できます。

CTIの主な機能

次にCTIの主な機能を4つ確認していきましょう。

1.CRMシステム

CRMとは顧客情報を一元管理するシステムのことです。CTIとCRMを連携することで、電話がかかってきた際にPC画面に顧客情報を表示できるようになります。

CRMで蓄積されている顧客データと電話番号を紐付け、該当する顧客の購入履歴や過去のやり取りが即座に確認できるのです。これにより、顧客対応がよりスムーズになります。

2.録音機能

CTIには会話の録音機能が搭載されており、電話対応の品質向上を目的としてオペレーターの研修や教育への活用が可能です。

また、クレームの対応において、オペレーターの対応は適切だったか、認識の違いがないかなどの確認ができます。

3.着信履歴の管理

CTIは着信履歴をリスト化して管理することも可能で、電話が混雑した際などに活用できます。

電話が混雑していたため対応できなかった電話に対して、改めて架電するなどのフォローが可能です。

4.着信の割り振り

CTIの導入により着信の割り振りが可能になります。コールセンターでは、多くのオペレーターが電話対応を行いますが、どうしても対応力の高いオペレーターに負担がかかります。

CTIを活用して着信を割り振れば、特定のオペレーターへの偏りが防げるのです。

PBXとCTIを連携するメリット

PBXとCTIを連携することで得られるメリットは、大きく2つあります。詳しく解説していきましょう。

1.大規模の連携が可能になる

大規模なコールセンターでは、大量の電話機を使用し、回線の数も膨大です。

そのため、PBXだけでは顧客情報を管理しきれません。

オペレーターが顧客情報を一から確認したり、着信の割り振りができずに、特定のオペレーターに負担がかかったりしてしまうのです。

大規模なセンターでも、CTIによってPBX・SFA・CRMなどを連携させることで、オペレーターの負担を大幅に軽減できます。業務を効率化できるため、生産性の向上にもつながるのです。

2.録音機能によるトラブル防止

クレーム対応や受注ミスなどは、会話内容が可視化できず、第三者による評価できないことが課題でした。PBXとCTIを連携することで、録音機能が活用できます。

これにより、「言った言わない」の水掛け論の防止が可能です。

さらにCTIとCRMを連携させることで、顧客情報が一元化され、問い合わせの履歴やクレームの処理方法なども管理・確認できるようになります。

録音機能により、大きなトラブルへ発展するのを防げるのです。

PBXとCTIの役割・違いを把握して連携しよう

PBXとCTIは、根本的な機能や役割が異なります。違いを理解し、双方を連携することで、業務の効率化が図れます。これにより、社員の負担軽減や顧客満足度の向上につながるのです。

PBXやCTIを導入する際には、複数のサービスを比較して、それぞれの特徴を理解することが大切です。

既存システムとの連携なども含めて、導入するサービスを検討しましょう。

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ビズクロ編集部
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