ビジネスフォンの選び方ガイド!おすすめメーカー7社と失敗しない選び方
ビジネスフォンを導入したいけれど「選び方がわからない」「おすすめのメーカーがわからない」といった、悩みを抱える人が多いのではないでしょうか。本記事では、失敗しないビジネスフォンの選び方や導入方法、おすすめの主要メーカーを紹介していきます。
目次
失敗しないビジネスフォンの選び方
失敗しないビジネスフォンの選び方として、次の7つが挙げられます。
- 導入予算で選ぶ
- 機能・目的で選ぶ
- メーカーで選ぶ
- 企業の規模で選ぶ
- 利用環境で選ぶ
- 新品・中古で選ぶ
- 運用コストで選ぶ
ビジネスフォンを導入してから後悔しないように、事前に選び方を押さえておきましょう。
1.導入予算で選ぶ
ビジネスフォンの導入に際して、まずは予算を把握したうえで選ぶようにしましょう。ビジネスフォンには多種多様なものがありますが、予算によって選べるものと選べないものがあります。
機能や目的、希望メーカーなどの基準で絞ったあとにコスト面で諦めなければならないこともあるため、まずは予算の範囲内で選ぶことを意識しておきましょう。
2.機能・目的で選ぶ
コストカットやテレワーク対応、業務効率化など目的はさまざまなので、ビジネスフォンを導入する前に、導入してどうしたいのか目的を設定しましょう。
導入の目的は、必要な機能を選ぶためにも可能な限り具体的に設定することが求められます。もっとも、これまでにビジネスフォンを利用したことがない場合、ビジネスフォンを導入してどのような変化を得られるのかイメージすることが難しいかもしれません。
そのような場合は、事業者が提供しているパンフレットなどの資料やサイト上の導入事例を参考にすると良いでしょう。より導入目的が明確になり、ビジネスフォンのどのような機能が自社にとって必要か定まってくるはずです。
参考として、ビジネスフォンに搭載されている主な機能・サービスを紹介します。自社にとってどのような機能・サービスが必要なのかを検討するうえで参考にしてみてください。
予算の制約がある場合は、不要な機能も把握しておくと良いでしょう。なお、機能・サービスの名称は提供事業者によって異なる場合があります。
機能・サービス | 内容 |
保留機能 | 通話を一時中断し、保留メロディを流す |
保留転送機能 | 通話を保留し、他の電話機に取り次ぐ |
不在着信転送機能 | 不在着信時、あらかじめ登録しておいた内線電話機に転送する |
ワンタッチボタン | 通話頻度の高い連絡先の電話番号を登録しておき、ワンタッチで電話をかけられる |
ハンズフリー通話機能 | ハンドセットを置いたまま、電話機のマイクなどを通じて通話をする |
留守番機能(自動応答機能) | 留守録や応答する録音ガイダンスを設定する |
電話帳機能 | 電話帳の登録や確認、電話帳からの発信ができる |
通話録音機能 | 通話内容を録音する |
ボイスメール機能 | 留守電や通話録音などでボイスメールを保存し管理する |
音声自動応答(IVR)機能 | 着信時、事前に用意したガイダンスを自動再生し、発信者のダイヤル操作に応じて目的部署に着信させたり、音声ガイダンスを流したりする |
リモートコールバック機能 | 事前に登録した携帯電話番号からビジネスフォンに電話しワンコールで切ると、ビジネスフォンから自動的にかけ直す |
スマホ内線機能 | スマートフォンをビジネスフォンの内線電話機として利用できる |
複数チャネルサービス | 同時通話数(チャネル数)を追加できる |
追加番号サービス | 契約番号のほか、追加番号を利用できる |
ナンバー・ディスプレイ・サービス | 着信時に相手の電話番号をディスプレイに表示する |
ナンバー・リクエストサービス | 非通知でかけてきた相手に電話番号を通知してかけ直すよう音声で案内する |
ボイスワープサービス | 着信電話を別の電話に転送するほか、転送の設定を行える |
迷惑電話おことわりサービス | 迷惑電話を登録することにより、以降、メッセージで自動応答する |
FAXお知らせメールサービス | FAX受信時にメールで通知する |
3.メーカーで選ぶ
ビジネスフォンのメーカーは数多くあり、メーカーごとに特徴が異なります。もしこだわりがある場合、あらかじめメーカーを選定しておきましょう。
本記事後半ではビジネスフォンのおすすめ主要メーカー7選を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
4.企業の規模で選ぶ
ビジネスフォンを導入する企業の規模で選ぶこともポイントです。ビジネスフォンは、電話機の数や同時接続数(チャネル数)など規模に応じたラインナップが提供されています。
実際に、NTT西日本では規模に応じて3つの区分に分けてラインナップが紹介されています。具体的には次のとおりです。
