シェアリングエコノミーの成功事例15選!話題のサービスを徹底解説!
シェアリングエコノミーという、資産の提供を望む人と必要としている人を繋ぐ新しい形の経済活動が話題になっています。比較的新しいビジネスモデルのため、具体的なイメージがわかない方も多いでしょう。そこで本記事では、厳選した15社の成功事例を交えながら、シェアリングエコノミーを解説していきます。
目次
シェアリングエコノミーについて
シェアリングエコノミーの成功事例を紹介する前に、シェアリングエコノミーの概要をおさらいしておきましょう。ここでは概要に加えて、5つの代表的な分野と市場規模も紹介します。
シェアリングエコノミーとは?
シェアリングエコノミーとは、スキルや時間など無形のものを含む資産をインターネット上で他の人にシェアする経済活動です。内閣官房の定義と一般社団法人シェアリングエコノミー協会の定義をそれぞれ引用します。
まず、内閣官房の定義は次のとおりです。
個⼈等が保有する活⽤可能な資産等(スキルや時間等の無形のものを含む。)を、インターネット上のマッチングプラットフォームを介して他の個⼈等も利⽤可能とする経済活性化活動
[引用:経済産業省「シェアリングエコノミー 実態調査について」より]
一般社団法人シェアリングエコノミー協会は、次のように定義しています。
場所・乗り物・モノ・⼈・お⾦などの遊休資産をインターネット上のプラットフォームを介して個⼈間で貸借や売買、交換することでシェアしていく新しい経済の動き
[引用:経済産業省「シェアリングエコノミー 実態調査について」より]]
一般消費者にとって身近なシェアリングエコノミーの一つに、フリマアプリがあります。フリマアプリは個人が持っているモノ(資産)をインターネット上のマッチングプラットフォーム(フリマアプリ)を通じて売買することで、シェアします。
シェアリングエコノミー5種類の分野
一般社団法人シェアリングエコノミー協会は、シェアリングエコノミーの主な分野(領域)として次の5分類を示しています。
- 場所(空間):レンタルスペースなど
- 乗り物(移動):シェアサイクルなど
- モノ:フリマアプリなど
- スキル:家事代行やクラウドソーシングなど
- お金:クラウドファンディングなど
それぞれの分野で代表的なサービスがあり、一般消費者や企業の間でも利用が進んでいます。
レンタルスペースでは、テレワークの普及に伴い、作業場として活用する動きもあります。シェアサイクルでは、フードデリバリーサービスの配達員が移動手段として使うシーンも見られます。
企業が業務の一部を外注する際やフリーランスが仕事を探す時にクラウドソーシングを利用する機会も増え、スキルのシェアによって副業の幅が広がってきています。
また、企業が新製品の開発資金を募るためや、自治体が寄付金を集めるためにクラウドファンディングを利用するケースも一般的になりつつあります。
シェアリングエコノミーの市場規模
シェアリングエコノミーの市場規模は、シェアリングエコノミーが特定の業種に限定しないことから推計が難しいという実状があります。
そのうえで株式会社情報通信総合研究所と一般社団法人シェアリングエコノミー協会の共同調査によれば、2021年度の市場規模は2兆4,198億円と推計しています。
さらに、同調査ではベースシナリオでは2030年度にドラッグストアと同程度の7兆6,455億円、課題解決シナリオではコンビニ売上の1.2倍以上に相当する14兆2,799億円に拡大すると推計されています。
シェアリングエコノミーサービスの利用に際し課題となる新型コロナウイルス感染症による不安や認知度の低さなどが解決すれば、今後も大きな成長の余地が残されているようです。
なお、ここでいう市場規模は資産の提供者と利用者の間の取引金額を指します。
[出典:株式会社情報通信総合研究所・⼀般社団法⼈シェアリングエコノミー協会「シェアリングエコノミー関連調査2021年度調査」]
シェアリングエコノミーの成功事例15選
ここでは、シェアリングエコノミーの成功事例を15個紹介します。シェアリングエコノミーの主要プラットフォームといえる各サービスがどのようなものなのか、それぞれチェックしていきましょう。
- ココナラ
- CAMPFIRE
- ジモティー
- ソーシャルアパートメント
- タイムズカー
- メルカリ
