経営分析とは?目的や重要となる指標・分析手法について

2024/01/05 2024/02/06

経営

経営分析とは

企業の業績向上や競合他社との差別化には、経営状況を把握した分析が必要です。しかし、どのように取り組めば良いか、課題や悩みを抱えている企業も少なくありません。本記事では経営分析を行う目的や重要な指標、分析手法まで解説します。

経営分析とは?

経営分析とは、財務諸表や決算書などをもとに経営状況を分析する手法です。売上や利益、経費といった財務に関する数値のほかに、市場動向やシェア率、競合他社に関するデータも確認しながら分析を行います。

経営分析では、事業の安定性や生産性、効率性を把握し、経営における問題点や改善点を明らかにすることが可能です。分析結果は改善策の立案や実行、今後の経営方針を決定するのに役立てられます。

財務分析との違い

財務分析は、企業の財務状態に基づいた数値データのみを活用して経営状況を分析する手法です。具体的には貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書といった会計データを使用します。

経営分析も同様のデータを用いますが、市場や競合に関するデータも分析するため、財務分析のほうが対象の幅が狭いのが特徴です。両者は厳密にいえば別物ですが、同じ意味で用いられることもあります。

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経営分析の目的・必要性

経営分析の目的や必要性は、主に以下の3つが挙げられます。

  • 自社の課題や強み・弱みを把握できる
  • 経営戦略や計画の策定に役立つ
  • 投資可否の判断材料になる

それぞれについて解説します。

自社の課題や強み・弱みを把握できる

経営分析は、客観的なデータに基づき、自社の課題や強み・弱みを把握できます。経営者による自己分析でも課題や強み・弱みは見えてきますが、分析結果が主観的になりがちです。そのため、課題や弱みを明確に把握できず、適切な経営改善を行えないリスクがあります。

一方、経営分析は、財務諸表や決算書などの客観的なデータを活用するため、主観を挟まず精度の高い分析を行うことが可能です。たとえば、売上が多く順調に思えていた事業は経費がかさみ、ほとんど利益がないことがわかる場合があります。客観的な分析を行わなければ事業は順調だと勘違いし、経営が傾くリスクもあるでしょう。

このように、自社の課題や強み・弱みを客観的かつ正確に判断できる経営分析は、経営改善を図るうえで欠かせないツールです。

経営戦略や計画の策定に役立つ

経営分析は、経営戦略や計画の策定に役立てることが可能です。自社の強みと市場のトレンド、競合の動向などを照らし合わせて、事業をさらに伸ばすための戦略を検討できます。明確になった課題や弱みは解決策の策定・実行によって、状況を改善に導けるでしょう。

また、主観的な判断による経営戦略や計画の見直しとは異なり、議論をスムーズに進めることが可能です。

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投資可否の判断材料になる

経営分析による分析結果は、その企業が投資対象か否かを見定める判断材料になる投資家や金融機関にとって重要なデータです。分析結果を見ることで、企業の財政状況や収益性、成長性などを把握できます。

たとえば、財務諸表から高い利益率や安定したキャッシュフローを維持していると分析できる企業は、健全な経営を行っていると評価されます。分析結果が良好だと、魅力的な投資先と判断されやすくなるでしょう。

経営分析において重要となる指標と手法

経営分析で重要となる指標や手法は、企業によっても異なります。ここでは、複数の分析手法とそれぞれの手法に関連する指標について解説します。

企業の利益収集力を測る「収益性分析」

収益性分析とは、企業の収益性(利益獲得能力)を調べる分析手法です。収益性の高さは事業の存続に大きくかかわるため、こまめに分析を行い、状況を把握する必要があります。

たとえばコストが多額で利益が少なかったり、赤字が続いていたりする場合は、早急な改善が求められます。一方で、コストが少なく売上高も十分な場合は、さらに利益を最大化するための戦略を検討できるでしょう。収益性分析の方法は、以下の3種類です。

  • 資本利益率分析
  • 利益増減分析
  • 損益分岐点分析

それぞれの分析方法を解説します。

資本利益率分析

資本利益率分析とは、企業が資本からどの程度の利益を生み出せているか確認するための分析です。資本利益率の数値が高いほど、資本を効率的に活用しながら利益を生み出していると捉えられます。

