無口な部下にはどう接すべき?喋らない部下とのコミュニケーション術

最終更新日時:2023/09/14

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無口な部下

上司が抱える悩みの種の1つである、「無口な部下」への対応。意思表示がなく何を考えているのかわからない。どう接したら良いのか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。本記事では、無口な部下にはどう接するべきか?無口な部下とのコミュニケーション術を詳しく解説します。

無口な部下の特徴とは?

普段から口数が少ない方は、以下7つのタイプに分類できます。

  • コミュニケーションが苦手
  • 自分に自信がない
  • 生真面目
  • 沈黙を苦痛と感じない
  • 1人の時間が好き
  • 相手が苦手
  • 会話が必要だと感じていない

部下が必要以上に発言しないのは、会話の必要性や沈黙を苦痛と感じていない可能性も考えられます。そのため、部下がどのような性格や思考の持ち主かを知ることが重要です。

コミュニケーションが苦手

コミュニケーションが苦手だという意識を持っている場合、口数が減り、自分の発言が相手にどう思われているかを気にし過ぎる傾向にあります。

想像していた反応と違うと感じたときは「言葉選びを間違えた」と判断し、次に続く言葉がすぐに出てきません。また、コミュニケーションへの苦手意識から焦りが先行してしまい、質問した内容を理解できずに回答するケースもあります。

的外れな回答をする、話にまとまりがないなど、会話が上手く噛み合いません。その結果、スムーズな会話ができないといったストレスから自信を失い、ますます口数が減る悪循環に陥ります。

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自分に自信がない

自分に自信がないと、会話への積極性が失われます。会話をするたび、相手に自分の考えを上手く伝えられなかった経験が蘇り、発言を極力控えるようになるためです。

「場の雰囲気を壊したくない」「相手に嫌われなくない」といった心理が働き、上手く言葉が出てきません。その結果、「何を話していいかわからない」などの心理状態に陥り、口数が減ります。

また、自信を失った期間が長くなるほど、周囲の反応を必要以上に気にするため警戒心が強くなり、自分から話しかけられません。

生真面目

生真面目な方は完璧主義者の方が多く、成果を出すために努力を重ねています。自分だけでなく、周囲にも妥協を許しません。物事に対して常に真剣に取り組んでおり、冗談が通じないケースも珍しくないでしょう。

その結果、「融通が利かない人」との印象を持たれ、周囲から敬遠されるケースも多く、人付き合いに苦手意識を抱えています。一方で、承認欲求は高く、周囲の反応や評価に対しては敏感です。自分の評価を落とさないよう、意図的に口数を減らしている可能性が考えられます。

沈黙を苦痛と感じない

沈黙を苦痛と感じない傾向があります。逆に、ずっと会話が継続している状態に苦痛を感じている可能性があり、人によって心地よいと感じる会話のペースは異なります。

普段から相手と言葉を交わす機会が多い方は、沈黙ができると気持ちが落ち着かなくなるでしょう。しかし、口数が少ない方の場合、沈黙の時間が生まれることに対して、ネガティブな印象を持っていません。そのため、沈黙に対しての考え方を変える必要があります。

1人の時間が好き

1人の時間が好きという点も考えられます。孤独を苦痛に感じず、マイペースで時間を過ごしたい方も、必要以上に周囲と交わりません。大人数での会話や雰囲気に苦手意識を持っており、一定の距離感を保って周囲と接します。

また、オンとオフを明確に分けている、周囲に気を遣いすぎるなど、気を休める時間として一人の時間を確保している方もいます。

相手が苦手

相手が苦手だという意識を持っている場合、口数が極端に減ります。価値観や波長が合わないことからトラブルを避けるため、話しかけられても必要最低限の会話に留めます。仕事で用事がない場合、自分から話しかけにいくことはほとんどないでしょう。

会話が必要だと感じていない

会話が必要だと感じていない合理主義の方は、無駄な時間が発生しないように常に効率性や計画性を重視した行動を取れる点が魅力で、判断力にも優れて感情や慣習にも流されません。

半面、普段の行動や人間関係の優先順位は、自身の利益を最優先しており、不利益につながる行動を避けます。相手との関係を壊さないよう、必要以上の会話は重ねず、ビジネスライクな関係に徹します。

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部下が急に無口になった時の原因

部下が急に無口になった時の原因とは一体なにがあるのでしょうか。まず以下4つの原因が考えられるでしょう。

  • 信頼の喪失
  • 精神的な不調
  • 仕事への意欲の減退
  • プライベートの問題

内容を問わず、部下が口を閉ざすようになった原因を把握することが重要です。対応が遅れると職場への帰属意識が薄れ、最悪の場合は離職に発展します。

信頼の喪失

信頼の喪失が原因の一つです。上司の言動や行動が原因で部下との信頼関係が悪化すると、部下が心を閉ざし会話の数が極端に減ります。「君のやり方では結果が出ない」「どうして他の方法を試さない」など、部下を否定する言葉ばかりかけていると、信頼を失います。

