PBXと混同するMDF・IDF・EPSとは？それぞれの意味や役割を解説

PBXとは

PBXとは、「Private Branch Exchange」の略で、電話交換機のことです。自社内の電話機を効率よく利用できるようにするため、オフィスやコールセンターなどによく設置されています。

PBXの役割

PBXの役割は、複数の電話回線を集約し外線と内線の接続や内線どうしの接続を制御することです。

PBXが社内に独自の通話網を作り、複数拠点の内線網を繋ぐことで複数拠点間で無料の内線通話も可能にします。

また、電話対応業務を効率化できるさまざまな機能があります。たとえば、代表番号宛の着信を事前に登録したグループの電話機に繋ぐ代表番号着信機能や、保留した通話を他の電話機で再開できるパーク保留機能があげられるでしょう。

PBX1台で数千台の電話機を接続できるのが特徴であり、パソコンなどとも連携が可能なため、社内の業務効率化に役立てられます。

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PBXの種類

PBXの種類は、「IP-PBX」「クラウド型PBX」「レガシーPBX」の3種類です。ここでは、それぞれのPBXについて解説します。

IP-PBX

IP-PBXは、インターネット回線を利用して内線システムを構築するPBXです。

通信環境の良いIP電話を利用できるのがメリットとしてあげられます。また、スマートフォンやパソコンも電話機として使用可能です。

拠点ごとにPBXを設置する必要がないため、大幅にコストカットできます。また、簡単に機能の拡張ができ、通話の録音やビデオ通話などの機能も利用可能です。

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クラウド型PBX

クラウド型PBXは、クラウド上のPBXを利用し、インターネット上で内線や転送などの電話機能を使用できるPBXです。装置の設置やソフトウェアをインストールせずに利用できるので、導入の手間やコストを削減できます。

クラウド型PBXは、インターネット環境さえあればどこからでも内線通話が可能です。また、電話機だけではなく、スマートフォンやパソコンなどさまざまな端末から利用できます。

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レガシーPBX

レガシーPBXは、従来型のPBXのことです。社内に専用装置を設置して電話線同士を接続し、内線システムを構築します。

インターネットに接続しないため、インターネット回線の影響を受けにくく、セキュリティ性にも優れているのがメリットです。

ただし、導入費用やメンテナンス費用といったコスト面での負担が大きく、電話線が引かれていない場合は工事する必要があるのもデメリットです。

MDFとは

MDFとは「Main Distributing Frame」の略で主配線盤のことを指します。

電話局やオフィスビル、集合住宅など、集合施設のそれぞれの電話回線やインターネット回線をすべて収容し、一括管理するための集線盤のことです。

MDFの役割

MDFの役割は、集合施設の通信回線を整備することにあります。

集合住宅やオフィスビルの入居者が、それぞれ異なる通信回線を各自で引き回してしまうと、配線が非常に複雑になってしまいます。このような事態を防ぐためにMDFが必要となるのです。

また、通信回線をMDFで一括管理することで、接続状態の変更などのメンテナンスがしやすくなります。ビルの1階の共用部や管理人室に設置されていることが多い装置です。

IDFとは

IDFとは「Intermediate Distribution Frame」の略で中間配電盤のことです。

主に回線契約者の多い、規模の大きい建物に各階ごとなどの単位で設置されており、小規模の建物には設置されていない場合もあります。

IDFの役割

IDFの役割とは、MDFと各テナントの間に設置し通信回線を中継することです。

通信回線全体を統括するMDFに対して、IDFは各フロアごとなど部分ごとに管理しています。回線の増設の際にはIDFから配線すれば済むため、MDFから引き回す手間を省けるのがメリットです。

EPSとは

EPSとは「Electric Pipe Shaft/Space」の略で電気配線シャフトのことです。

電気や通信などの配線や配管を通すために、建物の最上階から最下階までフロアをまたいで設けられた縦穴を指します。主に、電気室の真上に設けられていることが多い空間です。

EPSの役割

EPSの役割は、分電盤やMDFから各階に電気・通信回線を引き回すことです。

各階にはEPSにアクセスできるEPS室があり、IDFが設置されています。EPS室からさらに各テナントへ配線されているため、配線工事などの際に入室することもあるでしょう。

専門用語の意味を理解してオフィスを作ろう

PBX・MDF・IDF・EPSは混同しやすいですが全く異なるものです。オフィスの環境整備において、それぞれが重要な役割を果たしています。

これらの専門用語は電話回線や通信回線の工事をする際に飛び交うこともあるため、きちんと意味を理解し、快適なオフィス環境を構築しましょう。