6時間労働における休憩の必要性は?法令に基づいた休憩時間の原則を解説

2022/7/6 2022/07/06

働き方改革

6時間労働に必要な休憩時間とは

正社員やパート、アルバイトなどの雇用形態に関わらず、労働時間が6時間を超える場合は、休憩時間を付与することが法律により定められています。本記事では、労働基準法上の休憩時間の取り扱いについて解説します。法令を遵守するためにも、休憩時間のルールを確認しておきましょう。

労働における休憩時間の規定

労働における休憩時間は労働基準法によって定められています。まずはじめに、労働時間に対して原則どのくらいの休憩時間を取得しなければいけないのか、雇用形態によって休憩時間が異なるかどうかということを解説します。

休憩時間は法律で明確に定められている

休憩時間は労働基準法によって明確に定められています。労働基準法第四章の第三十四条に以下のように記載されています。

使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。

[引用:e-Gov 労働基準法 第三十四条]

取得しなければならない休憩時間は労働時間によって異なります。6時間以上が45分、8時間以上が1時間と定められています。また、上記の休憩時間は一斉に与えなければならないとされています。

正社員・パート・アルバイトなどの雇用状態は関係ない

休憩時間の長さや取得の必要性の有無は、正社員・パート・アルバイトなどの雇用形態には関係ありません。

いかなる雇用形態であっても、労働時間が6時間以上の場合は45分、労働時間が8時間以上の場合は1時間の休憩を取得する必要があります。

重要なのは、1日の労働時間に紐付いて休憩時間が決まっているということです。「正社員(非正規雇用)だから休憩時間が長い(短い)」などということはありません。

労働時間で異なる休憩時間の付与について

上記で労働時間によって付与するべき休憩時間が異なることについて解説しました。次に労働時間ごとの付与するべき休憩時間の詳細について解説します。

6時間を超えなければ休憩不要

労働時間が6時間を超えない場合は休憩を付与する必要がありません。正確には労働時間がちょうど6時間、または6時間未満の場合です。

労働基準法では、労働時間が6時間を超えた場合に休憩が必要と記載しています。そのため、労働時間が6時間未満の場合は、会社側は必ずしも休憩時間を与えなければいけないというわけではありません。

6〜8時間は45分以上の休憩時間が必要

労働時間が6〜8時間の場合は、45分以上の休憩時間を付与する必要があります。労働時間を計算する際、休憩時間は労働時間に含まれないことには注意が必要です。

労働時間とはあくまでも実際に働いた時間であって、会社に滞在した時間ではありません。

8時間以上は1時間以上の休憩時間

労働時間が8時間以上の場合は、1時間以上の休憩時間を付与する必要があります。6〜8時間の労働時間の場合も同様ですが、休憩時間は「45分以上」「1時間以上」であり、厳密にそれぞれの時間を付与すべき、というわけではありません。

あくまでも、最低限付与しなければならない時間ということには注意しましょう。例えば、労働時間が6時間で1時間の休憩、労働時間が8時間で2時間の休憩を付与しても問題ありません。

正しい休憩の与え方や取得時の注意

上記で労働時間に対する付与しなければならない休憩時間について解説しました。しかし、休憩時間はいかなる方法で与えても良いものではなく、正しい与え方や注意点があります。次に正しい休憩の与え方や取得時の注意点について解説します。

休憩時間は分割してとっても良い

休憩時間は分割しても問題ありません。6〜8時間働いた場合は45分の休憩時間を与えなければなりませんが、15分と30分に分けても構いません。

また、8時間以上働いた場合は1時間以上の休憩が必要ですが、30分と30分といったように分けても問題ありません。一方で、休憩時間を5分刻みとするなど、数分の休憩を繰り返す方法は、実態として休憩にならないと見なされる可能性があります。

その場合には、使用者が労働者に休憩を与えていないと判断されるリスクがあるので、分割するケースでもまとまった時間を与える必要があることには注意しましょう。

休憩は労働時間の途中で取得する

休憩は労働時間の途中で取得する必要があります。8時間の労働時間の場合、8時間働いた後に1時間の休憩という順番にすることは違反と見なされます。

8時間の労働時間の場合は、3時間働いた後に1時間の休憩を設け、その後5時間働くといったように休憩を取得しなければなりません。

休憩の与え方について、そもそもの休憩時間を与える意味を考える必要があります。休憩は従業員が継続的に高い生産性を維持しながら労働するために与えるものです。

逆に言えば、長時間働きづめでは従業員のパフォーマンスは落ちてしまいます。そう考えると、労働時間の途中で休憩を与えるのが適切とわかります。

原則的に一斉に休憩を取得する必要がある

休憩時間は原則的に一斉に取得する必要があります。労働基準法第四章第三十四条では以下のように明記されています。

前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。

[引用:e-Gov 労働基準法第三十四条二項項]

