上司の話が長い時はどうすべき?対処法と伝える際の注意点
社会人のストレス原因の1つである「上司の長い話」。話の中には参考になるものもありますが、業務に集中したい時は煩わしく感じ、どう対処すべきか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。本記事では、上司の話が長い時の対処法と、断りを伝える際の注意点を詳しく解説します。
目次
話が長い上司の心理状態
社会人生活で、話が長い上司の部下になった経験がある人は少なくないことでしょう。話の内容の良し悪しにかかわらず、長い話を聞いている方は疲れたり、相手をするのが面倒になったりするものです。
話が長い上司は自分のせいで部下の時間を奪っていることに気付いていない場合が多いでしょう。まずは、話が長い上司に共通する心理状態について解説します。
思い違いをしている
話が長い上司は時間をかけて話すことも教育の一環だと思い違いをしている場合があります。そのため、本人は話が長いと感じていません。
長い時間をかけて部下に話をすることが、部下のために上司ができる教育であると考えています。
ちょっとした不注意やミスも、本来は一言注意するだけで事足りるはずですが、上司の責務を全うしているという自己満足のために、話を引き延ばされてしまうのです。
交友関係を構築したい
話が長い上司には交友関係を構築したいという思いがあります。
仕事中であっても部下と仲良くしたい、話を聞いてほしいという気持ちが強いため、結果として話が長くなってしまうのです。
交友関係を構築したい上司の特徴として、職場で孤立していたり、プライベートで家族以外との交友関係があまりないことが挙げられます。
上司の思いとは裏腹に、長話を聞く側としては鬱陶しく感じることも多いため、嫌がられてしまうのでしょう。
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自信を喪失している
上司が自分の話し方に対する自信を喪失していることも、話が長くなる原因のひとつです。
話が正確に伝わっているのか、すべての内容を伝えられているのかという不安を常に持っているため、どんどん話が長くなってしまうのです。
このような上司は自分しか見えておらず、迷惑がられていることに気付いていないケースが多いといえます。
緊張している
人前で話すことに慣れていない上司は、緊張から話が長くなっている場合があります。緊張しながら話すと頭が真っ白になって要点をまとめられずに、話を切れないのです。
上手な話のポイントは自分が言いたいことをどのように相手に伝えるかですが、緊張しているとそれどころではなくなってしまい、着地点が決められずに話が長くなってしまいます。
結論を回避している
結論を回避しようとする上司の話は長くなりがちです。自分に都合の悪い結論を遠ざけたい上司は話を長くすることで、自分の立場を守ろうとします。
結果的に結論がはっきりしないまま話し続けるため、言い訳がましくなってしまうことからなかなか結論に達しません。
結論を回避しようとする話は聞いている方としても何が言いたいのかわからず、イライラしてしまうでしょう。
マウント傾向にある
自慢話で話が長くなる上司は、マウントをとる傾向にあります。
マウント傾向にある上司の特徴として、自分の経歴やキャリアを部下に知ってほしい、自分を認めてほしいなどの承認欲求が高い場合があります。
自分がどれくらい優秀であるかを部下に延々と自慢することは、部下にとってはどうでもいいことであるケースがほとんどです。
上司は気持ちが良いかもしれませんが、部下が面倒だと思っていることに気付いていない傾向にあります。
ストレス発散をしている
ストレス発散のために話を長く続ける人もいます。ストレス発散したい上司は自分がすっきりするまで話し続けるため、聞かされる側のことは何にも考えていません。
仮に相手が困っていることがわかったとしても、逆にそれを楽しんでいる人もいます。自分の都合の良いように考え、部下を自分のストレスのはけ口にするような上司には気をつけないといけません。
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上司の話が長いことによる部下への影響
話が長い上司は、一緒に働く部下に悪影響を及ぼします。上司の話が長いことで部下にどのような影響があるのか解説します。
退社時間になっても帰れない
上司の話が長いと、退社時間になっても帰れないという事態に陥ります。
退社時間になって帰り支度をしているときに上司から声をかけられて、何十分も話し続けられると退社時間が遅くなってしまうので、部下にとっては大きな負担になります。
上司と話すことも仕事の一環かもしれませんが、部下の時間を奪う上司の長話はストレスでしかないといえるでしょう。
業務効率・生産性の低下
上司の話が長いと、業務効率と生産性が低下します。
日中に上司の長話に巻き込まれたことで、業務が止まって残業せざるを得なくなってしまったり、ミーティングや終礼で上司の話が終わらずなかなか帰れない場合、部下のやる気が低下するおそれがあります。
部下のなかで上司のせいで残業になった、早く帰れなくなったというマインドが生まれることで、その日だけでなく、その後の業務効率や生産性にも悪影響がでるでしょう。
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ストレスを感じる
上司の話が長いのは、部下のストレスのもととなります。話が長い上司は部下がどう思っているのか関係なく、気が済むまで話し続けるケースが多いでしょう。
そのような上司は同じような話を繰り返したり、論理的でない昔ながらの精神論、根性論が出てきたりと、今の時代にそぐわない話も多く、聞く方にとっては負担になります。
