生産性向上の成功事例5選!事例から学ぶ企業が実施すべきポイント

2022/8/31 2022/08/31

生産性

OUTPUTの文字と成果や生産性のイメージ

働き方改革や人手不足に対する対策が進められている中、「生産性向上」はビジネスシーンにおいて、よく耳にするキーワードではないでしょうか。そこで本記事では、そんな生産性向上について、組織の取り組みを成功へと導くポイントを、成功事例を交えて解説していきます。

生産性向上とは?

「生産性向上」が重要視され始めた社会背景を知る前に、その言葉の意味を確認しておきましょう。

生産性向上の意味

生産性向上とは、投じた資源に対して得られる成果を上げる取り組みを指します。

業務効率化と混同されることも少なくありませんが、主に作業のムダやムラを減らす業務効率化は、生産性向上を達成するための一つの手段であると考えると良いでしょう。

つまり、作業内容や方法を見直し、それらを効率化・改善することによって、同一資源のもとで、より多く、かつ、より質の高い成果を生み出すことが生産性向上です。

実際に企業は生産性向上に取り組んでいるのか?

ソフトウェア開発などを展開する企業が実施した調査では、過半数に近い企業が「生産性向上の取り組み」を行っていると答えたものの、その効果については、約8割が「出ていない」と回答しています。

また、別のアンケートでは、9割近くのビジネスパーソンが「自分の仕事の生産性を高める必要がある」と回答しており、これらのことから企業・個人のいずれにおいても「生産性」を重要視する意識はあるものの、なかなか成果につながっていない現状を見てとることができます。

生産性向上が必要とされている背景

「生産性向上」が、かつてないほどに関心を集めている要因としては、慢性的な人手不足のほか、働き方改革による長時間労働の是正や健全な労働環境を確保するための業務効率化の必要性が高まった点が挙げられます。

そのほかにも、労働者1人あたりが1時間に生み出す成果を金額に換算した「労働生産性」において、(公財)日本生産本部の発表によれば、2020年の日本の時間あたりの労働生産性である約5,086円は、OECD加盟国38か国内の23位に位置しており、米国の6割程度にしか満たないといった結果が出ています。

この日本の労働生産性の低さは、ひいては「競争力の低迷」に影響を及ぼすことが懸念されており、企業の「競争力」を向上させるには、生産性向上の取り組みが必要不可欠であると考えられているのです。

生産性向上の実現に向けてできる4つの対策

では、生産性向上の実現に向けて、企業が行える施策にはどのようなものがあるのでしょうか?

ここでは、「ITツールの導入」、「従業員のスキルアップ」、「業務の可視化」、「アウトソーシングの導入」の4つについて詳しく解説していきます。

1.ITツールの導入

ITツールの導入には、作業の自動化による人的リソースの最適化、業務品質の標準化、人的ミスの削減といったメリットがあります。これらのメリットは、いずれも「生産性向上」に大きく貢献するものとなるでしょう。

近年では、テレワークの実施を機にITツールを導入する企業も増加していますが、これらのツールは、初期費用やランニングコストが発生します。そのため、「コストに対してどれだけの利益を見込めるか」を冷静に見極める必要があります。

2.従業員のスキルアップ

従業員のスキルアップによる生産性向上も欠かせない施策の1つです。スキルアップを正当に処遇へと反映することのできる評価基準や資格取得を支援する制度を設けるなどの施策を積極的に取り入れましょう。

ただし、従業員一人当たりの生産性が伸び悩む要因は、スキル不足だけではありません。特に、マネジメントを行う立場であれば、仕事に対するモチベーションの低さも生産性を左右する要因となり得ることを認識しておく必要があります。

定期的な1on1などのミーティングを実施し、キャリアパスや自身の希望と現状の業務のマッチ度を確認しましょう。

3.業務の可視化

誰が、いつ、どのような業務を行っているのか、チーム全体の業務を可視化することも生産性向上が期待できる取り組みです。

業務の可視化は、まず全てのタスクを洗い出すことから始めます。この工程ですでに「廃棄」可能な業務、つまり必要のない作業が見える化されることも珍しくはありません。

タスクの洗い出しが終わったら、それぞれのタスクの優先順位を整理し、チーム全体で各人の業務状況が把握できる仕組みを構築しましょう。

一般的には、タスク管理ツールなどを用いて行うのがおすすめです。また、それぞれにどれだけの業務を抱えているかがわかるようになれば、業務量の偏りによるボトルネックの解消などもしやすくなるはずです。

