生産性向上とは?企業が実施すべき7つの施策と成功させるポイント

2022/7/25 2022/07/25

生産性

生産性向上のイラストイメージ

近年、ビジネスのグローバル化や労働人口の減少などにより、様々な企業で課題とされている生産性向上。生産性向上を成功させるために必要な施策とは、一体どのようなものなのでしょうか。本記事では、そんな生産性向上について、実施すべき施策や成功のポイントなど詳しく解説していきます。

生産性向上とは?

「業務効率化」と混同されやすい「生産性向上」とは、どのようなことを意味するのでしょうか。ここでは、生産性向上の意味と業務効率化との違いについて解説します。

生産性向上の意味

「生産性向上」とは、保有している資源などを最大限に活用し、少ない投資で大きな成果を上げることを意味します。

企業における「生産性」とは、これまでのインプット(投入資源)から、どれだけのアプトプット(得られる成果)を生み出したか、ということを意味します。

このインプットから生み出すアウトプットの増大を「生産性向上」と呼びます。

業務効率化との違い

「生産性向上」と「業務効率化」は、施策の内容が異なります。

「生産性向上」は、インプット(投入資源)から生み出すアウトプット(得られる成果)を増大させるための施策です。

これに対して「業務効率化」とは、業務における「ムリ・ムラ・ムダ」を削減し、業務における効率化を目指すための施策となっています。

生産性向上が重要視されている背景

近年、生産性向上が重要視されている背景には、どのような理由があるのでしょうか。ここでは、生産性向上が重要視される背景にある2つの理由について解説します。

労働人口の減少

生産性向上が重要視されている理由の一つめは、労働人口の減少です。

総務省統計局によると、令和4年5月現在の日本における労働力人口は6,921万人で、前年同月に比べて約5万人の減少が見られます。

このような労働力人口の減少が深刻化する社会においては、従業員一人当たりの「生産性」が、より重要となることは明らかであり、事業成長を続けるためには生産性向上が必要不可欠となっているのです。

[出典:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)5月分」]

ビジネスのグローバル化

生産性向上が重要視されているもう一つの理由は、ビジネスのグローバル化です。

公益財団法人日本生産性本部の「労働生産性国際比較2021」によると、日本における時間当たりの労働生産性は、49.5ドルで、OECD加盟38カ国中23位と低い水準となっています。

このように国際的に見ると、日本企業は生産性が低く、付加価値のあるモノやサービスを効率的に生み出せていないことがわかります。

ビジネスのグローバル化を拡大するには、企業は少ない資源から価値のあるモノやサービスを生む必要があり、そのための手段として企業における生産性向上が注目されています。

[出典:公益財団法人日本生産性本部「労働生産性の国際比較2021」]

生産性向上の目的やメリットとは?

生産性の向上は、企業にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。ここでは、企業における生産性向上の目的やメリットについて解説していきます。

競争力の強化

前述の通り他国に比べて労働生産性の低い日本では、ビジネスのグローバル化に伴い、生産性向上による国際的な競争力の強化が必須となっています。

また、企業において生産性の向上は、同業他社と差をつける手段としても非常に有効な手段となります。

コスト削減

生産性向上は、企業におけるコスト削減の効果もあります。

生産性向上により、残業代や原材料費などに代表される投入コスト(インプット)を軽減できれば、そのコストを業務改善や新規事業に充てることもできるため、企業の成長につながるでしょう。

人手不足への対応力強化

生産性向上は、人手不足への対応力を強化する側面も持っています。

前述の通り、日本においては労働人口の減少が問題視されているため、企業は人手不足に対する対応が課題となっています。企業においてこの打開策の一つとなる生産性向上は、企業を存続させる上でも継続的な実行が求められます。

ワークライフバランスの向上

企業の生産性が向上すれば、従業員の残業時間が軽減されます。従業員のワークライフバランスが向上することにより、高いモチベーションを維持しやすくなるため、業務におけるパフォーマンスの向上も期待できるでしょう。

生産性向上のために企業が実施すべき7つの施策

企業は、生産性向上のために何をすべきなのでしょうか。ここでは、生産性向上のために企業が実施すべき7つの施策について解説します。

1.現状の把握と課題の洗い出し

企業の生産性向上に、現状の把握と課題の洗い出しは欠かせません。

まずは、現状の自社における生産性を把握し、課題やボトルネックの所在などを整理しましょう。このフェーズではできる限り多くの従業員に声をかけ、個々の意見に耳を傾けることが重要になります。

2.業務の可視化

業務を可視化すれば、企業の生産性向上へ向けた課題もより明確になります。

労働時間や業務フロー、コストといった業務プロセスに関わるあらゆる事項の可視化においては、常に自社におけるインプット・アウトプットの量を意識しましょう。業務の可視化は、生産性向上のPDCAサイクルを回すことにもつながります。

