労働生産性を向上させる6つの施策とは?企業の取り組み方法も解説

2022/8/24 2022/08/24

生産性

労働生産性向上に向けた改善策のイメージ

働き方改革により労働生産性が改めてビジネスにおいて注目されており、企業は生産性を高める対応が求められています。具体的にどのような方法なら労働生産性を上げることができるのでしょうか。本記事では、労働生産性を向上させる施策と取り組み方法を解説します。

労働生産性とは?

まず、労働生産性の定義と算出方法について解説します。

労働生産性の定義

労働生産性とは、ヨーロッパ生産性本部で「生産性とは、生産諸要素の有効利用の度合いである」と定義されています。原則として、同じ成果であれば、投入した労働力は少ない方が利益は大きくなります。なぜなら、労働力が少なければ人件費などの必要なコストも下がり、その分利益が大きくなるからです。

労働生産性以外にも、土地や設備などの資本から生産性を測る「資本生産性」や、技術進歩などで得られる生産性を測る「全要素生産性」があります。生産性を計測することは、人材や設備の投入がどれだけの効果をあげているのか数値化し、妥当性を検証する役に立ちます。

労働生産性の種類

労働生産性は、「物的労働生産性」と「付加価値労働生産性」の2種類に分けられます。物的労働生産性は、成果物を個数・大きさ・重さといった生産量、もしくは販売金額を単位として測ります。言い換えれば、「どれだけ生産できたのか」を数値化するものです。

付加価値労働生産性は、あたらしく生み出した付加価値を単位として測ります。言い換えるなら「労働によって、どれだけの新しい価値を生み出したのか」を数値化するものです。

労働生産性の計算方法

「物的労働生産性」と「付加価値労働生産性」それぞれの計算方法は以下のとおりです。物的労働生産性は、投入した労働力に対して、どれだけの製品や収穫物を得たかを算出します。

  • 物的労働生産性= 生産量(もしくは販売金額)÷労働者数(もしくは労働者数×労働時間)

付加価値労働生産性は、労働力を投入した結果、どれだけの付加価値を生み出せたのかを算出します。

  • 付加価値労働生産性=付加価値額÷労働者数(もしくは労働者数×労働時間)

労働生産性と業務効率の関係

労働生産性と似た言葉に業務効率があります。業務効率は労働生産性を上げるための手段で、密接な関係があります。

ここでは労働生産性と業務効率について解説しましょう。

業務効率化とは?

業務効率化とは、既存の業務内容を改善することで、労働者が成果を生み出す効率を向上させる取り組みのことです。業務効率化の方法は数多くあります。代表的なものは、仕事のプロセス内で無駄を改善することです。

業務内容を見直すと、今は不要になった作業、重複している手順など、必要のないものが見つかります。そのようなものを排除することで、短い作業時間で同じ成果を目指せるでしょう。

その他にも、新しいツールを導入して作業を自動化する、仕事を適切な人材に割り振る、などの方法があります。注意しておきたいことは、業務効率化の目的はコストの削減だということです。そのため、業務効率化前と後では、コストは小さくなっても、成果の量は変わりません。

労働生産性向上と業務効率化の違い

労働生産性向上は、投入した労働量から得られる成果の向上をはかる取り組みです。そのため、労働生産性の向上には、人件費といったコストを抑える方法と、得られる成果を増やす方法という2つのアプローチがあります。

業務効率化は、業務の無駄な部分や非効率な部分を除くことで、業務の効率を上げる取り組みです。業務を効率化することで、人件費などの必要なコストが下がります。つまり、業務効率化は、労働生産性向上のための方法の1つと言えるでしょう。

労働生産性が低くなる理由

労働生産性を向上させるには、まず労働生産性が低くなってしまう原因を見つける必要があります。考えられる原因はさまざまで、例えば以下のようなものがあります。

  • 業務手順が非効率的で、人件費などのコストがかかっている
  • 長時間労働で従業員が疲弊している
  • 従業員の動機づけができておらず、モチベーションが低い

しかし、最も大きな原因は、社内に問題点を改善する体制が整っていないことです。

労働生産性の向上には、現在の状況を記録する、問題を見つける、改善を行う、といったプロセスが必要です。そのため、多くの企業は継続的に問題が解決できるように、業務の中に改善プロセスを組み込むなどして、継続的に改善が行えるようにしています。