- 中~大規模事業者向け:電話機40~576台まで
- 小~中規模事業者向け:電話機8~40台まで
- 小規模事業者向け:電話機2~8台まで
一般的には大規模事業者向けのビジネスフォンほど高機能であり、大きなコスト負担になります。なお、電話機の数はデスクと会議室の数の合計、同時接続数(チャネル数)は従業員の3分の1が目安です。
[出典:NTT西日本「電話機台数・チャネル数の選び方」]
▷ビジネスフォンでスマホを内線化する方法!連携する仕組みやメリットを解説
5.利用環境で選ぶ
ビジネスフォンは、導入時はもちろん、導入後の利用環境も十分に想定して選びましょう。
例えば、オフィスの拡張や従業員の増加など事業規模が拡大したためにビジネスフォンを増やしたいと考えたとき、ビジネスフォンによっては増設が困難なケースもあるからです。
最悪の場合にはビジネスフォンを改めて導入し直すことになり、大きな増設コストがかかります。そのため導入後の利用環境も想定しつつ、拡張性や柔軟性が高いビジネスフォンを選ぶことが望ましいでしょう。
6.新品・中古で選ぶ
ビジネスフォンは新品だけでなく中古も流通しているため、場合によっては中古のビジネスフォンを導入するのも良いでしょう。新品と中古のどちらを選ぶべきか迷ったときは、新品と中古それぞれの特徴を押さえつつ検討してみてください。
新品の特徴 | 中古の特徴 |
高機能 | 新品より機能が劣る |
拡張性が高い | 拡張性が低い |
保証期間が長い | 保証期間が短い |
導入コストが高い | 導入コストが低い |
基本的には、予算に余裕がある場合は新品、ない場合には中古を選ぶことが多いでしょう。
7.運用コストで選ぶ
ビジネスフォンの利用は、導入コストはもちろん運用コストも負担する場合があります。そのため、運用コストができるだけ低いビジネスフォンを選ぶようにしましょう。
そもそもビジネスフォンの導入方法(調達方法)には、購入だけでなくリースやレンタルもあります。導入コストは購入した場合が最も高い反面、運用コストは抑えられる点がメリットです。
リースやレンタルは、運用コスト(月額料金)を負担するかわりに導入コストを抑えられます。
事業のキャッシュフロー状況や運用期間に応じて、適切な導入方法を選択しましょう。
▷ビジネスフォン導入の設定方法!繋ぎ方や自分で設定できるのかを解説
ビジネスフォンは購入・リース・レンタルの3種類
ビジネスフォンを導入する方法には、購入とリース、レンタルの3種類があります。導入コストや運用コストなど、さまざまな点に違いがあるため、あらかじめ把握してから導入方法を決めましょう。
購入とリース、レンタルの違いをまとめると次のとおりです。
購入 | リース | レンタル | |
機種選択の自由度 | 自由 | 主に最新機種 | 主に中古機種 |
導入コスト(初期費用) | 高 | - | 中 |
契約期間 | - | 3~7年 | 数週間~2年 |
運用コスト(月額料金) | - | 安い | 高い |
中途解約 | - | 不可能 | 可能 |
契約終了時 | -(売却可能) | ・契約終了(返却) ・再リース | ・返却 ・期間延長 |
リースとレンタルの違いは?
リースとレンタルは、どちらも「借りる」ものであり、具体的な違いがわからないという人もいるかもしれません。しかし、リースとレンタルでは大きな違いがあります。
まず、リースはリース業者に先にビジネスフォンを購入してもらって企業がそのビジネスフォンを借りるものであり、レンタルはレンタル業者の在庫からビジネスフォンを借りるものです。
リースは、リース業者がその購入費用等を回収するために必然的に契約期間は長期かつ中途解約不能となり、1ヶ月あたりの料金は安めに設定されます。
また、リースはビジネスフォンの調達から始まるため、機種選択にほとんど制約はありません。
一方レンタルの場合、レンタル業者の在庫にあるビジネスフォンを借りることから短期契約や早期解約も可能ですが、機種は主に中古機種となります。契約期間が短い分、レンタル料金は高めになる傾向があります。
その他、リースは契約前に業者による審査が実施される点もレンタルと異なる部分です。
▷ビジネスフォンの耐用年数はどれぐらい?電話機や主装置の寿命について
ビジネスフォンの業者を選ぶときのポイント
ビジネスフォン業者を選ぶときのポイントとして、次の6つが挙げられます。
- 複数業者と比較する
- アフターフォローが徹底されているか確認する
- 見積書の内訳がしっかり記載されているか
- 工事に必要な免許を保有しているか
- 検討している導入方法があるか
- 下見に対応しているか
数あるビジネスフォン業者の中からどの業者を選ぶべきか検討するため、ぜひ参考にしてください。
1.複数業者と比較する
ビジネスフォン業者を選ぶときのポイントとして基本となるのが、複数業者と比較するということです。ビジネスフォン業者は少なくとも580以上あります。
