事業展開とは?考え方やプロセス・成功例、フレームワークを解説!
市場や顧客層を拡大し、企業・組織の成長を促進する活動を「事業展開」と言います。事業展開にはリスクを伴いますが、企業が持続的に成長していくには、新たな事業分野に挑戦することも必要です。今回は事業展開とはどのような活動なのか、理解を深めるための考え方やプロセス、成功例などを解説します。
目次
事業展開の意味とは?
事業展開とは、企業が既存の事業とは別に、新たな領域や新たな場所などで事業を開始することを指します。例えば、新サービスの開発や事業の多角化、海外進出などが当てはまるでしょう。
事業展開には、企業が単独で行うケースのほかに、M&Aを活用して実施するケースも見られます。
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事業展開の目的とは?
企業が事業展開を行う目的はさまざまです。ここでは、代表的な事業展開の目的を紹介します。
企業を成長させるため
事業展開を行う目的として、企業の成長が挙げられます。どんなに品質の高い商品やサービスを提供していても、市場の変化や競合の台頭により、売上が低迷することもあります。このような状態では、会社の存続も危うくなってしまうでしょう。
従業員の雇用を守り、会社を存続させていくためには、事業展開が重要となってきます。例えば、今まで国内のみで展開してきた企業が成長著しい海外に活路を求めて進出すれば、新たな顧客を獲得できるかもしれません。
新規事業を開始すれば、その事業で売上が見込めるだけでなく、新たなネットワークの構築にもつながり、ビジネスチャンスを広げられるでしょう。
M&Aによって収益を拡大するため
M&Aとは「Merge(合併)」と「Acquisitions(買収)」を組み合わせて略した言葉で、企業の合併と買収を意味します。他社を買収すれば、その会社の事業を引き継ぐだけではなく、ノウハウや人材なども確保できます。
自社で新たに事業を開始するのに比べると、迅速に新規事業に取り組めるため軌道に乗るまでの時間を短縮でき、収益拡大が期待できるでしょう。また、ノウハウなどがすでにあるため、リスクの低減も図れます。
既存事業に依存しないため
既存事業が衰退傾向にあり、リスクを分散するために事業展開を行う企業も多くあります。市場が飽和状態になり価格競争が進んでいる場合、同じ事業を続けていても利益拡大は望めないでしょう。
また、災害など予期せぬ事態で、既存事業の売上が大幅に落ち込むケースも考えられます。事業の多角化を進め収益源を増やせば、一部の事業が伸び悩んでも経営への影響を抑えられ、リスクを減らせます。
さらに、事業の多角化によって既存事業とのシナジー効果も期待できるでしょう。シナジー効果により、既存コスト削減や新規顧客の獲得につながれば、既存事業の収益改善が見込めます。
事業展開を図るうえで重要な7つのビジネスモデル
事業展開を成功させるには、ビジネスモデルの特徴と課題を押さえておく必要があります。ここからは、7つの重要なビジネスモデルについて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
1.物販
物販とは、企画・開発・製造した製品やサービスを企業や消費者に販売して対価を得るビジネスモデルを指します。物販で成功するには、手掛けている製品やサービスに優位性がなければなりません。低価格や高品質、独自性など、他社にはない強みがあれば、順調に売上を確保できるでしょう。
2.小売
小売は、仕入れた製品を販売するビジネスモデルで、スーパーやコンビニエンスストアなどが採用している手法です。インターネットを利用したECサイトも、小売に含まれます。
自社以外にも同じ製品を販売している競合他社があるため、製品自体で差別化を図るのが難しいのが特徴と言えるでしょう。製品以外で優位性を持つために、購入者に対する手厚いサポートなどを採用している企業もあります。
3.広告
広告は、テレビや新聞、雑誌などにコマーシャルを掲載して掲載料を得るビジネスモデルです。最近では、コマーシャルの掲載先として、Webサイトやアプリなどが選ばれるケースが増えています。インターネット広告は、特定の層に向けてコマーシャルを表示しやすいため、テレビや新聞よりも高い効果が期待できます。
4.ライセンス