- airCloset
- アイカサ
- Airbnb
- Uber
- Anyca
- notteco
- COGICOGISMART
- スペースマーケット
- シェアダイン
ココナラ
ココナラは、得意(スキル)を売買するシェアリングエコノミーのプラットフォームです。利用者数は220万人、出品サービス数は40万件を超える日本最大級のスキルマーケットとして、230種類以上のカテゴリで豊富なサービスが出品されています(2022年8月時点)。
ビジネス利用も可能で、見積書や発注書、納品書、請求書、領収書などの帳票発行も可能です。請求書払いや源泉徴収までサポートしています。
ビジネスアカウントであれば、出品者に提供した機密情報が万一漏えいした場合でも、賠償責任保険によって1事故1,000万円を限度として補償されるのも安心です。
CAMPFIRE
CAMPFIREとは、国内最大級のクラウドファンディングプラットフォームです。クラウドファンディングとは、インターネット上で不特定多数の人から資金を調達する仕組みを指します。つまりクラウドファンディングはお金をシェアする仕組みです。
CAMPFIREは、これまで6.7万件以上のプロジェクトを通じて810万人以上から620億円以上の支援を創出しています(2022年8月時点)。
プロジェクトをCAMPFIREに掲載するときの掲載費は無料で、審査も必要最低限なのでプロジェクトをスピーディーに公開できます。
ジモティー
ジモティーは、地元に特化したシェアリングエコノミープラットフォームです。利用手数料をすべて無料にしているのが特徴といえます。
掲示板のカテゴリーは「売ります・あげます」を基本として、「助け合い」、「メンバー募集」、「中古車」、「アルバイト」など多岐にわたります。例えば、企業がジモティーに求人を出すことも可能です。
ソーシャルアパートメント
ソーシャルアパートメントは、株式会社グローバルエージェンツが提供する、一人暮らしの新しいライフスタイルです。同社によると、従来の部屋にラウンジなどの充実した共用スペースが付き、住民間の交流を楽しむマンションだとしています。
いわばシェアハウスと似たようなものですが、ソーシャルアパートメントは住民間の交流(コミュニケーション)に重点を置いている点が異なるようです。
タイムズカー
タイムズカーは、パーク24グループのタイムズモビリティ株式会社が運営するカーシェアリングサービスです。同社HPによると、タイムズカーは会員数やステーション数、車の台数において、すべて業界No.1としています。
カーシェアでは、パソコンやスマホから車を予約し、車に会員カードをかざすことで開錠して利用を開始できます。
タイムズカーのサポート体制は高い充実度を誇っており、利用方法がわからないときや利用中のトラブルは24時間体制のコンタクトセンターが対応します。万が一の事故の際にも、対人・対物無制限の補償が料金に含まれているので、比較的安心して利用できます。
メルカリ
メルカリは、簡単に売買ができて安心・安全な取引ができるフリマアプリです。購入時と出品時どちらも手数料無料で、誰もが使いやすい料金設定とされています(ただし販売手数料は10%かかります)。
売るときは、「商品撮影」→「商品説明を入力」→「出品する」という3ステップで完結します。買うときも、「購入手続きをタップ」→「支払い方法を選択」→「商品を購入する」という3ステップと、簡単に取引ができます。
匿名配送が可能なメルカリ便や全国174万か所で利用できる決済サービス「メルペイ」など充実した関連サービスも展開し、日本国内の8人に1人に相当する1,750万人(MAU、2020年4〜6月の数値)がメルカリを利用しているほど大きなプラットフォームとなりました。
airCloset
airClosetは、プロのスタイリストが自分のために選んだ服が自宅に届く、ファッションのサブスクリプションサービスです。約50項目の診断によるスタイリングカルテをスタイリストに送信し、その診断結果をもとにスタイリストが服を選んで届けてくれます。
自分ではチャレンジしにくいスタイリングも、プロが選んでくれたらチャレンジしやすいというメリットのあるサービスです。
指定ブランドを選択できるオプションサービスも追加され、サービス満足度は91.8%と高い満足度を誇ります。会員数は、2022年6月期の調査で60万人を突破しました。
