会社を辞めそうな部下の特徴とは?上司がとるべき対策と引き止める秘訣

最終更新日時:2023/09/13

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会社を辞めそうな部下

上司の立場としてできれば回避したい部下の退職。「辞めそうな部下がいるがどう対処すべきか」「退職の兆候をいち早く察知できないか」と考えを巡らせている人も多いのではないでしょうか。本記事では、会社を辞めそうな部下の特徴とは何か?上司がとるべき対策と引き止める秘訣を解説します。

会社を辞めそうな部下の特徴とは?

会社にとって人材の流出は大きな損失になるので、可能な限り事前に対策を打って引き止めたいものです。まずは、会社を辞めそうな部下の特徴について解説していきます。

仕事ができて優秀

優秀な部下は、仕事へのプライドと組織への貢献を重視し、最大限の能力を発揮し業務に取り組んでいます。そのため、待遇ややりがいなどが満たされないと感じたときには、新しい環境へ躊躇なく移る傾向にあります。

特に優秀な人材が不満に感じる要素は、次の4点です。

給与が低い

優秀な社員が会社を辞める大きな理由のひとつに、金銭的報酬への不満があります。自身の仕事の量や内容を考えたときに、給与が低いと感じていれば会社を辞める決断を下しやすいでしょう。

同業他社から高い給与額を提示されれば、なおさらその傾向は強くなります。

業務量が多い

業務量が多いと感じている社員も会社を辞めることを考える傾向にあります。優秀な社員ほど過重労働になりがちです。上司が適量だと考えていても、部下にとっては大きな負担となっている場合もあります。

また、時間外労働の上限規制の遵守や従業員の健康管理などがしっかりできていないようであれば、制度がしっかりした会社に移りたいと部下が考えるのは当然のことでしょう。

人材流出が多い会社は、業務バランスを保ちつつも柔軟に働ける仕組みを構築するなど、体制の抜本的な見直しが必要です。

やりがいがない

上司がバランスを取って社員に業務を割り振っていると考えていても、社員によっては責任のある仕事を任せてもらえていないと不満を抱くこともあるでしょう。特に優秀な社員は、待遇はもちろん、モチベーションが向上するような仕事に従事したいと考えます。

簡単な仕事しか任せてもらえない、経験が積めないなどと考えるようになると仕事へのモチベーションが下がります。自分の仕事にやりがいを感じることができなくなった社員は、当然のようにキャリアアップを求めて、転職を考えるようになります。

成長できない

やりがい同様に「成長できない」ことを理由に退職していく社員も少なくありません。今の会社では成長できない、先が見えないという感情を社員に抱かせないためにも、会社側が社員一人ひとりにどのようなキャリアを提供できるのか明確に伝えることが大事です。

職場の人間関係に悩んでいる

会社を辞めそうな部下の特徴として、優秀な社員のほかにも職場の人間関係に悩みを抱えているケースも考えられます。「上司とコミュニケーションがとれない」「同僚とうまくやっていけない」という部下がいる場合には要注意です。

部下の受け止め方にもよりますが、上司や同僚のなにげないひと言に傷つき、退職を考える繊細な人もいます。日頃からコミュニケーションをとるようにして、部下が心地良いと考える距離感を保つことも大切です。

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会社を辞めそうな部下の兆候

部下が退職を考えるまでに不満をため込んでいることを上司が確実に把握するのは難しいものです。ただし、ある程度の兆候を掴むことはできるでしょう。

ここでは、会社を辞めそうな部下がみせる9つの兆候について解説していきます。

コミュニケーション頻度の低下

周囲の人間と特定の部下のコミュニケーション頻度が低下しているなら、退職を考えている兆候かもしれません。

すでに退職を考えている部下は、退職を感づかれて引き止めに合うのが嫌で周囲と距離を取っている場合もあります。また、コミュニケーションが減っていること自体が、退職を考える理由となっていることも考えられます。

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評価に対する関心の低下

すでに退職を考えている部下は、自分の評価に対する関心が低下するという傾向があります。

社内での自分の仕事に対する評価はもちろん、昇進や昇給への興味も示さず、会議やミーティングでの発言も消極的になっているようであれば、会社を辞めたいと考えている可能性は高いでしょう。

定時退社の増加

定時退社が増加している社員も会社を辞めることを考えている可能性があります。

会社を辞めたいと考えている人は、その会社に貢献することに意味を感じなくなります。そのため、残業をして自分の時間を使うことに消極的になりがちです。また、早く帰宅して転職に向けた準備をしていることも考えられます。

さらに、人間関係の悩みから退社を考えている社員であれば、少しでも早く退勤したいと考えるのも道理といえるでしょう。

身だしなみの変化

身だしなみに変化が現れた場合にも会社を辞めそうな兆候として考えられます。特に以下のような変化が見られます。

  • 髪を黒く染める
  • ネイルやアクセサリー類をつけていない
  • ジャケットを着ている機会が多い

発言の変化

退職を考えている部下はすでに仕事へのモチベーションが低下していることから、普段の会話で積極的な発言をしなくなる傾向が見られます。もともとは積極的に発言していた部下が無口になったり無関心な態度が目立つようになったら、退職を考え始めている兆候といえそうです。

さらに、日常的に会社や上司への愚痴が増えている社員も、会社を辞めたいと考えている可能性が高いでしょう。

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仕事量をセーブしている

退職を考えている部下は、モチベーションが著しく低下しているため仕事量をセーブしだします。また、自分の仕事を整理して、秘密裏に後輩に引き継ぎを行っていることもあります。

