チャットボットでできること・できないこと|事例や導入手順を解説

2024/02/02 2024/02/02

チャットボット

チャットボットでできること

「チャットボット」はさまざまな分野で導入されており、業務などの問題解決に役立っています。導入を検討するにあたって、何ができるのか知りたい方も多いのではないでしょうか。今回は、チャットボットでできること・できないことをそれぞれ紹介します。

チャットボットとは?

チャットボットとは、チャット(会話)とボット(ロボット)を組み合わせた言葉で、ユーザーからの問いかけに対し、自動で返答するプログラムのことです。

ウェブサイトを開いた際に、「何か質問はありませんか?」などと問いかけるチャット用の小窓が開いたことがあるでしょう。これもチャットボットの一種で、ユーザーは検索窓に直接入力する、提示された選択肢を選ぶといったアクションを行うことで返答を得ることができるのです。

利便性が高く、社内向け・社外向け両面で導入が進むチャットボットには、「シナリオ型」と「AI搭載型」の2種類があります。

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シナリオ型

シナリオ型チャットボットは、あらかじめ設定されたシナリオやルールに基づいてユーザーとの対話を行います。よくある質問への回答や予約手続きなど、誰に対しても同様の対応となるフローに適したタイプです。

このタイプのボットは、選択肢の提示とユーザーの回答によって求められている情報を導きます。探している情報に効率良くたどり着けるため、ユーザー満足度の向上も期待できるでしょう。

ただし、シナリオとして設定されていない回答はできない点に注意が必要です。

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AI搭載型

AI搭載型チャットボットは、人工知能と機械学習の技術を活用して、より高度な会話をすることができます。

あらかじめ学習させた内容やユーザーとの会話など、過去のデータをAIが解析することで、質問に対する最適な回答を出します。また、運用しながら学習を続けることでさらなるデータを収集し、対話能力が向上していく点も特徴です。

シナリオ型と比べ、より複雑な質問にも柔軟に対応することができますが、回答の精度を上げるために膨大なデータを学習させる必要があります。

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チャットボットでできること

ここでは、チャットボットでどのようなことができるのか、具体的に3つ紹介します。

社内外の問い合わせ対応の自動化

チャットボットを導入すれば、社内外からの問い合わせ対応の業務を効率化することができます。

たとえば、よくある質問にはチャットボットが即座に答え、複雑な問い合わせは専門スタッフによる有人対応に切り替えるといった運用も可能です。すべての問い合わせに一つひとつ対応せずに済むため、スタッフの負担が大幅に軽減されるでしょう。

また、チャットボットは24時間365日稼働のため、ECサイトなど、夜間や週末の閲覧が多いけれど、該当の時間帯や曜日に人員配置が難しいといった場合にも大きな効果を発揮します。

データの収集・分析

ユーザーの行動や傾向をリアルタイムで収集・分析するツールとしても、チャットボットは有用です。チャットボットによって得られた情報によってユーザーの好みやニーズをより詳しく把握できるため、サービス・商品の開発や品質向上のために役立てられるでしょう。

単なる問い合わせ窓口の役割だけでなく、チャットボットはユーザーからのフィードバックを得るツールでもあるのです。

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CVRの改善

CVR(コンバージョン率)は、そのウェブサイトが目標とする成果までたどり着いた訪問者の割合を示すものです。目標とする成果には、たとえば、サービスへの登録や資料請求、商品の購入、問い合わせなどがあります。ユーザーからこのようなアクションを引き出すためにも、チャットボットは大きな役割を果たします。

疑問を即座に解決し、適切な情報を提供すれば、ウェブサイトを訪れたユーザーを留まらせることができるでしょう。反対に、疑問が解決されず、よくわからないといった状態が続けば、ユーザーはしびれを切らして離脱してしまいます。

このように、ユーザー満足度を高め、CVR率を高めるためにも、各業界でチャットボットの導入が進んでいるのです。また、パーソナライズされたおすすめやプロモーションの提案によって、ユーザーの購買意欲をさらに高める効果も見込めるでしょう。

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チャットボットでできないこと

さまざまなことができるチャットボットですが、その性質上、対応できないこともいくつかあります。ここでは特に2つ紹介します。

クレームやトラブルへの対応

チャットボットは基本的な問い合わせには対応できますが、クレームや複雑なトラブルに関しては対応が難しいと考えてよいでしょう。これらの状況に対応するにはユーザーの感情や微妙なニュアンスを理解する必要があるため、プログラムによる定型的な対応は困難です。

重要なクレームや複雑なトラブルには、人間のスタッフが介入して対応する必要があるのです。

専門性の高い質問への回答

チャットボットは日々進化していますが、高度な専門知識を必要とする質問への回答は、求められているレベルに達していないのが現状です。

特定の業界や分野に特化した専門的な質問に回答するには深い理解や分析が必要なため、チャットボットが完璧な回答を導き出すことは難しいでしょう。複雑な問い合わせや詳細なアドバイスを求めるユーザーに対しては、専門知識を持つスタッフの対応が欠かせません。

