BtoBマーケティングでのチャットボット活用方法!メリットや導入成功のポイントを解説
チャットボットの活用は、BtoCに限ったことではありません。BtoBビジネスにおいても、チャットボットの導入は企業の課題を解決する手段の1つになるのです。当記事では、BtoB企業を対象としたチャットボットの活用方法について解説しています。
目次
BtoBマーケティングにおけるチャットボットの活用方法
BtoBマーケティングにおいて、チャットボットはどのように活用できるのでしょうか。まずは具体例を3つ紹介します。
ホワイトペーパーの案内
ウェブサイトやオウンドメディアに訪れた顧客に対し、サービス概要や詳細な実績、導入事例などを記載したホワイトペーパーを提供するのは、商談成立までの第一歩です。通常はウェブサイト内の目立つ場所やウェブコラムの最下部などにダウンロード用ボタンなどを設置しますが、この役割をチャットボットに任せることができます。
チャットボットからの質問に対し顧客に回答してもらうことで、ニーズや課題をより細かく絞り込むことができ、それぞれの顧客により適したホワイトペーパーを提案できるようになるのです。
リードの獲得
BtoBマーケティングにおけるチャットボットの導入は、効果的なリード獲得の手段としても注目されています。
リードとは、商品やサービスに興味を示した潜在的な顧客のことで、ビジネスの成長拡大や売上向上のためには、こうした潜在顧客が興味を失わないよう引き付けたまま、実際の顧客になるまで育成することが重要です。
チャットボットは顧客の質問に即座に答えることで関心を持続させるだけでなく、アンケートやフォームを通じて重要な情報を収集します。チャットボットならば24時間365日、自動でリードを獲得し続けることができるため、マーケティングと営業の効率を大きく向上させることができるのです。
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ユーザーニーズに適した商品・サービスの提案
チャットボットをBtoBマーケティングに活用する大きなメリットとしては、ユーザーのニーズに合わせた商品やサービスの提案が可能になる点も挙げられます。
顧客一人ひとりが抱える課題や要望を詳細に汲み取り、最適な解決策を提示することで、顧客満足度の向上につなげることができます。具体的には、チャットボットを通じてデータ収集と分析を行い、顧客の行動や興味を把握します。その後、顧客ごとにパーソナライズした提案を行うのです。
このように、企業が顧客のニーズを満たす製品やサービスを提供し、長期的な関係構築を目指すために、チャットボットは有用だといえます。
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BtoBマーケティングでチャットボットを活用するメリット
BtoBマーケティングでチャットボットを活用することには多くのメリットがあります。ここでは5つ紹介します。
問い合わせハードルを引き下げられる
BtoBマーケティングにチャットボットを活用するメリットの1つ目は、問い合わせに対する潜在顧客のハードルを大きく下げることができる点です。
従来、顧客が企業に連絡を取る際には、メールを送ったり、電話をかけたりする必要がありました。その点、チャットボットを利用すれば、顧客はいつでも気軽に質問や相談を行えるようになります。
顧客は自分の都合のよい時間に即座に対応を受けられるため、メールの返信を待つ、あるいは営業時間内に電話をしなければならない、といった問い合わせのハードルが大きく低下するのです。
この気兼ねなさは、顧客の満足度を向上させ、結果的にリード獲得へとつながる可能性を高めるでしょう。
業務の効率化・コスト削減につながる
チャットボットを活用することは、顧客に対してだけでなく、企業内にもメリットをもたらします。その代表が、業務の効率化とコスト削減につながるということです。
チャットボットは、顧客からの一般的な質問に自動で回答することができます。そのため、これまで内容にかかわらず人間のスタッフが一律で対応してきた問い合わせの量を大幅に減らすことができ、スタッフはより専門的な業務や重要な顧客対応に集中できるようになります。
さらに、チャットボットは休まず働いてくれるため、顧客サポートの時間を24時間365日に拡大しつつ、人件費を抑えることが可能です。チャットボットは、業務効率化とコスト削減を実現するための心強い味方だといえるでしょう。
チャットボットの利用からリードが獲得できる
