ホームページをスマホ対応にするには?対応させる方法や重要性・レスポンシブデザインについて
スマホの普及率が上昇している現代社会。インターネットをスマホだけで利用する人も増加しており、ホームページのスマホ対応の重要性が高まっています。本記事では、ホームページをスマホ対応にする方法を紹介し、その重要性やレスポンシブデザインについて詳しく解説します。
目次
ホームページのスマホ対応とは?
ホームページをスマートフォン(以下、スマホ)で閲覧したとき、パソコンと同じように違和感なくキレイに表示されるようにすることを「スマホ対応」と言います。
このようなサイトは「モバイルフレンドリー」、「レスポンシブデザイン」などとも呼ばれ、昨今のWEBサイト構築には大前提とされる視点です。
スマホ対応しているホームページには、以下の特徴があります。
- 画面サイズの自動調整:デバイスの画面に合わせて、コンテンツサイズが自動調整される
- タップしやすいボタン:指で操作しやすいサイズのボタンやリンクが配置される
- 高速読み込み:最適化された画像やコードにより、サイトの読み込み時間が短縮される
- スワイプ操作の最適化:スマホ特有のスワイプ操作がスムーズに機能する
- 読みやすい文字サイズ:小さい画面でも読みやすい文字サイズに最適化される
スマホ対応は、現代のインターネット利用環境において不可欠な要素であり、利用者と運営者の双方に大きなメリットをもたらしてくれます。
Webはスマホでの閲覧が圧倒的に多い
現代社会において、スマホは私たちの生活に欠かせないツールとなっています。
総務省が令和5年度に発表したデータによると、2022年度における個人がインターネットを利用する端末はスマホが71.2%となっており、パソコンの48.5%を大きく上回っています。
さらに、LINE株式会社の「インターネットの利用環境 定点調査(2023年上期)」によると、日常的なインターネットの利用をスマホのみで行う利用者が59%に対して、PCのみの利用者は1%、そしてスマホとPCの両方を使う利用者が37%という結果が出ています。
[画像引用元:総務省「令和5年版 情報通信白書(データ集)」]
[出典:LINE株式会社「〈調査報告〉インターネットの利用環境 定点調査(2023年上期)」]
日々の情報収集からショッピング、ビジネス利用に至るまで、スマホからのWeb利用はもはや標準となっていることから、ホームページを制作する際には、スマホ対応を必須事項として考えなければならないことがわかります。
ホームページをスマホ対応にしないリスク
ホームページをスマホ対応せずに放置しておくと、集客機能が大きく低下するリスクがあります。その2つの理由を解説します。
検索順位に影響がでてしまう
スマホ対応をしていないホームページは、Googleによる検索順位が低下し、利用者に見てもらえるチャンスが激減します。
Googleは、2015年に始まったモバイルファースト・インデックス(スマホ向けコンテンツを中心にホームページの検索順位を評価する仕組み)への移行が、2023年10月に完了したことをアナウンスしました。
「モバイルフレンドリーなホームページほど高い評価を受け、検索順位が高くなる仕組みが整った」とされ、この検索順位はパソコンで表示される際にも適応されると発表しています。つまり、ホームページのスマホ対応は、もはや集客に不可欠な要素と言ってよいでしょう。
[出典:Google 検索セントラル「モバイルファースト インデックスが実現 - ご協力に感謝します」]
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離脱率の増加・CVRの低下につながる
スマホ対応をしていないホームページでは、画面が見にくく表示速度も遅いため、利用者はすぐに見切りをつけて他のページに移動(離脱)してしまいます。
また、リンクボタンなどが小さいため操作しづらく、商品の購入やお問い合わせのコンバージョン確率も低下する傾向にあります。
なお、2017年のGoogleの調査によると、ページ表示速度が1~3秒では直帰率(1ページしか見ずにホームページから離脱してしまう利用者の割合)が32%増加、6秒になると106%増加、10秒まで遅くなると123%増加すると報告されています。
このように、利用者はコンテンツの見やすさや表示速度を、極めて重視しています。ホームページのスマホ対応を怠ると、せっかく用意したコンテンツを利用者に見てもらえるチャンスを逃し、ビジネスにとって大きな損失を招いてしまうのです。
[出典:Google Marketing Strategies「Find Out How You Stack Up to New Industry Benchmarks for Mobile Page Speed」]
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ホームページをスマホ対応させる方法
スマホ利用者の増加に伴い、ホームページのスマホ対応は必須となりました。ここでは、その方法を紹介します。
レスポンシブデザインを採用する
レスポンシブデザインとは、利用者のデバイス(の画面の幅)に応じて、ホームページの表示内容が自動的に切り替わるウェブデザインの手法です。
サイトの制作時にあらかじめ「画面幅が950px〜1200pxなら画面A、375px〜414pxなら画面B」といった要領でコンテンツを準備するので、パソコン、スマホ、タブレットなど、ありとあらゆるデバイスに最適な状態でホームページが表示されます。
スマホ対応には他にもいくつかの方法がありますが、Googleが「実装と維持が最も簡単」と推奨しているのはレスポンシブデザインであることもポイントです。特別な事情がない限りは、レスポンシブデザインの導入を最初に検討すると良いでしょう。
[出典:Google 検索セントラル「モバイル フレンドリーなサイトを作成する」]
スマホ対応の変換ツールを活用する
ホームページを手軽にスマホ対応させたい場合、変換ツールの利用も効果的です。