資本には総資本や自己資本、利益には営業利益や純利益、経常利益などさまざまな種類があり、何を対象にするかで結果が異なるでしょう。さまざまな組み合わせで判断できるよう、資本利益率分析には複数のパターンが存在します。

以下の表に、代表的な資本利益率分析の指標をまとめたので、参考にしてください。

指標計算式概要
総資本経常利益率(ROA)総資本経常利益率(%)=経常利益÷総資本×100経営活動で得られた利益を示す指標。総資本経常利益率が高いほど資本を有効活用して利益を上げられているとみなされる。1%未満は要改善、5%以上で良好、10%以上で超優良と判断される。
自己資本当期純利益率(ROE)自己資本当期純利益率(%)=当期純利益÷自己資本×100自己資本(株主の出資など)でどれだけの純利益を上げられたかを示す指標。割合が高いほど投資効果が高いと判断され、株主にとって魅力的な企業と言える。目安は7%前後とされているが、業種によって異なる。
売上高総利益率売上高総利益率(%)=売上総利益÷売上高×100売上高に対する総利益率の割合を示す指標。割合が高いほど提供商品・サービスの付加価値が高いと判断できる。
売上高営業利益率売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100売上高に対する営業利益(本業の利益)の割合を示す指標。売上高営業利益率が低い場合は人件費などの経費がかかりすぎている可能性がある。
売上高経常利益率売上高経常利益率(%)=経常利益÷売上高×100売上高に対する経常利益(営業利益に営業外収支を加えたもの)の割合を示す指標。事業の安定性を判断できる。

利益増減分析

利益増減分析とは、前年度の利益額と利益率を比較し、収益構造を分析する手法です。販売価格・販売数量・原材料費の視点から収益の変動を分析し、何が原因で変動したのか、どのくらいの影響を受けたのかを明らかにできます。

たとえば、前年度と比較して利益が減少した場合、販売価格・販売数量・原材料がどのように変動したかを確認し、利益にどう影響しているかを分析します。「販売価格は変わらず販売数量は増加したけれど、原材料費が高騰して利益が減少した」など具体的な原因を掴み、次年度の施策検討に役立てられるのが利益増減分析です。

損益分岐点分析

損益分岐点とは、収益とコストが同額になる地点を指します。事前に損益分岐点を把握しておくことで、どの程度の売上が必要か、どこまでコストをかけられるかを判断することが可能です。

損益分岐点は、以下の計算式で算出できます。

損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率(限界利益÷売上高)

企業の安定感を測る「安全性分析」

安全性分析とは、経営の安全性や支払い能力を分析する方法です。融資可否の検討や、取引先の安全性を確認するのに役立ちます。安全性分析の代表的な手法は、以下の3つです。

  • 短期財務安全性分析
  • 長期財務安全性分析
  • キャッシュ・フロー分析

それぞれの分析手法を解説します。

短期財務安全性分析

短期財務安全性分析とは、短期間で見た企業の支払い能力や倒産リスクを評価する分析手法です。以下の指標を使って分析を行います。

指標計算式概要
流動比率流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100買掛金や短期借入金など近々で支払いが必要なものに対し、現金や現金化が可能な資産でどれだけ賄えるかを示す。堅実性が高いと判断されるのは、200%以上とされている。
当座比率当座比率(%)=当座資産÷流動負債×100近々で支払いが必要なものに対して当座資産がどの程度あるかの割合を示すもの。短期支払い能力をより厳しく判断するために用いる。

長期財務安全性分析

長期財務安全性分析とは、長期間で見た財務状況の安全性を測定する分析手法です。以下のような指標で分析を行います。

指標計算式概要
固定比率固定比率=固定資産÷自己資本×100固定資産をどの程度自己資本で賄えているかを示す指標。数値が低いほど安全性が高いと判断できる。
固定長期適合比率固定長期適合比率=固定資産÷長期資本×100固定比率よりも現実的な数値を確かめられる指標。自己資本に固定負債を加えた長期資本をもとに、比率を計算する。
自己資本比率自己資本比率=自己資本÷総資本×100総資本のうち、自己資本がどのくらいあるかを確認する指標。理想は70%以上、40%を下回ると安全性が低いと判断される。
負債比率負債比率=負債÷自己資本×100自己資本に対する負債の割合を示す指標。比率が低いほど安全性が高いと判断される。

