チケット管理とは?メリット・デメリットやおすすめの無料ツール・アプリを紹介
プロジェクト管理の方法であるチケット管理。プロジェクトを円滑に進めるために用いられますが、チケット管理とは具体的に何か疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。本記事ではチケット管理の意味やメリット・デメリット、無料ありのおすすめツールを紹介します。
目次
チケット管理とは?
チケット管理とは、解決すべき課題や行うべき作業を「チケット」として管理する方法です。発注日や担当者・優先度・業務内容などの情報を登録し、管理することでタスクの漏れを防ぎます。
また、プロジェクトの遂行に必要な作業に対してチケットを発行するため、全体の進捗を可視化して業務量を把握することも可能です。
チケット管理は、チケットの発行や処理した件数をもとに、プロジェクト全体における状況を把握する手段としてプロジェクト管理で活用されている方法です。
チケット管理のメリット
チケット管理には、作業進捗の把握・共有がしやすいことや過去の履歴を参照できることなど、さまざまなメリットがあります。ここからは、チケット管理のメリットを3つ紹介します。
進捗状況の把握・共有がしやすい
チケット管理では、チケットの発行数や処理数を確認すれば、どのくらい業務が進んでいるのか簡単に把握・共有できます。
万が一遅れが発生している場合、一時的に他メンバーのリソースを割り当てたり、業務量を調整したりするなどの対処が行える点がメリットです。
また、タスクごとに情報を集約できるため、必要な情報を整理するのにもチケット管理は役立ちます。
▷進捗管理の見える化とは?おすすめのツールと見える化するためのコツ
過去の履歴を参照できる
長期的なプロジェクトでは、細かな変更点をメンバーで共有しないとあとからトラブルに発展する可能性があります。
チケット管理を活用すると、チケットを遡ることで過去の履歴を参照できるため、プロジェクト進行中に発生した問題を早期に確認することができます。また、問題発生時に履歴を参照することで原因についても迅速に把握可能です。
ガントチャートの作成に活用できる
チケット管理は、ガントチャートなどの工程表作成に役立ちます。
ガントチャートとはプロジェクト管理に使う表で、横軸に日付、縦軸にタスクを記載して各タスクの予定や進捗を確認できます。
チケット管理を活用すれば、全工程の中で何に対してどれくらいの時間がかかったのかを簡単に集計が可能です。これにより、ガントチャートの作成も効率的に行えるようになります。
▷ガントチャートとは何?意味やプロジェクト管理におけるメリット・デメリット
チケット管理のデメリット
さまざまなメリットがあるチケット管理ですが、一方でデメリットもあります。ここからは、チケット管理のデメリットを3つ紹介します。
メリット・デメリットをしっかりと把握して、チケット管理を導入するか検討してみてください。
チケットの作成に時間がかかってしまう
チケット管理では、チケットの作成に時間がかかってしまう点が大きなデメリットです。
まず、チケット作成に必要なタスクの入力に時間がかかります。例えば、システムを構築するプロジェクトの場合、ソフトの要件や仕様をはじめとするさまざまな情報を入力しなければなりません。
従業員の負担も大きくなるため、導入する際はフォーマットを設けるなどして運用しやすくなるような工夫が必要です。
プロジェクトの全体像を把握しにくい
チケット管理は細かなタスク管理をするうえでは非常に便利ですが、個人のタスクに焦点が当たってしまい、全体像の把握ができなくなる可能性もあります。
結果として進捗の管理ができず、思わぬミスやトラブルにつながる可能性も考えられるため、俯瞰的に物事を進める視点を常に持っておきましょう。
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作業の優先度・関連性を可視化しにくい
チケット管理では、タスク同士の優先順位や依存関係が把握しにくいため、どのタスクから終わらせるべきかを判断しづらくなる可能性もあります。
結果として、優先度が高いタスクを先に処理しきれず、納期やスケジュールが遅れる恐れもあるので注意しなければなりません。導入前に、優先度の定義付けやルールなどを儲けて、管理しやすいよう工夫しましょう。
チケット管理にExcelが向いていない理由
チケット管理の導入を検討している方の中には、「Excelでチケット管理をしたい」と考える方もいるのではないでしょうか。しかし、基本的にExcelはチケット管理には適していません。Excelがチケット管理に向いていない主な理由は、以下のとおりです。
- 運用に手間がかかるため
- マルチデバイスに対応していないため
- 抜け漏れが発生しやすいため
まず、チケットの作成や更新などを行うたびにExcelファイルを開いたり共有したりしなければならないため、Excelでチケット管理を運用するには手間がかかります。タスクの抜け漏れも発生しやすく、正確な進捗状況が把握できない可能性がある点にも注意が必要です。
