SDGsとプラスチックごみ問題について!国・企業の取り組みも紹介

最終更新日時:2022/08/16

SDGs

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SDGsは、持続可能な社会を目指すための国際社会共通の目標を表す言葉です。SDGsと環境保護のための取り組みは密接な関係にあり、「プラスチックごみ問題」も例外ではありません。本記事では、SDGsとプラスチックごみ問題の関係性について解説するほか、国や企業がおこなう取り組みなどを紹介します。

SDGsとは?

SDGsは、2015年に国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」であり、国際社会共通の目標を表す言葉です。「人権」「社会・経済」「地球環境」などの分野に分類される17の目標と169のターゲット(具体目標)によって構成され、2030年が達成期限として定められています。

「持続可能な開発目標」について、少々イメージがしにくい言葉ではありますが、より簡単に説明するのであれば「末長く地球に住むために、よりよい環境と誰もが生きやすい社会を作るための目標」と言い換えることができるでしょう。

[出典:外務省「SDGsとは?」]

プラスチックごみ問題

現代社会においては、多種多様な製品の素材として多くのプラスチックが使われており、生活には欠かせない存在となっています。ところが、プラスチックの生産・廃棄では多くのCO₂が排出され、地球温暖化を加速させているといった問題を抱えていることも事実です。

また、プラスチックの原料である石油は有限の資源であり、このまま石油素材のプラスチックが生産・廃棄され続ければ、いずれ資源は枯渇することが予想されています。

さらに、プラスチックごみが海に流れ込み、海洋汚染や海の生態系に悪影響を及ぼしていることも大きな問題となっているのです。

SDGsとプラスチックごみの関係

SDGsとプラスチックごみ問題が大きく関わっているのは海洋汚染問題で、SDGsにある17の目標のうち「14.海の豊かさを守ろう」に影響します。

「14.海の豊かさを守ろう」では、「人間の活動による海洋ごみをはじめ、海の汚染を減らす」「海や沿岸の生態系を回復させるための管理・保護をおこなう」といった具体目標が挙げられています。

つまり、プラスチックごみを減らすことが、海洋汚染を防ぐ手段のひとつであり、海洋の生態系を回復・保護するためには欠かせない取り組みなのです。

[出典:外務省「SDGグローバル指標(SDG Indicators)」]

国が行うSDGsの取り組み

SDGsは世界共通の目標であることから、日本をはじめ多くの国でSDGs推進への取り組みがおこなわれています。そこで、日本を含む、いくつかの国で実際におこなわれているSDGsの活動をご紹介します。

日本の取り組み

日本では、2020年7月からプラスチックの過剰使用を抑制するための制度として、レジ袋の有料化が義務付けられました。ただし、あくまで過剰使用を抑制する制度であるため、繰り返し利用できる厚手のものや、地球にやさしい素材で作られたレジ袋は有料化の対象外とされています。

レジ袋の有料化により、「レジ袋をもらわない人」が増えたことは、プラスチックごみの削減や資源保護、CO₂削減への一定の効果があると考えられているものの、海外と比較してみると、SDGs全体として、十分な取り組みが推進されているとはいえないことも事実です。

プラスチックごみ問題をはじめ、SDGsの目標達成に向けて、さらに積極的な対策を講じなければならない状況にあるといえるでしょう。

[参照:経済産業省「プラスチック製買物袋有料化 2020年7月1日スタート(METI/経済産業省)」]

フィンランドの取り組み

フィンランドは、SDGsの考え方が広く浸透している国として知られています。世界的に見ても水質のよいフィンランドでは、水道水がそのまま飲料水として飲まれています。

そこで、廃棄物削減のため、ペットボトルを購入せずマイボトルを持ち歩くことが推奨されているのです。

また、フィンランドの首都であるヘルシンキ市が立ち上げたWebサイト「Think Sustainably」では、環境配慮やサステナビリティに関連した10の基準を満たした飲食店や宿泊施設、観光名所、イベント、ショップなどが紹介されており、サステナブルな消費の選択をするための情報発信がおこなわれています。

スウェーデンの取り組み

スウェーデンでは、個人の協力を得た取り組みとして、ごみを100種類に分類するなどの対策により、99%の家庭ごみがリサイクルされています。家庭ごみのほとんどがリサイクルできる環境が実現できている点は、個人におけるSDGsへの意識の高さが伺えるでしょう。

さらにSDGsに対して、政府が積極的に取り組んでいることも広く知られており、ジェンダー平等を実現するため、大臣の半数が女性であるほか、国内企業においても女性活躍が著しいことから、男性の育児参加も高い傾向にあります。

デンマークの取り組み

デンマークでは、SDGsのなかでも環境問題に対する意識が国内全体で高いことが特徴です。

なかでも世界的な注目を集めているプロジェクトとしては、SDGsで掲げる17の目標すべての達成を目指すエコビレッジ「UN17 Village」が挙げられるでしょう。

