年上部下との1on1ミーティングのコツ|お互いに気を使わないためのポイントを紹介
年功序列から成果主義へと変わりつつある会社では、若くして重要ポストに就いたチームのリーダーが1on1ミーティングで年上部下と対談することもあるでしょう。お互いに気を使わないためのポイントやコツをご紹介します。
目次
年上部下の扱い方で疲れる人が多い
昨今、年上部下の扱い方に疲れている人が目立ちます。年上部下とは、その名の通り上司よりも年齢が上の部下のことです。ストレスを感じる年上部下の特徴について解説します。
(1)素直に指示を聞かない
年上部下は、上司の指示を素直に聞かないことが特徴です。年齢によるプライドが反発心を生むケースが多いからでしょう。丁寧に指示しても無視されたり、口答えされたりすることも少なくありません。
「自分が若いころはこうやっていた」と昔の方法にしばられ、柔軟な考え方ができない人も多数存在します。
(2)個人プレーをしてしまう
チームで業務を連帯せず、個人プレーをしてしまう点も年上部下の特徴です。豊富なキャリアを積んでいる年上部下の中には、報・連・相をしなくても業務が遂行できると考える人もいます。問題が発生しても上司に確認を取らないため、気づいたときには手遅れになっているケースが多数あります。
(3)社歴が長いだけで仕事ができない
社歴やキャリアが長いだけで、仕事のパフォーマンス力が低い年上部下もいます。たとえば、成果物にケアレスミスが目立ったり、タスク完了までの時間が長かったりするのです。
自らスキルを伸ばそうとする意識も足りないため、将来性が見込めません。
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年上部下が増加している理由
現代社会において、なぜ年上部下が急増しているのでしょうか。その理由は以下のとおりです。
(1)社会の高齢化
日本が超高齢化社会であることが一番の理由です。内閣府の「令和2年版高齢社会白書(全体版)」には、以下の記載があります。
「我が国の総人口は、令和元(2019)年10月1日現在、1億2,617万人となっている。65歳以上人口は、3,589万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)も28.4%となった。」
引用元:内閣府「令和2年版高齢社会白書」より
この傾向が続けば、令和47(2065)年の高齢化率は38.4%に達し、国民の約2.6人に1人が65歳以上となることが推測されています。社会全体が高齢化しているため、部下が高齢化することも自然な流れです。
(2)定年後の再雇用
高齢化社会の構築によって、定年後に再雇用されて働く時代が来たことも大きな理由です。
キャリアとスキルが充実した定年後の人材の再雇用は、今やスタンダードとなりました。この場合、契約社員や派遣社員として雇用されるケースが目立ちます。
(3)成果重視の評価制度
日本社会全体が成果重視の評価制度にシフトチェンジするようになったことも理由の一つです。
今までの日本は、年功序列型の評価制度が一般的でしたが、現在は欧米から流入した実力主義の評価制度が広がっています。実力を正当に認められた結果、若くして重要ポストに就く社員も増えているのです。
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年上部下の分類タイプ
ひとくちに年上部下といっても、さまざまなタイプがあります。
このタイプを理解することで、チーム内のトラブルを解決できるかもしれません。あなたの近くにいる年上部下は、どのタイプに当てはまるでしょうか。
(1)コントローラータイプ
コントローラータイプは、「決断型」とも呼ばれます。リーダーシップやチームを引っ張る素質があるタイプですが、感情を表に出さないところが特徴です。主に、以下のような性質があります。
- 仕事のやり方にこだわりがある
- 主体性を持って行動できる
- ストレートな発言をする
- 結果を出すことを重視する
コントローラータイプの年上部下とは、プライドを傷つけないように配慮して付き合うことが重要です。相手を尊敬していることをアピールしながら指示を出すと、反発心も生まれないでしょう。
(2)プロモータータイプ
プロモータータイプの別名は「促進型」です。感情表現と自己主張が豊かであり、オリジナリティーのある独創的な発想ができます。その他の性質は以下のとおりです。
- チームを仕切れる
- ムードメーカー
- 他者の長所を見つけ、伸ばすことが得意
- 理詰めの話が苦手
プロモータータイプの年上部下は、自由に仕事をしたいと考えている人が多いため、相手の考えを否定しないように気をつけましょう。
(3)アナライザータイプ
「分析型」とも呼ばれるアナライザータイプは、プロモータータイプとは正反対の性質を持ちます。
感情表現と自己主張が両方とも苦手であり、感情的な行動はほぼ見られません。
- 物事を客観的に見られる
- スケジュール通りに仕事を遂行する
- ミスがないよう慎重に業務を行う
- 理詰めで話をする
アナライザータイプの年上部下を褒める際は、相手の性格や性質よりも、成果物の正確性などについて言及しましょう。業務上の報告でも、理論立てて話を進めるように注意してください。
(4)サポータータイプ
サポータータイプの別名は、「支援型」です。自己主張が苦手な分、感情表現は豊かですが、他者のタスクまで余分に背負ってしまう傾向があります。
- 空気を読むことが得意
- チームメンバーの意見に同調することが多い
- 他者のサポートが好き
- 調和を乱すことを嫌う
サポータータイプの年上部下と接するときは、余分な仕事を引き受けていないか頻繁にチェックしてください。積極的にコミュニケーションをとり、ストレス状態を定期的に把握することが必要です。
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年上部下との1on1ミーティングのコツ
年上部下との1on1ミーティングをスムーズに行うためには、いくつかのコツがあります。今回は、主なコツを5つピックアップしました。
(1)年齢に関係なく尊重する
年上部下に限りませんが、年齢に関係なく部下全員に対して敬意を払うことが重要です。
相手の価値観、キャリア、アイデアなどを否定してはいけません。たとえ実現不可能な提案をされても、相手の考えを尊重しましょう。
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(2)相手を応援する
1on1ミーティングでは、部下を心から応援しましょう。部下は、上司がしっかり自分を見てくれている安心感から心を開きます。たとえ相手のパフォーマンスが悪くても、応援する力を抜いてはいけません。
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(3)役割を意識する
上司という自分の役割を意識して仕事をしましょう。相手が年上部下だからといって、過度に引け目を感じる必要はありません。指摘するべき部分は漏れなく指摘し、チーム全体の組織力が高まるように尽力してください。
(4)積極的にコミュニケーションをとる
1on1ミーティングだけでなく、日々のあいさつや雑談など、何気ない会話を積極的に行いましょう。普段から会話を交わしていると、自然と相手に好印象を持つようになるからです。1日を通して意識的に相手へ話しかけることが、1on1ミーティングの成功につながります。
(5)普段からこまめに相談する
なにか悩みごとがあるときに、年上部下に対してこまめに相談するとよいでしょう。部下は上司に弱みを見せてもらえることに喜びを感じるうえに、年長者だからこそわかる解決方法もあるからです。互いの距離がぐっと縮まるでしょう。
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年下部下との円滑な1on1ミーティングは慎重に実施しよう
年上部下と充実した1on1ミーティングを行うには、相手のタイプにマッチした方法を取らなければなりません。
そのうえで、「年齢に関係なく相手を尊重する」「積極的にコミュニケーションをとる」といったコツを実践することが大切です。普段からの心掛けによって、お互いに気をつかわず、年上部下とスムーズな1on1ミーティングが行えるでしょう。
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