初心者でも使いやすい会計ソフトおすすめ11選|選び方やスムーズに活用する秘訣
経理業務を効率化する会計ソフト。働き方の多様化から個人事業主・フリーランスとして働く人が増加し、日々の経理業務に追われているという人も多いのではないでしょうか。本記事では、初心者でも使いやすい会計ソフトおすすめ11選を、選び方や活用のポイントと併せて解説します。
目次
会計ソフトとは?
会計ソフトとは、企業や個人におけるお金の流れの把握や管理が行えるツールです。入出金といったデータの登録・集計はもちろん、請求書や決算書などの作成もできます。
従来の会計処理は、売上や経費などのお金の動きを人が手作業で紙やエクセルに記録・転記する必要があり、集計ミスをしたり経理担当者による不正が発生したりするリスクがありました。しかし、会計ソフトを使用すると、自動で情報を記録してくれるため、不正や人的ミスが起こる心配がありません。
このように、会計ソフトの活用によって一部業務が自動化されることで、経理担当者の人的ミスを防ぐだけではなく、業務に割いていた作業時間を別の業務に割り振ることができ、作業の効率化につながるのです。
会計ソフトの種類
会計ソフトには「クラウド型」と「インストール型」の2種類があります。
クラウド型は、インターネット環境があれば場所を問わずに金銭管理が行えます。パソコンだけでなくタブレットなど幅広いデバイスからアクセスできるため、出社せずとも経理処理を済ますことが可能です。
インストール型は、使用するデバイスにソフトやアプリをインストールする必要があります。しかし、インターネットを利用しないため、回線の混雑による通信速度を気にする必要がなく、ローカル環境にデータを保存することからセキュリティ性も高い点が特徴です。
クラウド型 | インストール型 | |
---|---|---|
特徴 | インターネット上で会計処理を行う | デバイス上で会計処理を行う |
機能性 | デバイスや場所を問わず利用可能 | 複雑な計算や専門的な処理が可能 |
使用用途 | フリーランス 個人事業主 | 中小企業 大企業 |
初期費用 | 低価格 | 高価格 |
インストールの必要性 | 不要 | 必要 |
インターネット環境の必要性 | 必要 | 不要 |
継続的な支払い | 高価格 | 低価格 |
自動アップデート | 有 | 無 |
利用可能台数 | 複数のデバイスから利用可能 | 特定の端末からの利用可能 |
使いやすさ | 簡単 | 複雑 |
▷【2023年最新】おすすめの会計ソフト15選徹底比較|失敗しない選び方とソフトの特徴
▷会計ソフトとは?何ができる?初心者が理解しておくべき機能や種類
会計ソフトに搭載されている主な機能
会計ソフトには、経理業務を効率化するための幅広い機能が搭載されています。以下に多くの会計ソフトで搭載される主な機能をまとめました。
機能 | 詳細 |
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利用明細の自動取り込み機能 | 銀行口座やクレジットカードなどと連携し、データを自動で取り込んで仕訳する機能 |
領収書のスキャン機能 | 領収書をスマホなどで撮影してスキャンし、自動で情報を読み込んで仕訳する機能 |
入金管理機能 | 請求金額が期日までに振り込まれているかの確認や、入金消込処理などが行える機能 |
伝票入力機能 | 振替・入金・出金伝票などを作成できる機能 |
請求書作成機能 | 顧客に送付する請求書を作成する機能 |
法改正などに対応できる機能 | 消費税率変更や電子帳簿保存法の要件対応など、法改正があった場合でも問題なく遵守できる機能 |
搭載されている機能は会計ソフトによって異なるため、自社に必要な機能が備わっているかを必ず確認しましょう。
以下より会計ソフトの一括資料請求が可能です。資料を確認して、搭載されている機能を比較しながら導入を検討してみてください。
▷会計ソフトの使い方|流れや活用術を初心者の方でもわかりやすく解説!
会計ソフトを導入した方がよい人とは?