ライセンスは、開発した製品を使用するための権利を販売するビジネスモデルです。ニーズが高い製品やオリジナリティの高い製品を開発できれば、収益を多く得られる可能性があるでしょう。また、企業・個人がブランドやキャラクターなどの知的財産権をメーカーなどに販売するケースも含まれます。
5.サブスクリプション
サブスクリプションは、消費者や企業に定期的に購買してもらうビジネスモデルです。代表的なものとしては、動画や音楽の配信サービスが挙げられます。購買の頻度や料金は、サービスや製品によって大きく異なりますが、定期的な購買により安定した収益を確保できるメリットがあります。
6.マッチング
マッチングは、個人と企業、個人同士などをつないで収益を得るビジネスモデルです。フリマサービスやクラウドソーシングなどが代表例と言えるでしょう。事業展開でマッチングを検討しているのであれば、まずは潜在的な需要を見つけ出す必要があります。
7.フリーミアム
フリーミアムは、製品やサービスの一部を無料で提供し、残りの機能を使用するにあたって購入や有料プランへの移行をすすめ、収益を得るビジネスモデルです。メリットとしては収益性の高さが挙げられますが、無料部分と有料部分をうまく分け、有料サービスの優位性を明確にする必要があります。
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事業展開のプロセス・流れ
ここからは、事業展開を進める具体的なプロセスや流れを説明します。これから事業展開を検討している企業は、参考にしてみてください。
市場調査
事業展開にあたって、まず市場調査を行います。これは市場を理解し、事業展開の方向性を検討するうえで欠かせない工程です。新商品・サービスを投入する市場の規模や成長性、消費者ニーズなどの情報を収集しましょう。
政府や自治体、調査会社などが発表しているデータの閲覧や、インタビュー調査の実施など、情報収集の方法は多岐に渡ります。そのため、自社に適した方法を選ぶことが大切です。情報が集まったら、SWOT分析などのフレームワークを使って分析します。
戦略策定
市場調査で得られた情報や分析結果を元に、戦略を策定します。製品・サービスの特徴や消費者ニーズなど踏まえ、自社の競争優位性を明確にし、事業展開のビジョンを設定しましょう。さらに、目標やKPI、具体的なスケジュールも定めます。
戦略を具体的に描けないと、この後の開発やマーケティングなどのプロセスでの決定にも影響が出るので注意が必要です。また、市場の変化などによっては、戦略を見直す必要が生じる場合もあります。
チームの結成
戦略が決定し、具体的な計画を立案したら、事業展開を担当するチームを結成します。チームの人数が多すぎると、意見がなかなかまとまらず、前に進まない可能性があるため、ある程度厳選する必要があるでしょう。
チームに必要なメンバーとしては、これから手掛ける事業に詳しい人材が挙げられます。さらに、今まで新規事業を立ち上げた経験がある人材やプロジェクトマネジメントの経験を持つ人材をメンバーとして迎えるとよいでしょう。
社内のさまざまな部署から人材を集めることで、より多角的な視点で事業を進められます。
戦略会議
チーム結成後は、具体的な戦略を立案します。主な戦略として、差別化戦略・多角化戦略・集中戦略・ブルーオーシャン戦略があります。それぞれの特徴は以下のとおりです。
戦略 | 特徴 |
差別化戦略 | 他社との明確な違いを打ち出し、競争優位性を築く戦略 |
多角化戦略 | 自社の経営資源を活用して、新たな分野に進出する戦略 |
集中戦略 | 特定の市場や顧客に経営資源を集中する戦略 |
ブルーオーシャン戦略 | 競争相手が少ない市場で事業を展開する戦略 |
戦略は顧客戦略や営業戦略、製品戦略など、各分野について立てていかなければなりません。これまで集めた市場や他社の情報をチーム内で共有してアイデアを出し、仮説を立てながら決めていきましょう。また、戦略を立てる際は、必ずリスクについても検討してください。
資源確保
戦略を実行に移すには、ヒト・モノ・カネなどの資源を確保しなければなりません。ヒトの確保には、社内の人材を活用するだけではなく、新たな人材を採用する方法もあります。採用が難しい場合は、アウトソーシングも検討しましょう。
