【初心者必見】会計ソフトとは?機能や必要性・導入メリットを簡単に解説
経理業務の効率化ができる会計ソフト。ビジネスシーンで活用されるソフトウェアにはさまざまな種類がありますが、会計ソフトとは具体的に何ができるのか疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。本記事では、会計ソフトの概要や搭載されている機能、必要性や導入メリットを解説します。
目次
会計ソフトとは?
会計ソフトとは、決算に必要な帳簿書類の作成を効率化するためのソフトウェアです。取引情報を入力して記録することでお金の流れを一元管理でき、帳簿書類にも自動で反映されます。
転記や集計の際に起こるヒューマンエラーを減らせるほか、会計初心者の方も簡単に操作することが可能です。また、企業の財務状況もリアルタイムで把握できるため、企業経営にも役立てられます。
会計ソフトの活用シーン
会計ソフトは、主に以下のようなシーンで活用できます。
- 会計仕訳の入力
- 仕訳帳や総勘定元帳などの作成
- 請求書や月次決算書の作成
- 確定申告書の作成・提出
- 会計事務所へのデータ連携
取引によるお金の流れを記録して管理したり、各種帳簿を作成したりすることが基本的な活用方法です。中には経営レポートを作成できる会計ソフトもあり、現状分析にも活用できます。
会計ソフトの種類
会計ソフトは、大きく分けて「クラウド型」と「インストール型」の2種類に分けられます。ここからは、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。
クラウド型
クラウド型は、インターネットを経由してクラウド上にデータを保存するタイプの会計ソフトです。
インターネット環境さえあれば、どこからでもアクセスできる点がメリットです。また、パソコン・スマホ・タブレットなど、さまざまなデバイスに対応しているソフトが多く、リアルタイムで情報の共有が行えます。
法改正があった場合も、自動的にアップデートが行われるため利用者側で特別な操作は必要ありません。
一方で、万が一ベンダー側でシステム障害や緊急のメンテナンスが実施された場合は、一時的に使用できなくなる点がデメリットです。オフラインでは一切使用できないため、必ずインターネット環境が必要になる点にも注意しましょう。
▷おすすめのクラウド会計ソフト12選|料金や特徴を徹底比較!
インストール型
インストール型は、パソコンにソフトウェアをインストールして使用するタイプの会計ソフトを指します。インターネット環境がなくても使用できるため、通信障害などの影響を受けず、処理スピードが落ちにくいのがメリットです。
アップデートの際に追加費用がかかる場合もありますが、基本的には買い切り型のものが多く、初期費用のみで導入できます。
一方で、クラウド型に比べて初期費用が高くなりがちな点がデメリットです。また、使用できるのはインストールしたパソコンのみに限られるため、どこでも操作できるわけではない点にも注意が必要です。
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会計ソフトに搭載されている主な機能
会計ソフトには、日々の経理業務に役立つさまざまな機能が搭載されています。
以下の表を参考に、自社に必要な機能は何かを見極めて、導入予定の会計ソフトに該当の機能が搭載されているかを確認してみてください。
機能名 | 詳細 |
自動仕訳 | 入力履歴などを基に仕訳を自動で行う機能 |
支払管理 | 支払予定の取引や支払済みの取引などを管理する機能 |
入力管理 | 仕訳入力や帳簿入力、伝票入力などを行う機能 |
金融機関連携 | 銀行口座やクレジットカードなどの取引明細を自動取得する機能 |
決算書の作成 | 日々の仕訳の入力を基に、決算書を自動作成する機能 |
レポートの出力 | 損益レポートや収益レポートなど、各種レポートを出力する機能 |
データ連携 | 他システムとデータを連携して作業を効率化する機能 |
セキュリティ | データの暗号化やセキュリティチェックなどのセキュリティ対策を行う機能 |
会計ソフトを導入するメリット
会計ソフトを導入することで、業務の効率化やミス・不正の防止などさまざまなメリットが得られます。ここからは、具体的な導入メリットを6つ紹介します。
会計業務の効率化が見込める
会計ソフトを導入すると、銀行口座やクレジットカードなどから自動で取引情報を取り込んで仕訳したり、各種帳簿を簡単な操作だけですぐに作成できたりします。これにより、会計業務の大幅な効率化が実現可能です。
スキャン機能が備わった会計ソフトであれば、スマホやタブレットから領収書を読み込んで、自動的にデータを登録することもできます。担当者の負担も大幅に軽減され、よりコア業務に集中できるようになるでしょう。
ミスや不正の防止につながる
会計ソフトは金融機関などとの連携により、自動で取引情報の入力を行えます。入力した情報を基に必要な資料への転記を自動で行うため、入力ミスや転記漏れなどの人為的ミスを防止可能です。
また、簿記の知識があまりなくても簡単に入力でき、入力情報に矛盾があればアラートを表示します。そのため単純なミスを未然に防ぎ、会計書類の正確性を保てます。