会計ソフトを導入した方がよいのは、どのような人なのでしょうか。ここからは、会計ソフトの導入がおすすめな人を紹介します。
個人事業主
個人事業主が会計ソフトを導入すると、帳簿付けから確定申告書の作成までを会計ソフトで簡単に行えるため、経理処理の効率化が図れます。
企業であれば業務プロセスごとに部署が分かれており、それぞれの業務に集中しやすい環境ですが、個人事業主はすべての業務を一人でこなさなければなりません。特に経理業務初心者の方は、日々の業務に追われていると経理・簿記の知識習得に充てる時間を確保することが難しいでしょう。
経理業務に迷わず本業に集中するためにも、会計ソフトで経理知識を補うことでスムーズに作業を完結できるのが大きなメリットです。
経理業務の効率化を希望する人
会計ソフトを導入すると経理業務を大幅に効率化できるため、経理業務の効率化を希望する人に最適です。
会計ソフトと銀行口座やクレジットカードなどを連携すると、日々の入出金の情報がシステム上に自動で反映されるため、情報の入力にかかる手間が簡略化されるといったメリットが得られます。
また、登録された情報を自動的に勘定科目ごとに仕訳対応できるソフトもあります。会計ソフトを利用しないと仕訳作業を手入力で行う必要があるため、記帳に大幅な時間と手間がかかってしまう点がデメリットです。
このように、会計ソフトを利用すると経理業務の効率アップが図れるためリソース確保につながり、コア業務に集中できます。
経理業務初心者
会計ソフトによって、簿記や経理の知識がない初心者の方でも簡単に会計処理が行えます。
事業で発生した金銭のやり取りを記録する際には、目的や用途にあった書類フォーマットを選ぶ必要があります。さらに情報を入力・転記する作業は、経理業務に慣れていない初心者にとっては時間がかかり、大きな負担となってしまうでしょう。
しかし、会計ソフトを利用することで、自動で情報の入力や転記を行えるため、負担軽減につながりヒューマンエラーも防止できます。
【クラウド型】初心者でも使いやすい会計ソフトおすすめ7選
ここからは、初心者でも使いやすいクラウド型会計ソフトのおすすめ7選を紹介します。どの会計ソフトを導入するか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
マネーフォワードクラウド会計
マネーフォワードクラウド会計は、個人事業主から大企業まで幅広い規模の事業者に導入されている会計ソフトです。
銀行・クレジットカード・電子マネー・POSレジなど、2,300以上の金融関連サービスと連携できるのが強みです。毎日の取引データを自動取得し、仕訳の設定まで行うため情報を入力する手間がかかりません。
さらに、日々の仕訳入力をしていればAIが学習するため、使用すればするほど自動仕訳の精度が向上し、会計業務の効率化につながるでしょう。
提供元 | 株式会社マネーフォワード |
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初期費用 |
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料金プラン | ■月額プラン
■年額プラン
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機能・特徴 | 請求書作成、経費精算、給与計算、勤怠管理、マイナンバー管理、レポート共有機能、決算書自動作成機能、軽減税率対応など |
URL | 公式サイト |
\資料請求は完全無料!/
マネーフォワードクラウド会計の資料請求はこちら>>freee会計
freee会計は、個人事業主から上場企業まで54万以上の事業所に導入されている会計ソフトです。銀行口座やクレジットカードと連携する機能があり、入出金を自動的にシステム上に反映できる点がメリットです。
また、スマホで領収書を写真撮影しアップロードすると、自動で情報を読み取り記録してくれる機能も搭載されています。会計処理に慣れていない初心者でも入出金の管理がしやすくなるためおすすめです。
ほかにも、確定申告の書類作成も画面上の質問に従って情報を入力していくだけで完結でき、インボイス制度や電子帳簿保存法といった法改正も自動アップデートで対応してもらえます。
提供元 | フリー株式会社 |
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初期費用 |