モノの確保には、必要な設備の購入や既存の設備を改善して活用することなどが含まれます。カネは、金融機関からの融資や投資家からの資金調達などによって確保することが可能です。
事業展開の実行
戦略を立案した後、計画に基づいて事業展開を実行します。チームのメンバーにタスクを振り分けるだけではなく、全社員にも事業について理解してもらい協力を得られるようにしてください。
実際に実行した結果、事前の予測とのズレが生じる場合もあります。定期的に進捗をチェックし、目標達成が困難な場合は原因の究明を行い、改善を図りましょう。
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事業展開において有用なフレームワーク
事業展開を進めるにあたり、さまざまなフレームワークが役立ちます。各フレームワークの目的や方法を見ていきましょう。
PDCAサイクル
PDCAサイクルは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の各頭文字を並べた言葉です。PlanからCheckまでの各プロセスを順番に進め、Actionのプロセスで修正や改善を行い、またPlanから始めます。
Planでは、現状を把握したうえで具体的な目標を立てます。目標は、成果と比較しやすいように定量的な数値にしてください。Doでは、Planで立てた計画を実行し、Checkでは計画の進捗や成果を振り返ります。最後のActionでは、Checkで明らかになった課題などを踏まえて改善案を考えます。
PDCAサイクルは、目標が明確化されているので実行しやすい点や、着実に改善が図れる点が優れていると言えるでしょう。一方で、PDCAサイクルを回すことが目的となってしまい、形骸化しやすい傾向があります。また、最初の計画をブラッシュアップしていく手法なので、イノベーションが生まれにくい点に留意してください。
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PEST分析
PEST分析は「Politics(政治)」「Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」の各頭文字を並べた言葉です。企業を取り巻く環境には、自社の努力次第でコントロール可能なミクロ環境とコントロール不可能なマクロ環境の2種類があり、PEST分析では後者のマクロ環境の分析を行います。
PEST分析を行うには、まず情報を収集し、その情報をPESTの4項目に分類します。各項目の情報を「事実」と「解釈」に分類したうえで、「事実」に分類された情報を「機会」と「脅威」・「短期」と「長期」に分けましょう。
項目ごとに将来について仮説を立てるとともに、各項目の関連性にも着目すると、自社の業界を取り巻くマクロ環境をより把握しやすくなるはずです。最後に、分析結果を事業計画や戦略に落とし込んでいきます。
VRIO分析
「VRIO」は「Value(経済的価値)」「Rarity(希少性)」「Inimitability(模倣可能性)」「Organization(組織)」の各頭文字を組み合わせた言葉です。自社の優位性を分析するためのフレームワークとして用いられます。
VRIO分析で分析するのは、経営資源のヒト・モノ・カネ・情報です。自社だけではなく競合他社の経営資源を分析することで、相対評価を得られます。
最初に、VRIO分析を行う目的を明らかにしたうえで、分析の対象となる競合他社を選びます。分析対象は、自社と同業種や同規模の企業が望ましいです。
次に「Value(経済的価値)」「Rarity(希少性)」「Inimitability(模倣可能性)」「Organization(組織)」の各項目について、相対的に「イエス」と「ノー」で評価を行っていきます。仮に「Value(経済的価値)」が「ノー」の場合は、競争劣位だと言えるでしょう。強みと弱みが明確になったら、改善策を検討し、今後の戦略につなげていきます。
アドバンテージマトリクス
アドバンテージマトリクスとは、マトリクスを利用して事業特性を把握するフレームワークです。「競争要因」と「優位性の構築」の観点から事業を4タイプに分類し、自社の事業がどのタイプに分類されるかを調べることで、改善点などを見つけ出します。
