サービスオフィスとは?レンタル・シェアオフィスとの違いやメリットを解説

最終更新日時:2022/07/26

働き方改革

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テレワークの普及によるワークスタイルの変化から、場所に縛られない働き方が増え、オフィスの在り方が見直されています。本記事では、サービスオフィスとはどういったサービスなのか、レンタルオフィス・シェアオフィスとの違いやメリットと合わせて解説します。

サービスオフィスとは?

サービスオフィスとは、オフィス家具や設備を備えた従量課金制のオフィススペースのことです。事業者(運営会社)は、サービスオフィス1室またはフロア全体を、柔軟な条件のもとで利用者に提供しています。

サービスオフィスにはメンテナンス、設備、オフィス家具、機器の設置などのコストが発生せず、設備の管理や整備などが利用料金にすべて含まれているため、透明性が高く安心して利用できます。

ほかにも、会議室やラウンジなどの共用スペースに加えて、コンシェルジュサービスや事業のサポートなど、便利なサービスをオプションとして付帯することも可能です。

サービスオフィスを1〜3年で契約する利用者が多い一方、短期契約も可能となっています。たとえば、月単位で利用したり必要に応じてオフィススペースを拡大・縮小するなど、フレキシブルな利用ができることもサービスオフィスの利点です。

法人登記を目的としていたり利用者同士の交流があるなど、活用の幅が広いこともサービスオフィスの特徴です。ここからはサービスオフィスがどういうものなのか、多角的な視点から見ていきましょう。

サービスオフィスの市場規模について

サービスオフィスの市場規模は近年拡大しており、働き方改革の推進やテレワークの拡大などがその背景となっています。働き方改革の一環として企業には、従業員が多様な働き方を実現できるよう、環境を整備することが求められています。

また、テレワークの実施などによってオフィスの需要のあり方も変化しており、用途に合わせてフレキシブルに利用できるサービスオフィスが企業の注目をますます集めているのです。

サービスオフィスのメリット

ここでは、サービスオフィスにどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

初期費用を削減できる

サービスオフィスの賃貸プランは柔軟です。敷金や礼金も不要であることが多く、1ヶ月単位の短期契約ができるオフィスも少なくありません。

さらに、ビジネスプランに合わせ、急な拡張や縮小にも対応できるなど、機動的にビジネス展開したい企業にとっては理想的なシステムといえるでしょう。

サービスオフィスは、必要なスペースの対価を支払うだけで多くの場合、オフィス家具や備品、クオリティーの高い機器を入居後すぐに利用でき、ダウンタイム(無駄な待ち時間)がありません。

つまり、サービスオフィスは無駄なコストをかけることなく、オフィスの機能を利用できるのです。

アクセスしやすい

多くのサービスオフィスは、都市部やターミナル駅などアクセスの良い場所に立地しています。ビジネス街と呼ばれる場所にも利用者が見込まれるため、多くのサービスオフィスが設置されているでしょう。

会社の所在地として利用されることも多いサービスオフィスは、一等地に立地していることも少なくなく、アクセスが非常に便利なケースが多いです。

代行サービスを利用できる

多くのサービスオフィスでは、企業が必要とするバックヤード業務などを中心として代行サービスを利用できる仕組みになっています。代行サービスを利用することで、受付や電話応対などの業務を担う必要性がなく、本来の業務に取り組むことが可能となります。

これらの業務は同一オフィスを使用する企業や利用者でシェアできるため、コストの削減にもつながります。さらに、専門のスタッフを自社で雇用する必要がないため、人手が足りない利用者には重宝するサービスといえるでしょう。

法人登記できる

契約時に法人登記ができるサービスオフィスもあります。オフィス所在地がない会社は、取引先からの信頼を得ることが難しい場合があり、銀行からの融資を受ける際にもハードルが上がります。

サービスオフィスは法人登記することも可能であるため、スムーズかつ低いコストで会社の住所を獲得することが可能です。

また、法人登記を目的としてサービスオフィスを利用することも可能です。賃貸オフィスを借りなくても法人登記ができるため、コストを抑えながら事業を開始することができます。

利用者同士の交流がある

サービスオフィスを利用する人同士が交流できることもメリットの1つです。一般に、1つのオフィスに1つの企業しか入っていないケースでは、オフィスの利用者は同じ会社の従業員のみとなります。

サービスオフィスは複数の企業や利用者が契約し、使っているケースが多いため、他の企業の従業員や利用者との交流も可能です。従って、新しいビジネスアイデアを共有したり、議論することもできますし、ビジネス上の悩みを相談することもできるでしょう。

業種の異なる企業に所属する利用者から、思わぬ視点でのアドバイスを得られるかもしれません。サービスオフィスが異業種交流の場となることもあるでしょう。

サービスオフィスのデメリット

サービスオフィスを利用することは上記のメリットが得られる反面、もちろんデメリットもあります。ここからはサービスオフィスを利用するデメリットについて説明していきます。

利用時間がある

サービスオフィスは利用時間が定められています。そのため24時間、オフィスで仕事ができるわけではありません。

つまり、自分の裁量でオフィスを利用できるわけではなく、ビルの利用時間や休館日によっても使用できる時間帯は異なってきます。従って、サービスオフィスの規定に従って利用しなければならないという制約があります。

安全性が担保されていない

オフィスでの盗難などに関して責任を負わないといった免責事項が設定されているサービスオフィスも珍しくありません。多くの人が出入りするサービスオフィスでは、必ずしも安全性・セキュリティが担保されているわけではないのです。