上司としては励ましているつもりでも、部下の視点から見ると自己否定されたと感じ、仕事への意欲を奪い、最悪の場合は離職につながりかねません。ほかにも、下記の行動や言動を繰り返すと部下からの信頼を失って、職場の雰囲気が悪化します。

  • 部下の仕事の進捗管理ができない
  • パワハラやセクハラなどを繰り返す
  • 口だけで自分で行動は一切しない
  • 部下の成果を奪う
  • 仕事の失敗を部下になすりつける
  • 部下の短所ばかり指摘する
  • 部下からの相談を聞かない

精神的な不調

精神的な不調も挙げられます。長時間労働や職場の人間関係によってストレスが溜まると、うつ病や適応障害などを発症し、行動意欲が低下して発言する回数も極端に減ります。不調の悪化で休職や離職を招かないよう、メンタルケアが重要です。

過労やストレスの蓄積による体調不良の初期症状を察知したら、すぐに休暇の取得を命じましょう。下記に体調不良の初期症状をまとめました。

  • 倦怠感
  • 食欲不振
  • 不眠症
  • 頭痛やめまい
  • 吐き気

休暇取得によってリフレッシュする時間を確保し、疲労回復やストレス発散に努めます。

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仕事への意欲の減退

仕事への意欲の減退も考えられるでしょう。多忙による心身の疲弊や長期休暇明けなどが原因で、仕事への意欲が減退すると口数が減ります。

一時的な兆候であれば、再び以前のように会話する可能性が高まりますが、人事評価への不満や業務内容のミスマッチなど、原因によっては一向に状況は改善されません。人事評価の再整備や配置転換などが見込めないと判断された場合、離職する可能性が高まります。

どのような原因で部下が仕事への意欲を失ったのか、把握することが重要です。また、現在の職場では自身の希望が叶わないと判断した際、水面下で転職活動に励んでいる可能性もあります。

ほかにも、既に転職先が決まっている場合はトラブルを避けるため、余計な発言を控えようとする意識が働くでしょう。

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プライベートの問題

プライベートの問題が原因の一つかもしれません。パートナーとの関係悪化や親の介護など、プライベートな問題に直面している可能性もあります。プライベートで問題を抱えていたとしても、日々の生活のためには仕事をこなさなければなりません。

しかし、気持ちを上手く切り替えられる方ばかりではないうえ、相談できる相手がいない場合には、次第にふさぎこむようになり、明るく振舞うのが難しくなります。そのため、まずは業務時間内に、1対1で対話する場を設けましょう。

対話する際には、部下から無理に話を聞き出そうとしないことが重要です。金銭トラブルや健康上の問題など、他人に触れられたくない問題を抱えている場合もあります。「最近口数が減って心配している」「悩みがあったら話してほしい」など、部下に寄り添う姿勢をみせましょう。

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無口な部下へのコミュニケーション術

無口な部下へのコミュニケーション術を8つ紹介します。無口な部下と信頼関係を構築するのは、簡単な作業ではありません。下記の方法を駆使して距離感を縮め、部下との信頼関係を築きましょう。

  • 相手に関心を持つ
  • 相手を尊重する
  • 良い点を評価する
  • オープンクエスチョンを活用する
  • ザイオンス効果を活用する
  • 自己成就予言を活用する
  • 自己有用感を引き出す
  • ビジネスチャットを活用する

相手に関心を持つ

関心を持つことが重要です。部下にとって上司は、緊張感を強いられる存在であり、成績や仕事への取り組み方に関して指導を受ける立場です。

時には、プライドを傷つけられる発言を浴びせられた経験を持つ方もいるでしょう。信頼関係が構築されていない場合、部下は上司に対して強い不信感や警戒心を抱いてしまいます。そのため、心理的な壁を取り除くには、部下への関心を高めることが重要です。

たとえば、部署内会議の際、最近うれしかったことや週末の過ごし方など、雑談する場を設け、相互理解に努めるのも有効な方法です。1対1での面談を持ちかけるよりも、自然な形で相手のことを把握できます。部下の性格や価値観、キャリアビジョンなど、相手に関心を持つようにしましょう。

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相手を尊重する

相手を尊重するためには、以下2つのポイントを意識することが重要です。

  1. 部下の話を何度でも聞く
  2. 主観で評価しない

1に関しては、同じ内容の報告を受けたとしても、常に話を聞く姿勢が上司には求められます。「別の部下から聞いた」「既に報告を受けている」と言われる機会が続くと、部下の意欲が削がれます。

その結果、コミュニケーションを図る意識が薄れ、次第に最低限の報告しか挙げなくなるでしょう。別の部下から既に報告を聞いていたとしても、話を遮らずに最後まで報告を聞くようにします。

2に関しては、上司の評価軸に部下の価値観を当てはめないことです。上司が大切にしている価値観が、部下にとって重要な価値観であるとは限りません。部下の思考ややり方を尊重し、成果が出るまで見守る姿勢が求められます。部下が悩んでいた場合は手を差し伸べ、軌道修正するのが上司に求められる役割です。

