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チャットボットとは?仕組みや種類・使い方、メリットとデメリットをわかりやすく解説

2024/02/01 2024/02/01

チャットボット

チャットボットとは

「チャット」と「ボット」を組み合わせた名称のチャットボットは、人工知能を活用した自動会話プログラムです。顧客対応を効率化できるため、ビジネスに利用しようと考えている方も多いのではないでしょうか。本記事では、チャットボットの概要や使い方、メリット・デメリットなどを解説します。

この記事の要約

・チャットボットとは、ユーザーからの質問をチャット形式で回答する自動会話プログラムのこと
・チャットボットには、あらかじめ設定した会話の流れに沿って対話をするシナリオ型、人工知能によって最適な回答を提供するAI型の2種類がある

チャットボットの仕組みとは?

チャットボットとは、チャット形式で質問への回答などを行う自動会話プログラムのことです。「チャット」と「ボット」を組み合わせた言葉が名前の由来で、ユーザーからの問いかけに対してロボットが自動で返信します。

チャットボットは、カスタマーサポートやビジネスシーンでも活用されているツールです。LINE・Facebookメッセンジャーなどのコミュニケーションアプリや企業のWebサイトなど、さまざまなプラットフォームに実装されています。

チャットボットの歴史について

チャットボットの歴史は長く、チャットボットの元となる「ELIZA(イライザ)」は1966年に登場しました。ELIZAは、あらかじめ特定のキーワードと対応する回答パターンを登録し、ユーザーから入力された文章に含まれるキーワードから、条件に合うメッセージを返すといったものでした。

1990年代頃になると、フリマサイト・ネットオークションサイトなどでチャットボットが活用されるようになります。さらに、カスタマーサポートでも用いられるようになり、BtoC向けのチャットボットの需要が高まったのです。

2011年にはApple社から「Siri」が登場し、チャットボットの存在が一般ユーザーまで広がりました。Siriには音声認識機能も搭載されており、音声による会話が可能です。また、現在ではAI技術の進歩により、チャットボットの回答精度も高まっています。

チャットボットの市場規模について!日本・海外の規模や成長している背景

チャットボットの種類

チャットボットには大きく分けてシナリオ型・AI型の2種類があり、それぞれ構造が異なります。

ここでは、シナリオ型・AI型のチャットボットの特徴を解説します。

シナリオ(ルールベース)型チャットボット

シナリオ型チャットボットは、あらかじめ設定した会話の流れ(シナリオ)に沿って対話をするタイプです。

定型的なやりとりを得意とするため、問い合わせの内容がある程度決まっている場面に向いています。また、AI型と比べて低コストで導入できる点もメリットです。

シナリオ型チャットボットはFAQなどのカスタマーサポートや、オペレーター対応前の問い合わせ内容の確認などに用いられています。さらに、シナリオ型チャットボットは以下の4種類に分類が可能です。

  • ログ型
  • 選択肢型
  • 辞書型
  • ELIZA型

以下の見出しで、それぞれの特徴について解説します。

ログ型

ログ型のチャットボットは、会話のログを蓄積したデータの中から質問への回答として適切だと判断したメッセージを返すタイプです。ユーザーはフリーワードで自由に文章を入力できるため、人間同士の会話に近いやりとりができます。

ログ型はユーザーが利用するほど会話データが蓄積され、回答の精度が高まるのが特徴です。したがって、多くのユーザーの利用が想定される場面で活用されています。

選択肢型

選択肢型のチャットボットは、あらかじめ設定した選択肢をユーザーが選ぶことで会話を進めるタイプです。選択肢によって回答が分岐し、質問と回答を繰り返すことでユーザーの求めている答えにたどり着きます。

選択肢型は、問い合わせ内容がある程度予想できる場合に適したタイプです。ただし、用意していない質問には答えられないため、問い合わせ内容が多岐にわたる場合や予測できない場合は適していません。

辞書型

辞書型のチャットボットは、単語と単語に対する回答を辞書的に登録し、その辞書を元にユーザーと会話をするタイプです。例えば、ユーザーが「料金」と入力したら「月額使用料」を回答するといった設定ができます。