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料金プラン | ■新設法人・小規模法人向け
※従量課金代別途 ■中堅・大企業向け
■エンタープライズ企業向け
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導入実績 | 有料課金ユーザー企業数54万(※2024年3月末時点) |
機能・特徴 | 法改正に完全対応、自動入力・自動仕訳、決算書作成はボタン1つ、レポート自動作成、強固で柔軟な認証機能、金融機関同等のチェック、堅牢なバックアップ管理など |
URL | 公式サイト |
弥生会計オンライン
弥生会計オンラインは、350万人以上のユーザーに利用されている会計ソフトです。
初年度無償キャンペーンを実施しており、1年間は無料で利用できる点が大きな魅力です。会計ソフトのほかに、給与計算ソフトや請求書作成ソフトがセットとなり、3つのソフトを1年間無料で利用できます。
仕訳・記帳の自動化や取引データの自動取得・自動仕訳など、日々の経理業務を大幅に効率化できる機能が搭載されています。サポート体制も充実しており、システムの操作に関してだけではなく、勘定科目や仕訳方法、伝票や帳簿の作成や管理といった経理業務に関する不明点も質問可能です。。
また、ヘルプページや動画といったコンテンツを提供しており、経理に必要な知識を身につけられます。
提供元 | 弥生株式会社 |
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初期費用 | 無料 |
料金プラン |
※4名以上は従量課金制 |
導入実績 | 登録ユーザー数350万以上(※2024年9月時点) |
機能・特徴 | 決算書の作成、仕訳・記帳の自動化、経営状況の見える化、税理士・会計事務所連携、金融機関連携、POSレジ連携、スマホアプリなど |
URL | 公式サイト |
やよいの青色申告オンライン
やよいの青色申告オンラインは、310万人以上のユーザーに利用されている会計ソフトです。
データの自動取込・自動仕訳や帳簿・レポートの集計機能、確定申告書の作成・提出機能など、経理業務を効率化するすべての機能を1年間無料で利用できるキャンペーンを実施しています。
請求書などの証憑を電子データとして保存・管理できる「スマート証憑管理」も無料で利用でき、インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応可能です。電子帳簿保存やe-Taxによる確定申告もシステム上で行えるため、65万円の青色申告特別控除を安心して受けられます。
提供元 | 弥生株式会社 |
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初期費用 | 無料 |
料金プラン |
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導入実績 | 登録ユーザー数350万以上(※2024年9月時点) |
機能・特徴 | 決算書の作成、仕訳・記帳の自動化、経営状況の見える化、税理士・会計事務所連携、金融機関連携、POSレジ連携、スマホアプリなど |
URL | 公式サイト |
フリーウェイ経理Lite
フリーウェイ経理Liteは、Windowsのパソコンであれば経理に必要な機能を永久的に無料で使用できるシステムです。
無料でありながら、仕訳形式・出納帳形式での入力や決算書などの各種帳票作成機能など、豊富な機能が備わっています。さらに、経理に関する専門的な知識を身につけることができる学習コンテンツが充実しているので、初心者にもおすすめの会計ソフトです。
無料版でも税制改正などにも対応していますが、有料プランにするとオペレーターによる電話応答サポートや遠隔操作サポートを受けられるため、不明点や不具合が生じた際にも気軽に相談できるでしょう。
提供元 | 株式会社フリーウェイジャパン |
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初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
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機能・特徴 | データ入力、マスタ、帳票印刷、グラフ、決算書、ユーティリティ、シリーズ製品との連携、仕訳形式・出納帳形式での入力、決算書など各種帳票の出力など |
URL | 公式サイト |
かんたんクラウド
