会計ソフトの乗り換えに適したタイミングとは?注意点や乗り換えの準備事項を紹介

最終更新日時:2023/11/21

会計ソフト

会計ソフトの乗り換え

長年同じ会計ソフトを使っていると、機能や使い勝手などに不満が生じてくることもあるでしょう。近年は、クラウド型の会計ソフトに乗り換える企業も増えるなど、会計業務のデジタル化も進んでいます。そこで今回は、会計ソフトの乗り換えについて、検討すべきタイミングや乗り換えの注意点などを紹介します。

会計ソフトの乗り換えに適したタイミングは?

まずは会計ソフトの乗り換えに適したタイミングや判断の基準などを3つ紹介します。

事業規模の変更時

事業の拡大や縮小など、事業規模の変更時は会計ソフトの乗り換えに適したタイミングです。

事業を拡大する時には、たとえば、既存の会計ソフトでは対応できないデジタル化された商取引が増えることで、新たな機能が必要となることもあるでしょう。一方、事業縮小時には、よりシンプルな会計ソフトに乗り換えることがコスト削減の選択肢にもなります。

事業規模やビジネス環境の変化に応じた会計ソフトを選ぶことで、コストや業務フローの最適化が望めるのです。

法改正や会計基準の変更時

企業の会計業務には、会社法や税法、金融商品取引法など、密接に関連する法律があります。

これらの関連する法律において大幅な法改正が実施される場合も、一度、会計ソフトの見直しをすべきタイミングです。既存の会計ソフトでは、対応しきれない要件はないか、非効率になってしまう作業は発生しないかなど、業務の簡単な棚卸しをしつつ検討してみましょう。特に、法令を遵守した会計処理が手間なく行えるかどうかは生産性にも直結するため、しっかりと精査してください。

新たな機能が必要になった時

給与・経費・販売・生産などの管理業務は、企業のお金の流れにも関連することから、会計業務との親和性が高い業務といえます。そのため、これらの業務においてフローの変更や、システム化などの業務改善が実行された際などは、会計ソフトにも新たな機能が必要となることもあるでしょう。

また、新規事業の立ち上げなどから、複数通貨対応や高度な分析機能が求められることもあります。このような場合も、新しいニーズに迅速に対応できる機能が充実した会計ソフトへの乗り換えがおすすめです。

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新しい会計ソフトに乗り換えるまでの流れ

新しい会計ソフトへの乗り換える場合、手順や流れをあらかじめ理解しておくとスムーズです。ここでは、乗り換え時における実際の流れを解説します。

乗り換える会計ソフトを選定する

新しい会計ソフトの選定にあたっては、まず現状の会計業務における課題の洗い出しからはじめましょう。

課題が特定できたら、その解消につながる機能のほか、効率や生産性の向上、より正確な作業を実現できる機能などを搭載した会計ソフトをピックアップします。候補が絞られたら無料トライアルなどを積極的に活用し、ユーザビリティ、コストパフォーマンスなどを総合的に評価してください。将来の業務拡大や変更を見越して、拡張性やカスタマイズのしやすさも考慮しておくとよいでしょう。

移行するデータを準備する

乗り換える会計ソフトが決まったら、次は移行するデータの準備です。過去の取引データや会計帳簿、顧客情報、仕訳データなど、新しい会計ソフトに移す情報を選定して整理します。

新しい会計ソフトに対応したデータのフォーマットや整合性をチェックし、移行時にエラーや不具合が発生しないようにしましょう。データ移行前の丁寧な準備や前処理は、移行時の混乱を軽減し、新しいシステム運用の早期の定着へとつながります。

用意したデータを移行する

データ移行は、会計ソフトの乗り換え作業において重要なステップです。正しくデータが移行されるよう、対応フォーマットや手順を守り実行しましょう。

会計関連のデータは、法律により長期間の保存が義務付けられている文書も多く含んでいます。チェックリストを準備し、漏れなくデータが移行されるよう慎重に行ってください。

導入する会計ソフトによっては、ベンダーによる移行のサポートを受けられる場合もあるため、社内のリソース状況によりサポートをお願いするのもおすすめです。

インポートできるパターン

新旧の会計ソフトにデータの互換性があれば、主にCSVファイルなどで既存の会計ソフトから出力したデータをインポートすることでデータ移行が可能です。手入力の手間を省くことができるため、スピーディかつデータの整合性を確認するのみで、乗り換えが完了します。