すでに転職活動の準備に入っている場合、自分の時間をそちらに注力するために、残業が発生しないようにふるまう傾向もあります。

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休暇取得日数の増加

有給休暇を急にまとめて消化し始めた部下も退職を考えている可能性が高いといえます。

人によっては、有給休暇を利用して転職活動を行っている場合もあります。さらに、すでに次の職場が決定しているため、有給休暇を使って準備をしていることもあるでしょう。

仕事の質の低下

今までしっかりと働いていた部下の仕事の質が急に低下したら退職を考えているサインかもしれません。

会社を辞めたいと考えている部下は、往々にしてその業務に対しても、会社自体に対してもモチベーションが低下しています。やりがいを見いだせないため、業務に対する態度も投げやりになり、結果、仕事の質の低下につながってしまうのです。

トラブル増加

会社を辞めたいと考えている部下は、会社や上司への忠誠心も低下しているでしょう。そのため、報告や連絡などを怠るようになる傾向もあります。

業務において報告や連絡が滞ると、トラブル発生へのリスクも高まります。周りに急にトラブルが増えた部下がいる場合、その部下の心はすでに会社から離れてしまっている可能性も考えられるでしょう。

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優秀な部下を辞めさせないために上司がとるべき対策

優秀な部下に会社を辞めそうな兆しが見られた場合の、上司がとるべき対策についてご紹介していきます。

コミュニケーションを心がける

会社を辞めそうな部下に対しては、コミュニケーションをしっかりとることが大切です。コミュニケーションをとることで、部下の不満の種がどこにあるのかを探ることができ、解決策も見いだしやすくなるでしょう。

できれば、会社を辞めそうになる前に、普段から社内のメンバー間のコミュニケーションを活性化させることにも注力しておくべきでしょう。社員間のコミュニケーションが円滑にできている職場は、心理的安全性の高い職場となり得ます。

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意見を尊重する

優秀な部下が会社を辞めそうなときは、まずその部下のキャリアプランや価値観を知って、意見を尊重することも重要な対処方法といえるでしょう。

会社としてのキャリアパスを明確に示すことで、部下もキャリアアップできる将来を思い描けるようになり、長く働く職場として考えられる要素となるでしょう。

評価基準の再検討

仕事にやりがいを感じていて、職場の人間関係が円満でも待遇や評価が不満で退職を考える人もいます。とくに、優秀であるほどその傾向は強いでしょう。

優秀な部下が待遇や評価面で会社を辞めたいと考えていることがわかったら、その内容が適切だったかどうか見直す必要があります。待遇が適切か・公平に評価をつけていたか・部下のレベルに見合った評価基準だったかなどを再検討してみるとよいでしょう。

業務内容の確認

退職の兆候が見られる部下の業務内容の確認も、人材流出を防ぐための適切な対応といえるでしょう。

優秀な部下であれば、業務内容が能力に見合っていないと考えて不満をため込んでいるケースもあります。また、優秀であるがゆえに業務量が過多となっている場合もあります。現状を把握して、改善策を部下に提案できるとなお効果的です。

組織風土の改善

優秀な人材が流出してしまう職場では組織風土の改善を図る必要があります。

退職者が多い職場は、心理的安全性が確保されていないケースが少なくありません。日頃から上司と部下だけでなく、職場のチーム間でもコミュニケーションをしっかりとることを心がけることで、社員間の意識が密になり組織風土改善のきっかけとなっていきます。

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組織形態の再構築

優秀な部下が辞めていく傾向がある職場では、ヒエラルキー型からホラクラシー型へ組織形態の再構築を検討する必要があります。

ホクラシー型の組織では社内に役職や階級がなく、組織を形成する人の立ち位置がフラットなのが特徴です。組織の主体性を高める新たな組織形態ともいわれています。

ホラクラシー型の組織へと変化することで、メンバーのマネージメントに対する負担やストレスも軽減されます。

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部下が辞めそうな時の引き止め方

貴重な人材を失うと、会社へのダメージも大きくなります。ここでは、優秀な部下の退職を引き止める方法をご紹介します。

一緒に働きたいと伝える

部下から退職の意思を伝えられたらストレートに引き止めるのは悪い方法ではありません。「辞めないでほしい」「これからも一緒に働きたい」という気持ちを誠心誠意伝えることは少しでも退職に迷いを抱えている相手を引き止めるためには効果的です。

ただし、すでに心が離れてしまい、次の職場が決まっている部下には、かえって迷惑がられるケースもあります。相手の状況を把握して、引き際は考えたほうがよいでしょう。

他部署への異動を提案する

会社を辞めたいという気持ちを固めている部下には、ひとまず他部署への異動を提案するのも人材流出を防ぐ方法のひとつです。

会社的に可能であれば、違うフロアやほかの支店など、環境が変わる部署へ異動させてあげるのもよいでしょう。部下が希望していた部署であれば、さらに退職を思いとどまる可能性は高まるかもしれません。

部下の変化を見逃さず人材の流出を防止しよう

今回は、会社を辞めそうな部下の特徴や上司がそのとき取るべき対策などについて解説してきました。

優秀な部下が退職してしまうことは、会社にとっても大きな痛手となります。優秀な人材の流出は、なんとしても防ぎたいという会社がほとんどでしょう。

優秀な部下であればあるほど引く手はあまたで、キャリアアップや待遇改善を求めて、転職を考える傾向にあります。そのとき、上司や会社による対応が適切であれば、人材流出を阻止できる可能性があることを知っておくと、部下の引き止めに役立つでしょう。部下の態度で、退職の意思を固めたという兆候がみえたら、さっそく対応を検討しましょう。

また、急な対応だけでなく、職場の心理的安全性を高めることも、人材流出を食い止める有効な策となります。日頃から社員間のコミュニケーションに注視することも、優秀な人材流出をくい止める重要な対策といえそうです。

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