かんたんクラウドは、初心者でも直感的に操作しやすい画面が特徴的なソフトです。
銀行やクレジットカードなどの取引データや、レシートの画像データから自動仕訳ができるため、情報を入力する手間を大幅に削減できます。また、税制度の法改正にも対応しており、自動的にバージョンアップもしてもらえるため対応漏れの心配がありません。
同サービスが提供する「かんたんクラウドファイルBOX」と併用すると、電子帳簿保存法の対応に必要な顧客との取引内容や取引条件などを明確にするタイムスタンプ付与、検索などの要件を満たしたスキャナ保存が行えます。
提供元 | 株式会社ミロク情報サービス |
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初期費用 | 無料 |
料金プラン | ■月額プラン
■年額プラン
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導入実績 | 56万社 |
機能・特徴 | 銀行明細やクレジットカードの利用明細は自動で取込、初めてでもわかりやすい「かんたん入力」、会計事務所と同じデータを共有、電子帳簿保存法に対応など |
URL | 公式サイト |
ちまたの会計
ちまたの会計は、サークルや自治会、PTAといった非営利団体でも利用されており、画面に従って操作するだけで必要な会計書類を作成できる無料の会計ソフトです。
会計に携わったことがない方や、簿記の知識を持っていない方でも使いやすいように構成されており、直感的な操作が行えます。
そのほかにもスマホで入出管理ができるため、日々のスキマ時間を有効活用して経理処理をしたり、リアルタイムで預金残高の確認をしたりできる点もメリットです。作成した書類は、PDFやExcelで出力でき、データを外部へスムーズに引き渡せます。
提供元 | 任意団体ちまたの会計 |
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初期費用 | 無料 |
料金プラン | 無料 |
導入実績 | 39,725の団体 |
機能・特徴 | 画面に従って操作していくだけで会の運営に必要な会計書類が揃う、現金、預金残高をいつでも見ることが可能、Windows・Mac・スマホ・タブレットで常に最新バージョンが利用できるなど |
URL | 公式サイト |
【インストール型】初心者でも使いやすい会計ソフトおすすめ4選
続いて、初心者でも使いやすいインストール型会計ソフトのおすすめ4選を紹介します。
最近では、クラウド型の利用者数が増えていますが、インストール型は複雑な計算や会計処理ができる点が魅力なので、ぜひ検討してみてください。
会計らくだ
会計らくだは、税理士の声から生まれた記帳を専門とする会計ソフトです。
専門家の目線から、経理の知識を持っていない方でも使いやすいように設計されています。日頃の会計処理は自社で行い、決算処理といった専門的な管理は税理士に任せたい方に最適です。
初期設定は画面に従って必要な項目を処理していくだけなので、ストレスなく導入できます。各帳簿の記帳はもちろん、決算書類の作成にも対応可能です。
登録したデータから集計表を作成し、それを基に経営状況を分析できるため事業戦略にも役立つでしょう。
提供元 | 株式会社 ビーエスエルシステム研究所 |
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初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 13,200円(税込) |
機能・特徴 | 法人会計の記帳、複式簿記方式で仕訳を入力、仕訳だけ簡単に記帳、インボイスに対応、簡単導入、出納帳・売掛帳・買掛帳などの各帳簿を簡単に記帳など |
URL | 公式サイト |
会計王
会計王は、発売から28年の実績がある会計ソフトです。
初めに業種別に使いやすいよう画面テンプレートを選択しますが、新規テンプレートを作成する際は質問に答えていくだけで完成する仕様なので、会計ソフト初心者でも安心して利用可能です。
定期的に明細を自動で取り込んで仕訳まで作成できるため、会計処理に手間がかかりません。ほかにも、クレジットカードや銀行と連携ができる「Moneylink」に登録することで入力ミスを防ぎます。
金銭のやり取りの詳細が書き込めるメモ機能は、使用用途や注意事項を記録できるため便利です。
提供元 | ソリマチ株式会社 |