もしも業務改善をスムーズに行う体制が整っていないと、問題が放置される、そもそも認識されていないといった状態になりかねません。業務の効率化は個人の努力では限界があります。そのため、企業が生産性を向上させるために、問題を見つけ改善できる体制を作る必要があります。

労働生産性の向上による効果

労働生産性を向上させることは、利益が増える以上のメリットがあります。具体的にどのような効果があるのか解説します。

他社との差が生まれる

日本の労働生産性は、世界的に見れば高いとは言えません。2020年の1人あたりの労働生産性は78,655ドルで、OECD加盟国では38カ国中28位に留まっているのが現状です。

労働生産性の向上は、国内だけでなく国際的な競争力の向上にもつながります。高いパフォーマンスを上げられる企業には優秀な人材が集まり、企業がさらに成長する好循環が生まれます。ビジネスのグローバル化がすすむ現在、他社との差をつけるためにも労働生産性の向上は不可欠な要素だといえます。

[出典:公益財団法人 日本生産性本部「労働生産性の国際比較2021」]

コストを抑えることができる

労働生産性を向上させることで、必要な労働時間が減少します。従業員の労働時間が減少することで、残業代などの経費が減り人件費の節約が可能です。また、労働時間の短縮は、パソコンや機器類の電気代の節約にもつながります。

労働力不足の改善

日本では慢性的な人材不足が問題になっており、新規雇用が難しくなっています。また、人材を育成する金銭的・時間的な余裕がない企業も少なくありません。1人当たりの生産性が向上すれば、同じ人数でも生産数が増加します。これにより、現在の人員のままでも、労働力不足の改善が期待できます。

仕事と生活のバランスを保てる

労働生産性が向上すると従業員の労働時間が短くなり、残業を行う必要がなくなります。その結果、従業員は自由な時間が増え、プライベートを充実させることができるでしょう。労働環境の改善は、従業員の気力を高めモチベーションを向上させます。

労働生産性の向上における注意点

労働生産性の向上に取り組む上で、注意しておくポイントを紹介します。

生産量を上げるための労働時間の加増

生産量を上げるために、労働時間を増やすことは逆効果となります。長時間労働により成果が上がっても、生産性が向上したとは言えないので注意が必要です。

労働時間が長くなるほど、生産性は低下します。さらに、従業員が残業すると割増賃金を支払わなければなりません。つまり、生産性が落ちているにもかかわらず、コストは増加するという二重のデメリットがあります。これは労働生産性向上とは逆の考え方です。

また、労働時間の増加は、従業員の健康に悪影響を与えます。そのため、長時間労働が常態化すると、休職や退職によって人的リソースの減少を引き起こしてしまう可能性があります。生産量を増加させるためには、労働時間を増やすのではなく、生産性の向上を図る必要があると意識することが重要です。

マルチタスク化を避ける

マルチタスクは、さまざまな業務を同時に行うため、一見すると効率が良いように見えます。しかし、実際は同時ではなく、素早く作業を切り替えているだけです。

頻繁な作業の切り替えは、脳を疲弊させてしまい、かえって能率を落としてしまいます。そのため、従業員に割り当てる業務の種類は最低限に抑え、不要なものは可能な限り排除していく必要があります。

1つの施策に執着しない

労働生産性の向上にあたっては、全体を俯瞰して施策を検討することが大切です。業務を一つひとつ効率化させようとすると、視野が狭くなりがちです。1つの施策に執着してしまうと、他のことに時間を割けなくなり、効果の低い取り組みをしてしまいます。

しかし、あくまで最終的な目的は、会社全体での労働生産性の向上です。労働生産性向上のためには、最初に描いた目標に準じて、現在の施策が全体にどのような影響を与えるのかを考えなければなりません。

全体を把握するような視野に立つことで、従業員のスキルアップなど、長期的にメリットのある施策などにも気づけるようになります。

労働生産性を向上させる6つの施策

ここでは、労働生産性を向上させるために有効な施策を6つ紹介します。

1.従業員の能力向上

従業員個人のスキルアップは、全体の生産性向上につながります。そのため、企業は従業員の能力向上に努めなければなりません。

始めやすい取り組みとしては、情報共有の場を作るというものが挙げられます。従業員が互いに知識やノウハウを共有することで、従業員全体の能力向上につながるでしょう。共有の場としては、研修や勉強会、グループウェアを利用した資料共有などが有効です。

