カスタマーサポートにチャットボットを導入するメリット|導入事例や注意点・おすすめツール

最終更新日時:2024/03/21

チャットボット

カスタマーサポートへのチャットボット

ユーザーの疑問に対応するカスタマーサポートには、チャットボットの導入が有効です。業務効率化や担当者の負担軽減を目的として、成果を上げたという事例も少なくありません。本記事では、カスタマーサポートにチャットボットを導入するメリットや最大限活用するための注意点などについて解説します。

カスタマーサポートにチャットボットを導入するメリット

今では大手企業のカスタマーサポートにも導入されることが多くなったチャットボットですが、導入するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、5つのメリットについて解説します。

オペレーターの負担軽減が期待できる

チャットボットを導入することで、よくある簡単な質問はチャットボットに対応させることができます。オペレーターによる問い合わせ対応が減らせるため、業務負担を大幅に軽減することが可能です。

これにより、オペレーターはより複雑な問題や特別な要求に集中して回答することができ、問い合わせの応対品質が向上するでしょう。

顧客満足度の向上につながる

チャットボットに問い合わせの対応を任せることで、顧客は時間を選ばず、すぐに疑問や問題を解決できます。また、チャットボットは問い合わせに対して直接回答するだけではありません。個々の問い合わせに沿ったペルプセンターの記事やFAQの回答ページに導くなど、状況に応じた情報を提示することも可能です。

このように、チャットボットを導入することで待ち時間の軽減や対応時間の拡充が可能になり、顧客満足度が格段に向上するでしょう。

機会損失を防いでくれる

チャットボットを導入することで、24時間365日いつでも問い合わせに対応できます。また、同時に複数の顧客に対応できる環境を築けるため、離脱防止やコンバージョンの向上につながります。

顧客の疑問や不安をスムーズに解消できれば、企業に対するイメージアップも期待できるでしょう。

収集したデータをマーケティングに活用できる

チャットボットの導入により、顧客との会話から得られる日々のデータが蓄積されます。そのデータをもとに顧客の好みや行動パターンを解析することで、顧客のニーズを把握することが可能です。そのため、よりターゲットに合った製品に改善したり、ユーザーごとのおすすめ商品を提示したりすることができます。

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コスト削減につながる

チャットボットを導入すれば、オペレーターの数を大幅に減らすことができます。これにより、人件費や業務委託費、研修のための費用など、カスタマーサポートにかかるコストを大幅に削減できるでしょう。また、人的ミスが減ることで効率が上がるため、長期的に見てもコストの削減につながります。

カスタマーサポートにチャットボットを導入する際の注意点

ここでは、カスタマーサポートにチャットボットを導入する際の注意点を紹介します。

導入から運用まで手間がかかる

チャットボットの導入は、単に設置するだけで終わりではありません。初期設定にあたっては、顧客のニーズに合わせた質問と回答を作成したり、システムとの連携を完結させてテストしたりと、さまざまな準備が必要です。また、顧客からのフィードバックや行動パターンの変化に応じて、定期的にメンテナンスすることも必須です。

このように、リリースまでの準備期間や導入後のメンテナンスに手間がかかることも知っておきましょう。

対応できる範囲が限られる

チャットボットは、基本的な問い合わせやよくある質問には優れた対応を示す一方で、複雑な問題や特殊なケースへの対応は限られています。とくにシナリオ型チャットボットの場合、あらかじめ設定してある通りの対応しかできないことが欠点といえるでしょう。

回答の精度を上げるには、さまざまなパターンのシナリオを設計する、AIチャットボットを利用するなどの対策が必要です。

顧客対応人材の育成は継続して必要

チャットボットは、多くの問い合わせ対応を自動化できますが、問い合わせのすべてに対応できるようになるわけではありません。とくに、長文で質問内容が多岐にわたる場合や、これまでに経験したことのないトラブルには、オペレーターによる対応が必要となるでしょう。

顧客対応の質を高めるためにも、引き続き人材の育成を続け、定期的な研修やフィードバックを行っていくことが大切です。

チャットボットの運用における課題とは?事例や解決策を詳しく解説

カスタマーサポートでチャットボットを最大限活用するポイント

カスタマーサポートでチャットボットを最大限に活用するためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。

ここでは、チャットボットの効果を最大化する4つのポイントを紹介します。

的確なシナリオを設計する

チャットボットの会話効率と顧客満足度を高めるためには、顧客ニーズを反映したシナリオを設計する必要があります。そのためには、問い合わせの種類や知りたい情報などを把握しておき、スムーズに流れるフローを作成する必要があるでしょう。

また、顧客が行き詰まったときなど、スムーズにオペレーターに対応を引き継ぐ際のシナリオを設計しておくことも重要です。

チャットボットの会話デザインとは?UXを設計するコツやデザインのポイントについて

チャットボットの利用率を高める工夫をする

チャットボットを設置しても、利用率が低いままでは意味がありません。利用率を上げるためには、ユーザーフレンドリーなインターフェースにして、直感的に操作できるようにデザインすることが重要です。