「競争要因」とは、企業が戦略を策定する際に意思決定をしなければならない要素のことです。競争要因が多いほど優劣が付きにくくなるため、競争は激しくなります。「優位性の構築」とは、事業を展開するうえで優位性を構築する可能性が大きいか小さいかを見ます。他社が真似できない製品やサービスの提供などによって優位性の構築ができれば、競争に勝てる可能性が高まるでしょう。
アンゾフの成長マトリクス
アンゾフの成長マトリクスは、成長戦略を考える際に役立つフレームワークです。まず、「製品」と「市場」から成るマトリクスを作成し、さらに各項目を「既存」と「新規」に細分化します。それぞれの組み合わせによって、異なる成長戦略が求められます。
「既存製品」と「既存市場」は、「市場浸透戦略」です。既存の市場で既存の製品やサービスを販売するため、製品の認知度を高めるなどして、売上向上やシェアの拡大を目指します。
「既存製品」と「新規市場」は、「新市場開拓戦略」と呼ばれ、既存の製品を今までとは異なる新市場に展開していく戦略です。投入しようとしている市場にすでに競合他社の製品やサービスが存在しているのであれば、商品力だけではなく販売力も求められるでしょう。
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントは、資金の投入を検討する際に役立つフレームワークです。「市場の成長率」と「市場シェア」の2軸を使い、マトリクスで表します。自社の事業がどこに当てはまるのかを考え、今後の資金分配に活かします。
「市場の成長率」も「市場シェア」も高い場合は、花形と呼ばれ、今後も積極的な投資が求められるでしょう。
「市場の成長率」が高く「市場シェア」が低い場合は「問題児」とされます。資金を投資すべき事業であるものの、銀行からの借り入れなどは避け、余剰資金を活用してください。
「市場の成長率」が低く「市場シェア」が高い場合は、「金のなる木」と呼ばれます。市場の衰退がこれから予測されるため、積極的な投資は避けた方がよいでしょう。ただし、市場が衰退する前に十分な収益を得たいのであれば、重点的に資金を投入することも検討してください。
「市場の成長率」も「市場シェア」も低い場合は「負け犬」と呼ばれます。利益創出が難しい事業とされているため、撤退をおすすめします。
事業展開を実行するうえでの注意点
ここからは、事業展開を図る際に注意すべき点をお伝えします。
経営理念とのマッチ度
新たに手掛ける事業と自社の経営理念との整合性を必ず確認しましょう。いくら収益性が高い事業であっても、経営理念と合わなければ、失敗に終わる可能性があります。
なぜなら、経営理念に合わない事業を担当する社員のモチベーションが下がる恐れがあるからです。無理に新規事業を展開すれば、顧客が不信感を抱くなど、社外からも新規事業に対する疑問を持たれるかもしれません。
どうしても経営理念と合わない事業を手掛けたい場合、経営理念が実情と合っていないことも考えられるため、一旦経営理念の見直しを検討してみるとよいでしょう。
消費者のニーズを満たせるか
事業展開にあたっては、消費者のニーズについても十分に調査をしましょう。自社の強みを活かせる、競合他社が少ないといった理由で事業展開をしても、売上を得られないケースもあります。
いくら高品質の製品やサービスを開発しても、消費者のニーズに合っていなければ売り上げにつながりません。製品のスペックや価格など、消費者のニーズを満たす製品やサービスの開発に努めましょう。
既存事業との関連性やシナジー効果
新たに展開する事業と、既存事業との関連性も重要なポイントです。関連性が高い事業を選択した方が、これまでに蓄積したノウハウや技術を活用できるため、成功率が高まるでしょう。また、既存事業のシナジー効果が期待できる事業を選ぶと、既存事業の売上増加も見込めます。
例えば、鉄道会社による百貨店の運営は、百貨店による売上だけではなく、百貨店に行く買い物客の鉄道利用にもつながります。
新規事業を検討する際は、関連性やシナジー効果を考慮しながら、手掛ける事業を選ぶようにしましょう。
人的資源の確保
事業展開にはヒト・モノ・カネが必要ですが、特に人的資源の確保には注意してください。新規事業を担う人材がいなければ、事業は進まず、暗礁に乗り上げてしまいます。社内に適切な人材がいない場合は、資格取得や知識の習得などを支援して人材を育成し、状況に応じて外部の人材の活用も検討してください。
