ビジネスフォンを導入するメリット・デメリット|費用を抑えるコツや家庭用電話機との違い
オフィス内外の連絡手段として欠かせないビジネスフォンですが、なぜ一般的な電話機ではなくビジネスフォンが選ばれているのでしょうか。本記事では、ビジネスフォンの導入メリットや家庭用電話機との違い、クラウド型のビジネスフォンで費用を抑えるコツをご紹介します。
目次
ビジネスフォンとは?
ビジネスフォンとは、主装置と電話機で構成され、複数の電話回線を1つの電話機で管理することのできる電話システムのことです。
主装置はビジネスフォンにおける司令塔であり、電話機の受発信を管理します。主装置があることで、通常の家庭用電話機とは異なる内線や自動応答、転送などの高度な機能を持つことができるのです。
インターネットの普及に伴い、インターネットを利用したIP電話やスマートフォンなど、新たな通信手段が登場しましたが、ビジネスフォンは依然として多くの企業で利用されています。
▷ビジネスフォンの主装置とは?価格は?役割や耐用年数・選び方
ビジネスフォンの仕組み
ビジネスフォンは、核となる主装置から各電話機に回線を接続して、内線・外線の受発信の管理を行います。このシステムにより、一つの電話回線を複数の電話機で共有したり、複数の回線を1つの電話機で管理したりできるようになるのです。
ビジネスフォンの利用により、部署ごとの電話番号の設定や電話機台数の拡張が容易に行えるようになり、内外のコミュニケーションがより効率化されます。また、FAX番号専用での利用や、着信専用として複数の番号を使い分けるなど、柔軟な運用ができることも特徴です。
ビジネスフォンと家庭用電話機との違い
ビジネスフォンと家庭用電話機は、接続できる電話機の台数や、複数の電話機での同時通話の可否などの点がそれぞれ異なります。
家庭用電話機は、主に個人や家族間の通話に特化しており、基本的な通話機能を中心に設計されています。管理できる電話回線は1つのため、複数の電話番号による受発信を管理することはできません。
一方、ビジネスフォンは企業や組織の円滑な電話業務を促進するための家庭用電話機にはない機能を多数備えています。具体的な機能としては、内線通話、転送、自動応答、ボイスメール、複数の電話機を使った同時通話などが挙げられます。
▷ビジネスフォンとは?機能や企業が導入する理由は?わかりやすく解説
▷ビジネスフォンの仕組みとは?家庭用固定電話との違いや機能について
ビジネスフォンの基本機能
ビジネスフォンには、主に以下の機能があります。
- 内線通話:社内の電話機同士で通話できる機能
- 保留・転送:通話を保留にしてから別の電話機に転送する機能
- 構内放送:オフィス内や工場内などにアナウンスを流す機能
- 鳴り分け:電話番号ごとに着信音を切り替えて、部署ごとに鳴り分ける機能
- 音声ガイダンス:自動応答によって適切な窓口へつなぐ機能
- 通話録音:通話内容を録音する機能
- CTI:着信相手の顧客情報をパソコンなどに表示させる機能
- 三者通話:三者が同時に通話できる機能
ビジネスフォンはこれらの基本機能を駆使して、企業の通信環境を強化し、業務の効率化に寄与しています。
▷【必見】ビジネスフォンの使い方ガイド!基本機能や便利な使い方とは?
ビジネスフォンを導入するメリット
ここからは、ビジネスフォンを導入するメリットを4つ紹介します。
回線契約が1本で済むためコストを削減できる
ビジネスフォンの導入により、企業は1本の回線契約のみで複数の電話番号を使えるようになります。これにより、複数回線の契約が必要なくなるため、通信費用を大幅に削減可能です。
特に、部署ごとに異なる電話番号が必要になる大規模な企業や組織においては、通信コストも莫大になりがちなため、コスト軽減は非常に大きなメリットとなり、浮いたコストを設備投資や事業資金などの他の目的に役立てることができます。
一つの電話番号を複数のビジネスフォンで利用できる
ビジネスフォンでは、同じ電話番号にかかってきた電話を、複数の電話機で同時に受信することが可能です。
複数の取引先や顧客から同時に着信があった場合も「話し中」になることはないため、相手を待たせてしまうことでの機会損失を防げます。
内線機能により社内コミュニケーションの効率化が望める
内線機能とは、社内の電話機同士を接続して無料通話ができる機能です。
内線を利用することで、電話での社内コミュニケーションが円滑化されるほか、無料で通話できるため、通信コストも削減できます。
保留・転送機能を利用できる
保留・転送機能とは、取り次いだ電話を一時的に保留し、担当者の電話番号へ転送できる機能です。
特に、電話の取次は、問い合わせが頻繁に発生する企業においては、取次だけで、意外にも多くの時間を取られることになります。電話対応業務の効率化は、スムーズな電話対応により顧客満足度の向上が見込めるだけでなく、業務の生産性を高める効果ももたらすでしょう。
ビジネスフォンを導入するデメリット
ここからは、ビジネスフォンを導入するデメリットを3つ紹介します。
導入時に高額な費用がかかる
ビジネスフォンの導入には、主装置と電話機の購入費用のほか、設置工事や回線工事の費用が発生します。特に、最新のシステムを導入したり導入規模が大きかったりする場合、初期費用は高額になりがちです。
初期費用は決して安くはないため、計画的に予算を確保しなければなりません。ビジネスフォンの長期的なコストパフォーマンスの高さや、業務効率化のメリットを照らし合わせて、導入の是非を判断することが求められます。
都度工事をしなければならない
ビジネスフォンは、増設・移設時の工事が必要なため、工事をするたびに時間と費用がかかる点がデメリットといえます。