2.業務を可視化する

業務が属人化していたり、細かく分業されていたりすると、業務全体が見えにくくなってしまいます。このような状態だと、業務改善のための情報が不足し、有効な対策ができません。

業務を可視化し、社内で共有できるようにすることで、全体を俯瞰して改善案を考えられるようになります。今まで見えなかった無駄な部分を洗い出せるようになるのもメリットです。また、可視化によって他の従業員も業務内容を確認できるため、意見を募り、アイデアを生み出せるようになります。

3.業務の仕組みを作る

業務の仕組みをしっかり作ることで、効率的な業務が可能になります。業務のルールが曖昧で、手順が決まっていないと、間違いや混乱が起きてしまいます。

またやり方が個人ごとに変わってしまい、業務が属人化した状態で回るようになってしまいます。このような状態だと、ノウハウの共有が難しい、問題の発見ができなくなる、という問題が発生してしまうでしょう。

業務ルールをしっかりと決めることで、手順が固定化され、ミスや混乱が起こりにくくなります。また、仕事のやり方が共通しているので、教育やノウハウの共有もしやすくなる点もメリットです。

4.業務を外注する

業務の外注化も、労働生産性の向上につながります。外注にはコストがかかるため、生産性の向上と結びつかないと感じるかもしれませんが、外注にもメリットがあります。外注はすぐに習熟した人材に業務を任せられます。人材を社内で用意する場合は、採用や教育に時間がかかりますが、外注であればすぐに業務を開始できます。

さらに、外注では必要なところだけを依頼可能です。一時的な業務のために人を雇用すると、それ以外の仕事に人材を活用できず、無駄な人件費が発生する恐れがあります。

外注であれば、必要な分だけ発注するため、余分なコストが発生しません。適切に業務を外注することで、コストを必要最低限におさえることができます。

5.業務を自動化する

業務をうまく自動化すれば、労働生産性が大きく向上します。人件費は経費の中でも高コストなので、できるだけ人間が行う作業は少なくするべきでしょう。

もっとも手軽な自動化としては、パソコン業務の自動化が挙げられます。給与計算や勤怠管理など、人間が行うと時間がかかるものであっても、コンピュータによる計算なら一瞬です。このような業務は、自動化による大幅な効率化が期待できます。

一見すると自動化できそうにない業務でも、細かく作業を分けると、自動化できる箇所が見つかるかもしれません。単純で定型的なものは自動化がしやすいので、現在の業務を洗い出してみましょう。

6.ITツールを導入する

ITツールを導入することで、業務の質を上げることが可能です。ITツールには、さまざまな特徴があります。複雑な計算や単純な作業は、ITツールで自動化が可能です。人間であれば数時間かかるものでも、ITツールであれば数分で終わることもあります。

また、ITツールはインターネット上のクラウドや社内サーバーにデータを保存します。そのため、従業員は簡単に業務データやノウハウにアクセスできるようになります。紙の資料での保管や、口頭での伝達に比べて、情報の共有速度が圧倒的に速くなるでしょう。

さらに、ITツールなら離れた場所同士であっても、インターネットを介して高速でやり取りが可能になります。このようなITツールの特徴を活かすことで、労働生産性の飛躍的な向上が期待できるでしょう。

【7ステップ】労働生産性を向上させる取り組み方法

労働生産性を向上させるためのステップを7つに分けて解説します。

1.生産性向上の目的を明確にする

一言に生産性の向上といっても、その目的は様々です。例えば、利益を増やす、顧客の満足度を上げる、人件費を抑える、などが考えられます。

目的を定めずにプロジェクトを進めてしまうと、目的がバラバラの改善案が生まれてしまい、思うような効果が得られなくなる恐れがあります。目的を明確にすることで、プロジェクトの方向が定まり、参加メンバーも適切な行動が取れるようになるでしょう。

2.労働生産性を計算する

実施した施策がどれだけの効果を出したのか検証するためには、基準として現在の数値が必要になります。施策の妥当性を測るためにも、現在の労働生産性を計算し、現状の把握はしっかり行いましょう。

