1on1ミーティングの頻度はどのくらい?適切な頻度と時間設定

最終更新日時:2023/09/13

1on1ツール

1on1ミーティングの頻度

部下の成長促進を目的に実施される1on1ミーティング。導入を検討しているものの、頻度と時間はどのくらいに設定すれば良いのか分からないと悩んでいるマネージャーもいるのではないでしょうか。本記事では、1on1ミーティングの適切な頻度はどのくらいなのか、時間設定の目安とあわせて解説します。

1on1ミーティングの目的

1on1ミーティングは上司と部下が1対1になって行う面談で、人材育成を目的としています。

これまでの個人面談と人事評価面談は上司がリードしていくスタイルでした。ただしこのスタイルでは、上司から部下に一方的に話をして終わってしまうことが多いという課題がありました。

一方、1on1は部下が話すことを主眼においており、仕事の進捗だけではなく悩みや今後のキャリアについても話し合われます。

上司が相談にのって解決策を考え出すスタイルであり、上司と部下の双方向による話し合いにより信頼関係の構築にもつながるのです。

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1on1ミーティングの適切な頻度とは?

1on1は個人面談や人事評価面談と異なり、行われる頻度が多いという特徴があります。以下では、適切な頻度について詳しく紹介していきます。

週1~月1回程度

1on1を実施する頻度は、週に1回や月に1回など、短いスパンで継続的に行うのが理想です。しかし、繁忙期が続いたりする場合には2〜3ヶ月に1回や半年に1回しか実施できないケースもあるでしょう。

日々の業務で時間の確保が難しいこともありますが、1on1を行うことで部下の成長促進になり、会社の生産性向上にもつながります。

頻度が少ない場合は定期的に行うための改善策について社内で検討する必要があるでしょう。

1on1ミーティングの適切な時間設定

1on1は実施される頻度が多いだけでなく、ミーティングが短時間で行われるといった特徴もあります。ここでは、適切な時間設定について紹介していきます。

30分~1時間程度

1on1のミーティング時間は30分程度が望ましいですが、企業によっては1時間程度に設定している場合もあります。

長時間のミーティングは、雑談になってしまったり、業務に支障が出てしまうことがあるので注意が必要です。

1on1を実施する目的は、部下の仕事の悩みやキャリアについて話すことです。ミーティングでは、部下との信頼関係をいかに強固にするかを意識しましょう。

長時間のミーティングを年に数回するよりも、短い時間で定期的に話し合っていくほうが、信頼関係の強化につながるでしょう。

1on1ミーティングが定期的に必要な理由

以下では、1on1を定期的に行うべき5つの理由を解説していきます。

コミュニケーション機会の創出

個人面談や人事評価面談のように年に数回しか実施しないと、部下が上司と話す機会が少ないためにミーティングの場で緊張したり萎縮してしまうおそれもあるでしょう。

1on1は部下が自ら仕事の悩みやキャリアについて話すことが重要なので、上司は日頃から部下と話しやすい関係を築いておく必要があります。

1on1ならば頻繁に話す機会が作れるので、コミュニケーションが促進され充実した時間にすることが可能です。

信頼関係の構築

部下が上司と話す機会が多くなると、上司に萎縮しなくなり、心がオープンになります。

話す内容も、仕事の進捗状況だけではなくプライベートのことを話したりすると場が盛り上がり、信頼関係の構築には効果的です。

お互いの関係性を深めておくことで、悩みなども打ち明けやすくなるでしょう。

1on1ミーティングを導入する目的とは?導入企業の事例からわかる効果

トラブルの未然防止

部下は「上司は忙しいから自分のことで時間を割いてもらうのは申し訳ない」と思ってしまいがちです。

とくに、入社したばかりの社員だと仕事の段取りを把握していないことも考えられ、相談できずにいると、大きなトラブルを引き起こしてしまうこともあるでしょう。

しかし、1on1で頻繁に相談できる環境があると部下は上司に相談でき、問題解決につながるのでトラブル防止に効果的です。

モチベーション・エンゲージメントの向上

1on1は部下が話したいことを気軽に話せる場なので、普段打ち明けることができない仕事の悩みを話すこともあるでしょう。例えば、業務内容のミスマッチや評価についての不平なども時にはこぼすかもしれません。