▷チームのタスク状況をひと目で見える化「タスク管理ツール|Jooto

4.アウトソーシングの導入

アウトソーシングの導入の仕方は様々ですが、傾向としては、コア業務とノンコア業務を区別し、ノンコア業務をアウトソーシングすることで組織の人材不足を補うケースが増加しています。

ノンコア業務へのアウトソーシングの導入は、コスト面のネガティブな印象が強くなりがちですが、人的リソースをコア業務により注力できる環境は、企業の競争力の向上や新たなアイデアの創出といった、長期的な経営体制の強化につながるメリットを見込むこともできます。

生産性向上の成功事例5選を紹介

ここからは、実際に生産性向上に成功した企業の取り組み事例を紹介していきます。成功事例から共通するポイントを把握し、自社の生産性向上に活用していきましょう。

成功事例1.会議時間と実施方法の改革

電子基板などを手掛ける大洋工業は、会議の実施方法を改善することで生産性の向上に成功しています。同社では「会社は、いつの日も楽しく健康的に働ける場所でなければならない」という理念のもと、ムダの多い会議のあり方に着目しました。

「17時以降の会議禁止」、「所要時間は45分」、「起立会議」といった会議改革の取り組みを実行し、月の平均所定外労働時間を約10時間削減することに成功しています。

成功事例2.作業内容のマニュアル化

ECを用いて靴の販売を行うザカモアは、マニュアルの運用によって生産性向上に成功した企業です。

同社では、受注業務における新人教育の効率悪さが課題となっていました。そこで、受注工程の全ての作業を洗い出してマニュアル化し、チェックリストを確認しながら作業を完遂できる仕組みを構築。また、効率化を意識し、作業中にマウスとペンを持ち替える手間が発生しないよう、紙ではなくタブレットでチェックできる環境を整えました。

これらの取り組みにより、独り立ちに約1年ほどを要していた受注業務の新人教育が、約1週間ほどで即戦力として活躍できる環境を実現しています。

成功事例3.本社に業務を集約

石油ファンヒーターの製造販売などを展開するダイニチ工業では、従来、そのエリアを担当する各営業所で対応していた「お客様対応」を、本社のコールセンターへと集約することで、生産性の向上を図っています。

必要な場合のみ各営業所へと対応を割り振ることで、通常少人数で稼働している営業所社員の負担を軽減。営業所社員の残業時間の軽減や有給休暇の取得促進といった労働環境の改善などの成果を上げています。

成功事例4.アウトソーシングの利用による電子化

設備メーカーのサポート部門において、点検・修理に関する報告書をアウトソーシングによって全て電子化し、閲覧性や検索性を上げることで生産性を向上した事例もあります。

このようなデータの電子化は、カスタマーサポートに重きを置く企業での採用事例も多く、閲覧しやすい環境は、スムーズな顧客対応にも生かされています。

成功事例5.繁盛期のみの派遣社員の活用

繁忙期のみ派遣社員を受け入れることで、コストと生産性を両立している企業も少なくありません。

業務とマッチ度の高いスキルを持った派遣社員の起用は、当該業務の生産性が確保できるだけでなく、新人教育の手間の軽減にもつながります。

生産性向上を成功させた企業に共通するポイント

生産性向上を成功させる取り組みには、業務にマッチしたITツールの導入、実際に業務にあたる従業員のスキルアップ、必要に応じたリソースの投入など、「現場が主体となった取り組み」という共通点があります。

そのため、成果の上がる生産性向上の取り組みに向けては、従業員への丁寧なヒアリングによる課題の洗い出しが必要不可欠となるでしょう。実務にあたる担当者でなければわからないムリもあれば、フレッシュな視点だからこそ気づけるムダもあります。トップダウンにより、頭ごなしに「生産性向上」を命じるのではなく、まずは現場の意見に耳を傾けることが大切です。

生産性向上の成功事例に共通するポイントを押さえておこう

生産性の向上は、適切な労働環境の確立、人手不足の解消、競争力の維持といった、企業活動を行う上で、重要な課題に関わる役割を持った取り組みです。

生産性の向上に成功した企業の共通点である「現場主体」の取り組みを、まずは従業員へのヒアリングによる課題の洗い出しから実行し、生産性向上の取り組みへとつなげてみてはいかがでしょうか。

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