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初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 44,000円(税込) |
機能・特徴 | 業種別テンプレート、他社製品データ取込み、多彩な入力方式、高機能な仕訳検索、貸借対照表、損益計算書、減価償却資産リスト、決算書の自動作成など |
URL | 公式サイト |
ジョブカンDesktop会計23
ジョブカンDesktop会計23は、法人決算に向いている会計ソフトです。30日間の無料トライアル期間が用意されており、操作性を確かめてから導入できます。
自動案内に従って入力すれば簡単に初期設定ができるため、初心者の方にもおすすめです。登録された取引内容を選ぶだけで入力ができたり、目的の仕訳をすぐに見つけたい場合には検索キーワードを利用したりするだけで情報が取得できるので便利です。
所得税確定申告や青色申告特別控除、電子申告にも対応しています。
提供元 | 株式会社ジョブカン会計 |
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初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
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機能・特徴 | かんたんスタート、かんたん取引帳、かんたん検索、かんたん印刷、ライブラリ、前年度参照機能、金融機関連携サービス、青色申告決算書の作成など |
URL | 公式サイト |
JDL IBEX出納帳 Major
JDL IBEX出納帳 Majorは、取引辞書ガイドを参考に入力ができるため、初心者でも直感的に帳簿がつけやすい無料の会計ソフトです。
スマホで撮影したレシートの情報もデータ化することで入力の手間を短縮可能なうえに、明細書や通帳をスキャナーで読み取るとデータに変換できる点がメリットです。
会計事務所へのスムーズな入力データの受け渡しもでき、万が一不明な点があればテレビ電話で相談し、サポートが受けられるため安心です。インボイス制度や電子帳簿保存法など、最新の法改正にも対応しています。
提供元 | 株式会社日本デジタル研究所 |
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初期費用 | 無料 |
料金プラン | 無料 |
機能・特徴 | 直感的な帳簿づけ、充実の入力アシスト機能、eレシート、銀行・クレジットカード明細の取込、通帳読取、仕訳機能、帳簿の表示・印刷・CSV出力など |
URL | 公式サイト |
【初心者必見】会計ソフトの選び方
初めて会計ソフトを選ぶ方の中には、どのようにして選べばよいか分からないとお悩みの方も多いでしょう。ここからは、初心者の方向けに会計ソフトの選び方を詳しく解説します。
使い方が簡単かで選ぶ
会計ソフトは、操作性が優れていて簡単に使えるものを選ぶことが大切です。
機能の豊富さも大切なポイントですが、機能が充実した会計ソフトは操作が複雑な傾向があり使いこなせず、業務が効率よく進まなくなってしまう可能性も否めません。このような事態にならないためにも、初心者の方はできるだけシンプルな操作で済む会計ソフトを選びましょう。
パソコンだけでなくスマホやタブレットといったデバイスでも使用できると、スキマ時間を有効活用して経理処理が行えます。
企業の規模に応じて選ぶ
企業の規模に応じて、最適な会計ソフトの種類は異なります。
例えば、個人事業主が確定申告を行う場合は確定申告書や収支内訳書、青色申告決算書が必要です。しかし、法人の場合は決算報告書や法人税の申告書など、必要な書類が多くなります。
個人事業主向けの会計ソフトでは法人に必要な帳簿の作成に対応していない場合があるため、企業の規模に応じて会計ソフトを選ぶことが重要です。
また、利用料金も小規模事業者向けと大企業向けで大きく異なるので、自社の予算にあわせて選定しましょう。
搭載されている機能で選ぶ
日々の帳簿付けをしたい個人事業主と、決算書の作成から経営把握まで行いたい企業の経理担当者であれば、使用目的が異なるため求める機能にも違いがあります。不要な機能があれば持て余してしまうので、自社の導入目的を達成できる機能が備わった会計ソフトを選びましょう。
例えば、企業の場合は部署ごとに金銭の管理が必要なケースも考えられるため、複数人が同時にアクセス・経理処理ができるサービスや、使用デバイスを問わない高機能な会計ソフトの導入を検討しましょう。