インポートできないパターン

データの互換性がなく、出力したファイルでのデータ移行ができないパターンでは、手動でデータを移行しなければなりません。時間や手間がかかるため、計画的に準備期間を設け、作業の正確性を優先して移行を進めましょう。

移行した内容を確認する

データ移行後は、データの完全性・正確性・整合性を確認します。

具体的には、移行した取引履歴や仕訳データ、顧客情報などが正しく反映されているか、不足や重複がないかなどの検証です。新しい会計ソフトでの業務再開がスムーズになるよう、問題が発見された場合は、すぐに関係者内で共有し、同様の不具合が起きていないかなどをくまなくチェックしてください。

【種類別】会計ソフトのメリット・デメリット|選ぶ際のポイントも解説!

新しい会計ソフトに乗り換える際の注意点

続いて、新しい会計ソフトに乗り換える際の注意点についても確認しておきましょう。

乗り換えによるメリットを確認する

新しい会計ソフトへの移行により、どのようなメリットが得られるのかを明確にしておくことは、コストパフォーマンスを評価するうえで、最も重要なポイントとなります。

例えば、銀行口座やクレジットカードの取引情報の連携による自動仕分け機能は、手入力の負担を削減するとともに、ヒューマンエラーを防止することで業務品質の向上も期待できます。また、乗り換えの作業には、社内の多くの人の協力が必要です。新しい会計ソフトの導入により、どのような利点が得られるのかを共有しておくと、協力体制を構築しやすいといったメリットも得られるでしょう。

無料で使えるおすすめの会計ソフト12選|主な機能や比較ポイント

旧ソフトとの違いを把握する

会計ソフトは、日常的な使用頻度の高いシステムであることから、機能だけでなく、使い勝手も重要です。

既存の会計ソフトについては、機能や操作画面などの良い点・悪い点の両方をリストアップしておき、新しい会計ソフトと比較してみましょう。可能であれば、無料トライアルなどで実際のユーザビリティを確認したうえでの比較がおすすめです。

会計ソフトを乗り換える際の選び方

次に、新しい会計ソフトの選び方について、押さえておくべきポイントを3つ紹介します。

ソフトの搭載機能から選ぶ

会計ソフトに求める機能には、必須なものから、あることが望ましいものまで、さまざまです。

予算内で全ての条件を満たす会計ソフトが見つかれば最適ではありますが、多くの場合、多機能な会計ソフトほど、初期費用やランニングコストが高額になる傾向にあることに注意しましょう。また、拡張性やカスタマイズ性の柔軟さも重要なポイントです。適切な機能を持つソフトを選ぶことで、効率的な業務運営を実現できます。

新しい会計ソフトに求める機能や操作性については、予算の都合などによる取捨選択が必要になることもあるでしょう。そのため、あらかじめ優先順位をつけておくことで、選定の際の判断もスピーディに行えます。

価格や提供形態から選ぶ

会計ソフトは、会社のサーバーやPCなどのローカル環境にソフトをインストールして使用するオンプレミス型と、インターネット上に構築されたシステムにアクセスして使用するクラウド型の2種類の提供形態があります。

オンプレミス型は、初期費用が嵩むものの、ランニングコストを抑えることができ、クラウド型は、初期費用は抑えられる一方で、一定のランニングコストが発生し続けます。それぞれにメリット・デメリットがあることを理解し、組織のニーズに合った選択をしてください。

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セキュリティやサポート内容から選ぶ

会計情報には、企業の機密事項も含まれていることからセキュリティ環境も必ず確認しましょう。データ暗号化などの保管データの安全性だけでなく、アクセス制限や、ログイン時の2段階認証など、不正な利用を防止するための機能を実装しているかも大切なポイントです。

また、万が一のトラブル時にどのようなサポートが受けられるのかも重要な選定基準の一つです。サポート窓口の営業時間、問い合わせ方法、解答は、電話口での返答のみか、あるいは、訪問でのサポートも受けられるのかなどの対応方法などを確認し、安心して利用できるソフトを選びましょう。

