会計ソフトの使い方|流れや活用術を初心者の方でもわかりやすく解説!

最終更新日時:2023/04/12

会計ソフト

会計ソフトの使い方

日々の取引を管理し経理業務の負担を軽減する、会計ソフト。個人向け・法人向け等さまざまな製品が開発され、導入企業も増加していますが、簿記知識の浅い初心者でも容易に使いこなせるのでしょうか。本記事では、会計ソフトの使い方・活用方法を初心者向けにわかりやすく解説します。

会計ソフトとは?

会計ソフトとは、企業で発生するさまざまなお金の動きを一元管理し、決算書などの必要書類を作成できるシステムです。これまでの紙の帳簿や伝票を用いた会計業務は、売掛や入金、振替などのお金の動きを記載することに手間がかかる上、小規模の会社でも簿記資格所持者が必要でした。

しかし、会計ソフトを使用すればそれらの手間を大幅に省くことができ、会計業務の負担軽減につながります。ミスも予防できるため、現在では会計ソフトを導入する企業が増えています。

また、会計ソフトはパソコンやスマートフォンがあれば、在宅でも会計業務を行えるのが特徴です。そのため、昨今のテレワーク普及を機に需要が高まっています。

会計ソフトとは?何ができる?初心者が理解しておくべき機能や種類

会計ソフトの種類はクラウド型・インストール型の2種類

会計ソフトにはクラウド型とインストール型の2種類があります。クラウド型とはインターネット上で作業を行う会計ソフトで、対応端末を問わず使用でき、費用はサブスクリプション制です。

インストール型はパソコンにソフトをインストールして使用する会計ソフトで、インストールされたパソコンのみで使用でき、購入価格のほかアップデート費用が必要な場合もあります。両者の違いは、次の表の通りです。

 クラウド型インストール型
使用環境インターネットパソコン
対応端末問わないインストールされたパソコンのみ
費用サブスクリプション制購入価格/アップデート費用
対応OSWindows/MacWindows/Mac

初心者でもわかりやすい会計ソフトの使い方の流れ

ここでは、初心者にもわかりやすいよう、会計ソフトを使う際の流れを詳しく解説します。

  1. 基本情報を設定する
  2. 口座情報等を設定する
  3. 取引内容を登録する
  4. 登録内容を確認する

1.基本情報を設定する

会計ソフトをパソコンへインストールした後は、基本情報を設定します。利用者名や確定申告の種類など、ソフトの利用に必要となる基本的な情報を登録しましょう。

次に、勘定科目の設定を行います。会計ソフトにあらかじめ設定されている勘定科目を確認し、その他に必要な勘定科目があれば登録しておきましょう。最初に設定しておけば、その後の会計処理をスムーズに行えます。

2.口座情報等を設定する

基本情報の設定が完了したら、収支決済用口座やクレジットカードの登録を行いましょう。ほとんどの銀行口座やクレジットカードに対応している会計ソフトが多いため、データの連携・共有が可能です。

また、口座情報を登録しておくことにより、決算処理などの履歴を残しておくことも可能になります。口座やクレジットカードのほかにも、販売管理システムと連携できる会計ソフトもあるため、必要に応じて連携を行いましょう。

3.取引内容を登録する

必要な情報や口座・クレジットカード登録が済んだ後は、実際の取引内容を登録していきましょう。具体的には、売り上げや経費精算、勘定科目の仕訳などの内容です。

会計ソフトによっては、電子データで取引を行っている場合は手入力不要で登録可能なものもあります。使っている会計ソフトに応じた方法で取引内容の登録を行いましょう。

4.登録内容を確認する

取引内容の登録が終わったら、登録内容に誤りがないかを必ず確認するようにしましょう。会計ソフトを使えば人的ミスが減らせるとはいえ、確認は人の目で行う必要があります。