アイカサ
アイカサは、傘のシェアリングエコノミープラットフォームです。アイカサを利用すれば、傘を持ち歩かなくてもアイカサスポットで傘を借りることができます。
2022年7月31日確認時点では、月額280円または24時間70円といったお手頃な料金から利用可能です。
同社では、傘のシェアによってビニール傘の廃棄課題を解決する取り組みを行っており、サステナビリティの観点からも注目を集めています。
Airbnb
Airbnb(エアビーアンドビー)は、宿泊施設のホームシェアリングプラットフォームです。民泊サービスと呼ばれることもあります。
1日あたりの宿泊利用者数は世界10万都市に200万人を抱え、宿泊先は191か国に600万件以上あります(2022年8月時点)。シェアリングエコノミーにおけるもっとも有名なサービスともいえるでしょう。
Uber
Uberとは、個人と車をつなぐプラットフォームです。米国サンフランシスコに本社を構え、世界60か国330都市に展開しています。
なお、日本ではフードデリバリープラットフォームであるUber Eatsの利用者も増えています。Uber Eatsでは飲食店の料理を注文するとドライバーがマッチングされ、注文した料理が配達される仕組みです。
Anyca
Anycaは、個人オーナーやディーラーと車をシェアできるカーシェアアプリです。コンパクトカーからスポーツカーまで1,000車種2万台(2021年6月時点)といった幅広い車を選べる点で、前述したカーシェアサービスとは異なります。
もし普段乗っていない車があれば、Anycaでシェアすることで車の維持費削減に役立つことでしょう。実際、東京23区内の上位100車種の2020年度月間シェア受取金額は平均3万円でした。
notteco
nottecoは、同じ目的地や趣味を持つ人の車とマッチングし、相乗り(ライドシェア)することができるシェアリングエコノミープラットフォームです。ガソリン代や高速代などの実費は全員で割り勘するため、参加者は格安で移動が可能になります。
ドライバーとしては節約できることはもちろん、同じ趣味の人とコミュニケーションが図れる点もメリットの一つです。
COGICOGISMART
COGICOGISMARTは、電動自転車をシェアするシェアサイクルサービスです。電動アシスト自転車なので、通常の自転車と比べてラクに移動できます。
なお、前述したフードデリバリーサービス「Uber Eats」などの配達員向けに、大容量バッテリーの電動アシスト自転車レンタルプラン「COGICOGI PASS for delivery crew」も提供しています。
スペースマーケット
スペースマーケットは、スペース(場所)掲載数No.1のスペースシェアサービスです。スペースマーケットを通じてスペースの予約と支払いができます。
掲載されているスペースの数は2万件以上(2022年8月時点)あり、例えば、打ち合わせやテレワークで使ったり、ホームパーティーの開催やYouTubeのライブ配信など、さまざまな用途で利用可能です。
シェアダイン
シェアダインは、栄養士やレストランのシェフの料理を自宅で楽しめる、出張シェフのマッチング・サブスクリプションサービスです。
約1,600名(2021年8月時点)もの出張シェフが妊活中の食事や離乳食、ダイエット食、アスリート食などさまざまな家庭の食のニーズに寄り添って献立を提案し、調理してくれます。
成功事例からシェアリングエコノミーを理解する
この記事では、シェアリングエコノミーの概要と主要なシェアリングエコノミーの事例15選を紹介しました。
空間や移動手段、モノ、スキル、お金など主要な5分野での取引が活発化し、将来的には10兆円規模に市場が拡大するとの見方もあります。本記事で紹介したとおり、シェアリングエコノミーのプラットフォームは多岐にわたり、各社は多様な観点からサービスを展開しています。
シェアリングエコノミーは消費者の利便性を拡大させるとともに、新たなビジネスモデル創出のヒントにもなるかもしれません。シェアリングエコノミーへの理解を深め、今後のビジネスに生かせる部分がないか探ってみましょう。
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