エコビレッジは、住宅400戸、共同キッチン、ワークスペース、ゲストハウスなどで構成され、具体策としては、リサイクルされた建材のみを使ったまちづくりを目指すほか、各家屋の屋根に太陽光発電パネルを設置し、生活に必要なエネルギーを100%再生可能エネルギーで賄うこと、年間1500万リットルの雨水の再生利用などの対策が計画されています。

そのほかにも、廃棄物すべてを再利用しごみを発生させないなど、サステナブルなライフスタイルの実現を目指す大掛かりなプロジェクトが進行しています。

企業が行うSDGsの取り組み

SDGsへの取り組みは企業においてもおこなわれています。ここでは実際のSDGsの取り組みについて、いくつかの企業事例をご紹介します。

OZ mall

スターツ出版株式会社が運営する、女性向けWebメディアOZ mallは、スターバックスと共同して、マイボトルチャレンジに関するSNS投稿やリポストなどを通じたスターバックスの再利用可能な限定カップが当たる「マイボトルチャレンジ」キャンペーンを実施。

マイカップやマイボトル使用の推奨とマイボトルが利用できるお店の利用促進により、プラスチックごみの削減に貢献しています。

コカ・コーラ

コカ・コーラはユニクロと合同で、フリースをプレゼントするキャンペーンをおこないました。

プレゼントされるフリースは「リサイクルペットボトル素材」で作られており、環境負荷の低減を実現するだけでなく、リサイクル素材の存在を広く知ってもらうよい機会ともなったのです。

ウォータースタンド株式会社

ウォーターサーバーのレンタルをおこなうウォータースタンドでは、SDGsの取り組みとして社内向けに「マイボトルキャンペーン」を実施。2018年に全従業員へマイボトルを配布することで、マイボトルの持ち歩きを推奨したのです。

また、社内に置かれている自動販売機の台数を減らし、ペットボトル飲料の販売を廃止することにより、組織のプラスチックごみ削減と省エネを推進しています。

ミキハウス

ミキハウスは、公式オンラインショップ限定で、環境にやさしいリサイクルポリエステル素材で作られたエコバッグプレゼントキャンペーンをおこないました。繰り返し使用できるマイバック使用の促進によりレジ袋の使用削減に取り組んでいます。

グンゼ

繊維製品メーカーのグンゼでは、リサイクルしやすい素材を使用したラベルの開発により環境負荷の軽減を目指すほか、野菜などの生鮮品の鮮度を保つフィルムを開発。野菜の日持ちを向上させることにより、廃棄される食品の軽減に貢献しています。

個人で実践できるSDGsの取り組み

続いて個人で行えるSDGsの取り組みについても紹介します。

SDGsを理解する

SDGsについての理解を深めることも、大切な取り組みのひとつです。まずは17の目標を知るところからはじめるとよいでしょう。そして、興味のある分野では、さらにターゲットを見てみるとよいかもしれません。

何が課題となっていて、どのような目標があるのかを知ることで「自分にできること」のイメージもしやすくなります。

エコバッグを活用する

日本のレジ袋の使用率は、世界と比較しても高い傾向にあるため、エコバッグの活用は、気軽にSDGsの目標達成に貢献できる取り組みです。

さまざまなデザインのエコバッグが販売されており、持ち運びにも便利なコンパクトなものも販売されています。ぜひエコバッグの携帯を習慣づけるようにしましょう。

マイボトルなどを使用する

マイボトルやマイ箸の使用なども、プラスチックゴミを減らす取り組みとして有効です。

エコバッグ同様、「使い捨て」を減らし、ごみの削減に大きく貢献します。「マイ◯◯」の習慣は、無理せずできる範囲からはじめてみると良いでしょう。

再利用できる製品を利用する

再利用できる製品を積極的に利用する、SDGsの取り組みをおこなっている企業のサービスを選ぶなど、消費者として「サステナブルな選択」を心がけることも、立派なSDGsへの取り組みです。

詰め替え用の製品やフェアトレード商品を選ぶことも「サステナブルな選択」といえます。

製品の原料に注目する

サステナブルな素材を活用した製品を選ぶことも、個人でできるSDGsの取り組みといえるでしょう。サステナブルな素材としては、植物由来の原料のほか、リサイクル素材、低炭素素材、有機農法素材、フェアトレード素材などが挙げられます。

自然環境に配慮した原料が使われた製品なのかを判断基準に含めることもSDGsの目標を達成へと近づける行動のひとつです。

SDGsへの実践がごみ問題の改善につながる

SDGsの目標を達成するには、企業が積極的にゴミ削減に向けた施策を「実行に移す」ことはもちろん、個人においても、環境問題を「自分ごと」として捉え、かつ主体性を持った取り組みが求められています。

ごみ問題の改善に限らず、今一度「持続可能な社会」とは何なのかを改めて認識し、その重要性を理解する必要があるといえるでしょう。

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