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乗り換えを検討している方におすすめの会計ソフト

最後に、乗り換えにおすすめの会計ソフトを3つ紹介します。全てクラウド型の会計ソフトのため、特に、テレワークに対応できる会計ソフトや、拡張性の高い会計ソフトへの乗り換えをご検討の際は、ぜひ参考にしてください。

freee会計

freee会計は、使いやすいインターフェースと高度な自動化機能などを搭載し、中小企業から個人事業主まで幅広く利用されている会計ソフトです。

取引データの自動取込機能、(個人事業主向け)確定申告のサポート、複数の決済サービスとの連携など、数多くの便利な機能を備え、セキュリティ面に関しても、データの安全性やプライバシー保護に優れています。導入後のサポートも充実しており、初めての方も安心して利用できる点が魅力です。

提供元freee株式会社
初期費用無料
料金プラン【年払い】

◾️個人事業主向け

  • スターター:12,936円(税込)/年(1,078円/月あたり)
  • スタンダード:26,136円(税込)/年(2,178円/月あたり)
  • プレミアム:43,780円(税込)/年(3,647円円/月あたり)

◾️法人向け

  • ミニマム:26,136円(税込)/年(2,178円/月あたり)
  • ベーシック:52,536円(税込)/年(4,378円/月あたり)
  • プロフェッショナル:52万5,360円(税込)/年(43,780円/月あたり)

【月払い】

◾️個人事業主向け

  • スターター:1,628円(税込)/月
  • スタンダード:2,948円(税込)/月

※プレミアムは月払いプランなし

◾️法人向け

  • ミニマム:2,948円(税込)/月
  • ベーシック:5,808円(税込)/月
  • プロフェッショナル:52,536円(税込)/月
導入実績有料課金事業所数45万事業所以上(2023年6月末時点)
機能・特徴法改正に完全対応、自動入力や自動仕訳機能、決算書作成、始めやすい料金設定ほか
URL公式サイト

弥生会計オンライン

弥生会計オンラインは、30年以上前から会計ソフトを販売している弥生の長年の実績と信頼性をベースにした、クラウド型の会計ソフトです。

シンプルな操作性と実務視点に基づき開発された機能が特徴。クラウド型ならではのリアルタイム性やアクセス性に優れ、場所を選ばずいつでもどこでも会計業務が行える、信頼できる会計ソフトとして多くの業界で導入されています。

提供元弥生株式会社
初期費用無料
料金プランセルフプラン:28,600円(税込)/年(2,382円/月あたり)

ベーシックプラン:38,720円(税込)/(3,226円/月あたり)

導入実績弥生シリーズ登録ユーザー数310万以上 (※2023年9月現在)
機能・特徴決算書の作成、仕訳・記帳の自動化、経営状況の見える化、税理士・会計事務所・金融機関連携、店舗効率化・POSレジ連携、領収書連携、スマホアプリ、インボイス制度・電子帳簿保存対応ほか
URL公式サイト

マネーフォワード クラウド会計

マネーフォワード クラウド会計は、クラウドベースの先進的な会計ソフトウェアとして知られています。特に、自動取引の連携機能やレシートのスキャン機能など、効率的な経理業務をサポートする多彩なツールが搭載されているのが特徴です。

また、直感的な操作が可能なインターフェースと見やすいダッシュボードのおかげで、会計初心者の方でも簡単に操作できます。高度なセキュリティ環境も含め、マネーフォワード クラウド会計は、経営者や経理担当者が求める柔軟性と利便性を併せ持った会計ソフトといえるでしょう。

提供元株式会社マネーフォワード
初期費用無料
料金プラン【年額プラン】
  • スモールビジネス:39,336円(税込)/年(3,278円/月あたり)
  • ビジネス:65,736円(税込)/年(5,478円/月あたり)

【月額プラン】

  • スモールビジネス:4,378円(税込)/月
  • ビジネス:6,578円(税込)/月
機能・特徴伝票入力(仕訳入力)、支払管理、会計レポートの出力、経営状態の把握、決算書の作成、消費税集計、帳票、集計表、決算関連書類ほか
URL公式サイト

自社に適した会計ソフトへの乗り換えで業務を効率化

会計ソフトの乗り換えタイミングや乗り換え時の流れ、注意点、選び方などをお伝えしました。

会計業務は、企業のお金の流れを適切に管理するだけでなく、正確な財務情報の提供による経営判断、そして、経営の支援へとつながる重要な業務です。

ビジネス環境や組織の状況・ニーズに合った会計ソフトへの乗り換えは、業務効率を向上させ、予算や利益計画策定、ファイナンス戦略の立案といったコア業務に注力できるリソースを創出します。ここで紹介したおすすめの会計ソフトなどを参考に、会計ソフトの乗り換えを検討してみてはいかがでしょうか。

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