3.KPIを設定する

KPI(Key Performance Indicator)は、目標を達成するための指標です。0の状態から最終的な目標までの間に複数の評価指数を設定し、プロジェクトの進捗具合を確認できるようにします。

KPIを設定して目標を明確にすることが大切です。KPIを使って目標を共有することは、メンバーの意思統一ができる、業務を客観的に評価できる、などのメリットがあります。

4.業務の問題点を見つける

次に、現在の業務の問題点を調べましょう。問題を明確にすることで、解決策を生み出すことができます。問題を見つけるためには、現在の業務の洗い出しが必要です。洗い出しにより業務全体を俯瞰できるようになると、問題の発見が容易になります。

また、現場の声を積極的に聞くことも重要です。実際に作業している人間からの意見は、資料やデータからではわからない貴重なものです。この段階では、実際に解決できるかは判断せずに、問題点の発見に注力しましょう。

5.利用できる制度を探す

問題解決にあたって、政府が実施している制度を利用できる場合があります。例えば、中小企業がITツールを導入する場合、IT導入補助金制度が利用可能です。この制度を利用することで、勤怠管理ツールやグループウェアなどの導入コストを抑えることができます。

このような制度をあらかじめ調べておくことは、施策でのコスト概算などで役に立ちます。可能な限り積極的に活用していきましょう。

6.具体的な施策をたてる

これまで調べてきた情報をもとに、具体的な施策をたてましょう。

現実的な施策を考えるために、以下のポイントに注意しましょう。

  • 作業内容が具体的か
  • 進捗が数値化でき、計測可能なものか
  • 最初に立てた目的と合致しているか
  • 期限が明確か

施策を考えるときは、どれくらいの作業量になるかも予測しておきましょう。特にはじめはトラブルが発生しやすいので、対応に時間を取られるかもしれません。まずは、容易に達成できる程度の量に抑えることをおすすめします。

また、実際に作業にかかわるメンバーと施策案を共有して、意見を取り入れることも大切です。フィードバックを得ることで、現実離れした計画ができてしまうことを防げます。

7.実行し結果を分析する

改善業務を実行し、得られた結果を分析しましょう。事前に設定したKPIなどの数値や、フィードバックをもとに、どれだけの効果が得られたのか検証します。

また、起こったトラブルや問題に対しては、対策を考えましょう。最初の内は予想とは異なる結果が出たり、思わぬ問題が発生したりすることも珍しくありません。

そのような問題への対応策を用意しておくことで、次回の改善業務がスムーズに行えるようになります。PDCAサイクルを繰り返し、労働生産性が継続的に向上する体制を確立させていきましょう。

労働生産性を向上させた取り組み事例

実際に、労働生産性を向上させた事例を5つ紹介します。

株式会社サイバーエージェント

インターネット事業を広く展開する株式会社サイバーエージェントのインターネット広告事業本部では、従業員同士のコミュニケーション手段に問題がありました。業務のやり取りの多くがメールで行われており、非常に時間がかかっていたのです。

その問題に対処するために、既に社内の一部の部署で利用されていたChatworkをインターネット広告事業本部で導入することにしました。

Chatworkは、Chatwork株式会社が提供する、ビジネスコミュニケーション用チャットツールです。チャットツールには、メールのような定型文が不要、短い文章を高速でやり取り可能、スマートフォンからでも利用できる、といった特徴があります。

導入当初は使い勝手がわからず、あまり利用は進みませんでした。そこで、全社でChatworkを使うように指示し、結果2ヶ月ほどで完全に浸透しました。

その結果、1人当たり1日1.26時間の労働時間削減を達成。インターネット広告事業本部全体では、月あたり約25,000時間以上もの時間を削減できた計算になります。

合同会社西友

合同会社西友では複数の部門から、業務自動化ツールであるRPA導入のリクエストがありました。そこで、情報システム部は全社でRPAを導入することを決定しました。

物流センターで大きな負担になっている業務の1つに、受領証明書の発行業務があります。1日5,000件もの証明書を処理しなければならず、多大な労力を必要としていました。

そこで、今まで紙媒体だった証明書を電子化し、書類の仕分け、メール送信をRPAによる自動化を実施。その結果、年間で11,000時間分の業務効率化に成功しました。

自動化による効果は、時間削減だけではありません。インク・紙代が削減され、書類検索が容易になり、ミスの軽減、業務の属人化の防止など、さまざまなメリットを得られました。

