ホームページへのリンクの設置方法!種類や得られる効果・注意点を解説
ホームページのユーザビリティを高める「リンクの設置」。リンクは閲覧しているページから指定した別のページに移動させる仕組みであり、ホームページの運営に欠かせない機能です。本記事では、上手なホームページへのリンクの設置方法について、効果や注意点を詳しく解説します。
目次
リンクとは?
リンク(連結する:英単語)とは、インターネットの世界においては「ホームページ上の文字や画像などをクリックすると、他のウェブページに移動する仕組み」を指します。リンクは「ハイパーリンク(hyperlink)」とも呼ばれ、関連性の高い別々のホームページをスムーズにつなぐ役割を果たしています。
リンクとURLの違い
一般的にホームページ間の移動と聞くと、「URL」を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、URLとリンクは異なる概念です。
URL(Uniform Resource Locator)は、「https://」または「http://」から始まる規則性をもった文字列であり、ホームページがインターネット上のどこにあるのかを示すための情報です。つまり、インターネット上の住所とも呼べるものです。
一方、リンクはホームページ間を移動するための「仕組みそのもの」を指し、特定のボタンや文字列をクリックすると、自動的に設定されたURLに移動する役割を果たします。つまり、インターネット上のワープ装置のようなものです。
ワープ装置(リンク)を使うには、転送先の住所(URL)が不可欠ですが、初心者の方はこの二つの言葉を混同しているケースがあります。くれぐれも注意してください。
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ページ内にリンクを設置する効果
多くのホームページにリンクが設置されている理由は、さまざまな効果が期待できるためです。具体的なメリットを説明していきます。
ユーザーの利便性が高まる
リンクを設置するメリットの1つが、ユーザーの利便性向上です。
例えば、ホームページ内に海外旅行に関する記事を掲載していたとしましょう。その記事を読んだユーザーの中には「海外旅行に行くためにパスポートを取得したい」と思う人が出てくるかもしれません。
そんな時、今読んでいる記事の近くに「パスポート取得方法」を紹介する記事のリンクが設置してあれば、ユーザーは検索の手間をかけることなく、すぐに知りたい情報にアクセスできます。これはユーザーの利便性が向上するだけではなく、サイト運営者の収益にも直結する大切な導線です。
ホームページの回遊率が向上する
適切なリンクは、ユーザーの回遊率を向上させます。
ホームページの回遊率とは、ホームページを訪れたユーザーが同一サイト内を閲覧し続けた状況を示す言葉です。同じホームページに留まって複数のページを閲覧していれば、サイト内での回遊率が高いと見なされます。
例えば、「パスポート取得方法」の記事の近くに「海外旅行時の保険の重要さ」、「スーツケースの上手な使い方」などのリンクを設置すれば、ユーザーの関心を先回りした親切な情報提供が実現できます。
もし、すでにそうした内容のホームページが用意されていたとしても、リンクがなければユーザーがページにたどり着けないかもしれません。そうしたジレンマを解消し、回遊率の向上に寄与してくれるのが、リンクを設置する大きなメリットです。
なお、ホームページの回遊率は、SEO対策においても重要な位置を占めています。
SEOとは「Search Engine Optimization」の頭文字を組み合わせた言葉で、検索エンジン最適化と呼ばれています。Googleをはじめとした検索エンジンから、作成したコンテンツが検索結果の上位に表示されるための工夫を指します。
もし、ユーザーの回遊率が高ければ、そのホームページの評価は上がり、SEO対策にも良い効果が生じます。そのためにも、リンクの設置による回遊率の向上は、サイト運営に極めて重要な役割を果たします。
▷SEO対策のやり方とは?初心者でもわかる上位表示させる秘訣
クローリングを促進できる
リンクの設置は、クローリングの促進にもつながります。クローリングとは、Googleなどの検索エンジンによる、ウェブサイトを巡回してデータベースに保存する仕組みです。
ホームページを制作し公開したからといって、必ずしもすぐに検索結果に表示されるとは限りません。日々数多くのホームページが誕生しているため、Googleは、新規作成または更新された世界中のURLにアクセスして内容を分析し、最新の情報をデータベースに保管しています。
このURLを巡回する自動プログラムを「クローラー」であり、クローラーがウェブ上で見つけたページからテキストや画像などをダウンロードする行為を「クロール」、もしくは「クローリング」と呼んでいます。
クローリングはウェブページ間のリンクを辿りながら行われるため、リンクを設置すればクローリングを促進し、更新内容がすぐに検索結果に反映されやすくなります。
[参照:Google検索セントラル「Googleの検索エンジンの仕組み、検索結果と掲載順位について」]
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リンクの種類による違い