3.従業員のモチベーション管理

従業員のモチベーション管理は、生産性向上に直結するファクターの一つです。

生産性向上は、従業員のモチベーション向上に比例します。逆にモチベーションの低下は、業務におけるミスや効率の低下をまねく原因になり得るため、企業は従業員のモチベーション維持や向上を常に意識しましょう。

4.従業員のスキルアップ

個々の従業員におけるスキルアップは、企業の生産性向上を牽引します。

企業は自社におけるスキルアップの施策を振り返り、従業員の意見も取り入れつつ、必要に応じて研修の実施や支援制度の拡充などを試みましょう。

5.積極的な情報共有

企業内で積極的に情報共有すれば、情報格差による生産性の低下を抑制できます。

情報共有の促進には、企業内で情報を共有するための仕組み作りが欠かせません。また、情報共有がしやすい環境を整えることにも注力し、ホワイトボードなどを利用したアナログな情報共有手段からの脱却も視野に入れると良いでしょう。

6.IT技術の導入

IT技術の導入は、企業の生産性向上を大きく後押しします。

たとえば、情報共有におけるIT技術の導入であれば、リアルタイム性の高いテキストコミュニケーションが可能なチャットツールや、業務の進捗状況の共有に優れたタスク管理ツールなどが挙げられます。

IT技術の導入が企業にどのような変化をもたらすかを、できるだけ事前にイメージすることが生産性向上の鍵となるでしょう。

7.適切な人材配置

従業員に優秀な人材がいたとしても、適切な部署に配置できなければ生産性の向上には至りません。

それぞれの従業員の持つスキルや業務に対する考え方、周囲の人間関係などを俯瞰的に捉え、高いパフォーマンスが出せる人材配置を目指しましょう。

生産性向上を成功させるためのポイント

生産性向上は必ずしも全ての企業が成功するわけではありません。ここでは、企業が生産性向上を成功させるためのポイントについて解説します。

指標となるKPIを設定する

漠然と生産性向上を掲げるのではなく、生産性向上の指標となる企業のKPI(経営指標)を設定しましょう。

KPIを設定すれば、企業はそれを元にして施策を立案・運用できます。これにより自社の現在地が明確になるだけでなく、各従業員が今やるべきことを把握し行動に移すことが容易になります。

PDCAサイクルを回す仕組みを作る

業務だけでなく生産性向上においても、PDCAサイクルを回す仕組み作りが欠かせません。

PDCAサイクルを回す仕組みや環境を作ることで、生産性の改善を継続的に実行できる体制が構築されます。また、生産性向上の取り組みにおいては、各従業員がトライ&エラーを恐れずに挑戦できる組織文化を醸成することも重要です。

生産性向上の施策を実施する際の注意点

生産性向上の施策を実施するにあたっては、いくつかの注意点も存在します。ここでは、生産性向上の施策を実施する際の注意点について解説します。

マルチタスク化を避ける

生産性向上において、業務のマルチタスク化は避けるべき要素の一つです。

マルチタスクは、業務における選択や集中力の低下を招きます。タスク完了までにかかる時間も増加する傾向にあるため、生産性向上を目指す上で過度なマルチタスクは避けなければなりません。

長時間労働につながらない対策を行う

生産性向上のための取り組みが長時間労働を生じさせてしまうようでは「生産性」が向上したとは言えません。生産性向上は、単にアウトプットを増やすための取り組みではなく、インプットに対してアウトプットを増大させるための施策であることを認識しなければなりません。

マネジメントにおいては、業務内容の精査はもちろん残業時間や個々の従業員におけるモチベーションの管理を行い、短時間で業務を遂行できるような対策を講じましょう。

業務効率化のみに特化しない

業務効率化のみに特化することは、必ずしも生産性向上につながるとは言えません。業務の「ムリ・ムラ・ムダ」を削減する「業務効率化」は、見方を変えれば企業におけるインプットの足かせになっているとも言えます。

企業活動において業務効率化が重要なファクターであることは相違ありませんが、過度に特化することなく、業務品質とのバランスを鑑みたうえでの生産性向上における施策のひとつとして捉えることが重要です。

生産性向上の成功には長期的な視点が大切

今回は、生産性向上において実施すべき施策や成功のポイントなどを解説しました。

生産性向上とは、保有している資源などを最大限に活用し、少ない投資で大きな成果を上げることを意味します。近年、日本では労働人口の減少やビジネスのグローバル化に伴い、企業における生産性向上が重要視されています。

企業において生産性向上はメリットが多い反面、実施すべき施策は多岐にわたり注意点もあるため、慎重に進めていく必要があります。生産性向上の促進にあたっては業務効率化だけに特化せず、まずは企業における現状の把握と課題の洗い出しから始めましょう。

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