一つの業者だけに絞って導入を決めるのは、ビジネスフォン業者がどのようなサービスを提供しているのか、見積もりは妥当なのかなど比較対象がないためおすすめできません。
少なくとも2つ以上の業者から見積もりを取れば、相見積もりによってより良い見積もりやサービスを引き出すこともできるでしょう。
2.アフターフォローが徹底されているか確認する
ビジネスフォン業者を選ぶ際は、契約時だけでなく導入後のアフターフォローが徹底されているかどうかも確認しておきましょう。
ビジネスフォンの導入後、運用中に機器の故障やその他のトラブルに遭うことも考えられます。そのようなときでも、アフターフォローが充実している業者であれば、より少ない時間や手間・コストの負担で通常どおりの運用が継続できます。
アフターフォローが徹底されていないと、トラブル時の対応料金が高額であったり、対応が長期化するなどの問題が生じるおそれがあるため注意しておきましょう。
3.見積書の内訳がしっかり記載されているか
ビジネスフォン業者から提示された見積書の内訳がしっかり記載されているかどうか確認しておきましょう。見積時と実際の契約時で金額が変動する可能性があるためです。
ビジネスフォン本体にかかる費用はそう変わるものではありませんが、導入時の工事費や保守サービスの費用については特に確認しておく必要があります。
4.工事に必要な国家資格を保有しているか
ビジネスフォンの工事をするためには、原則として「工事担任者」が行うか、実地監督しなければならないと電気通信事業法で定められています。そのため、ビジネスフォン業者が工事担任者の国家資格を有しているか確認しておきましょう。
もっとも、ビジネスフォン業者に工事担任者の資格を保有している人がいなくても、直ちに違法となるわけではありません。
しかし、ビジネスフォン業者は工事を下請け工事業者に依頼することになるため、窓口が増えてやり取りが円滑に進まない可能性があります。
5.検討している導入方法があるか
ビジネスフォンの導入には、購入だけでなくリースやレンタルといった方法があることは前述しました。しかし、ビジネスフォン業者のすべてがこれらの導入方法に対応しているわけではありません。
例えば、ビジネスフォンをリースで導入したくても、レンタルしか行っていない業者もあるためです。そのため、導入方法が決まったらビジネスフォン業者がどの導入方法に対応しているか確認する必要があります。
6.下見に対応しているか
ビジネスフォンの設置工事について、事前に設置場所を下見して工事内容を打ち合わせしてくれるビジネスフォン業者が望ましいです。
設置工事にあたって下見をしない場合は、工事当日に作業や部品を追加することになったり、最悪の場合には工事が延期になったりしてしまいます。
工事が円滑に進むよう、事前に設置場所を下見してくれるビジネスフォン業者かどうか確認しておきましょう。
ビジネスフォンのおすすめ主要メーカー7選
ビジネスフォンのおすすめ主要メーカー7選は次のとおりです。
- SAXA
- 日立
- IWATSU
- パナソニック
- NEC
- NTT
- NAKAYO
それぞれのメーカーが持つ特徴や販売機器の概要を紹介していきますので、ぜひビジネスフォンのメーカー選びにお役立てください。
1.SAXA
SAXA(サクサ株式会社)は、田村電機製作所と大興電機製作所が2004年に統合したことにより設立したビジネスフォンメーカーです。親会社であるサクサホールディングス株式会社は東証プライム市場に上場しています。
NTTやパナソニック、NECなどと比べて知名度は劣りますが、ビジネスフォン業界においては高い知名度と実績を誇るメーカーです。
SAXAが販売するビジネスフォン「PLATIAⅢ」は、スマートフォン連携機能があり、テレワーク環境でもオフィス環境と同じように操作ができる点に特徴があります。また、病院や工場でも使用できるほどの防水・防塵機能があることも特徴です。
SAXAはセキュリティ機能も充実しており、PLATIAⅢでは人感センサーが搭載されています。侵入者を検知すると大音量とLEDで威嚇し、電話機のスピーカーを通じて遠隔から声で威嚇することも可能です。
2.日立
日立は一般的には家電メーカーとして知られていますが、日立グループの日立情報通信エンジニアリングはビジネスフォンメーカーでもあります。
日立の主力ビジネスフォンは、マルチコミュニケーションシステムの「integral X」です。形状はフラットで持ちやすく、アルコール消毒対応薬剤を採用するなど衛生面にも配慮されています。
外線着信時には、1人の従業員に電話応対が偏ってしまわないよう、外線着信の分散機能を備えていることも特徴的です。
従業員の行動予定表や通話状態をパソコンやスマートフォンで確認でき、予定時刻が来ると各端末に通知が飛ぶ機能もあります。