部下が感じている悩みの原因を解消できれば、仕事へのモチベーションが上がり成果も出やすくなるでしょう。その結果、定着率が上がり離職を防ぐこともできます。

1on1の際に、部下のやる気を引き出すような会話を心がけたり、不安を取り除くような改善策を提案できれば、モチベーションだけでなく組織や仕事全般へのエンゲージメントも向上するでしょう。

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働き方の多様化への対応

新型コロナウイルスの影響で、在宅ワークなど働き方が多様化しています。

在宅、時間差出勤など仕事のスタイルの幅が広がったことで、上司が部下の悩みや負担を把握しにくくなったという側面があります。そのため、1on1ミーティングを続けることで、部下の状況を把握したりモチベーションの維持につなげる狙いもあります。

 ▷1on1ミーティングは効果を測定できる?効果を高めるポイントとおすすめツール

1on1ミーティングの主なテーマ

1on1で話し合われるテーマには、大きく分けて以下の6つがあります。

  • プライベート
  • 健康・体調
  • 業務に対する意欲
  • 組織に対する要望
  • 目標・キャリアサポート
  • 組織戦略の共有

プライベート

プライベートの話題はお互いが打ち解けやすく、信頼関係の構築には最適です。普段の上司のプライベートの話は部下の緊張をほぐし、部下も同じように自分の話がしやすくなるでしょう。

休日の過ごし方や趣味はもちろん、最近テレビやSNSで話題になっていることについて盛り上がるのもいいでしょう。

健康・体調

部下の健康状態やメンタル面について、1on1で確認し、悩みの原因を特定したり解決策を提案することも大切です。

相談できる環境があれば、部下の休職や退職を未然に防ぐこともできます。1on1では、業務量の多さやプライベートでリフレッシュできているかを、ぜひチェックしてみてください。

業務に対する意欲

業務に対する意欲について聞くことも1on1では重要です。「意欲の向上」「意欲の低下防止」の2つの方向からアプローチしてみましょう。

意欲の向上について話をする際は、部下が普段の仕事で取り組む姿勢や業務の成果などについて正当に評価すると、部下のモチベーションアップに効果的です。

一方、意欲の低下を防ぐためには、ストレスや悩みに感じていることを親身に聞き、寄り添う姿勢が重要になるでしょう。

組織に対する要望

部下が仕事や会社に感じている課題を聞き、改善していくことは、会社の生産性アップにも有効です。

例えば、担当している業務で課題を感じることはないか、人間関係で困っていることはないかをクリアにすることで、働きやすい環境を整えることにつながります。

部下の悩みや課題を取り除くことで、上司に信頼を抱く契機にもなるでしょう。

目標・キャリアサポート

仕事の目標設定や今後のキャリアについて触れることは、部下の成長促進において重要です。部下が設定した目標を自己評価することで、自ら考えるスキルを定着させることにつながります。

さらに、今後のキャリアについて話すことは仕事に対する意欲向上にも効果的です。部下の強みや弱みを明確にしてあげるなど、1on1の場でキャリアサポートを行っていきましょう。

組織戦略の共有

会社の方針を話すことも1on1で扱うべきテーマです。組織の方針や方向性について詳細を伝えて、部下が携わっている業務との関連性などについてもレクチャーします。

不明点や納得できない点があれば、上司がその場で回答したり、後日改めて話し合いの場を設けるなどしましょう。▷1on1ミーティングは意味ない?無駄?改善策と効果的な1on1にするコツ