辞書型の種類は、ユーザーがフリーワードで質問を入力できるタイプと、選択肢型のようにユーザーにキーワードを選択してもらうタイプの2種類です。フリーワードタイプはユーザーの入力する単語から、これまで見えてなかったニーズの発見もできます。一方、選択肢型はユーザーが質問しやすいのがメリットです。

ELIZA型

ELIZA型のチャットボットは、ユーザーからのメッセージに対して相槌や「はい」「いいえ」などの簡単な返事をしたり、ユーザーの言葉を復唱しながら返事をするタイプです。1966年に登場したチャットボットの元祖である「ELIZA(イライザ)」を原型としています。

ELIZA型はチャットボットに人間らしい会話を可能にし、ユーザーと対話しやすくなるのが特徴です。

シナリオ型チャットボットとは?仕組みや導入事例・メリットを紹介

AI型(人工知能)チャットボット

AI型のチャットボットは、あらかじめ学習させた膨大なデータと運用の中で蓄積したデータから、ユーザーの質問に対する最適な回答を人工知能が判断し、返答するタイプです。運用を重ねるほど回答の精度が高まり、ユーザーとの自然な会話が可能になります。

問い合わせ内容が多種多様な場合や、高度な内容にも対応できるようにしたい場合に適したタイプです。ただし、シナリオ型よりも開発・導入にあたってコストや手間がかかる点がデメリットといえます。

AIチャットボットとは?シナリオ型チャットボットとの違いやおすすめサービスを紹介

チャットボットを導入するメリット

チャットボットを導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは、チャットボットを導入するメリットについて解説します。

業務コスト・負担の削減

チャットボットを活用することで、簡単な問い合わせには自動で対応できるようになります。よって、問い合わせに対応する従業員の人数を減らせるため、人件費を削減することが可能です。

また、問い合わせの対応件数が減ることで従業員が重要な業務に集中できるようになり、業務負担の軽減や残業時間の削減にもつながります。その結果、残業代などのコストカットもできるでしょう。

問い合わせサービスの向上

チャットボットを導入すると、24時間365日いつでも問い合わせに対応できるようになります。深夜や休日でもコストをかけずに対応可能なため、問い合わせサービスの質が向上します。

また、ユーザーが電話で問い合わせるのは気が引けるような小さな疑問点に対して、テキストで気軽に問い合わせられるようになる点もメリットです。ユーザーのタイミングですぐに欲しい情報を得られるため、顧客満足度の向上や顧客離れの防止が期待できます。

顧客データの収集・活用

多くのチャットボットは、ユーザーとの会話や検索履歴などのログを自動で記録します。収集したデータは、顧客ニーズの把握や商品・サービスの改善などに役立てることが可能です。また、マーケティング施策にも活用できるため、売上アップも期待できます。

さらに、チャットボットで集積したデータは従業員教育にも活用可能です。顧客から問い合わせの多い内容を把握しておくことで、従業員の製品知識や顧客対応能力を向上させられるでしょう。

チャットボットの分析方法について|分析すべきデータやポイントを解説

チャットボットを導入するデメリット

チャットボットの導入にはメリットがある一方で、デメリットもあります。

ここでは、チャットボットを導入するデメリットを解説します。

導入や運用に手間がかかる

チャットボットがユーザーからの問い合わせに正しく回答できるようにするには、想定される質問と答えをセットで登録しなければなりません。特に、AI型の場合、回答の精度を高めるには膨大な学習データが必要になる点に注意しましょう。

さらに、運用開始後も新たなFAQの追加やより使いやすくするためのメンテナンスが必要となるため、チャットボットの導入・運用にはさまざまな手間がかかります。

また、場合によっては思うような費用対効果が出ないこともあるので注意が必要です。例えば、チャットボットで対応できるような問い合わせ件数が少ない場合や、学習させられるFAQやデータが少ない場合などは、費用対効果が低くなる恐れがあります。

対応には限界がある

チャットボットは、登録されているFAQ以外の対応はできないため、このような場面では、有人での対応が必要になります。

また、複数の質問をまとめて問い合わせしたい場合など、有人で対応した方が効率的な状況もあるでしょう。効率的な運用をするためには、チャットボットでの無人対応と有人対応の使い分けが重要です。