登録内容に間違いがないことを確認したら、バックアップをとった後に登録内容を保存して完了です。

【2023年最新】おすすめの会計ソフト15選徹底比較|失敗しない選び方とソフトの特徴

会計ソフトの活用方法

会計ソフトは、さまざまな会計業務に活用できます。ここでは、会計ソフトの活用方法を紹介していきます。

  • 請求書・月次決算書の作成
  • 確定申告書の作成
  • 月次計画書・損益計画書の作成
  • 経費精算システムとの連携

請求書・月次決算書の作成

月末には、各種請求書の作成など月の締めの経理業務を中心に行っていきましょう。

また、月末には月次決算書の作成も必要となります。月次決算書は、1カ月ごとの損益・財産状況などを可視化するためのものです。月次決算書の作成を通じて財務状況の変化を把握できます。

確定申告書の作成

副業などをしている従業員がいる場合には、年度末に確定申告書の作成を行います。会計ソフトを使えば、年度内の登録内容をもとにして作成することが可能です。

作成した確定申告書についてはプリントアウトしてそのまま提出できるため、手続きもスムーズに行えるでしょう。

月次計画書・損益計画書の作成

財務計画や損益計画書類の作成も、1カ月の中で発生する会計業務の一つです。会計ソフトを使えば、これらの計画書も作成できます。

また、登録されているデータをもとに計画書を作成できるため、早い段階でミスを予防することが可能です。

経費精算システムとの連携

交通費などを始めとした各種経費精算システムと会計ソフトを連携することも、会計ソフトの活用方法の一つです。両者を連携させておけば手入力の必要がなくなるため、会計業務を効率化できます。たとえば、経費精算システムに登録した各種経費の内容を会計ソフトに連携すると仕訳まで行えるため、そのまま必要書類作成などに移ることができます。

人的ミスを予防できるだけでなく、業務スピードを向上できるという点でも便利な活用方法といえます。

無料で使えるおすすめの会計ソフト12選|主な機能や比較ポイント

会計ソフトを活用する際のポイント

会計ソフトを活用して会計業務を行う際にはポイントがあります。ここでは、会計ソフトを活用する際のポイントについて解説します。

  • 仕訳ルールを定める
  • 職種・利用規模に合ったソフトを導入する
  • 顧問税理士が使用しているソフトを導入する

仕訳ルールを定める

勘定科目の仕訳ルールはあらかじめ定めておきましょう。事前にルールを決めておけば、仕訳に迷うことがなくなり入力の分類が楽になります。

また、仕訳ルールをしっかり設定しておくことで登録ミスも予防できます。結果的に、会計業務を効率化できるでしょう。

職種・利用規模に合ったソフトを導入する

会計ソフトには法人向けや個人向けのものがあるため、運用する職種や規模にマッチする会計ソフトを導入することも活用時の重要なポイントです。たとえば個人で利用する場合は、必要な機能は最小限のため、多機能で高コストな法人向けの会計ソフトを使用する必要はないでしょう。

職種や利用規模から逆算することが、会計ソフト選びにおいて失敗しない秘訣といえます。

顧問税理士が使用しているソフトを導入する

企業の顧問税理士が使用しているものと同じ会計ソフトを導入することもポイントの一つです。

企業と顧問税理士が同じクラウド会計ソフトを使用していればデータを連携でき、受け渡しが必要なくなるため、顧問税理士はリアルタイムで仕訳データをチェックできます。また、会計ソフトについてのサポートやアドバイスを受けることもできるでしょう。

会計ソフトの主要機能

会計ソフトの主要機能は次の通りです。

  • 自動入力機能
  • 権限管理機能
  • データの共有機能
  • バックアップ機能
  • 法改正対応機能

金融機関から利用明細をダウンロードして会計ソフトと連携し、自動的に勘定科目の仕訳別に入力してくれる自動入力機能は非常に便利な機能の一つです。また、会計事務所とデータを共有して会計ソフトでやりとりを行えるデータの共有機能により、人的ミス防止と業務効率化につながります。

その他、入力者・承認者を設定できる権限管理機能や故障・紛失などに備えられるバックアップ機能などがあれば、会計ソフトを安心して使用できるでしょう。

【初心者向け】おすすめの会計ソフト3選

ここではおすすめの会計ソフトを3つ紹介していきます。初心者向けの内容なので、初めて導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