リンクにはさまざまな種類があります。以下にそれらの違いについて解説します。
内部リンク・外部リンク
まず、リンクは「内部リンク」と「外部リンク」に大別できます。
内部リンクは、同じホームページ内の別のページに移動する場合に設置するリンクであり、一方で外部リンクは別のホームページに移動するためのリンクを指します。
例を挙げると、海外旅行の情報サイトに、複数の国の観光情報を掲載したページを作成したとします。もし、中国のページにアメリカのページへと繋がるリンクを設置した場合には、同じ情報サイト内での移動なので内部リンクとなります。一方、海外の安全情報を確認できるように、外務省のホームページへのリンクを設置した場合には外部リンクとなります。
発リンクと被リンクの違いは以下のとおりです。
内部リンク | 外部リンク | |
リンク元とリンク先 | 同じドメイン内 | 異なるドメインをまたぐ |
効果 |
| ユーザーが関連情報にアクセスしやすくなる |
注意点 | 内部リンクを大量に作成すると検索順位の評価が下がる可能性がある | リンク先のページが変更・削除されていないかを随時確認しなければならない |
発リンク・被リンク
リンクには「発リンク」と「被リンク」の2種類があります。
発リンクとは、自分のホームページから他のホームページに移動するために設置されたリンクであり、一方で被リンクとは、外部のホームページから自分のホームページに移動するように設置されたリンクです。
発リンクは、自分のホームページに設置するものなので、設置場所や設置する数は自分でコントロールできます。一方、被リンクは、他の人が運営するホームページが設置するものなので、自分でコントロールすることはできません。
発リンクと被リンクの違いは以下のとおりです。
発リンク | 被リンク | |
設置 | 自分で設置できる | 相手が自由に設置する |
効果 |
|
|
注意点 |
| 関連性の低い外部サイトや低品質サイトから被リンクされると、自分のホームページの評価が下がる恐れがある |
被リンクはSEOにおける重要な指標
被リンクは、自分のホームページをユーザーが訪問するきっかけとなります。閲覧者を増やすうえで有効な手段となる上、SEO対策においても重要な要素です。
Googleは「Googleが掲げる10の事実」の「4.ウェブ上の民主主義は機能する」にて、こう述べています。
ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最も良い情報源として投票されているかを分析します
[引用:Google「Googleが掲げる10の事実]
つまり、他のホームページからリンクされるということは、自分のホームページが「良い情報源」とみなされている証拠になります。そして被リンクが増えれば増えるほど、他のホームページからの評価が高いとみなされ、検索結果の上位に表示される可能性が高まるのです。
もし、検索しても自分のホームページが上位に表示されないのであれば、被リンクを増やす工夫をすると解決の一助となるでしょう。
WordPressでリンクを設置する方法
ウェブサイトやブログの制作で多く使われるWordPressで、リンクを設置する方法をご紹介します。
テキストリンクの設置方法
最初に、リンクを設置したいテキストを選択し、ナビゲーションメニューの「リンク」アイコンをクリックします。
次に、「検索またはURLを入力」欄に、リンク先のURLを入力もしくは貼り付けを行いましょう。続いて、「Enterキー」をクリックします。
なお、ユーザーがリンクをクリックした際に、別のタブでリンク先のホームページが開くようにする場合には、左下の「新しいタブで開く」を有効化します。
右上の「下書き保存」または「公開」をクリックすれば、作業内容が保存されます。
念のため、プレビュー画面からテキストをクリックし、リンクが正しく設定できているのかをチェックしましょう。もし、リンク先に移動しなければ、最初からやり直してみてください。
画像リンクの設置方法
画像にリンクを設置する方法を解説します。この方法は、画像だけではなくバナーにリンクを設置したい場合にも活用できます。
最初にリンクを設置したい画像を選び、ツールバーの「リンク」アイコンをクリックします。
「URLをペーストまたは入力して検索」欄に、リンク先のURLを入力もしくは貼り付けを行い、「適用」をクリックします。
右上の「下書き保存」または「公開」をクリックすれば、作業内容が保存されます。念のため、プレビュー画面から画像をクリックし、リンクが正しく設定できているのかをチェックしましょう。
ボタンリンクの設置方法
ボタンにリンクを設置する方法を解説します。
最初にリンクを設置したいボタンを選び、ツールバーの「リンク」アイコンをクリックします。
「検索またはURLを入力」欄に、リンク先のURLを入力もしくは貼り付けを行い、「Enterキー」をクリックします。
右上の「下書き保存」または「公開」をクリックすれば、作業内容が保存されます。念のため、プレビュー画面からボタンをクリックし、リンクが正しく設定できているのかをチェックしましょう。
ページ内リンクの設置方法
ページ内リンクの設置方法を説明します。
ページ内リンクとは、記事の一部をクリックすると、同じページ内の別の箇所に画面を移動させるリンクの事です。多くは記事の目次に使われています。
