1on1ミーティングを導入する目的とは?導入企業の事例からわかる効果
1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で行う面談のことです。日本でも導入が進められていますが、大手企業も導入する目的とは一体何なのでしょうか。本記事では、そんな1on1ミーティングの導入目的について、導入企業や期待できる効果などを徹底解説していきます。
目次
1on1ミーティングとは?
1on1ミーティングとは、1対1で行う上司と部下の面談のことです。
かつてこのような形式の面談は年に数回しか実施されていませんでしたが、現在は週1回〜月1回といった定期的なサイクルで行う企業が増えています。
1on1ミーティングを導入する目的
1on1ミーティングを導入する目的は、部下の能力を高めるためです。
上司が部下のスキルを引き出し、チームの一員として成長するきっかけを与えています。従業員1人ひとりの能力をアップさせることで、総合的に企業力を向上させることが可能です。
1on1ミーティングが注目されている背景
現在、1on1ミーティングが注目されている理由は、テレワークの普及でコミュニケーションが希薄になっているからです。
以前は会社に出社していたため、上司と部下が直接コミュニケーションをとっていましたが、今では頻度が減っています。そのため、1on1ミーティングを行い、会話をする機会を増やす傾向にあります。
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1on1ミーティングの現在の導入企業数
2022年に株式会社リクルートマネジメントソリューションズが発表したデータによると、1on1ミーティングを導入した企業は全体の約70%まで増えています。
また、そのうちの約60%が「3年以内に導入した」と回答。新型コロナウイルスによるテレワーク普及の影響が考えられます。
参照元:リクルートマネジメントソリューションズ「1on1ミーティング導入の実態調査」
1on1ミーティングを導入した企業の成功事例
続いて、1on1ミーティングを導入した企業の主な成功事例を見ていきましょう。
ヤフー株式会社
ヤフー株式会社は、2012年から1on1ミーティングを導入しています。
「ミーティング用の場所を確保し、週1で部下の話を聞く」という方法が基本的なスタイルです。社外の専門家からサポートを受けながら理解を広げ、自社文化を構築していきました。
課題点 | 部下の才能と情熱を解き放つ必要がある |
導入内容の特徴 | カリキュラムをヤフーの文化にマッチするものに修正した |
導入後の変化 | 組織の活性化に成功した |
楽天グループ株式会社
楽天グループ株式会社は、2017年に1on1ミーティングを全社的に導入しました。従業員の多様性に向き合うことで、全員が自分の能力を発揮できる環境形成に貢献しています。
導入後に行われたサーベイでは、95%の従業員が「1on1ミーティングに満足している」と回答しました。
課題点 | 「勝てる人材、勝てるチームを作る」必要があった |
導入内容の特徴 | マネージャー・メンバー間で定期的に実施 |
導入後の変化 | 従業員の心理的安全性が高まった |
グリー株式会社
グリー株式会社は、2015年から1on1ミーティングを導入しています。
適切なミーティングを行うため、マネージャー向けに1on1研修を実施。部下が目指す従業員像と現状のギャップを把握し、前向きに業務へ取り組む契機を創出しています。
課題点 | 自分自身の働き方や目標の立て方がわからない従業員が多数存在した |
導入内容の特徴 | 週1回原則30分で面談を実施 |
導入後の変化 | 上司と部下の信頼関係が深まった |
サイボウズ株式会社
サイボウズ株式会社は、2018年頃から「ザツダン」という名の1on1ミーティングを実施しています。
部下の状況をチェックし、コミュニケーションを活性化させることが主な目的です。
課題点 | 離職率が増加していた |
導入内容の特徴 | ルールや制度は設けず、自由に面談を実施 |
導入後の変化 | 従業員の状況が把握できるようになった |
1on1ミーティングの導入で期待できる効果
1on1ミーティングを導入すると、さまざまな効果が期待できます。
部下の抱える悩みや課題の解決
部下の悩みや課題を、一緒に解決することができます。
悩みは業務内容だけでなく、プライベートの内容でも構いません。部下は悩みが解決したことで、業務に集中できるようになるでしょう。
部下との信頼関係の構築
人生の先輩と後輩として意見を交わすことで、信頼関係を構築できます。
コミュニケーションの機会が多くなるので、連絡不足による業務トラブルの減少も可能です。
部下のモチベーションアップ
部下のモチベーションも、大幅に向上します。
業務の問題を誰にも相談できずに困っていた場合はそのまま離職してしまう危険性もあるため、非常に重要な効果です。
1on1ミーティングを導入するまでの流れ
1on1ミーティングを導入する際は、以下のような流れに沿って業務を進めてください。
プロジェクトの立ち上げ
まず、企業全体でプロジェクトを立ち上げます。プロジェクトメンバーに役員クラスの人員を配置し、全社的に力を入れて取り組むことが重要です。
部分的にトライアル導入
次に、トライアル導入を行います。本社や人事労務に導入してから、営業などのライン部門に取り入れるなど、数回のステップを踏むことが大切です。
トライアルでの反省点を、企業全体への導入に活かしていきます。
全体導入・運用
トライアル導入に問題がなかったら、全体導入に進みましょう。明確なマニュアルを作成し、長期的に運用できる環境を構築してください。
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1on1ミーティング導入時の注意点
1on1ミーティング導入時には、以下の3点に注意しましょう。
話しやすい環境作りを徹底する
1on1ミーティングでは、部下が話しやすい環境作りを徹底してください。
心理的安全性が高い環境を形成しなければ、部下は心を開きません。部下と本音で向き合うことがポイントです。
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部下の自主性を尊重する
部下の自主性を尊重することも重要です。
課題を共に解決する際も、すぐに解決方法を提示してはいけません。部下が自分の頭で考え、答えを見つけられるように、サポートは適度に行ってください。
定期的に行い継続していく
1on1ミーティングは、定期的に行って継続していきましょう。
1回あたりの時間が少なくても問題ないので、最低でも月に1回は実施してください。回数を重ねることが、1on1ミーティングが社内文化の構築に繋がります。
▷1on1ミーティングの頻度はどのくらい?適切な頻度と時間設定
1on1ミーティングの導入事例を参考にしていこう
1on1ミーティングは、企業の底力をアップするために必要な文化です。本記事の有名企業の成功例を参考にして、1on1ミーティングを導入してみてください。
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