チャットボットを導入すると、BtoBマーケティングにおけるリード獲得のプロセスが大きく変化します。
チャットボットは、顧客との初期のやり取りを自動で行い、基本情報を収集すると同時に、興味のある製品・サービスは何かを迅速に特定し、リードとして保存します。
加えて、顧客の質問や回答に基づいて適切な情報を提供し、必要であれば適切なセールスチームや担当者にリダイレクトすることで、より具体的なビジネス機会へとつなげます。
チャットボットを用いたこのプロセスがあることで、企業は高品質なリードを効率的に獲得し、ビジネス成長のチャンスを掴むことができるのです。
購買意欲を引き上げられる
潜在的な顧客の購買意欲を効果的に引き上げることができる点も、チャットボットを導入するメリットです。
チャットボットは顧客の疑問にリアルタイムで対応し、必要な情報を提供することで、顧客の懸念を解消します。また、顧客のニーズに合う商品やサービスをおすすめすることで、顧客の関心を具体的な購買意欲に変換することができます。
また、チャットボットは各顧客との対話を通じて得た情報を分析し、それぞれの顧客に対して最適なソリューションを提案できるよう学習し続けます。このように、チャットボットは顧客の購買意欲を向上させ、購買に至るまでの流れをスムーズにすることができるのです。
製品・サービスの向上につながる
チャットボットを利用することで、製品やサービスの向上につなげることも可能です。
顧客からのフィードバックや質問を直接かつ迅速に収集できることは、チャットボットの強みの1つです。この強みを活かし、リアルタイムで把握した情報を製品やサービスの改善に反映させていくことができます。
また、チャットボットによって収集されたデータは、顧客のニーズや傾向を理解する貴重な情報源でもあります。製品やサービスに対する直接的な質問でなくても、今後の開発のためのヒントとなるでしょう。
BtoBマーケティングでチャットボットを活用するデメリット
ここまでで説明したように、BtoBマーケティングにチャットボットを活用することには多くのメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットも存在します。
ここでは、具体的に2つのデメリットについて紹介していきます。
導入と運用に時間がかかる
BtoBマーケティングにチャットボットを導入する際、初期設定やカスタマイズ、既存のシステムとの統合など、準備には相応の時間と労力が必要です。また、実際のチャットボットの運用開始後も、定期的なメンテナンスやアップデート、ユーザーからのフィードバックに基づく改善が必要になるでしょう。
このような運用のプロセスには特に技術的な知識が必要な場合が多く、企業にとっては大きな負担となることがあります。十分なIT知識を持つ社員が社内にいない場合もあるでしょう。
チャットボットの導入は計画的に行う必要があり、運用が軌道に乗るまでの道のりが必ずしも平坦ではないことを理解しておくことが重要です。
対応できる問い合わせ内容には限界がある
チャットボットは、顧客からの一般的な質問や簡単な問い合わせに迅速に対応することができます。ただし、チャットボットは万能ではなく、対応能力には限界があることを理解しておかなければなりません。特に、複雑な問題や特定の専門知識を必要とする質問に答えることは難しい場合があります。
また、入力された情報から顧客の感情や細かなニュアンスを読み取る技術は、現時点では完璧とはいえません。そのため、顧客のニーズを網羅するためには、人間のオペレーターの介入が必要となる場合もあります。
チャットボットには限界があることを知り、人間のスタッフとの連携によって、効果的な顧客対応の実現を目指しましょう。
▷チャットボットの運用における課題とは?事例や解決策を詳しく解説
BtoBマーケティングでチャットボットの導入を成功させる秘訣
BtoBマーケティングへのチャットボット導入を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、導入と運用の効果を上げるための秘訣を簡潔に解説します。
導入目的を明確に定める
チャットボットの導入を成功させるためには、まず導入目的を明確に定めることが非常に重要です。目的が明確であれば、その目標に向かって効果的にチャットボットを設計・運用することができるでしょう。
たとえば、リード獲得の増加、顧客サービスの効率化、あるいは24時間対応実現などがよくある目的です。チャットボットにはさまざまな種類があるため、目的達成が可能な機能を持つものを選び、対話スクリプトをカスタマイズする必要があります。