最初に、リンク先のブロックをクリックします。
続いて、画面右側の設定パネルから「ブロック」タブを選択し、「高度な設定」の「HTMLアンカー」に、任意の文字列を入力します。
入力された文字列を「HTMLアンカー名」と呼びます。任意の文字列は、同じページ内では重複しないように気を付けてください。また、任意の文字列はURLとして機能させるために、アルファベットでなければなりません。
リンク元となるテキストや画像を選択します。
リンク先として、先ほど配置した任意の文字列である「HTMLアンカー名」を指定します。「HTMLアンカー名」の前に「#」(ハッシュタグ)をつけてください。
「Enterキー」をクリックした後、「下書き保存」または「公開」をクリックすれば、保存されます。念のため、プレビュー画面からリンク元のテキストまたは画像をクリックし、リンクが正しく設定できているのかをチェックしましょう。
HTMLでリンクを設置する方法
ホームページ制作で多く使われるHTML(Hyper Text Markup Language)で、リンクを設置する方法をお伝えします。
リンクを設置するには、aタグを使用します。リンク先のURLは、ダブルクォーテーションで囲んだ部分に書き、aタグとaタグの間にテキストを記載します。
例えば、企業のホームページで「採用情報」にリンクを設置する場合、「<a href="“採用情報ページのURL”">採用情報</a>」と記述します。画像にリンクを設置する場合は、画像がきちんと表示されない場合に備えて、altの代替テキスト(画像が読み込まれなかったときに表示させるテキスト)も準備しておきましょう。リンク設置後は、正しくリンクが設定できているのかを忘れずに確認してください。
HTMLでリンクを設置する場合のソースコードは、次の通りです。ページ内リンクの場合は、リンク元とリンク先のタグに共通する文字列を入れる必要があります。
テキスト | <a href="“リンク先URL”">〇〇〇</a> |
画像 | <a href="リンク先URL"><img alt="画像が読み込まれなかったときに表示させるテキスト" src="画像のURL"></a> |
外部リンク | <a href="リンク先URL">〇〇〇</a> |
ページ内リンク | リンク元 <a href="任意の文字列">〇〇〇</a> リンク先 <div id="”任意の文字列”">〇〇〇</div> |
ホームページにリンクを設置する際の注意点
リンクには多くのメリットがあるため、ホームページ内にリンクをできるだけ多く設置しようと考える人もいるかもしれません。しかし、リンクの設置には注意点がいくつかあります。
過剰なリンク設置は低評価につながる
ホームページ内での回遊率を上げるには、内部リンクの設置が効果的ですが、過剰に内部リンクを設置していると見なされると、SEO上の低評価につながります。常にユーザーの利便性を念頭に、検索エンジンのガイドラインをチェックしたうえで、適切な設置数を心がけてください。
なお、リンク先の選定も重要です。関連性や信頼性が低いホームページにリンクを設置すると、SEO対策にマイナスの影響があります。リンクを設置する際は、リンク先のホームページの信頼度をしっかり確認しましょう。
また、Googleは、検索結果ランキングを上げることを目的としたリンクを「リンクスパム」と呼び、リンクの売買を違反行為とみなしています。リンクスパムの例として、金銭や物品、サービスを使ってリンクやリンクを含んだ投稿のやり取りが行われるケースが挙げられます。他にも、商品を記載してリンクを設定する代わりに商品を送る行為も、リンクスパムとされます。違反行為に十分に注意したうえで、リンクの設置を行いましょう。
[参照:Google検索セントラル「Googleウェブ検索のスパムに関するポリシー」]
隠しテキスト・隠しリンクは違反行為
Googleは、隠しテキストと隠しリンクも違反行為とみなしています。隠しテキストと隠しリンクとは、「検索エンジンを操作することのみを目的としてページにコンテンツを配置しながら、人間のユーザーには見えにくいようにする行為」を指します。
例を挙げると、文字と背景の色を同じにするケースがあります。当然、ユーザーには文字が見えません。また、テキストを画像の背後に置くケースもあり、こちらもユーザーはテキストを見つけられないでしょう。Googleはガイドラインでその他の違反行為の例も提示しているので、ぜひ確認してください。
また、故意にリンクを隠すケースだけではなく、ホームページを制作中に誤った操作によって隠しリンクが発生してしまう場合もあるでしょう。ホームページ内に隠しテキストや隠しリンクがないか、注意しながらサイト制作を進めるようにしましょう。
[参照:Google検索セントラル「Googleウェブ検索のスパムに関するポリシー」]
ホームページに正しくリンクを設置しユーザーの利便性を高めよう
ホームページ作成において、リンクはとても役に立つ機能です。しかし、一定のルールを守って運用しなければ、SEO上のマイナス要素となってしまうこともあります。正しい知識を持った上で、ユーザー利便性を最優先したリンクの設計を心がけましょう。
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