価値観や評価軸を押し付けることが、上司が果たすべき責任ではありません。

良い点を評価する

良い点を評価する姿勢を持ちましょう。相手の短所ばかりを指摘していると「文句が多い」「粗探しばかり」など、ネガティブな印象を持たれるようになります。

最悪の場合は部下からの信頼を失い、修復不可能な関係となってしまうため、部下から相談や報告がしやすいと感じてもらえるよう、相手の良い点を評価する姿勢を持つことが重要です。

オープンクエスチョンを活用する

オープンクエスチョンを活用するようにしましょう。オープンクエスチョンとは回答の範囲を限定せず、自由に答えてもらうための質問方法です。「最近嬉しかったことはなに?」「仕事で悩んでいることはある?」など、質問を重ねて相手の考えや気持ちを引き出します。

「はい」か「いいえ」で応えられる質問より会話を広げやすく、多くの情報を引き出せる点が、オープンクエスチョンのメリットです。ただし、部下との信頼関係が構築されていないと本音を引き出せないため、部下とスムーズにコミュニケーションを交わせる関係を早急に構築する必要があります。

ザイオンス効果を活用する

ザイオンス効果を活用することもおすすめです。ザイオンス効果(単純接触効果)とは、相手と繰り返し接触するうちに、相手への好感度や評価が高まる心理的効果のことです。TVCMやWeb広告など、マーケティング手法の一つとして活用されています。

ザイオンス効果を対人関係に置き換えてみましょう。初対面では苦手な印象を部下に与えていたとしても、毎日言葉を交わしていれば、思いやりのある上司へと評価が変わっていきます。

部下とのコミュニケーションが不足している場合、まずは部下と毎日会話することから始めてみましょう。

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自己成就予言を活用する

自己成就予言を活用することも大切です。自己成就予言とは、根拠のない噂や思い込みであっても、信じて行動を続けていると実際に予言していた通りの現象が起きることを指します。心理が行動に大きな影響を及ぼす例です。たとえば、初対面の方との会話に苦手意識を持っている方がいたとしましょう。

「知らない人が多い場所はいつも緊張する」と思っていると、実際に緊張することが多く、苦手意識を克服できないといった現象です。ただし、自己成就予言は、前向きな内容と後ろ向きな内容、どちらの現象も起こりうる可能性があります。

「部下を信頼できるようになる」「部下の価値観を認める」など、前向きな思い込みを信じ続けて行動すると、良い結果が起きる可能性が高まります。

自己有用感を引き出す

自己有用感を引き出すようにしましょう。自己有用感とは、自身が属する組織や集団の中で、自身の存在価値を他者から認められた感覚を指します。自己有用感は、以下3つの要素から構成されています。

  • 存在感:自身が属する組織で、自らが価値のある存在だと実感できる
  • 貢献:自身が属する組織で、自らの行動が他社の役に立っていると実感できる
  • 承認:自身が属する組織で、他者から自身の価値や行動が認められている

自己有用感が高まると自信が身に付き、業務への積極性や協調性が高まります。部下の仕事ぶりを評価する、感謝の言葉を述べるなど、自己有用感を高める行動を心掛けましょう。

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ビジネスチャットを活用する

ビジネスチャットを活用することも検討します。テレワークを導入している場合、口頭でのコミュニケーションが難しいケースもあるため、仕事の成果や感謝の言葉をすぐ述べたい場合は、ビジネスチャットを活用しましょう。メールよりもビジネスチャットの方が、スピーディーに相手とコミュニケーションを図れます。

テレワークはオフィスワークと異なり、部下の仕事ぶりが直接確認できるわけではありません。そのため、ビジネスチャットやメールを上手く活用し、コミュニケーション不足や部下の孤独感を解消する姿勢が求められます。

無口な部下は信頼できる存在でもある

無口な部下は信頼できる存在でもあるということです。職場で発言する機会の多い部下が全員、仕事で優秀な成果を挙げているとは限りません。

むしろ、無口な部下は無駄口を叩かず、自身の担当作業に黙々と取り組んでいるとも評価できます。計画性や効率性を重視しており、段取りよく作業を進めていきます。

周囲に流されない強さや落ち着きがあり、任せられた仕事を期限内に確実に仕上げてくれる頼もしい存在です。上司は部下に対し発言頻度の増加を求めるのではなく、部下の仕事ぶりを評価することが重要です。

部下の個性や価値観を認めることで、モチベーションアップや自信の獲得につなげられます。

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部下の個性を尊重し信頼関係を構築しよう

無口の部下は、自信を失っている、コミュニケーションに苦手意識を抱えているなど、部下によって口数が少ない理由は異なります。元々口数が少ない場合、会話の必要性をさほど感じていません。そのため、無理に会話頻度を増やすのではなく、部下の思考や特徴を把握することが重要です。

また、今まで明るく振舞っていた部下が急に喋らなくなった場合は、注意が必要です。信頼関係の悪化や精神的な不調など、ネガティブな出来事が発生している可能性が高いため、部下と1対1で話す場を設け、理由を把握するようにしましょう。

ただし、プライベートな問題が原因で悩んでいる可能性もあるので、無理に話を聞き出さないよう、注意してください。そして、今回の記事で挙げたコミュニケーション術を活用し、無口な部下とも良好な関係を築きましょう。

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