このように、原則として一斉に休憩を与える必要があります。しかし、接客業や小売業など従業員が一斉に休憩を取るのが難しい職種の場合は個別に休憩を与えても問題ないとされています。

また、労働組合がある場合は労働組合が、労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する従業員が合意することで、休憩を個別に取ることが許されます。

一斉付与適用外の業種

休憩の一斉付与適用外の業種は以下の通りです。

  • 道路、鉄道、軌道、索道、船舶または航空機による旅客または貨物の運送の事業
  • 物品の販売、配給、保管もしくは賃貸または理容の事業
  • 金融、保険、媒介、周旋、集金、案内または広告の事業
  • 映画の製作または映写、演劇その他興行の事業
  • 郵便、信書便または電気通信の事業
  • 病者または虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業
  • 旅館、料理店、飲食店、接客業または娯楽場の事業
  • 官公署の事業 など

上記の業種は事故のリスクを低減させたり、安全性を高めたりするためにも休憩時間を個別で取って良いとされています。

[出典:e-Gov 労働基準法施行規則 第三十一条]
[出典:e-Gov 労働基準法 別表第一]

休憩中は完全に自由な時間とする

休憩時間中は各従業員の自由な時間とし、仕事から解放する必要があります。労働基準法第四章第三十四条では以下のように明記されています。

使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。

[引用:e-Gov 労働基準法 第三十四条三項]

つまり、休憩時間中に仕事を強要してはいけないということです。数分で終わる事務作業であったり、電話応対をさせることもできません。休憩時間は労働者が自由に過ごす権利であり、休憩時間中に仕事をさせることは違法になり得るため注意が必要です。

残業時間も労働時間に含まれる

残業時間も労働時間に含まれるため、残業時間も含めて休憩時間を割り出す必要があります。規定の労働時間が7時間で残業がない場合は、休憩時間が45分以上となります。

一方で、規定の労働時間が7時間で2時間の残業をした場合は、休憩時間を1時間以上与えなければいけません。

しかし、残業は当初から予定されているものではないため、1時間以上の休憩をまとまった時間で与えるのは難しいという会社もあるでしょう。そのような会社は、労働時間中に45分の休憩を与えた場合、追加で15分以上の休憩を与えれば問題ありません。

このように、残業時間も労働時間に含まれ、休憩時間の長さに影響を与えるということを忘れてはいけません。

休憩時間を正しく管理するための方法

最後に休憩時間を正しく管理するための方法を紹介します。

就業規則を整備する

休憩時間を管理できていない場合は、就業規則の整備を行いましょう。就業規則とは使用者が労働基準法に基づいて労働条件等を取り決めたことを記載しているものです。就業規則の中で、自社の労働時間に適した休憩時間を付与することを明記する必要があります。

労働時間に対して休憩時間が少ない場合は労働基準法に違反していると見なされる可能性があるため、休憩時間について正しく明記することが大切です。

業務内容の見直しと再配分

休憩時間が適切に取得できていない従業員がいる場合は、業務内容の見直しと再配分をする必要があります。休憩する時間がないのは、特定の従業員だけ多数の業務を抱えており、休憩時間も仕事をしないと消化し切れない状況を意味します。

また、各従業員に合った内容の業務を割り振れていない可能性もあります。このように、休憩時間を適切に取得できていない場合は、各従業員が行っている業務内容を見直し、必要であれば他の従業員に引き渡すことが重要です。

休憩時間を取得できないほど仕事を割り振ることは、後に大きな問題を引き起こす可能性もあるため注意しましょう。

勤怠管理の整備・賃金計算基準の策定

休憩の時間を正しく取得するためにも勤怠管理を整備する必要があります。実際は8時間以上働いているにもかかわらず、勤怠管理上は8時間未満しか働いていないと見なされ、休憩時間が45分となっている可能性もあります。

また、勤怠管理の整備に伴い、賃金計算基準の策定も行うことが大切です。実際は労働していた時間を休憩と見なされて、賃金が発生しない場合があります。このような状況は不当であるため、あらかじめ賃金計算基準を策定しておくことで、漏れを防ぐことができます。

勤怠管理システムを有効活用しよう

手入力では間違いが発生しやすくなるため、勤怠管理はシステムを有効活用するのがおすすめです。勤怠管理システムを導入することで、従業員の労働時間や休憩時間を正しく計算できるようになります。また、テレワークを導入している企業でも、正確に管理することが可能です。

従業員に適切な休憩時間を付与できていない場合は、勤怠管理システムを導入することで、正確に管理・付与できるだけでなく、労務管理の担当者の業務負担軽減にもつながります。

正しい労働時間の把握と休憩時間の管理を

本記事では6時間労働における休憩の必要性について解説しました。労働時間が6〜8時間の場合は45分以上の休憩、労働時間が8時間以上の場合は1時間以上の休憩を与える必要があります。

正確に勤怠管理を行ったうえで、正しい労働時間の把握と休憩時間の管理をすることが大切です。

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