キャッシュ・フロー分析

キャッシュ・フロー分析とは、キャッシュの流れを掴む分析手法です。さまざまな指標がありますが、「インスタント・ガバレッジ・レシオ」がよく用いられます。計算式は、以下のとおりです。

インタレスト・カバレッジ・レシオ=(営業利益+利息+配当金)÷(支払利息+割引料)

上記の計算式を用いると、事業利益と金融費用の比率を確かめられます。金融費用に対する事業利益の割合によって、支払い能力を判断することが可能です。

企業の期待値を測る「成長性分析」

成長性分析とは、企業の成長率や成長要因を分析する方法です。代表的な分析方法は、以下の2つがあります。

  • 成長率分析
  • 成長要因分析

それぞれについて解説します。

成長率分析

成長性分析とは、基準となる時期と評価年の売上高を比較する分析手法です。例えば、前期と今期の売上高を比較すれば、1年間でどのくらい成長したかを判断できます。成長率を算出する際の計算式は、以下のとおりです。

成長率=評価年の売上高÷基準年の売上高×100

数値が高いほど勢いよく成長していると判断できます。成長率が高すぎるときは、長期的に見るとよくない場合もあるため、安全性を損ねていないか、人材育成が行われているかも確認することが重要です。

成長要因分析

成長要因分析とは、企業成長の要因になると考えられる項目について、基準年と比較して分析する手法です。店舗数や人員、販売数などが基準年とどのように変動しているかをチェックします。なお、業種・業界によって適切な項目は異なります。

資源の効率性を測る「生産性分析」

生産性分析は、経営資源が効率的に活用されているかを調べる分析手法です。経営資源の活用方法を改善するのに役立てられます。ここでは、次の2つの分析手法について解説します。

  • 付加価値生産性分析
  • 付加価値分配率分析

付加価値生産性分析

付加価値生産性分析とは、従業員1人あたりが生み出す付加価値額を額を把握できます。付加価値額とは、生産活動によって産み出した付加価値を数値化したものです。付加価値生産性分析では、以下の計算式を使います。

従業員1人当たりの付加価値額=付加価値額÷従業員数

付加価値分配率分析

付加価値分配率分析は、付加価値額に対する人件費の割合を示す指標です。具体的には、以下の計算式で求められます。

付加価値分配率=人件費÷付加価値額×100

効率的に人件費を使えている場合は、数値が低くなります。ただし低すぎるときは、業務量と給与のバランスがよいか必ず確認してください。業務に見合う人件費を設定していない場合は、従業員が不満を感じている可能性があります。数値が高すぎる場合は人件費の見直しを行いましょう。

資源の活用度合を測る「活動性分析」

活動性分析とは、事業活動の活発度合いを確認する分析手法です。主に、以下の指標を活用します。

  • 総資本回転率
  • 棚卸資産回転率
  • 固定資産回転率

それぞれについて解説します。

総資本回転率

総資本回転率とは、総資本に対する売上の割合を指します。資本の活用が事業の成長や売り上げに結びついているかを確認できます。具体的な計算式は、以下のとおりです。

総資本回転率=売上高÷総資本

数値が高いほど資本を効率よく活用し、利益を上げていると捉えられます。

棚卸資産回転率

棚卸回転率は、適切に在庫管理ができているかを判断できる指標です。以下の計算式で算出します。

棚卸資産回転率=売上高÷棚卸資産

数値が低いと不良在庫のリスクがあります。一方で数値が高いと、在庫不足になる可能性があるでしょう。低すぎても高すぎてもよいとはいえないため、バランスのよい数値を保つことが求められます。

固定資産回転率

固定資産回転率とは、設備や不動産などの固定資産がどれだけ売上に貢献しているかを示す指標です。以下の計算式で求められます。

固定資産回転率=売上高÷固定資産

数値が低いときは無駄な固定資産がある可能性が考えられます。不要な固定資産は売却を検討しましょう。

経営分析を効率よく実施するためのポイント

経営分析を効率よく実施するには、押さえておくべきポイントがあります。ここからは、とくに気をつけるべきポイントを2つ紹介します。

自社に適した分析方法を用いる

経営分析を行う際には、分析手法や指標が数多く存在するため、自社に適した分析手法を活用しましょう。

たとえば、製造業では棚卸資産回転率を求める必要がありますが、サービス業では重視されません。付加価値労働生産性を確認して一人当たりの付加価値額を高めるほうが重要だと考えられます。