ただし、人的資源だけではなく、モノ・カネにも目を配ることが大切です。途中で資金が不足すると、事業がとん挫してしまう恐れがあります。
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事業展開に成功した企業の事例
ここからは、多角化や海外進出などによって事業展開を進め、成功を収めた企業の事例を紹介します。自社で事業展開を行う際の参考にしてください。
任天堂株式会社
Nintendo Switchなど、さまざまなゲーム機の製造を手掛けてきた任天堂株式会社は、設立当初は花札やトランプなどのカードゲームの製造を主な事業としていました。しかし、カード製造事業の将来に漠然とした不安を感じた同社は、徐々に業務用レジャーシステムや家庭用のテレビゲーム機などの製造・販売にシフトし、1983年に販売した家庭用テレビゲーム機「ファミリーコンピュータ」で成功を収めています。
その後、次々と家庭用や携帯型のゲーム機を発売し、海外への進出も進めます。主力事業の転換と海外進出によって、今や世界的にも有名なゲームの開発・販売会社となりました。
[出典:任天堂株式会社「会社の沿革」]
楽天グループ株式会社
1997年に創業した楽天グループ株式会社は、ECサイトをはじめ、金融事業や旅行事業などさまざまな事業を多角的に行っています。
創業時に手掛けていたのは、インターネット・ショッピングモール「楽天市場」です。その後次々と事業を展開していき、2005年には金融事業を強化して初の海外展開も図りました。今ではスポーツ事業やモバイルの通信事業も行っています。
2024年度第1四半期の売上収益は、49.35%はインターネットサービスセグメント、33.41%はフィンテックセグメント、17.24%がモバイルセグメントでした。
各分野でサービスを提供し「楽天エコシステム(経済圏)」を形成することで、顧客獲得コストの最小化やシナジー効果の拡大などを実現しています。
[出典:楽天グループ株式会社「セグメント別業績」「トップページ」]
ソニーグループ株式会社
ソニーグループ株式会社はゲームや音楽、映画などをはじめ、多角的な経営を行っています。
1946年に創業し、1950年には日本初のテープレコーダー「G型」の発売を始め、電気機器の製造や販売などを手掛けてきました。また、1970年にはレコード会社、1980年には生命保険を提供する会社を設立しています。さらに映画事業やゲーム事業にも進出しました。
十分な資金を確保したうえで新規事業を開始し、収益化が図れるまで粘り強く事業を継続できた点がソニーグループ株式会社の事業展開の特徴です。また、既存の事業との関連性が高い新規事業に着手することで、着実な成功を収めた例と言えるでしょう。
[出典ソニーグループ株式会社:「ソニーグループについて」]
Apple Inc.
Apple.Incは、スマートフォン「iPhone」やパーソナルコンピューター「Mac」をはじめとした製品や各種サービスを手掛ける企業です。
当初は、パーソナルコンピューターの製造や販売を行っていましたが、2000年代にはデジタル音楽プレーヤー「iPod」を発売しました。その後発売したスマートフォン「iPhone」によって、事業の拡大に拍車がかかったのです。
App StoreやApple Watch、Apple Musicなど、新製品や新サービスを次々にリリースし、現在も事業の多角化が進んでいます。2019年には、Apple Arcade、Apple TV+、Apple News+、Apple Cardと立て続けに新しいサービスを発表しました。事業展開によって生み出された新製品や新サービスが、Appleの成長を支えています。
[出典:Apple(日本)「Apple、歴史に残る一年に続く、サービスの新たな時代を祝う」]
事業展開を図る前に利点やリスクを把握しておこう
事業展開により、企業の成長やリスクの低減が期待できます。しかし、準備が不十分な状態で事業展開を行えば、事業が失敗し経営状態を悪化させるおそれがあるでしょう。事業展開を図る際は、事前に情報収集などをしっかり行い、利点やリスクを把握することが大切です。
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