  1. freee会計
  2. 弥生会計オンライン
  3. マネーフォワードクラウド会計

1.freee会計

freee会計は、freee株式会社提供の会計ソフトです。銀行口座・クレジットカードとの連携機能や、領収書を写真に撮ってアップすると自動で読み取り、日付・勘定科目を推測できる機能もあります。

また、決算、経営状況の可視化など、目的に応じた活用方法が可能なため、柔軟に運用していきたい企業には相性の良い会計ソフトといえます。

提供元freee株式会社
初期費用0円
料金プラン【年払い】

■個人向け

  • スターター:1,078円(税込)/月※12,936円(税込)/年
  • スタンダード:2,178円(税込)/月※26,136円(税込)/年
  • プレミアム:3,647円(税込)/月※43,780円(税込)/年

■法人向け

  • ミニマム:2,178円(税込)/月※26,136円(税込)/年
  • ベーシック:4,378円(税込)/月※52,536円(税込)/年
  • プロフェッショナル:43,780円(税込)/月※52万5360円(税込)/年

【月払い】
■個人向け

  • スターター:1,628円(税込)/月
  • スタンダード:2,948円(税込)/月
  • プレミアム:年払いのみ

■法人向け

  • ミニマム:2,948円(税込)/月
  • ベーシック:5,808円(税込)/月
  • プロフェッショナル:52,536円(税込)/月
導入実績有料課金ユーザー数33万社以上※2021年12月末時点
機能・特徴
  • 効率的な記帳機能
  • 決算書の作成
  • 見積・請求・納品書作成
  • 入金・支払管理
  • チャット/メールサポート
  • 電子帳簿保存法 完全対応

など

URL公式サイト

2.弥生会計オンライン

弥生会計オンラインは弥生株式会社の提供する会計ソフトです。決算書作成や仕訳入力の自動化など定番の機能はもちろん、税理士事務所や会計事務所との連携機能も充実している抜け目のない会計ソフトといえます。

また、スマホアプリにも対応しているため、場所を問わずアクセスできる点も魅力です。

提供元弥生株式会社
初期費用なし
料金プランセルフプラン:28,600円(税込)/年
ベーシックプラン:38,720円(税込)/年
導入実績弥生シリーズ登録ユーザー数280万以上※2022年9月現在
機能・特徴
  • 取引入力
  • 決算書類の作成
  • 領収書やレシートの自動仕訳
  • 取引・残高/損益/貸借レポート
  • 銀行口座、クレジットカード、
  • POSレジとの連携

など

URL公式サイト

3.マネーフォワードクラウド会計

マネーフォワードクラウド会計は、クラウド型の会計ソフトです。そのため、WindowsはもちろんMacでも活用することができます。

通常の会計業務はもちろん、POS、クラウドソーシングとも連携可能なため、状況によって柔軟に対応できる点が魅力の会計ソフトといえるでしょう。

提供元株式会社マネーフォワード
初期費用0円
料金プラン

■年額プラン

  • スモールビジネス:3,278円(税込)/月※39,336円(税込)/年
  • ビジネス:5,478円(税込)/月※65,736円(税込)/年
  • クラウド会計Plus:要問い合わせ

■年額プラン

  • スモールビジネス:4,378円(税込)/月
  • ビジネス:6,578円(税込)/月
  • クラウド会計Plus:要問い合わせ
機能・特徴
  • 決算書の作成
  • 帳票一覧
  • 仕訳・記帳の自動化
  • 軽減税率対応
  • 金融機関連携
  • レジ連携

など

URL公式サイト

会計ソフトの使い方をマスターし業務に活かそう

会計ソフトは、企業のさまざまなお金の動きを一元管理し、必要書類を作成できるシステムです。売掛や入金、振替などの記載に手間がかかる上、簿記資格所持者が必要な紙の帳簿や伝票を用いた会計業務に比べ、負担を軽減できます。

会計ソフトの活用方法としては、請求書・月次決算書、確定申告書などの作成や、経費精算システムとの連携などが挙げられます。会計ソフトを活用する際には、仕訳ルールを定めておいたり、職種・利用規模に合ったソフトや顧問税理士が使用するソフトを導入したりすることがポイントです。

会計業務の見直しを検討している場合は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。

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