チャットボットの導入費用とは?費用の内訳や相場・費用別にチャットボットを紹介

チャットボットの導入事例

実際にチャットボットを導入すると、どのような効果があるのでしょうか。

ここでは、チャットボットの導入事例を3つ紹介します。

アスクル株式会社

アスクル株式会社はBtoB・BtoC向けのeコマース事業を行っている会社です。チャットボット導入前は、個人向け通販サービス「LOHACO」に急増する問い合わせ対応が課題でした。

そこで、LOHACOでは2014年よりAI型チャットボット「マナミさん」を導入しました。これにより、24時間365日問い合わせ対応が可能となり、カスタマーサポート業務の効率化・省人化を実現したのです。現在では、チャットボットから有人チャット対応にシームレスに引き継ぐ仕組みも実現しています。

また、事業所向け通販サービス「ASKUL」「ソロアエルアリーナ」では、問い合わせチャットボットに「アオイくん」を導入しました。注文データとチャットボットを連携させることで、領収書発行・請求書再発行・注文キャンセル・配送状況確認・配送日変更などの問い合わせにおいて、顧客ごとの独自対応が可能になっています。

これらの取り組みの結果、アクスル株式会社は「2019CRMベストプラクティス賞」を受賞しています。

[参考:アクスル株式会社「お客様サービスデスクが「2019 CRMベストプラクティス賞」を受賞しました」]

株式会社テンダ

株式会社テンダは、ITソリューション・ビジネスプロダクトを提供するエンタープライズ事業やコンシューマー事業を行っている会社です。

複数のビジネスプロダクトを運営しており、製品・サービスの導入数増加によってヘルプデスクにおける問い合わせ対応の人手不足が問題となりました。そこで、人手を割かずにユーザーサポートサイト内で問い合わせ対応業務を行うことを目的とし、チャットボットを導入することにしたのです。

まず、約10時間の準備時間で、25件のFAQをミニマムスタートしました。その後、FAQを徐々に増やしながら運用を続け、導入後6ヶ月で問い合わせ全体の約2割をチャットボットが受け持つようになるまで成長しています。

[参考:さっとFAQ 導入事例「導入後半年で2割のお問い合わせを削減 株式会社テンダ様」]

宇津救命丸株式会社

医薬品や医薬部外品の製造・販売を行っている宇津救命丸株式会社では、従業員数も限られる中、毎月50件以上ある問い合わせ電話への対応の効率化が課題となっていました。そして2020年、新型コロナウイルスの感染拡大でテレワークや輪番出社を実施したことにより、新たな仕組みの導入が本格的に求められるようになったのです。

そこで、「メイちゃん」という自社のキャラクターのチャットボットをホームページに導入しました。導入の結果、電話の問い合わせは約2割減少し、有人による対応が必要となる重要な問い合わせに割けるリソースが増えたのです。

さらに、24時間365日対応が可能となり、これまで取りこぼしていたニーズにも対応可能となりました。また、相談室に関わっていなかった社員によるユーザーからの問い合わせへの関心が高まった点も、大きな効果としてあげられています。

[参考:さっとFAQ 導入事例「江戸時代から続く秘薬はチャットボットでさらなる飛躍へ 宇津救命丸株式会社様」]

チャットボットを選ぶポイント

チャットボットを選ぶ際は、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。

ここでは、チャットボットを選ぶポイントを3つ解説します。

導入目的を明確にする

チャットボットを導入する際は、導入目的を明確にすることが大切です。チャットボットの導入によって自社のどの課題を解決したいのか明らかにし、達成のために必要な機能を備えた製品を選びましょう。

例えば、想定される質問の数や内容に応じて、シナリオ型・AI型のどちらが適切かが変わります。また、業務効率化を目指すなら既存システムとの連携の可否もチェックしましょう。他にも、カスタマーサポート・社内問い合わせ対応など、使用シーンに応じて必要な機能を洗い出すことが重要です。

サポート内容を確認する

チャットボットサービスは、提供元によってサポート内容が異なります。導入時だけではなく、運用開始後も手厚いサポートを受けられるサービスであれば、スムーズに運用を進められます。