無料のトライアル期間があるかで選ぶ
無料トライアル期間があると、コストをかけずに会計ソフトの使いやすさを判断できるためおすすめです。
特に初心者であれば、機能紹介や口コミだけでは「どの会計ソフトが自社に適しているか」を見極めるのが難しいでしょう。そのため、無料トライアルで実際に操作してみて操作性は簡単であるか、シンプルな画面で分かりやすいかをチェックしてみてください。
導入後にソフトの操作方法や仕訳などが分からなくなった場合に備えて、サポート体制が充実している会計ソフトを選ぶこともポイントです。
▷無料で使えるおすすめの会計ソフト12選|主な機能や比較ポイント
セキュリティ性の高さで選ぶ
会計ソフトには事業の売上や経費だけでなく、従業員への給与や確定申告書・決算書などの重要な情報を登録するため、セキュリティ性の高い会計ソフトを選ぶことが重要です。
特に、インターネット上で操作するクラウド型は情報漏えいのリスクが高い傾向があります。そのため、データの暗号化や24時間体制のセキュリティチェックなど、セキュリティ対策が万全に行われている会計ソフトを選びましょう。
インストール型はネット回線を使用しないため、クラウド型と比べると情報漏えいのリスクは低いですが、作業環境にあった会計ソフトを選んでしっかりセキュリティ対策を行うことが大切です。
対応しているデバイスで選ぶ
パソコンだけでなく、タブレットやスマホにも対応しているソフトであれば、外出中やスキマ時間にも作業ができるため、業務の効率化につながります。外出先でも操作ができると、会計ソフトを利用するために出社する必要がない点がメリットです。
また、すべての会計ソフトがWindowsOSとMacOSに対応しているとは限りません。導入後に動作しないといった状況を防ぐためにも、事前に使用環境をチェックしておく必要があります。
法改正へ対応できるかで選ぶ
適切な会計処理を行うために、法改正へ問題なく対応できるかを確認しましょう。
クラウド型会計ソフトの多くは、法改正に伴い自動的にアップデートしてシステム上に反映するため、利用者は更新に対応する手間がかからない点がメリットです。
一方、インストール型の多くはすべて自分で処理をしなければならないため、法改正で何が変更されたのかを調べ、システムに変更を加える作業が必要です。これらの作業は経理初心者にとって大きな負担になってしまうでしょう。
このような法改正の対応が心配であれば、常に最新バージョンにアップされている会計ソフトを選んでおくのがおすすめです。
初心者が会計ソフトを活用するメリット
ここからは、初心者の方が会計ソフトを活用すると、どのようなメリットを得られるのかをご紹介します。
不足している簿記の知識を補える
簿記の知識がない場合、例えば貸方と借方の金額が一致していないといった原因の特定が難しいトラブルが発生した場合、問題箇所の修正作業を行うのは初心者にとって大きな負担になります。
しかし、会計ソフトによって金銭のやり取りをデータ化して自動で取り込むことで、簿記の知識がなくてもトラブルなく記帳が行えます。さらに、二重計上や残高不一致といったヒューマンエラーも防止でき、作業の効率アップを図ることが可能です。
自動化によって業務負担を軽減できる
手書きの帳簿やエクセルなどへ手入力する場合は、入力ミスや集計ミスといったヒューマンエラーが起こる可能性が高くなります。
会計ソフトを利用すると相互のデータをシステム上で連携して自動で転記されるため、わざわざ手作業で帳簿を作る必要がありません。
勘定科目などの自動仕訳にも対応している会計ソフトもあるので、入力した情報がどの項目に該当するかなどを自分で調べる必要がなく、業務負担の軽減につながります。
バックアップを確保できる
エクセルで管理している場合には、誤ってデータを削除してしまうリスクがありますが、会計ソフトはシステム上でバックアップを行っているためデータが完全に消失する心配はありません。
データが消失すると、「危機意識が足りない」「データ管理ができない」などの理由で取引先などからの信頼を失う可能性がありますが、バックアップを行っていれば信用失墜を防げます。
法改正に対応できる
税制に関わる法律は頻繁に改正が行われ、その度に情報を確認し会計処理を変更する必要があり、国からのガイドラインを基に義務付けられた内容に対応しなければなりません。
税制法の知識がない初心者の方であれば、法改正の対応に多くの時間を費やしてしまうでしょう。しかし、会計ソフトは法改正後の適切なタイミングで最新の内容に自動アップデートされるため、対応する手間を削減できる点がメリットです。