3.IWATSU
IWATSUは岩崎通信機株式会社が提供するブランドで、ビジネスフォン事業を主力に展開しています。IWATSUのビジネスフォン「Frespec」は、高機能を保ちながら4つの自由(フリー)を実現していることが特徴です。
- フリーコードレス:全体をコードレスにすることで、机に縛られることなく稼働的なビジネス環境を確立
- フリーアクセス:IPネットワークにより、サテライトオフィスやフリーアドレスオフィスなど誰もが最適な場所で自由に働ける環境を構築
- フリーコンビネーション:多彩な留守録や転送機能で、外出中や営業時間外でもビジネスチャンスを逃さない
- フリースタイル:多機能電話機やIP多機能電話機、コードレス、スマートフォンなど豊富な端末ラインナップからビジネス環境に合わせて自由に選べる
また、電波の強い基地局に自動的に切り換えを行う高速ハンドオーバー機能によって、コードレス端末で通話しながら移動した場合でも良好な通話を維持できます。
4.パナソニック
パナソニックも総合家電メーカーとして広く知られていますが、ビジネスフォンメーカーとしても人気があります。
パナソニックはビジネスフォンとして「IP OFFICEシリーズ」を展開しており、SllからMll、Lll、Xllと4つのバリエーションによって小規模事業から大規模事業まで対応可能です。
シリーズ | 外線収容可能数 | 内線収容可能数 |
IP OFFICE Sll | 4回線 | 16台 |
IP OFFICE Mll | 12回線 | 32台 |
IP OFFICE Lll | 192回線 | 288台 |
IP OFFICE Xll | 192回線 | 576台 |
通話録音は約2,000時間に対応し電話帳も10,000件まで登録できます。人感センサーも付いているなどセキュリティ機能も充実しています。
5.NEC
NECのビジネスフォンはハイスペックであり、コールセンターでの導入実績も豊富です。
「Aspire シリーズ」の最新機種「UNIVERGE Aspire WX plus」は、オンプレミスの安定性にくわえ、シームレスなクラウド連携によって多様な働き方に対応しています。
例えば、クラウド連携によってテレワーク環境下においても会社の電話番号で発着信ができ、オフィスとの内線通話も実現可能です。
NEC「Aspire シリーズ」は2008年のリリースから全世界に累計52万システムの出荷実績があり、ビジネスフォンとして確固たる地位を築いています。
6.NTT
NTT(日本電信電話株式会社)は言わずと知れた総合IT企業です。日本の電話の歴史を切り拓いたイノベーターとして、ビジネスフォンにおいてもそのブランドは確立されています。
ビジネスフォンの品質が良好であることはもちろん、価格も抑えられている点が特徴です。NTTのビジネスフォンは、中古端末も多く出回っています。
NTTが提供する小〜中規模オフィス向け多機能ビジネスフォン「SmartNetcommunity αZX typeS」は、個人利用のスマートフォンとの連携機能が充実していることが特徴です。
自宅や外出先からでもスマートフォンで会社の電話番号を使った発着信ができます。2ch同時通話にも基本機能として対応しており、録音を通じた業務品質の向上が可能です。
7.NAKAYO
NAKAYOはナカヨ電子サービス株式会社が提供するブランドで、介護・ホテル業界向けのビジネスフォンシステムを提供するなど、確かな技術力を持っています。
安価でありながら高機能を維持しており、コストパフォーマンスに優れているのも特徴です。
NAKAYOは花屋など小規模店舗向けにビジネスフォン「NYC-25」を提供しています。
NYC-25では、内蔵ボイスメール機能によって2ch2時間、500件までの録音が可能です。録音時には電話やメールで通知が飛ぶので、外出先からでもすぐに内容を確認できます。
また、個人携帯からワンコールするとオフィス電話から自動的に折り返し発信する特定番号自動折り返し発信にも対応しています。
個人の携帯電話の通話料はかからないため、安心して個人携帯電話を利用可能です。
正しい選び方でビジネスフォンを導入しよう
ビジネスフォンを選ぶ際は、まず導入予算を決定し、ビジネスフォンをどのような目的で導入するのかを明確にしたうえで、機能や価格に基づいて選んでいくことがポイントです。
また、予算によっては新品ではなく中古のビジネスフォンを選ぶのも一つの手であり、こだわりがあればメーカーを絞って選ぶのも良いでしょう。
いずれにしてもビジネスフォンを選定する際には、各サービスの機能を理解し自社に適したものを選ぶことが重要です。本記事を参考にしつつ、正しい選び方に基づいてビジネスフォンを導入してみてはいかがでしょうか。
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