▷チャットボットの会話デザインとは?UXを設計するコツやデザインのポイントについて
有人対応との連携体制を構築しておく
チャットボットの導入を成功に導くには、自動対応だけを追い求めるのではなく、有人対応とのスムーズな連携体制を構築する必要があります。
チャットボットは基本的な問い合わせや定型的な対話には強いですが、複雑な質問や専門知識を要する質問には対応しきれない場合があります。その場合には、人間のスタッフが介入する必要があるのです。
チャットボット対応と有人対応の効率的な切り替え体制を構築しておけば、顧客の離脱を防ぎ、求められている情報を提供することができます。このような臨機応変な対応ができれば、顧客満足度の向上と業務効率化の両方を達成することができるでしょう。
チャットボットの導入効果を最大限に引き出すためには、連携対応を適切に整えることが重要なのです。
チャットボットの利用率を高める工夫をする
チャットボットは導入して終わりではなく、利用率を高めるための工夫を続ける必要があります。
利用率を向上させる方法の1つとして、チャットボットを目立つ位置に配置し、顧客が容易にアクセスできるようにすることが挙げられます。加えて、チャットボットの初期メッセージを工夫し、顧客の関心を引いて対話を始めやすくすることも重要です。
さらに、顧客が求める情報を迅速に提供できるよう、チャットボットの応答内容も定期的に見直すとよいでしょう。
▷チャットボットの利用率が低い原因|向上させる方法やメリットを解説
定期的にメンテナンスを行う
定期的なメンテナンスを行うことも、チャットボットの導入を成功させる秘訣です。チャットボットは、ただ導入するだけでなく、継続的に更新と改善を行う必要があるのです。
具体的には、顧客からのフィードバックの収集と分析、応答の正確性の向上、新しい質問への対応追加、そしてユーザーインターフェースの改善などが挙げられるでしょう。
また、市場や業界のトレンド、製品やサービスの更新をキャッチアップしていくことも重要です。こうしたメンテナンスによって、顧客に役立つチャットボットを提供できるのです。
BtoBマーケティングにおけるチャットボットの活用事例
最後に、BtoBマーケティングにチャットボットが活用されている事例を紹介していきます。
三井不動産商業マネジメント株式会社の事例
全国で商業施設運営を行っている三井不動産商業マネジメント株式会社では、顧客向け・社内向け・テナント向けに14種類のチャットボットを導入しています。
同社では、ポイントやアプリについてのヘルプデスクを設けているものの、よくある質問が非常に多く、担当者の業務負担が課題となっていました。販促の実施やテナントとの打ち合わせに時間を割くため、問い合わせ対応を効率化することを目指し、チャットボットの導入を決定。
社内向けは施設担当者から本部、テナント向けはテナント店長から施設担当者への問い合わせ対応にチャットボットが活躍しています。
同社は社内各部署に順次チャットボットを導入していく予定で、将来的には総合窓口として一本化する道を模索しています。
[参照元:chatplus「満足度向上と効率化を目的にさらなる展開を目指す!」]
株式会社ヒューマンテクノロジーズの事例
クラウド勤怠管理システムを企画・開発・運営を行っている株式会社ヒューマンテクノロジーズでは、顧客とのメールのやり取りが常に発生していることを課題としていました。URLを送るだけでよい問い合わせや、一言回答すれば解決する問い合わせに対してもメールで対応する必要があり、スタッフの手間となっていたのです。
そこで、カスタマイズ性の高さを基準にチャットボットを選定、導入することにしました。月平均300件のチャット訪問のうち、およそ50件、約17%の顧客が無料体験や問い合わせを行う結果となり、コンバージョン率の向上に成功しました。
[参照元:chatplus「月平均300件のチャット訪問のうち、約17%が無料体験や問い合わせに!」]
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チャットボットはBtoB企業のマーケティングにも有効
BtoB企業のマーケティングにチャットボットを導入するメリットは、顧客対応の効率化、リード獲得の増加、顧客満足度の向上など、多岐にわたります。明確な目標設定、適切な連携体制の構築、利用率の向上のための工夫、定期的なメンテナンスなどを行い、チャットボット導入の効果を大幅に高めましょう。
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