受付・来客対応で必須のビジネスマナーとは?基本の流れから注意点まで解説

最終更新日時:2022/05/10

受付システム

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「会社の顔」として、来客対応や電話対応をおこなう受付業務ですが、その際に求められるビジネスマナーや注意点が気になるという方も多いのではないでしょうか。本記事では、ビジネスで欠かせない受付での来客対応の流れやマナー・注意点をお伝えします。ぜひスキルアップの参考にされてみてください。

受付業務で来客対応のマナーが重要な理由

日常生活において、サービスを受ける際に「最初に対応してくれた人」のマナーや口調などの対応の仕方によって、その商品・サービスに好印象を持ったり、はたまた、気分を害してしまったりした経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

そのため、来社したお客様が最初にコミュニケーションを取ることになる受付時の来客マナーは、会社の印象に大きく影響します

敬意や配慮を欠いた対応によりお客様を不快にさせてしまった際には、最悪の場合、重要なビジネスチャンスを逃してしまう可能性も考えられます。それゆえに、受付業務は、単なる「取り次ぎ」役ではなく、自身が「会社の顔」であるという自覚を持って対応することが大切です。

受付の来客対応の流れ【アポありの場合】

受付の来客対応には押さえておきたいポイントがあります。スムーズに対応できるように、来客前から来客の確認や周知、応接室の確認といった事前準備をしておきましょう。ここでは、アポイントがある場合の来客対応の流れについて解説していきます。

1.来客予定者の確認

お客様が来社されることを確認し、可能であれば、担当部署だけでなく関連する部署にも来客予定について周知できると良いでしょう。

関連する部署にも周知を徹底しておくことで、対応がスムーズになるだけでなく、より気持ちのいいお出迎えができるようになります。

2.応接室や応接会議室の準備

お客様が来る前に、来客時に使用する応接室や会議室を確認しておきます。以下のポイントに注意しましょう。

  • テーブルや椅子、棚に埃や汚れは残っていないか
  • テーブルや椅子、棚が整列しているか
  • 部屋の明るさは充分か
  • 室内は適温を保てているか

3.来客者を迎えて挨拶

お客様の来社時は、必ず立ち上がって笑顔でお出迎えし、「いらっしゃいませ」や「おはようございます」などの挨拶をしましょう。

挨拶後は、アポイントの確認をします。「恐れ入りますが、お名前をうかがいしてもよろしいですか」「どのようなご用件でしょうか」と声をかけ、社名と名前、用件、担当者といった情報を確認します。

お客様が先に名乗った場合は、「◯◯様ですね。お世話になっております。お待ちしておりました」と応え、部屋にご案内してください。

特に何度も来社されるお客様対応の場合、その都度、名前を尋ねるのは相手に対して失礼にあたる場合もあるでしょう。お出迎えでは、臨機応変な対応が大切です。

4.応接室や応接会議室に案内

アポイントの確認がとれたら、「◯階の応接室までご案内いたします」など、行き先を告げてからご案内します。

廊下を歩く際には、行先を手で示しつつ「こちらです」と声をかけながらご案内してください。このとき、お客様の斜め2・3歩前を歩き、自身の背中がお客様の正面にならないように歩くことがポイントです。また、時折お客様のペースを確認しつつ、歩調を合わせるようにしましょう。

5.担当者へ連絡

応接室や会議室にお客様を案内したら、上座を示しながら「おかけになってお待ちください」と声を掛け、着席いただきます。

お客様の案内が終わったら、担当者にお客様を部屋に案内したことを伝え、お茶出しの準備に取り掛かります。

ただし、担当部署と応接室が離れている場合などは、お客様をお待たせしないよう、担当部署への連絡を済ませてから、ご案内するなどの配慮も必要です。

受付の来客対応の流れ【アポなしの場合】

受付業務では、アポイントのないお客様や飛び込み営業といった、担当部署が明らかでないお客様の対応をするケースもあります。まず、このようなケースにおいてのポイントは、「担当者が在籍しているかどうかを伝えない」ことです。

ここでは、アポイントをとらずに来社されたお客様に対し、お断りする場合と担当者につなぐ場合の流れについて解説していきます。

お断りする場合

まずは、来訪された方の「会社名・お名前・用件」を確認し、「ただいま確認しますのでお待ちください」などと声かけをし、待機スペースがあれば、そちらでお待ちいただくようお願いします。

担当者が来客の対応を断る場合、まずは担当者に断り方を確認しましょう。今は手が離せないが、日を改めて対応するのか、今後も一切取り合わないのかによって対応は異なります。

一般的には、「大変申し訳ございません。お約束のないお客様のお取次はできかねます。お約束をお取りいただいた上で、改めてお越しくださいませ」などと返答することになるでしょう。

ただし、お断りする場合であっても、丁寧な言葉づかいで対応するのがマナーです。

担当者に会っていただく場合

担当者に会っていただく場合は、担当者にどんなお客様なのかを確認しましょう。お客様によっては特別な対応が必要なケースもあります。どんな対応をすればいいのかを確認し、準備してください。

