【最新】BCP策定率はどれぐらい?大企業・中小企業や業種別の数値は?

記事更新日:2022/10/16

BCP対策

大企業・中小企業におけるBCP策定率

自然災害の多い日本においては、かねてよりBCP対策の重要性が認識されていました。しかし実際に「BCP策定」に取り組めている企業はどれほどあるのでしょうか?本記事では、BCP策定率について、大企業や中小企業、業種別に現状を紹介します。

企業規模および業種別のBCP策定率

日本では2011年に発生した大規模災害をきっかけに、ますますその重要性を高めたBCP策定ですが、実状はどうなのでしょうか?まずは、内閣府より公表された資料をもとに大企業・中小企業、および業種別のBCP策定率を確認してみましょう。

大企業のBCP策定率

大企業においては、2021年度の時点で70.8%の企業がBCPの策定に至っています。

この結果は、政府の「(2020年度までに)BCP策定率100%」の目標達成にはとどかなかったものの、策定率の推移としては増加傾向にあり、BCPへの意識が高まっていることが伺えます。

多くの大企業ではリスクマネジメントの一環としてBCPの策定が進められています。過去の豪雨・地震などの自然災害や情報漏えい事故の経験からBCP策定にいたったケースも多いでしょう。

また、新型コロナウイルスの感染拡大により、感染症に対応したBCPの策定も必要となりました。このように、企業を取り巻くリスクが増大したことがBCP策定のきっかけになっています。

年度 BCP策定率(%)
2007 18.9
2009 27.6
2011 45.8
2013 53.6
2015 60.4
2017 64.0
2019 68.4
2021 70.8

[出典:内閣府「令和4年防災白書」]

中小企業のBCP策定率

中小企業においては、2021年度の時点で40.2%の企業がBCP策定済みの状況にあります。

こちらも政府の目標である「(2020年度までに)BCP策定率50%」を下回っており、数値としては低いのが現状です。中小企業のBCP策定が進まない理由として、BCP策定にかかる時間・設備投資などの費用・人材確保が難しいことがあげられます。

また、下請業務を主としている企業では、取引先の状況に左右されるため自社のみでBCPを策定しても、効果が期待できないといったこともあるでしょう。このように、中小企業のBCP策定にはさまざまなハードルがあると考えられています。

年度 BCP策定率(%)
2007 12.4
2009 12.6
2011 20.8
2013 25.3
2015 29.9
2017 31.8
2019 34.4
2021年 40.2

[出典:内閣府「令和4年防災白書」]

業種別のBCP策定率

「令和元年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」によると、2019年度の業種別のBCP策定率は以下の通りとなっています。

最もBCP策定率が高いのは金融・保険業の69.2%です。次いで、情報通信業・建設業と続き、上位3つの業種ではBCP策定率が50%を超えています。金融・保険業や情報通信業は顧客データなどの重要な情報を扱うため、リスクマネジメントの一環としてBCPの策定が進んでいると捉えられるでしょう。

また、建設業は2009年より開始した関東地方整備局による「建設会社における災害時の事業継続力認定制度」により、BCP策定率が上昇したと考えられます。

一方、宿泊業・飲食サービス業はBCP策定率が11.4%とかなり低い数値です。これらの業種は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により経済的な大打撃を受けました。

業種 BCP策定率(%)
金融・保険業 69.2
情報通信業 57.6
建設業 55.1
サービス業 47.1
製造業 45.1
卸売業 42.3
運輸業・郵便業 39.4
不動産業・物品賃貸業 33.0
小売業 28.7
宿泊業・飲食サービス業 11.4

[出典:内閣府「令和元年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」]

BCP策定率が上がらない理由は?

BCP策定率が上がらない理由として、以下のものがあげられます。

  • BCP策定のためのスキル・ノウハウ不足
  • BCP策定のための人材や費用の確保が困難

特に、中小企業の策定率が上がらない要因として、これらの課題が顕著であると言えるでしょう。また、2024年から介護業におけるBCP策定の義務化が施行されるものの、そのほかの業種については、法令による規制などはありません。

そのため、「いつ起こるかわからない事態の対策」が、つい後回しにされてしまっているのが現状です。

企業にとってBCPが必要な理由

そもそもBCP(事業継続計画)とは、緊急事態発生時において、事業資産の被害を最小限にとどめ、中核となる事業を継続するための計画です。具体的には、以下のような事項に対しての具体的な行動計画や準備などが求められます。

  • 社員の生命の安全確保と安否確認
  • 災害被害軽減のための対策(二次災害の防止を含む)
  • 指揮命令系統の明確化
  • 重要拠点の機能の確保(代替設備の準備)
  • 対外的な情報発信手段の確保
  • 情報共有
  • 情報システムのバックアップ
  • サプライチェーン管理

これらの事項をみてもわかる通り、BCPは、第一に大切な社員の命と事業資産を守るための準備であり、顧客や取引先の信用を失わないための計画だけでなく、事業を継続することで、その後の雇用を守るための取り組みでもあるのです。

BCP策定の基本的な流れ

次に、実際にBCP策定を実行する際の流れについてご説明しましょう。

BCPは、主に、以下の6つの手順にそって策定します。

  1. BCP策定の基本方針を定める
  2. 自社の中核事業を選定する
  3. リスクの洗い出しを行う
  4. 対応すべきリスクの優先順位を決定する
  5. BCPを策定する
  6. 策定したBCPを運用する

まず、BCPを策定する目的を明確にし、基本方針として社内で共通認識を持つことが大切です。そして、自社の中核事業を明らかにし、優先的に復旧すべき事業を選定します。

その後、想定されるリスクを洗い出し、対応すべきリスクの優先順位付けをしましょう。ここまで検討した内容をもとに最終的なBCPを策定します。

また、BCPは一度策定して終わりではありません。社内への浸透を促すとともに、実際に運用・評価し、改善を重ねて実効性のある施策へと最適化していきます。定期的に見直すことで、BCP実効性をさらに高められるのです。

BCP策定率は企業規模や業種によって異なる

企業のBCP策定率は年々増加し、その重要性に関しては認識しているとする企業がほとんどです。しかし、実際の策定となると、さまざまな理由から実行に移せていない企業は少なくありません。

BCPは有事から自社と社員を守るだけではなく、取引先などの関連企業を守るためにも重要な施策です。また、業種によって策定率が大きく異なることからもわかるように、それぞれの企業における適切なBCPの内容は違ってきます。

まずは、自社が抱えるリスクと向き合うことから初めてみてはいかがでしょうか。

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