具体的には、入力例を記載したり、視認されやすいデザインにしたりすることが求められます。また、キャラクターの設定やユーザーの目に入りやすい箇所に設置するなどの工夫も必要です。

チャットボットの利用率が低い原因|向上させる方法やメリットを解説

運用体制を整える

チャットボットは、顧客のフィードバックを定期的に収集・分析し、その結果をもとに会話フローや回答の質を継続的に改善をしていく必要があります。また、パフォーマンスを監視しつつ、トラブルが発生したときには迅速に対応しなければなりません。そのためには、チャットボットの担当者を決めておく必要があります。

また、準備や運用作業で現場を混乱させないためにも、ルールを策定したり、オペレーターや開発チームとの連携ができる環境を構築したりと、運用体制を整えておくことが重要です。

ベンダーのサポートを受ける

チャットボットの運用をすべて社内で完結するのは、ノウハウやリソース不足などによって困難なことがあります。そのため、ベンダーのサポートを受けることを視野に入れておくとよいでしょう。

ベンダーは、数多くのチャットボットに関するノウハウを有しており、スムーズな課題解決が可能です。より効果的にチャットボットを運用するためにも、サポートが充実しているサービスを選ぶことをおすすめします。

カスタマーサポートにおすすめのチャットボットツール

ここでは、とくにカスタマーサポートへの導入に適したツールを紹介します。

ChatPlus

ChatPlusは、WebサイトやLINE、Teamsなどさまざまなサービスと連携できるチャットボットツールです。生成AIによる応答のほか、有人チャットやシナリオ型での運用も行えます。あらゆる業界に合わせたテンプレートを利用できるため、設定の手間も大幅に削減できるでしょう。

提供元チャットプラス株式会社
初期費用無料
料金プラン【月契約】
  • ミニマム:2,178円(税込)/月
  • ビジネスライト:11,880円(税込)/月
  • プレミアム:33,000円(税込)/月
  • AIライト:59,400円(税込)/月
  • オートAI:96,800円(税込)/月
  • AIチャットボット:18万7,000円(税込)/月

【年契約】

  • ミニマム:1,650円(税込)/月
  • ビジネスライト:10,780円(税込)/月
  • プレミアム:30,800円(税込)/月
  • AIライト:55,000円(税込)/月
  • オートAI:88,000円(税込)/月
  • AIチャットボット:16万5,000円(税込)/月

※ミニマムは年契約のみ(先払い)

導入実績10,000社以上(※2019年ゼネラルリサーチ調べ)
機能・特徴AI会話機能、シナリオ設定、Q&A予測表示、ウィンドウデザイン、Excelで管理、レポート・データ分析、ファイル添付機能、有人チャットなど
URL公式サイト

GENIEE CHAT

GENIEE CHATは、顧客のニーズに合わせたオンライン接客を行うことができるチャット型接客プラットフォームです。顧客の行動やニーズに合わせたメッセージを出し分けることができます。チャットEFOの機能では、資料請求・予約・会員登録といった用途に応じて会話形式で入力をサポートすることが可能です。

また、あらかじめチャットでユーザーの課題を把握できるため、オペレーターにつないだ際のヒアリングの負担軽減にもつながるでしょう。

提供元株式会社ジーニー
初期費用要問い合わせ
料金プラン

【サイトの申込数を増やしたい方・LINEを活用したい方向けプラン】

  • チャットEFOプラン:成果報酬型
  • リマケLINEプラン:成果報酬型
  • かご落ちメールプラン:成果報酬型

【問い合わせの対応工数を削減したい方向けプラン】

  • ライト:7,150円(税込)/月
  • スタンダード:55,000円(税込)/月
  • ビジネス:11万円(税込)/月
導入実績4,500社以上
機能・特徴オペレータ-チャット、シナリオキャンバス、カスタマー管理、チャットボット、EFO(フォーム最適化)、アンノウンカスタマー一覧、訪問者の可視化など
URL公式サイト

KARAKURI chatbot

KARAKURI chatbotは、カスタマーサポートが抱える問題を解決できる高精度なAIチャットボットです。顧客の問い合わせに自動応答し、自己解決できるように促します。管理画面はシンプルで使いやすく、操作に慣れるまでは手厚いサポートを受けられるのも魅力です。パソコンが不慣れな人でも安心して利用できるサービスと言えるでしょう。

提供元カラクリ株式会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
機能・特徴AIチャットボット、FAQとの一元管理、有人チャットツール、Web接客ツール、チャットボット機能拡張、オペレーター支援システムなど
URL公式サイト

SYNALIO.