もちろん製造業でも、付加価値労働生産性の分析を行えるならそのほうがよいでしょう。ただし、すべてを行おうすると、不要なコストがかかる可能性があります。そのため、すべての分析を行うのではなく、重要なものだけに絞ることが大切です。分析の目的を明確にしたうえで、自社の規模や業種に適した分析手法に取り組んでいきましょう。

なお、分析のやり方についてもよく検討してください。手作業では時間がかかるだけでなく、人件費もかさみます。分析結果の正確性にも欠けるため、必要に応じてツールを活用したり、専門家に依頼したりすることをおすすめします。

活用するデータの正確性を高める

経営分析を行ううえで、データの正確性は非常に重要です。誤りや不足があるデータを活用すると、分析結果にもズレが生じてしまい、事業に悪影響を及ぼす可能性があります。

データの正確性を高めるには、入力や管理を徹底するためにこまめに点検したり、情報を整理しておいたりするとよいでしょう。

経営分析に用いられる代表的なフレームワーク

経営分析には、さまざまなフレームワークが用いられます。ここでは代表的なフレームワークとして、以下の4つについて解説します。

  • SWOT分析
  • PEST分析
  • VRIO分析
  • 3C分析

それぞれの概要と分析方法を解説するので、ぜひお役立てください。

SWOT分析

SWOT分析とは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字をとった分析手法です。自社内や競合他社、市場が及ぼすプラス要因、マイナス要因を洗い出すのに適しています。「SWOT」の具体的な内容は、以下のとおりです。

項目内容
Strength(強み)自社や自社商品のプラス要素を指す。具体的には、「認知度が高い」「ノウハウや人脈がある」や「商品の品質が高い」などが挙げられる。
Weakness(弱み)自社や自社商品のマイナス要素を指す。たとえば「サービスの品質が悪い」「認知度が低い」などが挙げられる。
Opportunity(機会)外部環境のプラス要素を指す。「地域に同じサービスを行う競合店舗が少ない」「競合店舗はアクセスがよくない」などが挙げられる。
Threat(脅威)外部環境のマイナス要素を指す。たとえば、「市場規模が縮小している」「駅周辺に競合店舗ができた」などが挙げられる。

SWOT分析をする前に、目的を明確にしておきましょう。分析を行う目的を共有することで、戦略への落とし込みがスムーズになります。目的が明確でないとブレが生じやすいため、必ず分析前に設定しておくことが大切です。

目標を明確にしたら、実際の分析に移ります。まずは、SWOTをそれぞれ洗い出しましょう。外部環境にあたるOpportunity(機会)とThreat(脅威)から行うのがおすすめです。外部環境の情報を先に集めておくと、内部環境の洗い出しを行う際に客観性を保ちやすくなります。

外部環境の項目例は、以下が挙げられます。業界や分析対象によっても変わるため、必要に応じて調整してください。

  • 市場の規模
  • 市場の成長性・将来性
  • 景気
  • 競合他社・競合店舗の状況
  • 政治・法律など

続いて、内部環境の情報収集を行います。Strength(強み)やWeakness(弱み)は、先に集めた外部環境の情報を確認しながら客観的に判断しましょう。

内部環境の項目例は、以下のとおりです。

  • ブランド力
  • 認知度やブランド力
  • インフラ
  • 商品・サービスの品質
  • 商品・サービスの価格
  • 立地条件
  • 技術力
  • インフラ

SWOTすべての情報を集めたら、4つの要素を掛け合わせてクロス分析を行いましょう。以下のような形で分析します。

Strength(強み)Weakness(弱み)
Opportunity(機会)機会×強み

企業・事業の成長に活用できる

機会×弱み

弱みを補強して機会を活かせる状況を整える

Threat(脅威)脅威×強み

強みで脅威を避けたりチャンスを作ったりする

脅威×弱み

弱みを理解し脅威を避けたりリスクを最小限にしたりする

SWOT分析は、多角的な視点から分析を行えるので、経営戦略の策定や改善、リスク対策などを行うのに役立ちます。

SWOT分析とは?目的ややり方・具体例からわかるメリットを解説

PEST分析

PEST分析とは、Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の4点から自社の外部環境を分析するフレームワークです。国や行政、シンクタンクといった信頼性の高い情報を4点に仕分けして分析を行います。