さらに、会計ソフトでは入力履歴が残るため、数字の書き換えができず不正行為の防止にも役立つでしょう。
会計業務の属人化を防げる
会計業務は複雑であることから、「知識と経験が豊富な従業員だけが担当できる」「業務をマニュアル化できない」などの理由で属人化してしまうことがあります。
しかし、会計ソフトを導入すれば仕訳や各種帳簿の作成、決算書の作成などの幅広い業務を自動化できるため、誰でも会計業務を担当できるようになり属人化の防止につながります。
多様な働き方を実現できる
従来の方法で会計業務を行う場合、紙で取引を記録したり帳簿を作成したりする必要があるため、必ず出社して社内で作業を行う必要があります。
しかし、会計ソフトを導入すればシステム上で会計業務が行えるため、必ずしも出社する必要はありません。特にクラウド型会計ソフトであれば、インターネット環境があればどこからでもアクセスできるため、自宅をはじめ働く場所を自由に選択可能です。
これにより、テレワークなどの多様な働き方にも柔軟に対応できます。
専門的な知識や経験が少ない担当者でも使いやすい
多くの会計ソフトは、経理・簿記の知識がない初心者でも簡単に操作できるように工夫して設計されています。
仕訳入力を補助する機能や取引データの自動取り込み・仕訳機能などがあるため、誰でも容易に操作ができるでしょう。
意思決定が迅速に行える
会計ソフトは、蓄積されたデータから各種レポートを作成できる機能が備わっています。レポートを基にリアルタイムで財務状況が把握できるため、経営方針や経営改善の意思決定を迅速に行える点がメリットです。
客観的な視点で最良の選択を行えるようになるほか、問題や課題の早期発見にもつながるでしょう。
会計ソフトを導入する際の流れ
ここからは、会計ソフトを導入する際の流れを紹介します。5つのステップに分けて解説しているため、自社で導入する際の参考にしてみてください。
会計ソフトを導入する目的を明確にする
まずは、会計ソフトを導入する目的を明確にします。例えば「経理業務を効率化したい」「担当者の負担を減らしたい」など、なぜ会計ソフトを導入したいかを明確にしてみてください。
目的が明確になれば、必要な機能も明らかになるため会計ソフトを選びやすくなります。
導入までのスケジュールを立てる
次に、いつから導入して運用していくかのスケジュールを立てましょう。
スムーズに導入が進んだとしても、経理担当者が会計ソフトの操作や業務フローの変更に慣れるまでには時間がかかる可能性があります。操作に慣れるまでの期間も考慮して、スケジュールを立てるようにしましょう。
なお、会計ソフトは期中に導入することも可能です。しかし、期首分からのデータ入力が必要になるため、場合によっては一時的に経理担当者の負担が増加する恐れがある点に注意しましょう。
複数の会計ソフトを比較する
導入スケジュールを立てたあとは、複数の会計ソフトを比較していきます。導入目的を達成できる機能が備わっているかに着目しながら、自社にあう会計ソフトを選びましょう。
多くの会計ソフトでは無料お試し期間や無料デモが用意されているため、積極的に活用してみてください。実際に使用する現場の従業員にも操作してもらい、使い勝手のよさを確かめることも大切です。
会計ソフトを選定し導入する
比較した中から自社に最適な会計ソフトを選び、実際に導入を進めます。
クラウド型であれば、契約した当日からすぐに利用することが可能です。インストール型は、インストール作業やカスタマイズに時間がかかる可能性があるため、余裕を持って導入しましょう。
初期設定を行う
最後に、初期設定を行います。事業者の設定や会計年度の設定、消費税の区分や自社の銀行口座、開始残高や勘定科目などを設定しましょう。
初期設定で分からないことがあれば、ベンダーのサポートを活用するのがおすすめです。必要に応じて、電話やメール、チャットなどさまざまな方法で親身なサポートが受けられます。
初期設定でミスがあると正確な経理業務が行えなくなるため、十分に確認しながら設定を進めましょう。
▷初心者でも使いやすい会計ソフトおすすめ10選|選び方やスムーズに活用する秘訣
会計ソフトを導入する際の注意点
会計ソフトにはさまざまなメリットがある一方で、注意点もあります。ここからは、会計ソフトを導入する際の注意点を2つ紹介します。
会計に関して最低限の知識は必要
会計ソフトは経理業務を大幅に効率化できる便利なツールですが、十分に使いこなすにはある程度の簿記・会計の知識や業務経験が必要といえます。特に、複雑な操作を必要とする高機能な会計ソフトであれば、より高度な知識が求められるでしょう。
また、初心者でも扱いやすい会計ソフトであっても、簿記・会計の知識がある方がより効率的に業務を進められます。
会計ソフトの導入前から経理担当者が会計業務を行っているのであれば、新たに知識を身につける必要はありません。しかし、会計ソフトの導入をきっかけに未経験の従業員も操作する場合、会計に関する最低限の知識を身につけておく方がより正確な操作と会計処理ができるでしょう。
紙書類は整理しておく