案内時は、アポイントがある時と同様のポイントに気を付けましょう。

飛び込み営業への受付の対応

飛び込み営業での来客に対応するケースもあります。飛び込み営業の来客への対応は、会社によって異なり、マニュアルが用意されているケースもあるため、事前に確認しておくようにしましょう。もしルール化されていないようであれば、新たに策定するのも受付業務を効率化するポイントです。

飛び込みの営業をお断りする場合も、お断りする際と同様に丁寧な対応を心がけてください。

受付担当者が来客対応する際に守りたい8つのマナー

お客様を応接室や会議室にご案内する場合、原則としてお客様の数歩先を歩いてお連れします。この章では、ご案内するときに守りたい8つのマナーについて解説していきます。

1.エレベーターでの声かけや立ち位置に注意

エレベーターの前に到着したら、ボタンを押して待ちます。到着まで時間がかかる場合は「会議室が何階にあるのか」「天気や気温について」といったコミュニケーションが取れると良いでしょう。

エレベーターが到着したら、ドアに手をかけて、エレベーター内へとお客様をお通しし、案内者は、操作ボタンの前に立ちます。

エレベーター内は左奥が上座となっています。操作ボタンの前に立つ際にも、背中がお客様の正面へと向かないよう注意してください。降りるときは、ドアに手をかけ、次の進行方向を伝えながらお客様に先に降りていただきます。

お客様が降りたら、焦らずにお客様の前まで進み、部屋までご案内しましょう。

2.階段での位置を意識

階段では、原則としてお客様のほうが高い位置になるようにしましょう。ただし、昇りの場合は注意が必要です。案内者が後ろを歩くと、お客様はどこに進めばいいのか不安になるかもしれません。「お先に失礼します」と断りを入れたうえで、先に昇りましょう。

3.入室時の確認

入室時は、必ず「3回ノック」してからドアを開けましょう。別件で使用していないか、不審者がいないかを確認するため、中に誰もいないとわかっている場合でもノックをしたうえでドアを開けましょう。

ドアのタイプが内開きの場合、先に案内者が入ります。外開きの場合は、先にお客様を通しましょう。

4.お客様を案内する席に注意

部屋にお通ししたら「こちらにお掛けになってお待ちください」と座ってもらう席を、手で示しながらご案内します。基本的には、出入口から遠い方が上座です。ただし、必ずしも上座に案内すれば良いわけではありません。

下座のほうが窓からの景色が心地いい場合などは「綺麗な景色をご覧いただけますので、どうぞこちらにお掛けください」と下座にご案内する気遣いも必要です。ルールではなく、あくまで、お客様へのおもてなしを優先に考えましょう。

5.お茶は正しい出し方をする

お客様を席に案内したら、お茶を出しましょう。お茶を入れる手順は以下の通りです。

  1. 使用する食器が欠けていたり、汚れていたりしないかを確認する
  2. カップや湯飲み茶碗を、茶たく、もしくはソーサーの上に乗せる
  3. お茶やコーヒーは、湯呑み茶碗やカップの7~8分目を目安にそそぐ

お茶はお客様から出しましょう。お客様が数名来社している場合、お客様の中でも目上の方から優先的に出していきます。お茶を出すときのポイントは以下の通りです。

  1. サイドテーブルに置く(サイドテーブルがなければ下座側に置く)
  2. 原則としてお客様の右側からお出しする

ただし、部屋の形やレイアウトによっては原則の通りに出せないケースもあります。お客様の前を通らざるを得ない場合は「失礼します」と声を掛けたうえで通りましょう。

6.ドアのノックは正しくする

ドアのノックは3回することが、日本のビジネスにおける正しいマナーとして浸透しています。ノックにはプロトコール・マナーと呼ばれる国際基準があり、ノックの回数は以下のように定められています。

2回:お手洗い

3回:家族・友人・恋人など親しい相手

4回以上:初めて訪れる場所や礼儀が必要な相手

これに倣った場合、ビジネスでは4回が正しいようにも思いますが、ビジネスシーンにおいては3回に省略することが認められています。

7.来客者ごとに対応を変える

来客者によって対応を変えることも大切です。長いお取引があるお客様の場合、大切に扱われていると感じていただくことが、気持ちのいいビジネスにもつながります。

また、海外のお客様であれば、お客様の慣習に合わせた対応も必要です。例えば、お出しする飲み物もミネラルウォーターや炭酸水など、国の習慣に左右されないものを選ぶほうが良いケースがあるでしょう。

さらに定期的に来社されているお客様であれば、飲み物の好みを把握しておくだけでも、相手にとっては、心地の良いおもてなしとなります。

8.お土産へのお礼を伝える

来社時にお土産をいただいた場合は、丁寧にお礼の言葉を伝えましょう。受け取る際は「ありがとうございます」と両手で受け取ってください。

担当者とお客様が会う前にお土産をいただいた旨を報告しておけば、担当者からもスムーズにお客様へのお礼を伝えられます。

受付業務の効率化ポイントとは?よくある課題とシステム導入による改善方法

受付担当者が来客を見送る方法

お客様が帰られる際には、お見送りが必要です。お見送りのマナーはお客様との関係性や場所によっても異なります。ここでは、お客様をお見送りする際のポイントについて解説していきます。