部下はストレスを感じるだけなので、職場は本来、仕事で成果を上げる場所であるはずなのにもかかわらず、それどころではなくなってしまいます。
上司の長話が企業の成長を阻害する可能性すらあるかもしれません。
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上司の話が長い時の対処法
上司の話が長い時、何とかしなければ部下は被害を受け続け、ストレスがたまる一方です。
ここからは上司の話が長い時の対処法について解説します。上司の話を上手にかわして、自分を守る働き方を身につけましょう。
距離を置く
上司から物理的に距離を置いてみましょう。距離が近いと必然的に一緒にいる時間が長くなってしまうため、話しかけられる機会が多くなってしまいます。
これは裏を返せば、オフィスや会議などで上司と離れたところに座ることで、上司に話しかける機会も話しかけられる機会も減るということです。可能な範囲で上司と距離を置いてみましょう。
話の結論を先に述べる
上司の話の先手をとり、話の結論を先に述べてみましょう。話が長い上司の特徴として、要約力や文章力、段取り不足が考えられるため、こちらが話の結論を推察し、提示すると効果的です。
上司は自分の話を理解していると満足し、話し終えてくれる可能性があります。
質問をしない
上司に質問しないことも対処法のひとつです。質問すると話がより広がる可能性があるため、できるだけ質問しないほうが良いでしょう。
質問する必要があるなら、イエスかノーで答えられる質問に限定しましょう。話を早く切り上げるために適当にあいづちをうち、黙って話を聞くのが賢明です。
話が終わるように誘導する
話が早く終わるように誘導するテクニックを身につけましょう。具体的には適宜あいづちをうったり、話に対するお礼を述べたり、時間の経過を上司に伝えるなどがあります。
話を誘導することで上司のエネルギーは低くなって落ち着いてくるため、話が早く終わりやすくなるでしょう。
多忙であると伝える
自分がどれほど忙しいかを伝えることも効果的です。話が長い上司の特徴として、時間の意識が低いことが考えられます。
そのため、業務が忙しいとき、時間に制限があるときにその旨をこちらからはっきり伝えることで、上司に時間の意識をインプットさせると良いでしょう。
同僚に協力を仰ぐ
こちらからアクションを起こしても何も改善されないなら、同僚に協力を仰いでみてください。
同僚に電話をかけてもらい、その電話に出るために上司の話から逃れたり、電話の取り次ぎを装ってもらって電話に出るふりをするなど、同僚に強力してもらうことで上司の長話から解放されることが可能です。
そのために事前に同僚と打ち合わせして、話を切り上げたいときの合図を決めておくと良いでしょう。
メール・チャットの活用を促す
上司とのコミュニケーションは直接話をせず、メールやチャットの活用を促すのも良いでしょう。
上司と部下という立場上、上司とまったくコミュニケーションをとらずに仕事を進めることはできず、報告に連絡、相談しなければならない場面は数多く発生します。
上司との会話が長くなるのは避けたいところなので、メールやチャットを使うのがおすすめです。メールやチャットの内容を自分と上司だけでなく、第三者にも共有することで話が円滑に進みやすくなります。
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ボイスレコーダーの活用
上司の許可を得ることが前提ですが、ボイスレコーダーを活用するという手段もあります。
ボイスレコーダーで上司が話している内容を録音しておき、その場は聞き流しておくことで、上司の話が長くなってもイライラしにくくなることでしょう。
上司は自分の話がボイスレコーダーに残すほどの価値があると認識するため、気分を害すことなく話してくれます。
修練と捉える
どのような方法を用いてもうまくいかないなら、上司の話が長いことを自分にとっての修練の場と捉えましょう。時には人生の修練と捉え、あきらめる気持ちも必要です。
ただし、その修練も耐えきれないと判断した場合は、精神的ダメージがそれ以上悪化しないよう、人事部と掛け合って異動を申し出たり、転職するなどの対応を検討する必要もあるでしょう。
上司の話が長いときの断りを伝える際の注意点
話が長いとはいえ、同じ職場で働く上司であるため、上司の気分を害しないように十分注意しましょう。
多忙である旨も伝えるときはあからさまにならないように気をつける必要があり、メールやチャットでのやり取りを促す場合も、会話のすべてをメールやチャットに限定することなく、適度に直接会話する機会を設けることも必要です。
ボイスレコーダーの活用を打診する場合も、良好な関係維持のために相手が不快にならないように考慮しましょう。過度にコミュニケーションを拒否する態度は、ビジネスマナーとして相応しくないため避けるべきです。
上司との信頼関係を損ねないよう、社会人として節度ある行動を心がけましょう。
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「上司の話が長い」ときも配慮を忘れず柔軟に対処しよう
話が長い上司の対処法を上手に組み合わせることで、確実にストレスを軽減できますので、ぜひ活用してみてください。
上司の話が長いときも配慮を忘れず、柔軟に対処すれば、上司からの評価に影響が出ることはないはずです。
なぜ上司の話が長くなるのかを理解し、上司の機嫌を損ねないようにうまく対応することで、みんなが気持ち良く働ける職場にできることでしょう。
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