特に、大規模な増設を行う場合やオフィス移転に伴う移設時は、工事の規模も大きくなりがちです。予期せぬ工事費用の増額や業務の中断を避けるためには、初めから将来的な変更や拡張を見越したシステムの設計や計画が不可欠です。
▷ビジネスフォンの設置工事とは?種類・費用相場や業者の選び方を解説
操作に慣れるまでに時間がかかる
ビジネスフォンは、その多機能さゆえに、操作に慣れるまでの時間がかかることも想定されます。特に、従来の電話システムと大きく操作感が異なる場合、従業員の混乱を避けるための研修やトレーニングが必要です。
適応期間中は、操作ミスなどにより通常の業務速度が低下するリスクも存在するため、十分なサポートやフォローが求められます。
ビジネスフォンの導入方法
ビジネスフォンを導入するには、主に以下の4つの方法があります。
- 新品購入
- リース契約
- レンタル契約
- 中古購入
ここからは、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。
新品購入
新品購入は、最新の機能や技術をフルに活用したい企業に最適です。
新品のため故障リスクが低く、長期的な運用を見越しての投資となるでしょう。一般的に、主装置の費用相場は約20万円〜ですが、新品は電話機の購入費用が高額になることが多く1台あたり約1〜4万円ほどが相場です。
新品を購入する際は、アフターサポートや保証期間の内容も確認しておくと良いでしょう。
リース契約
リース契約は、リース会社が代理で契約したビジネスフォンを、毎月一定額の利用料を支払い利用する方法です。
利用料は、設備の購入費用と工事費用などを含めた総額を、設定した月数で割って算出します。初期費用を大きく抑えられるため、予算的な制約がある企業にとっては有効な選択肢です。
また、契約期間が終了すれば新しいモデルにリース契約を切り替えることができ、常に最新機器を利用し続けることができます。しかし、契約終了後はビジネスフォンを返却しなければならず、使い慣れた同じ機器を利用し続けたい場合は、買取か再リース契約をすることになるでしょう。
初期費用が抑えられる反面、長期的には購入に比べて総コストが高くなることがある点にも注意が必要です。
▷ビジネスフォンのリース契約とは?費用相場やメリット・デメリットを解説
レンタル契約
ビジネスフォンのレンタル契約は、特定の期間やプロジェクトのみでの使用を前提とした短期間向けの導入方法です。
必要な期間やシチュエーションだけ機器を借りることができ、不要になった際の手続きも簡単です。初期費用や長期的なランニングコストを気にせずに、最新のビジネスフォンを利用したい場合に適しています。
しかし、長期間の利用はリースや購入に比べてコストがかさむため、利用目的や期間を明確にして選択することが重要です。
中古購入
ビジネスフォンの中古購入は、予算を抑えたい企業や特定のモデルを継続して使用したい場合に最適です。新品購入と比べて大幅にコストを削減できるため、経済的な負担が軽減されます。
しかし、中古品のため、状態や性能にばらつきが出る可能性があること、また、保証期間が短いことや、早期に故障してしまうリスクも考慮しなければいけません。
中古購入を検討する際は、信頼性の高い業者を選び、商品の品質や保証期間を必ず確認しましょう。
▷ビジネスフォンを買い替えるタイミングはいつ?交換方法や注意点も解説
ビジネスフォンの導入コストを抑えたい場合にはクラウドPBXがおすすめ
クラウドPBX(Private Branch Exchange)は、主装置をクラウド上に構築し、インターネット回線を利用してビジネスフォンの機能が利用できるサービスです。従来のビジネスフォンと比較して、導入・運用コストを大きく抑えることが可能です。
スマートフォンやタブレット、パソコンなど、インターネットに接続できるデバイスであれば電話機として利用できます。
ここからは、クラウドPBXの主なメリットを紹介します。
工事・メンテナンス・保守などの手間がかからない
クラウドPBXは、インターネット回線とデバイスさえあればビジネスフォンの機能が使えるシステムです。
設置工事や電話回線工事は不要で、システムのメンテナンスや定期的な保守作業もベンダーが行うため、企業側は手間をかけることなく運用可能です。
移動中や外出先でも通話ができる
インターネット環境と端末さえあれば、どこからでも「会社の電話番号」での受発信ができるのもクラウドPBXの特長といえるでしょう。
移動中や出張先、在宅ワークなど、オフィス外でもスマートフォンやパソコンを通じて会社の電話番号を使用したビジネス通話が行えます。従来の固定電話と異なり、場所に縛られずに通話できるため、セールス担当者など、電話対応が多い社員のテレワーク化も推進しやすくなります。
電話機を増設する必要がない
クラウドPBXでは、電話機を増設する必要はありません。
社員が使用するパソコンを電話機として使用できるため、人員拡大やオフィスの移転時に新たに電話機を設置するコストや手間が削減できます。
この柔軟性によって組織の変化や急な拡大にも迅速に対応できるため、ビジネスの機動力を高められることが魅力です。
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進化したビジネスフォンの導入でさらなる効率化を
1990年代に普及したビジネスフォンですが、今もなおビジネスに欠かせないツールとなっています。
さらに近年は、現代のワークスタイルにマッチした、クラウド型のビジネスフォン「クラウドPBX」へと切り替える企業も増えてきました。コストや運用面のメリットなどを見極め、ぜひ自社に最適なビジネスフォンを選択して、業務効率化を実現しましょう。
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