それぞれの項目内容は、以下のとおりです。

項目内容
Politics(政治)政治動向や法規制、税制の見直しなど
Economy(経済)経済水準、景気や所得変化、為替相場など
Society(社会)消費者の価値観の変化、流行、人口推移など
Technology(技術)技術革新や特許など

情報を4つに仕分けしたら、さらに事実と解釈に分けてください。PEST分析では事実のみを用いるようにします。分類が終わったら、事実を機会(チャンス)と脅威(リスク)に仕分けしましょう。機会か脅威かは「業界全体から見てどうか」ではなく、「自社にとってどうか」という視点で分類することが重要です。

分類が終わったら、機会または脅威が短期的に起こるのか、長期に起こるのかを見極めます。メンバー間で共通の認識を持てるように、各要因による影響を時間軸で整理するのがおすすめです。最後に結果をもとに事業戦略を検討し、実行します。

政治や経済、社会といったマクロ要素は、ビジネスに大きな影響を与えます。企業の成長や経営の継続には、マクロ環境の変化を把握し、時代に沿った事業を行うことが重要です。

PEST分析は、マクロ環境の把握や洞察に適しており、将来の予測や今後の参入領域を検討するのに役立ちます。ただし、分析対象の枠組みが大きいため、抽象的な分析結果になりやすい点に注意してください。

VRIO分析

VRIO分析とは、自社の内部環境をValue(経済的価値)、Rarity(希少性)、Imitability(模倣困難性)、Organization(組織)の4つの視点で分析するフレームワークです。自社の経営資源の強み・弱みを明確にし、今後の方向性や経営戦略の構築・見直しに活用できます。

それぞれの項目内容は、以下のとおりです。

項目内容
Value(経済的価値)自社の商品・サービスにはお金を支払うだけの経済的価値があるか
Rarity(希少性)自社の商品・サービスや経営資源は、競合他社と比較して、希少性・独自性があるか
Imitability(模倣困難性)自社の経営資源は競合他社が模倣しやすいか
Organization(組織)経営資源を活用できる組織力があるか

VRIO分析を行う際も、目的を明確にすることが大切です。目的を決定したら、分析を行う競合他社を選びます。このとき、分析目的を達成できる競合を選定するようにしてください。選定企業に迷う場合は、同規模もしくは同地域の競合企業にするとよいでしょう。

次に、VRIOの4つの視点で競合他社と比較し、自社をYESかNOで相対評価します。どの項目にYESがつくかで、自社の競争優位性を判断できます。目指すのはすべてがYESになる「持続的競争優位」です。

競争優位性YESがついた項目
持続的競争優位V・R・I・O
潜在的競争優位V・R・I
一時的競争優位V・R
競争均衡V
競争劣位すべてNO

分析結果が出たら、競争優位性を高めるための経営戦略を練り直しましょう。「VRIO」の順番どおりに優先順位をつけて戦略を検討してください。

3C分析

3C分析とは、3つの「C」の視点に分けてマーケティングの環境分析を行うフレームワークです。3Cは、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)を指します。

分析内容の具体例は、以下のとおりです。

項目内容
Customer(市場・顧客)市場規模や成長性、顧客のニーズ、消費者行動など
Competitor(競合)競合各社の市場シェア・事業規模・特徴・顧客層・今後の動きなど
Company(自社)資本力・経営資源・市場シェア・ポジション・顧客層・ビジネスモデルなど

自社の内部環境と、市場・顧客、競合などの外部環境を客観的に捉えられるため、強みや課題、成功要因を把握しやすいのが特徴です。また、シンプルなフレームワークで社内に取り込みやすいのもよいところでしょう。

3C分析を行う際にはまず、事実を集めます。インターネット上の調査資料だけではなく、自分の足を使って情報を集めることが重要です。リアリティのある情報に触れたかどうかは戦略の成否に影響するため、顧客の生の声を集めるようにしましょう。

経営分析の指標や手法を理解して経営に役立てよう

経営分析は経営状況を把握し、経営における問題点や改善点を明確にするのに役立ちます。分析方法や指標は数多く存在するため、自社に適したものを活用することが重要です。

なお、データが正確でないと分析結果にも反映されてしまいます。誤った分析結果をもとに経営戦略の立案・実行を行うと、経営状況が悪化するリスクもあるでしょう。データの正確性や管理にはとくに気を配りながら、最適な指標を用いて分析を行いましょう。

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