会計ソフトは、領収書や請求書などのマスターデータがなければ機能しません。そのため、取引先から受け取った請求書や、店舗で受け取った領収書などは整理してきちんと保管しておきましょう。
紙書類を整理しておくことで、会計ソフトにデータを入力しやすい環境が整います。
会計ソフトを選定する際のポイント
会計ソフトを選定する際は、どのようなポイントに着目すればよいのでしょうか。ここからは、会計ソフトを選ぶ際のポイントを4つ紹介します。
自社の企業規模に適しているか
会計ソフトは、大きく分けて個人事業主向けと法人向けの2種類が存在します。中でも法人向けは、さらに中小企業向けと大企業向けの2つに分けられます。
それぞれ搭載されている機能や利用できる人数などに違いがあるため、自社の企業規模に適したものを選びましょう。例えば、法人の場合は貸借対照表や株主資本等変動計算書など、作成が義務付けられている書類の作成機能が備わったものを選ぶことが大切です。
操作がしやすいか
会計ソフトの操作性のよさは、業務の効率化に大きく影響します。操作性がよければ会計に関する知識がない従業員でも直感的に操作でき、業務を大幅に効率化できるでしょう。
しかし、操作性が悪い場合は操作に手間取るうえに時間がかかるため、業務を効率化することはできません。また、社内で会計ソフトの利用が浸透しない可能性もあります。
そのため、誰でも簡単に操作できる会計ソフトを導入しましょう。操作性は無料お試し期間や無料デモを活用することで把握できます。
必要な機能が搭載されているか
会計ソフトにはさまざまな機能が搭載されていますが、自社に必要な機能が揃っているかも確認しておきましょう。
例えば、インボイス登録事業者で消費税の申告も行う場合、消費税申告に対応した会計ソフトを選ぶ必要があります。経営状況をリアルタイムで把握したい場合は、各種レポートの作成機能が備わった会計ソフトを選ぶようにしましょう。
事業の成長や法改正によって必要な機能が変化する可能性もあるため、カスタマイズや機能の追加など柔軟な対応をしてもらえるかどうかの確認も必須です。
連携が柔軟にできるか
会計ソフトは、給与計算システムや経費精算システムなどの外部システムと連携できれば、さらに利便性が高まります。
例えば、経費精算システムと連携できれば、領収書を読み込むだけで自動的にどちらのシステムにもデータが登録されます。しかし、連携できない場合は会計ソフトと経費精算システムで同じ領収書を読み込んでデータを登録する必要があり、手間がかかるうえに入力ミスも発生しやすくなるでしょう。
業務効率をアップしてヒューマンエラーを防ぐためにも、会計ソフトの連携性の高さを事前に確認してみてください。
会計ソフトは必要?導入を検討した方がよいケースとは
会計ソフトは、どのような企業にも必要なのでしょうか。ここでは、導入を検討した方がよいケースを2つ紹介します。
経理業務を効率化したい
経理業務を紙ベースで処理していたり、ミスを防ぐために何重にもチェックをしていたりする企業では、業務がスムーズに進まず経理担当者の負担も増えてしまいます。
このように、現在の経理業務に無駄や非効率な部分が多い場合は、会計ソフトの導入がおすすめです。
会計ソフトによって仕訳の自動化や自動記帳など、経理に関するあらゆる作業を自動化できるため、ミスの発生を防いで業務効率の向上が見込めます。
起業したばかりで会計業務に手が回らない
起業して間もない頃は、本業が忙しく会計業務にまで手が回らないことが多いでしょう。隙間時間で会計業務をこなさなければならないため、注意不足による入力ミスや転記漏れなどが発生する可能性があります。
そこで会計ソフトを導入することで、帳簿付けや仕訳、決算資料の作成などがスムーズに行えるようになり、本業に集中できる環境が整います。ヒューマンエラーも防げるため、修正に手間や時間を取られる心配もないでしょう。
無料・有料の会計ソフトの違いについて
会計ソフトには、無料で利用できるものと有料のものがあります。両者の主な違いは、利用できる機能や利用人数、サポート体制などです。
有料の方が利用できる機能が豊富であり、利用できる人数も多いのが一般的です。有料の会計ソフトはサポート体制も充実しており、分からないことがあっても電話やメール、チャットなどさまざまな方法で親身なサポートが受けられます。
コストを抑えたいからといってよく比較せずに無料の会計ソフトを導入すると、必要な機能が使えなかったり利用人数に制限があったりしてうまく活用できないことがあるため、どちらが自社に適しているかを事前に判断しておきましょう。
▷無料で使えるおすすめの会計ソフト11選|主な機能や比較ポイント
会計ソフトとは何かを理解し、導入を検討しよう
会計ソフトを導入すれば、経理業務を大幅に効率化できます。また金融機関との連携やAIによる自動仕訳などで、人為的なミスも減らせるでしょう。
会計ソフトには業態や事業規模、業種などにあわせたさまざまな製品があるため、事業形態にあったものを選ぶことが大切です。本記事を参考に、自社に最適な会計ソフトを導入して経理業務を効率化させましょう。
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