社内不正を防止できる
紙の帳簿やエクセルなどで経理処理をしている場合、情報の改ざんが行われやすいため注意が必要です。
入出金を入力する段階は、特に情報の改ざんが起こりやすいとされています。しかし、会計ソフトを利用すれば銀行やクレジットカードと連携して正確な情報を取り込んだり、レシートをスキャンし情報を自動で記録したりできるため、不正を未然に防ぐことが可能です。
クラウド型は多様な働き方を実現できる
クラウド型会計ソフトの大きなメリットは、インターネット環境があれば、場所やデバイスを問わずにアクセスできることです。
テレワークが普及した現代において多様な働き方を実現できるため、従業員にとっても働きやすい環境を整えられることは大きなメリットです。
万が一感染症の拡大、豪雨や地震といった自然災害によって出社が難しい場合でも、自宅から経理作業ができる体制を整えておくと安心です。
インストール型は専門性の高い業務を効率化できる
インストール型会計ソフトは、複雑な処理や入力をスムーズに行えるため、クラウド型会計ソフトよりも専門性の高い業務を効率化できます。
また、インターネット環境に依存しないため、ネット回線が不安定な場所でも作業をスムーズに進めることが可能です。
日々の帳簿付けや勘定科目の入力、確定申告書の作成といった基本的な会計処理だけではなく、経営状況の把握といった点にもインストール型は優れており、事業戦略に役立てることができます。
このように、クラウド型とインストール型の会計ソフトはそれぞれさまざまなメリットがあります。以下より会計ソフトの一括資料請求が行えるため、料金や機能などを比較しながら自社に合った会計ソフトを選定してみてください。
初心者が会計ソフトを活用するデメリット
会計ソフトにはさまざまなメリットがありますが、一方でデメリットもあります。ここからは、初心者が会計ソフトを活用するデメリットを3つ紹介します。
会計ソフトの種類によっては料金がかさむリスクがある
会計ソフトは料金形態も幅広いため、選ぶ種類によっては予想以上にコストが高額になってしまう場合があります。
例えば、クラウド型会計ソフトの多くは低価格であるため導入がしやすいですが、毎月の継続的な支払いであるランニングコストがかかってしまう点に注意が必要です。
一方、インストール型会計ソフトは買い切り型なので継続的な支払いは発生しませんが、事業規模の大きさに反して多機能な会計ソフトを選んでしまうと、初期費用が高額になってしまう可能性があります。
そのため、会計ソフトの導入前には、「自社の課題を解決してくれる機能はどれか」「どの程度の料金がかかるのか」を事前に把握して、会計ソフトを比較検討していきましょう。
運用していくうえで手間がかかる
会計ソフトは利便性の高さが魅力ですが、運用していくうえで手間がかかるケースもあります。
例えば、クラウド型会計ソフトであれば、税制法の改正があっても自動で最新バージョンにアップデートされるため、更新の手間がかかりません。しかし、インストール型会計ソフトの場合は、法改正があるとシステム上の設定・更新を自身で行う必要があります。
法改正の対応が遅れると、改正後に対応していない書類で作成してしまう可能性があるので注意が必要です。そのため、法改正の対応が心配な方は、常に最新バージョンに対応したクラウド型会計ソフトを選んでおくとよいでしょう。
セキュリティリスクがある
会計ソフトは、少なからずセキュリティリスクがあります。
特にクラウド型の場合はインターネットに接続されているため、情報漏えいや改ざんなどのリスクがゼロではありません。また、インストール型はインターネットに接続しないため比較的安全といえますが、自身でセキュリティ対策を行わなければトラブルが発生する恐れがあります。
安全に利用するためにも、情報の暗号化や24時間体制のセキュリティチェックなど、セキュリティ対策が十分に施された会計ソフトを選びましょう。
会計ソフトを導入し経理業務を効率化しよう
会計ソフトを導入することで、経理業務の自動化や作業の簡略化ができ、入力ミス・集計ミスといったヒューマンエラーの防止にも役立ちます。
日常的に使用する会計ソフトは、使いやすいサービスを選ぶことが重要です。さらに、個人事業主と企業では必要な機能や経理知識が異なるため、業務内容や個々のレベルにあった最適な会計ソフトを選び、作業の効率化に役立てましょう。
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