株式会社日立マネジメントパートナー

人事・総務業務のシェアードサービスを担っている株式会社日立マネジメントパートナーは、サービス提供先の増加にともない、処理リソース不足に悩まされていました。

そこで、RPAを導入し、業務の一部を自動化することを決定。導入プロジェクトでは、はじめに自動化できそうな業務を徹底的に洗い出しました。

洗い出しにあたっては、以下のような業務がないか社内で案件を募りました。

  • 出力するフォーマットが決まっている
  • 定期的に処理を行う
  • 繰り返し、反復を行う
  • 処理データが大量

その結果、500件もの案件が集まり、現在も各案件の自動化が進められています。一例を挙げると、10人が4時間以上かけて行っていた入出金業務が、3人で3時間程度で終わるようになりました。ヒューマンエラーも少なくなり、チェック作業もストレスなくできるようになったということです。今のところ、合計で9,000時間もの業務時間削減が見込まれています。

株式会社あしたのチーム

人事コンサルティング企業である株式会社あしたのチームは、多数の営業拠点を開設するため、大量の新規雇用を行っています。面接の数が膨大になったこともあり、効率を向上させるために、Web会議ツールを導入しました。

Web会議ツールでの面接は、応募者に大きなメリットがあります。例えば、来社のための移動時間が削減される、スケジュール設定が容易になる、などです。特に移動時間の削減のメリットは大きく、応募者は30分など短い時間を使っての面接が可能になりました。

今まで転職活動中の応募者は、日中の仕事があるため、土日や夜などに面接を行う必要がありました。しかし、短い時間でも面接が可能になったことで、日中の面接もできるようになったのです。

その結果、1日5〜12回というハイスピードで面接をこなせるようになったそうです。また、Web会議ツールは採用面接だけでなく、研修にも利用されています。研修のために社員を一箇所に集める必要がないので、拘束時間の削減が可能です。

さらに、社歴が浅い営業担当のサポートのために、上長がWeb会議ツールで補助を行う営業同行などにも活用しています。直接営業の様子が確認できるため、教育にも役立っているそうです。

日本航空株式会社

日本航空株式会社では、労働生産性向上のため、さまざまな取組を複合的に行っています。もっと大きな取り組みは、フリーアドレスです。フリーアドレスとは、従業員が自分の席を持たず、オフィス内の自由な場所で業務が行えるオフィス形態のことです。

フリーアドレスには、オフィスのスペースを有効活用できる、コミュニケーションを強化できる、時間や場所にとらわれない働き方を促進する、といったメリットがあります。

くわえて、定時退社の奨励も行いました。ただし、定時で退社できるよう指示を出すだけでは、あまり効果はありません。そのため、定時30分前からメール・電話・会議を禁止する、課長が部内をまわって帰宅を促す、残業を許可制にする、などの対策を取りました。

また、残業を許可制にすることで残業時間を可視化し、管理職が従業員の残業状況の見直しができるようになりました。このような取り組みの結果、勤務時間は1日あたり2時間削減され、残業時間は月5時間程度に抑えられました。

また、災害や悪天候で出社が難しい状況でも勤務できるよう、在宅勤務できる環境も整えました。在宅勤務では始業と終業にTV電話で上長への報告を義務付け、一定の緊張感が保てるように工夫しています。

フリーアドレスはさまざまな効果が期待できますが、フリーアドレスにしただけでは効果的な生産性の向上は期待できません。同社のように、複数の取り組みで補強することで、ワークスタイルを改革できるようになります。

具体的な施策は労働生産性の向上につながる

労働生産性の向上は、今後の社会でますます重要になってきます。慢性的な人材不足で雇用が難しくなった企業は、現在のリソースを効率的に活用する必要に迫られました。

この状況は、今後も続いていくと考えられます。そのような問題に対応するためには、労働生産性の向上が必要です。また、労働生産性の向上によって、職場環境を改善する余裕が生まれれば、優秀な人材が集まるようになります。

そのような人材がさらに企業を成長させることで、高い競争力を得る好循環につながるでしょう。成長し続ける企業を目指して、まずはスモールステップで取り組んでいきましょう。

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