業務に必要となる備品は、自分で守らなければなりません。共用オフィスの場合は、私物盗難の恐れがあります。また、オフィスのWi-Fi回線も他の利用者と共用しているため、セキュリティ対策が必要となります。

通信速度が遅くなる

サービスオフィスでは、複数の利用者がWi-Fi回線を共用することが多いでしょう。従って通信速度が遅くなる恐れがあります。

通信回線が不安定である場合、Web会議などに支障をきたす場合もあるでしょう。通信速度は、サービスオフィスのWi-Fi回線の利用状況によって変動するため、回線の不安定さが生じる可能性を認識しておきましょう。

各種オフィスサービスとの違い

サービスオフィスと似たオフィスにはレンタルオフィス・シェアオフィス・コワーキングスペースなどがあります。ほかにも、バーチャルオフィスやインキュベーションオフィスなど、オフィスの形態もさまざまです。

ここではこれらの5つのオフィスの形態がサービスオフィスとどう違うのかにスポットを当てて説明します。

レンタルオフィス

レンタルオフィスは、サービスオフィスと同様に従量課金制でオフィススペースを貸し出しています。サービスオフィスとの共通点も多いレンタルオフィスですが、無人運営で事務サポートがない点はサービスオフィスと異なっています。

また、一般にレンタルオフィスでは最低限のビジネス環境の整備はされ、利用料金が抑えられています。一方で、サービスオフィスはラグジュアリー感のあることが多いため、クオリティーや業務サポートを期待したい場合はサービスオフィスを選ぶとよいでしょう。

シェアオフィス

シェアオフィスはサービスオフィスのように、同じフロアのオフィススペースを異なる利用者が利用します。

ただし、シェアオフィスは、オープン空間を複数人で共用して利用するスタイルであるのに対して、シェアオフィスは、同じフロアであっても、専有できるエリアが定められているケースが一般的です。

専有スペースがない分、シェアオフィスの利用料金はサービスオフィスと比べるとリーズナブルです。オープン空間をシェアするのがシェアオフィスの本質なので、多くの利用者が出入りし、出張時などの単発利用もされています。

バーチャルオフィス

「仮想の事務所」といった意味合いのバーチャルオフィスは、事務所を賃借することなく、会社の所在地となる住所や電話番号などを提供してもらえるオフィスで郵便物対応もしてもらえます。

たとえば居住地を会社の所在地にすることを避けたい場合やネットショッピングの開業時などに活用されることもあります。また、バーチャルオフィスとしても利用できるサービスオフィスもあります。

コワーキングスペース

コワーキングスペースは、複数の人が共用するオープンプランのオフィスです。一般的にフリーランサー、起業家、プライバシーを必要とせず、経費を最小限に抑えたい非常に小規模なチームなどが利用しています。

コワーキングスペースには利用者同士の交流がしやすいという特徴があります。多くのサービスオフィスビルには、コワーキングスペースが併設されているのが普通です。

インキュベーションオフィス

企業設立のサポートをする機能に特化したインキュベーションオフィス。「孵化」(インキュベートincubate)する前段階である企業を支援するためのサービスが提供されているのがインキュベーションオフィス最大の特徴となっています。

インキュベーションオフィスは誰でも利用できるわけではありません。通常、インキュベーションオフィスは、国や地方自治体による支援を受けており、公的資金が利用されています。

結果として、インキュベーションオフィスを利用するためには、審査が必要であり一定の要件を満たさなければなりません。

サービスオフィスの利用が向いている企業

サービスオフィスは、従来のオフィスと比較して初期投資を抑えることが可能です。敷金や礼金が不要で業務に必要な設備を備えたオフィスが多数でしょう。従って、柔軟にオフィスを活用したい企業は、サービスオフィスの利用が向いているといえます。

たとえば、繁忙期の業務を通常のオフィススペースで対応できない企業や、景気動向の影響を受けやすい企業などは、サービスオフィスを活用することでフレキシブルにオフィスの利用を調整することが可能となります。

従業員数の増減に応じて就業場所を手配する手間も省略できるでしょう。在宅勤務で設備が十分な個人事業主(個人で士業を営む人を含む)も、サービスオフィスを利用することで自ら必要な備品などを揃える必要がありません。

さらに、サービスオフィスはアクセスのよい場所に設置されていることが多いため、顧客も利用しやすいはずです。一等地に所在するサービスオフィスを選ぶことで利用者の信頼度も増すでしょう。

サービスオフィスとは新しい働き方に適した職場環境

サービスオフィス業界は急速に成長しています。働き方改革はもちろん、テレワークの加速がサービスオフィスの利用を促進していることから、今後もオフィスの拡大・充実が図られることが予想されます。

サービスオフィスは、既にオフィス家具や設備を備えた従量課金制のオフィススペースであることに加え、会議室やラウンジ、コンシェルジュサービスや事業のサポートなど、利便性の高いサービスが多数、提供されています。

また、多種多様な業界の利用者と交流が持てるなど、サービスオフィスは多くの魅力を有しています。利用者の多い都心部やビジネス街には、既に多くのサービスオフィスがあるため、様々なオフィスを比較・検討するとよいでしょう。

そして、ビジネスを成功に導くための手段として、サービスオフィスを利用してみてはいかがでしょうか。

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ビズクロ編集部
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