1on1ミーティングで話すこととは?テーマや話すことがない状況に陥らないポイント

1on1ミーティングの促進方法

1on1の導入をスムーズにするために、5つの促進方法を紹介するので参考にしてみてください。

ペア・テーマを決定する

1on1をする際に上司と部下はどのペアで実施していくかを決めるのは重要です。

上司1人に8〜10人の部下を対象にすると、上司にかかる負担が大きくなってしまいます。多くとも5〜6人程度を目安にするといいでしょう。

1on1で話し合うテーマに関しても、上司が一方的に決めるのではなく、部下が話したい内容についても触れていくことがポイントです。部下の成長促進が目的なので、あくまでもメインは部下であることを念頭に進めましょう。

1on1ミーティングの必要性を周知する

1on1をスムーズに定着させるためにも、マニュアルを作成して社内に周知しましょう。

上司と話せる機会があることで普段伝えにくいことを話せるメリットがありますが、業務時間が減ってしまうことをデメリットに感じてしまう社員もいるでしょう。

なぜ1on1を行うのか、通常の個人面談や人事評価面談の目的とメリットが異なることを説明して同意を得ることが大切です。

アジェンダを作成する

1on1のテーマを上司と部下で出し合い、事前にアジェンダを作成して話す内容や流れを明確にしておきましょう。

アジェンダを用意しておくことで、無駄な話をすることを防げたり、有意義なミーティングにすることが可能です。

1on1ミーティングの質問事項まとめ|ポイントや注意点を解説!

1on1ミーティングを実施する

事前に作成したアジェンダを見ながら1on1を実施します。

部下の成長促進を目的としたミーティングなので、話を遮ったり、考えを否定したり、威圧的な態度を取らないように気をつけましょう。

ミーティング中に話した内容を記録しておくことで、次回の1on1をスムーズに始めることにもつながります。

部下へ必要な助言・サポートをする

1on1で部下が上司に話しやすいように、次のような「話を聞くスキル」を身につけておくことがポイントです。

  • コーチング(相手の話にあいづちをする)
  • ティーチング(自分の知識やノウハウを伝える)
  • フィードバック(目標を達成できなかった場合に指摘したり改善策を提案する)

マネージャーは上記のような幅広いスキルが求められるので、事前に研修を受けるなどしてスキルを身につけておく必要があります。

PDCAサイクルを振り返る

1on1の効果を高めるためには、継続的に行っていく必要があります。1on1で上司と部下がともに当日の内容を振り返り、課題解決や今後活かしていくことをクリアにしていくことが重要です。

例えば、部下が設定した目標に対して思うように成果がでなかった場合に「なぜできなかったのか」「目標設定が高すぎたのではないのか」と原因を特定することで、目標の再設定や計画が立てやすくなるでしょう。

PDCAを回していくことで、同じ失敗を防ぐだけでなく、部下の成長促進にもつながります。

1on1ミーティングでは何を準備すべき?部下が事前に準備すること

1on1ミーティングは単なる雑談の場ではない

ミーティングのテーマにはプライベートなどの雑談も含まれますが、1on1の本質的な目的は「部下の成長促進」です。

1on1が業務の一環であることを念頭におくことで「上司と部下の関係がうまくいっていない」「部下が自ら動いて業務を行えない」といった課題の明確化にもなります。

働きがいのある会社に改善していくことにもつながるので、1on1の目的がぶれないように実施していきましょう。

1on1ミーティングとは?目的やメリット・注目されている背景、進め方を解説

適切な頻度と時間を設定し1on1の効果を高めよう

1on1は部下の成長だけでなく、会社の生産性向上にも期待ができるので、実施するメリットは大きいでしょう。

しかし、目的や話す内容を明確にしておかないと「社内に1on1が定着しない」「無駄な話で終わってしまった」といった事態に陥る可能性もあります。

上司と部下、そして会社全体にメリットをもたらすためにも、適切な頻度と時間設定をすることが必要です。今回紹介したポイントを参考に、1on1の効果を高めていきましょう。

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ビズクロ編集部
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