自動車保険の年齢条件とは?年齢区分や設定する際のポイント・変更のタイミングについて
あらかじめ補償対象となる運転者の年齢を設定しておくことで、保険料の割引を受けられる「自動車保険の年齢条件」。車を家族で共有しているケースでは、誰の年齢に合わせればよいのか分からないという人も多いのではないでしょうか。本記事では、自動車保険の年齢条件について解説します。
目次
自動車保険の年齢条件とは?
「自動車保険の年齢条件」とは、保険の補償対象になる運転者の年齢を契約で制限し、保険料を割引してもらう仕組みです。対象となる自動車を運転する人が限られているのであれば、年齢条件を設定することで保険料を安くできます。
年齢条件が適用されるのは、記名被保険者・記名被保険者の配偶者に加え、記名被保険者と同居している子どもや親族です。別居している子どもや親族、友人や知人は含まれません。適用範囲は保険会社によって異なるケースもあるので、事前に調べてください。
年齢条件を設定するとなぜ保険料は安くなるのか?
年齢条件の設定によって保険料が割り引かれる理由は、年代によって交通事故の発生率が異なるからです。統計では、「19歳以下」と「20~29歳」の若年層と「70歳以上」の高齢者は、事故発生件数が他の年代よりも多いことが判明しています。
特に若い世代は免許を取ってから日が浅く技術が未熟なため、他の年代と比較して事故発生件数が多いと考えられます。そのため保険金が支払われる可能性も高く、保険料も高くなる傾向があると言えるでしょう。
補償対象からリスクが高い年代を外せば、事故発生率が下がるため、保険料も安くなっているのです。
自動車保険の年齢条件の区分
自動車保険の年齢条件の区分は、「全年齢補償」「21歳以上補償」「26歳以上補償」の3種類です。それぞれの補償範囲は以下の表のとおりです。
年齢条件の区分 | 補償範囲 |
全年齢補償 | 運転している人の年齢を問わず、補償を受けられる |
21歳以上補償 | 21歳以上の人が運転している場合のみ補償を受けられる |
26歳以上補償 | 26歳以上の人が運転している場合のみ補償を受けられる |
この中では「全年齢補償」が最も割高で、「26歳以上補償」が最も割安です。最近は30歳以上補償や35歳以上補償など、さらに細分化された区分を設けている保険会社もあります。
自動車保険の年齢条件を設定する際のポイント
年齢条件によって保険料が変化するため、設定には注意が求められます。設定する際に知っておくべきポイントを解説するので、ご一読ください。
補償対象となる運転者の範囲を確認し設定する
自動車保険を契約する車の運転者を確認したうえで選びましょう。自動車保険には運転者限定特約があり、この特約には、補償される運転者の範囲を限定する代わりに保険料を節約できるメリットがあります。
例えば、運転者の範囲を本人と配偶者のみに限定した場合、本人か配偶者が事故を起こしたら補償されますが、同居している子どもに万が一のことがあっても補償されません。
車を複数台所有しているのであれば、自動車1台ごとに年齢条件を設定することで保険料を抑えられるでしょう。
運転者の範囲別の補償対象の一例は、次のとおりです。
運転者の範囲 | 補償対象 |
運転者限定特約 | 記名被保険者本人のみ |
運転者限定特約(本人・配偶者・別居の未婚の子ども補償型) | 記名被保険者・配偶者・別居している未婚の子ども、年齢不問 |
運転者限定特約(同居の子ども以外補償型) | 記名被保険者・配偶者・別居している未婚/既婚の子ども・同居している親族・友人、年齢不問 |
運転者限定なし特約(同居の子どもの年齢条件設定型) |
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複数人が対象の場合は最も若い人の年齢で設定する
対象者が複数人いる場合、年齢条件は運転者の中で最も若い人の年齢で設定しましょう。例えば45歳の両親と19歳の息子が車を使う場合、19歳の息子に合わせます。仮に45歳の両親に合わせてしまうと、19歳の息子がハンドルを握っているときに事故を起こしても補償してもらえません。
万が一の事態を防ぐためにも、契約対象の自動車を使う人の中で一番若い人の年齢に合わせる必要があるのです。
自動車保険の年齢条件を変更するタイミング
自動車保険の年齢条件は、家族構成やライフスタイルの変化などに合わせて見直すことをおすすめします。年齢条件を再確認する時期について紹介します。
最年少者が節目となる年齢を迎えたタイミング
保険の対象者のうち最年少者が、21歳や26歳の誕生日を迎えるときにチェックしましょう。全年齢を対象としている補償から年齢を限定した補償や、対象年齢がより高い区分の補償に変えれば、保険料が抑えられるためです。
子どもが免許を取得したタイミング
同居している子どもが運転免許を取るのに合わせて変更しましょう。免許を取得した子どもが、本人専用の車に乗るのであれば新たに保険を契約します。しかし、これまで親しかハンドルを握ってこなかった自動車を子どもも運転するのであれば、子どもも補償対象になるよう年齢条件の見直しが必要です。
子どもが別居するタイミング
別居している子どもには年齢条件は適用されません。子どもが就職や結婚、進学などで家を出るときに契約を点検してください。子どもの年齢に合わせて年齢条件を設定しているケースでは、子どもが別居を始めるときにチェックし現状をふまえて手続きをすれば、最適な保険料負担になるかもしれません。
なお、別居の子どもは、運転者の範囲に含まれていれば事故が起きても年齢に関係なく補償されるので、安心してください。
配偶者や子どもがマイカーを購入するタイミング
今まで保険の対象範囲となっていた配偶者や子どもが別にマイカーを購入する際も、見直しをしましょう。配偶者や子どもが契約中の自動車を運転しなくなるなら、運転者の範囲を狭められ、自ずと保険料を安くできます。
▷法人向けの自動車保険とは?保険料の相場や個人向けとの違い・安く抑えるポイントを紹介
自動車保険の年齢条件を変更する方法
自動車保険の年齢条件の変更手続きは、保険会社の取扱代理店やWebサイトからできます。保険期間の途中であっても変更は可能です。
変更に伴って保険料が変わったり差額が返金されるケースがあるため、金融機関の口座情報やクレジットカードの情報をすぐに確認できる準備をしておくと、スムーズに手続きができるでしょう。
手続きの方法が分からないときは、取扱代理店やカスタマーセンターに問い合わせてください。
自動車保険の年齢条件は適切なタイミングで見直そう
自動車保険の保険料は、年齢条件の設定により大きく異なります。無駄な出費をなくすためにも、マイカー購入時や子どもの独立などの機会に適宜チェックしてください。
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