また、Excelファイルはスマートフォンやタブレットでは閲覧・操作がしづらいため、基本的にはパソコンでチケット管理を行わなければなりません。マルチデバイスで効率的に管理したい場合には向いていないといえます。
チケット管理ツールの選定ポイント
チケット管理ツールを選ぶ際は、マルチデバイス対応の有無や操作性の高さなどさまざまな選定ポイントがあります。ここからは、チケット管理ツールの選定ポイントを4つ紹介します。
マルチデバイスに対応しているか
チケット管理ツールは、マルチデバイス対応のものを選びましょう。マルチデバイスに対応していると、外出先やテレワーク中でもリアルタイムで情報を把握して、共有すべき情報を入力できます。
わざわざ情報を確認するためにオフィスへ戻る必要もなくなるため、業務を効率化できるうえに従業員の負担を軽減することも可能です。
スムーズに状況や情報を把握するためにも、マルチデバイスに対応しているものを選びましょう。
必要な機能が搭載されているか
チケット管理ツールによって使える機能が異なるため、自社に必要な機能が十分に備わっているかを確認しましょう。使わない機能が多くあるツールを選んでしまうと、無駄な費用を払い続けることになりかねません。
自社に必要な機能を把握するためにも、まずは導入目的を明確にすることが大切です。また、これまでの作業内容を振り返り、必要だと感じた機能をピックアップして該当する機能が備わったツールを選ぶこともおすすめです。
操作性が高く使い勝手がよいか
チケット管理ツールの操作性は、重要な選定ポイントです。
操作性が悪いと、ツールを使いこなせないメンバーが出てくる可能性があります。そのため、導入までに予想以上の時間がかかり、チケット管理ツールを活用してもらえない可能性があります。
まずは無料プランやトライアルがあるツールを利用し、操作性を確かめてから導入しましょう。
導入〜運用にかかるコストが予算に見合っているか
チケット管理ツールによっては、初期費用がかかる場合もあり、必要な機能を使うためにはオプション料金が必要な場合もあります。
結果として予想以上の費用になってしまい、予算を超えてしまう可能性もあるため、トータルのコストを把握して予算に見合っているかを確認しましょう。
また、ツールによっては利用するユーザー数で料金が変動するタイプもあります。そのため、社内でどれくらいの人数がツールを操作する可能性があるのかも把握しておきましょう。
【無料あり】チケット管理におすすめのツール・アプリ
ここからは、チケット管理におすすめのツール・アプリ7選を紹介します。無料ありのツールも紹介しているため、まずはお試しで利用してみたい方もぜひ参考にしてみてください。
Wrike
Wrikeはクラウド型のタスク管理に優れており、あらゆる業務にフィットする高いカスタマイズ性を持ったチケット管理ツールです。
複数の部門が関わるタスクもスムーズに進捗確認でき、SlackやOutlookなどの400以上のツールと連携できます。
個人専用のダッシュボードが用意されており、漏れがないようにタスクを見逃さない設計になっています。またガントチャート機能もあるため、プロジェクト全体の進捗状況を一目で把握可能です。
提供元 | Wrike Inc |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
|
導入実績 | 世界20,000社以上 |
機能・特徴 | インタラクティブなガントチャート、自動化、カスタムワークフロー、分析ビュー、カレンダービュー、ダッシュボード、使用事例のテンプレート、GoogleとMicrosoft Office SSO、外部リクエスト者とのコラボレーションなど |
URL | 公式サイト |
Asana
タスク整理に特化したチケット管理ツールのAsanaは、SlackやGoogleカレンダーなどさまざまなアプリと連携できます。煩雑なタスクを整理することでチームの連携が維持でき、導入もしやすいツールです。
自身が担当のタスクは「マイタスク」として一覧で表示され、どの作業から優先すべきかを簡単に把握できます。また、自身のすべてのタスクが表示されるため、タスクの漏れを防ぐことも可能です。
提供元 | Asana Inc |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | Basic:無料 月契約
年契約
|
導入実績 | 世界100万チーム以上 |
機能・特徴 | ワークフロービルダー、タイムライン、ボード、カレンダー、アプリとの連携、レポート機能、ゴール、フォーム、ワークロード、デスクトップアプリとモバイルアプリなど |
URL | 公式サイト |
Backlog
Backlogは、誰でも直感的に操作・把握しやすいチケット管理ツールです。
操作性と見える化に優れており、担当者に必要な情報を自動で通知してくれます。また、チケットを登録すると自動的にガントチャートが生成されるため、作業の効率化にもつながります。プランの全機能が使える30日間の無料トライアルを実施しているので、まずは使用感を試してみたい方にもおすすめです。