また、AI型のチャットボットを導入する際は、コンサルタントやアドバイスを受けられるサービスを選ぶと安心です。サポート内容を確認する際は、社外向けの問い合わせ対応ページや社内ヘルプデスクなどをチェックするとよいでしょう。

サービスの費用を比較する

チャットボットの導入・運用にはコストがかかります。製品によって利用料金は異なるため、初期費用や月額料金などを比較して費用対効果が高いサービスを選びましょう。

利用料金は、主にAI搭載の有無で大きく変化します。また、サポートが有償の場合や、オプションによって料金が高くなる場合もあるため注意が必要です。

【2024年最新】おすすめのチャットボット29選比較|無料ツールや比較ポイント

おすすめのチャットボットサービス

最後に、おすすめのチャットボットサービスを3つ紹介します。

チャットプラス

チャットプラスは、約5,000個もの豊富な機能を搭載しているチャットボットサービスです。さまざまな外部サービスとも連携可能で、既存のメール配信システムやSFA、CRMと連携して業務の効率化もできます。

AI会話機能を搭載しており、テキストでフリーワード入力された質問に対しても自動で回答可能です。さらに、豊富なオプションを活用すれば、完全無人での運用や有人対応への切り替えなどにもシームレスに対応できます。

また、Q&A予測表示機能など、オペレーター対応時に役立つ機能を搭載している点も特徴です。

提供元チャットプラス株式会社
初期費用無料
料金プラン

【年契約】

  • ミニマム:1,650円(税込)/月
  • ビジネスライト:10,780円(税込)/月
  • プレミアム:30,800円(税込)/月
  • AIライト:55,000円(税込)/月
  • オートAI:88,000円〜(税込)/月
  • AIチャットボット:16万5000円(税込)/月

【月契約】

  • ミニマム:2,178円(税込)/月
  • ビジネスライト:11,880円(税込)/月
  • プレミアム:33,000円(税込)/月
  • AIライト:59,400円(税込)/月
  • オートAI:96,800円〜(税込)/月
  • AIチャットボット:18万7000円(税込)/月
導入実績導入企業10,000社以上
機能・特徴約5,000個の豊富な機能数/AI会話機能/Q&A予測表示/レポート・データ分析/外部システム連携ほか
URL公式サイト

sinclo

sincloは、簡単で分かりやすいUIで直感的に操作できるチャットボットサービスです。チャットボットのサイトへの導入は、タグ1行を入力するだけですぐにできます。また、設置数は無制限なので、1契約で複数のサイトに設置可能です。

オートメッセージ機能を搭載しており、サイトを訪問したユーザーの「今」に合わせた対応ができます。さらに、完全無人での運用・有人対応も織り交ぜたハイブリッド運用など、さまざまな運用方法に対応可能です。

提供元株式会社エフ・コード
初期費用要問い合わせ
料金プラン
  • コスト重視プラン:9,440円~/月
  • 成果重視プラン:29,440円~/月
導入実績導入企業数800社以上
機能・特徴直感的に操作できるUI/オートメッセージ機能/1契約で設置数無制限で利用可能/外部サービス連携ほか
URL公式サイト

SupportChatbot

SupportChatbotは、社内の問い合わせ対応・カスタマーサポートなどに活用できるチャットボットサービスです。ログ型・フリーワード検索型の両方に対応でき、わかりやすいUIで簡単に操作できます。

ユーザーローカルが提供するSNS分析ツール「Social Insight」を活用した独自AIを搭載している点も特徴です。回答率を高め、自由入力での曖昧な質問にもしっかり対応できます。

提供元株式会社ユーザーローカル

初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
機能・特徴ログ型・フリーワード検索型の両方に対応可能/回答精度を高める独自AIを搭載/テンプレート/多言語対応/外部サービス連携ほか
URL公式サイト

チャットボットとは問いかけに合わせて返事をするプログラム

チャットボットは、問い合わせ対応業務を効率化できるプログラムです。さらに、顧客データを収集してマーケティング施策や商品・サービスの改善にも役立てることができます。

チャットボットにはシナリオ型・AI型といった種類があり、それぞれ運用にはメリット・デメリットがあります。チャットボットの特性を理解して、効率的に運用していきましょう。

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