1.目上や初めてのお客様は玄関まで案内

目上のお客様や、初めてのお客様が来社された場合は、玄関先まで案内しましょう。お見送り時には玄関の外で「本日はありがとうございました」とご挨拶します。お客様の姿が見えなくなるまでお見送りしましょう。

2.応接室や会議室前でのビジネス作法

頻繁に来社されているような親しい関係性のお客様であれば、応接室や会議室の前で見送る場合もあります。「いつもありがとうございます。ここで失礼します」と伝え、お辞儀をしてお見送りしましょう。

3.エレベーター前でのビジネス作法

応接室や応接会議室前で見送るお客様と同様に、親しい関係性のお客様であれば、エレベーター前で見送るケースもあります。案内者がボタンを押すのがポイントです。エレベーターの扉が閉まるまでお辞儀しましょう。

4.車の前でのビジネス作法

車まで同行する場合は、お客様が車に乗り込み、ドアが閉まった後にお辞儀をします。車が動き出したら終わりではなく、車が見えなくなるまでお見送りしましょう。

5.お辞儀の角度や姿勢を意識

お客様を見送る際は、お辞儀の角度や姿勢を意識しましょう。姿勢をただし背筋を伸ばして、45度の角度を目安にお辞儀します。お辞儀の時間は長めに取るのがポイントです。

来客を迎える時に部屋が片付いていない場合の対処法

本来であれば、使用する部屋は事前に確認をしておきたいところですが、立て続けに来客予定が入っている場合などは、お客様をお通しするはずの部屋が片付いていないケースもあります。この場合は、焦って部屋を片付けるのではなく、ほかに使用できる部屋を探すようにしてください。

ただし、ご案内できる部屋がない場合は「少々お待ちください」と断りを入れたうえで、部屋を片付けましょう。

受付をするのに必要なスキルとは

受付業務に対応するためには、コミュニケーション能力以外にも、言葉づかいや所作、礼儀作法といったスキルが必要です。ここでは受付業務に求められているスキルについて解説していきます。

1.コミュニケーション能力

受付業務はさまざまなお客様に対応する業務です。そのため、コミュニケーション能力は欠かせません。また、対面でのコミュニケーションだけでなく、電話でのコミュニケーションも求められることになるでしょう。

コミュニケーションにおいては、言葉づかいだけでなく、話すスピードや声のトーン、表情なども相手への印象に影響することを意識しなければなりません。

2.ビジネスに適した言葉づかい

ビジネスに適した言葉づかいは、受付業務に限らずビジネスパーソンとして必須のスキルといえます。

とりわけ「会社の顔」ともいえる受付業務では、正しい言葉づかいが求められています。来客応対に使用する「接遇用語」には、「わたくし」「お連れ様」「ご用件」「明日(みょうにち)」など、通常の会話では使わないフレーズも多数あるため、スムーズに使いこなすには慣れが必要です。

日常生活で接客を受ける側となった際には、相手の話し方を研究するなど、普段の努力も求められるでしょう。

3.美しい立ち居振る舞い

会社の顔となる受付は、お客様から一挙一動を見られているものです。表情や挨拶の仕方、お辞儀の仕方といった所作でも指先まで意識することで、お客様からの安心を得ることができます。

忙しさのあまり、つい電話を「ガチャン!」と切ってしまったり、お客様の目を見ずに話をしてしまったりといった無作法とならないよう、常に「見られている」という意識を持つようにしなければなりません。

4.身だしなみや姿勢に気を配る

身だしなみや姿勢の良さも、印象を左右する要素のひとつです。服装だけでなく、ビジネスシーンに相応しいメイクやヘアスタイルを求められることもあるかもしれません。

また、手が空いてしまった時間などは、気も緩みがちですが、同僚とのおしゃべりで来客に気づけなかったといったことのないよう、緊張感を忘れずに立ち姿勢や座り姿勢にも気を配るようにしましょう。

5.オフィスソフトが使える

オフィスソフトやパソコンの基本操作ができることも大切です。受付業務の際には、来客予定の共有、会議室・応接室の管理など、オフィスソフトやパソコンを使った業務も発生します。そのため、基本的な操作を身につけておくことは必須といえるでしょう。

受付業務のビジネスマナーは必ず理解しておこう

受付業務は来社してきたお客様に初めて対応する「会社の顔」といえる存在です。そのため、受付業務での対応が会社自体の印象に影響する自覚を持つことが求められています。

また、お客様への対応の仕方は、関係性や場所によっても異なるため、状況を把握し、臨機応変な対応が必要となります。状況に適した対応をするためには、コミュニケーション能力や言葉づかい、礼儀作法などのビジネスマナーを心得ておくだけでなく、咄嗟の状況でも使いこなせるよう、「慣れておく」ことが重要です。

来客対応のプロフェッショナルとして高い意識を持ち、心地の良いおもてなしを心がけましょう。

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