提供元 | 株式会社ヌーラボ |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 月契約
年契約
|
機能・特徴 | ガントチャート、カンバンボード、バーンダウンチャート、課題のテンプレート、属性のカスタマイズ、ファイル添付、セキュリティ、サポートなど |
URL | 公式サイト |
Redmine
世界的に認知度が高いRedmineは、エンジニア向けのチケット管理ツールです。
オープンソースのため無料で利用できるほか、チケットをチェックリスト化して管理することも可能です。チケットの開始日と期日を設定するだけでガントチャートに反映されるため、誰でも簡単に作成できます。通常機能だけでも便利ですが、プラグインを活用して機能を追加することもできるので、自由度が高い点がメリットです。
提供元 | 株式会社アジャイルウェア |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | クラウド
オンプレミス
|
導入実績 | 6,000社以上 |
機能・特徴 | ガントチャート、カンバン、ダッシュボード、タイムマネジメント、リソースマネジメント、EVM(出来高管理)、コスト、プロジェクトレポート、CCPM、機械管理など |
URL | 公式サイト |
Lychee Redmine
Lychee Redmineは、少人数のプロジェクト管理にも対応しているチケット管理ツールです。タスク管理・進捗状況・スケジュール管理・工数管理などの機能に加え、プロジェクトレポートやEVMなどの各種プラグイン機能も搭載しています。
また、全体の進捗を簡単に把握できるガントチャート作成機能や、予定工数や実績を可視化できるリソースマネジメント機能などを備えている点が特徴です。導入企業社数は6,000社以上で、業種を問わずに導入できることも魅力の一つです。
提供元 | 株式会社アジャイルウェア |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | クラウド
オンプレミス
|
導入実績 | 6,000社以上 |
機能・特徴 | ガントチャート、カンバン、ダッシュボード、タイムマネジメント、リソースマネジメント、EVM(出来高管理)、コスト、プロジェクトレポート、CCPM、機械管理など |
URL | 公式サイト |
Jira Software
Jira Softwareは、チーム作業の計画・追跡に特化したチケット管理ツールです。短期間のプロジェクトから大規模なプロジェクトまで、幅広い規模に対応しています。
各タスクはリストビューで整理して、リアルタイムのステータスや担当者を一目で把握できます。また優先順位付けもできるため、優先すべきタスクが漏れてスケジュールや納期の遅れが発生する事態を防ぐことも可能です。1社につき10人までが利用できる無料プランが用意されているため、操作感を試してみたい方や導入コストを抑えたい方は利用を検討してみてください。
提供元 | アトラシアン |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | Free:無料 月契約
年契約
|
導入実績 | 世界10万社以上 |
機能・特徴 | スクラム、カンバン、ロードマップ、レポートとインサイト、カスタマイズ可能なワークフロー、アプリと統合など |
URL | 公式サイト |
Stock
Stockは、マルチデバイス対応で社内の情報ストックやタスク管理に優れたツールです。
チャットツールのように情報が流れず、ファイルのようにまとめて整理をする必要がないため、効率的に大切な情報をストックできます。また、オフライン環境で使用できたり各ノートの閲覧権限のみを設定できたりなど、細かな要望に応える機能も備えています。
提供元 | 株式会社Stock |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 【ビジネスプラン】 年間一括払い
月々払い
【エンタープライズプラン】 年間一括払い
月々払い
|
導入実績 | 12万社以上 |
機能・特徴 | チームの情報ストック、タスク管理、メッセージ、自動プレビュー、誤削除防止、バックアップデータの保持など |
URL | 公式サイト |
チケット管理で効率よくタスクを管理しよう
本記事では、チケット管理とは何か・導入するメリット・デメリットや、おすすめのツール・アプリを紹介しました。
チケット管理とは、発注日や担当者・優先度・業務内容をチケットとして登録し、管理する方法です。チケットの発行数や処理数をもとに、プロジェクト全体の進捗状況を把握する手段として活用されています。本記事を参考に、メリットとデメリットをしっかりと把握して、チケット管理ツールを導入するか検討してみてください。
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