SYNALIOは、ユーザーの行動と会話データを取得・分析・活用が行えるチャットボットツールです。チャットボット上でのやりとりから、ユーザーの感情や状況を把握します。ドラッグ&ドロップで誰でも簡単に会話シナリオを作成でき、すぐに使いはじめられるのが特徴です。

さまざまな外部サービスとの連携も可能なため、より効果的なマーケティング活動が実現できます。

提供元株式会社ギブリー
初期費用110万円(税込)
料金プラン
  • マーケティングプラン:16万5,000円(税込)/月~

    ※1ドメイン、従量課金、年間契約

  • エンタープライズプラン:22万円(税込)/月~

    ※1ドメイン、年間契約

導入実績累計1,000社以上
機能・特徴チャットボット機能、アクセスログ取得機能、マーケティングダッシュボード、ラベル機能、会話分析、行動分析、グルーピング機能、会話活用など
URL公式サイト

Zeals

Zealsは、AIチャットボットと高度なコミュニケーションデザインを組み合わせた接客サポートツールです。LINEやInstagram、デジタルサイネージなどさまざまなメディアに導入できます。導入までの工数が非常に少なく、スピーディーに運用を開始できるのもポイントです。

また、完全成果報酬型で成果が上がるまでは費用がかからないため、リスクなく導入できるのも魅力といえるでしょう。

提供元株式会社ZEALS
初期費用無料
料金プランシステム使用料:無料+CVの成果報酬
導入実績400社以上
機能・特徴RPA技術、コミュニケーションデザイナーによる高品質な会話設計、最適化されたセグメント配信、高度なセキュリティと信頼性を持つデータセンター、常に暗号化された通信など
URL公式サイト

カスタマーサポートに導入したチャットボットの成功事例

ここでは、実際にカスタマーサポートにチャットボットを導入した企業の事例を紹介していきます。

株式会社フォトクリエイトの事例

株式会社フォトクリエイトは、日本で最初にインターネット上で写真販売を開始した企業です。チャットボット導入以前はFAQを用意していたものの、あまり利用されず、簡単な質問もサポート窓口が受けている状態だったそうです。そこで同社のサポートチームは、チャットボットを導入することにしました。

Webに詳しくない顧客が多いことを踏まえて、回答を端的な内容にするようにシナリオを作成して使ってもらった結果、サポートセンターに頻繁に寄せられていた簡単な質問が明らかに減ったのです。

[参照元:Sepport Chatbot「導入直後から調べればわかるような簡単な質問が明らかに減少。」]

岩谷産業株式会社の事例

岩谷産業株式会社は、産業ガスやエネルギー、マテリアルなど幅広い事業を展開している会社です。

昨今のアウトドアブームや災害備蓄のため、カセットコンロの需要が急増し、同社の問い合わせ数はここ10年間で2.6倍になりました。問い合わせ対応は90%が電話で、7名のコールセンタースタッフが応答していましたが、同じ内容の問い合わせも多く、繁忙期はスタッフに大きな負担がかかっていたそうです。

そこで同社は、チャットボットの導入に踏み切り、電話応対用のFAQの中から質問の多い回答を抽出してシナリオを作成しました。回答の強調したい部分には文字装飾を施すことで、読みやすさと伝わりやすさも工夫しています。また、文章だけでは伝えにくい説明については、動画で回答する方法をとっているそうです。

その結果、電話対応件数は前年比24%削減を実現しました。とくにスマートフォンを使っている顧客はチャットボットを使ってくれる傾向が強いと言います。さらに、回答する際に関連リンクを表示するように工夫したことで、解決率の向上が見られました。カスタマーサポートの負担減と顧客体験の向上という成果が得られ、今後はSNSとの連携や多言語化に取り組むそうです。

[参照元:Sepport Chatbot「家庭用カセットこんろの需要増加に伴い問い合わせが増えるなか、電話対応件数は前年比24%削減!」]

ヤマハ発動機株式会社の事例

バイクや電動自転車の製造を行うヤマハ発動機株式会社の調達本部では、原材料や部品の受発注をポータルサイトで対応していました。しかし、1000社2800名を超える取引先担当者が利用していて、メールだけでなく電話での問い合わせが数多くあったこともあり、問い合わせ業務は常にひっ迫していたそうです。

こうした中でIT担当部署が2020年にチャットボット導入を決定し、運用を開始しました。チャットボットをポータルサイトに設置し、問い合わせ内容ごとに担当部署へ誘導することで、一次受付はチャットボットでの対応が可能になり、全体での電話やメールの問い合わせも激減したそうです。また、24時間365日問い合わせに対応できるため、負担の軽減と取引先の利便性の向上に大いに役立ったと言います。今後は、BtoC向けのチャットボットも視野に入れ、他部署におけるチャットボットの活用にも期待しているそうです。

[参照元:Sepport Chatbot「約1000社にのぼる取引先からの膨大な問い合わせをサポートチャットボットで対応!」]

カスタマーサポート業務にチャットボットを活用しよう

本記事では、チャットボットをカスタマーサポート業務に導入するメリットや注意点を紹介しました。チャットボットを上手く活用することで、オペレーターの負担軽減や顧客満足度の向上につながります。これを機会に、ぜひチャットボットの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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