デザインや機能が一部制限されるというデメリットもありますが、既存のウェブサイトを自動でモバイルフレンドリーに変換してくれるツールです。既存のサイトに手を加える必要がない、迅速に導入できるなどの強みがありますので、複雑な機能を持つサイトの改修に適しています。
WordPressの場合はプラグインを活用する
WordPressを使用したサイトの場合は、インストールして有効化するだけで、ホームをレスポンシブ対応にアップグレードできるプラグインが多数用意されています。
有料、無料、さまざまな特徴を持つプラグインが配布されているので、自身の目的に沿ったものを導入してください。複数をインストールして切り替えながら比較すると、相性のよいものが見つかるでしょう。
パソコン向け・スマホ向け2つのホームページを作る
パソコン向けとスマホ向けのホームページを、別々に用意するという方法もあります。
この方法では、ユーザーがアクセスするデバイスに応じて、隅々まで完璧に最適化されたページを提供することができるでしょう。しかし、2つの異なるサイトを管理・更新する必要があり、作業負担が大幅に増加します。
この方法は、特殊な事情によって細かくホームページをカスタマイズしたい場合にのみ適しています。一般的なサイトであれば、別の方法を優先的に検討した方がよいでしょう。
ホームページをスマホ対応させる際の注意点
スマホ対応をスムーズに進めるためには、いくつかの重要なポイントがあります。代表的な観点を3つ紹介します。
PC・スマホどちらに比重を置くかを決める
最初に、PCとスマホのどちらの利用者を優先するのかを決めましょう。
なぜなら、むやみにスマホ対応を進めるとかえって逆効果となるケースが存在するからです。もし、自社のサービスや商品の売り上げが、PCからのアクセスによるコンバージョンが高い割合を占める場合には、PCユーザーを最優先とする設計が理想的です。別の例としては、BtoB事業では、PCからのアクセスが多い傾向があるため、スマホよりもPCで閲覧した際のデザインや機能性に重きを置くことが重要です。
ホームページが果たす目的や事業の性質に応じて、PCとスマホのどちらに比重を置くかを慎重に検討しなければ、スマホ対応があまり効果を発揮しない可能性があることに留意してください。
画像を圧縮する
原則として、画像ファイルは圧縮して利用しましょう。
スマホやデジカメで撮影した写真ファイルをそのままホームページにアップロードすると、容量が大きいために表示時間が極めて遅くなります。
表示速度はユーザーの離脱率に大きく影響することから、検索順位にも大きなマイナス要素となって反映されます。対策としては、適度な品質を保ったまま画像ファイルのサイズを上手に圧縮することが有効です。
高解像度ディスプレイに対応する
近年のスマホは高解像度ディスプレイを搭載しているため、小さな画像はぼやけて表示されることがあります。しかし、画像を表示させたいサイズの2倍にしておくことで、高解像度ディスプレイでもキレイに表示させることができます。
一般論として、最小で1920×1080ピクセルの解像度を目安にしておくと、ほとんどのデバイスでクリアな表示が期待できるでしょう。また、画像をクリックしたり、カーソルを合わせることで、拡大された画像を確認できる機能を利用するといった選択肢もあります。
画像はホームページの出来栄えを大きく左右します。時代に沿って通信速度が上がっていることも考慮して、最適な画像サイズを見極めるようにしてください。
スマホ対応のホームページへと改修する場合の外注費用相場
スマホ対応のホームページへ改修する際には、専門業者への外注がもっとも手軽で確実です。しかし、料金相場は改修するホームページのタイプや要求される機能によって大きく異なることに注意しましょう
ここでは、一般的な採用サイト、コーポレートサイト、ECサイトの改修にかかる費用の相場を示します。しかし、これはあくまで一例であり、実際の見積もりはプロジェクトの具体的な要件に基づいて大きく変動します。
サイトの種類 | 外注費用の相場 |
採用サイト | 20万円〜50万円 |
コーポレートサイト | 30万円〜100万円 |
ECサイト | 50万円〜300万円 |
現在のWEBサイトは非常に多岐にわたるため、ページ数、サイトの種類と規模、コンテンツの量、デザインの複雑さや追加機能の有無によって、外注費用は大きく変動します。正確な見積もりを得るには、詳細な要件をもとに複数の業者から見積もりを取るようにしてください。
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【無料】スマホ対応かどうかを自分で確認する方法
ホームページがスマホ対応しているかどうかを自分で確認する方法として、Googleが提供する無料のツール「Lighthouse」が利用でます。
このツールは、Webページの品質を総合的に評価するためのもので、ブラウザの拡張機能として簡単に使用でき、以下のような項目をチェックすることができます:
- パフォーマンス:ページの読み込み速度や実行速度など、WEBサイト全体への評価
- アクセシビリティ:高齢者や障害者を含めた全ての人における利便性への評価
- ベストプラクティス:Web開発の一般的なベストプラクティスの適用有無への評価
- SEO:検索エンジン最適化への評価
- モバイルフレンドリネス:スマホユーザーに対する利便性への評価
特にスマホ対応の状況を知りたい場合、このツールは非常に有効です。無料でアクセスでき、使い方も直感的なので、サイト運営者や開発者だけでなく、SEOに関心がある方にもおすすめのツールです。
スマホ対応したホームページでユーザビリティを向上させよう
スマホ対応のホームページは、今日のインターネット利用環境において欠かせない要素です。
レスポンシブデザインの採用や、画像の最適化、そして高解像度ディスプレイへの対応など、さまざまな方法でユーザビリティを向上させれば、さらに多くの利用者を呼び込むことができるでしょう。
スマホ対応を単なるトレンドとは見なさずに、ユーザーに対する最低限の配慮の表れと意識した上で、ホームページの改修に役立ててください。
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