チャットボットができないことへの解決策

チャットボットでは専門性の高い質問やクレームへの対応などはできないものの、この課題を解決するための方法は複数あります。ここでは3つの解決策を紹介します。

有人対応を活用する

チャットボット単体ではなく、人間のオペレーターを組み合わせる体制をとることで、サービスの質を高めることができます。基本的な問い合わせや情報提供はチャットボットが担い、複雑な問題や高度な専門知識を必要とする場合は、オペレーターに切り替えらえるようシステムを構築しましょう。

柔軟に対応できる体制を構築することで、チャットボットの効率性とオペレーターによる専門的で高品質な対応を兼ね備えることができます。

問い合わせデータを分析する

問い合わせデータを定期的に分析し、チャットボットの対応範囲の拡大や精度を高めることも解決策の1つです。

顧客からの問い合わせ内容やフィードバックは、チャットボットの改善点を見つけるための貴重な情報源です。データ分析を通じて未対応の質問やユーザーの新たなニーズを把握し、回答を更新したり、新しい対話シナリオを追加したりできるでしょう。チャットボットの対応力が向上すれば、顧客満足度の向上にもつながります。

回答・会話パターンを増やす

ユーザーとの対話をより自然で満足度の高いものにするためには、チャットボットの会話パターンを増やし、応答の多様性を高めることも重要です。

回答の内容を定期的に見直し、最新のトレンドやユーザーの意見を取り入れて更新するようにしましょう。また、異なる文脈やニュアンスを理解できるよう学習させることで、人間が対応しているようなスムーズさを持たせることができます。会話の流れがより自然になれば、ユーザーからの印象も良くなるでしょう。

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チャットボットを導入する手順

ここからは、チャットボットを導入するための手順について紹介していきます。

1.導入目的を明確にする

チャットボットを導入する前に、目的をはっきりさせておきましょう。顧客サポートを強化したい、または社内の業務を効率化したいなど、目的は具体的である必要があります。これによって、シナリオ型とAI搭載型のどちらを選択するかも変わるでしょう。

明確な目的を定めることは、導入後に効果測定を行い、チャットボットの機能や設計を最適化するためにも重要です。

2.設置場所を検討する

チャットボットをどこに設置するかは、導入の効果を大きく左右します。

社外向けであれば、顧客が訪れるウェブサイトやアプリに設置することで、気になったタイミングですぐに問い合わせ可能な環境を整えられます。一方、社内向けであれば、ポータルサイトや業務システムに設置することで、従業員の業務効率を向上させることも可能です。

設置場所を検討する際は、ユーザーの利便性と目的に照らし合わせ、チャットボットの機能が最大限活用される場所を選ぶことが重要です。

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3.導入ツールを選定する

チャットボットを有効活用するためには、目的に適したツールを選ぶことが欠かせません。

市場には多種多様なチャットボットツールがあり、それぞれ機能や特徴が異なります。シナリオ型の簡易なものから高度な対話が可能なAI搭載型のものまであるため、ニーズに合うものを選びましょう。

また、既存のシステムとの互換性や、将来の拡張性も考慮することが重要です。予算やサポート体制、管理担当者の技術レベルも検討事項となるでしょう。

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4.トライアルで運用する

チャットボットを導入後は、いきなり本格的な導入をするのではなく、まずはトライアル期間を設けるようにしましょう。

トライアル期間を通じて問題点や改善の余地を見つけ、必要に応じて設定やスクリプトを調整することで、チャットボットによるサービスの質を向上させることができます。トライアル運用は、チャットボットの導入効果を最大化するための重要なステップなのです。

5.本格的に導入する

トライアル期間のフィードバックや分析を基に、チャットボットを本格的に導入します。この段階では、チャットボットの回答精度やユーザーインタラクションが最適化されていることを確認し、問題があれば迅速に対応しましょう。

また、導入するだけでなく、ユーザーにチャットボットの存在と利用方法を知ってもらうことも重要です。本格導入後も、定期的なモニタリングとアップデートを行い、サービスの質を向上させ続けるようにしましょう。

チャットボット導入時の注意点

チャットボットを導入する際には、注意すべき点がいくつかあります。ここでは3つ紹介します。

導入が完了するまで時間がかかる

チャットボットの導入は、一晩で完了するようなものではありません。特に、チャットボットがユーザーのニーズに応じた回答を提供できるようになるまでには、事前の準備と設定、トライアル期間を通じた調整が必要です。

また、組織内での周知やスタッフのトレーニングといった運用面の準備も計画に含めるべきでしょう。トラブルを未然に防ぎ、チャットボットの効果を最大化するためには、焦らずに各ステップをクリアしていく必要があるのです。

効果が必ず得られるわけではない

チャットボットの導入は、一般的には多くのメリットをもたらしますが、どの程度の効果を得られるかはビジネスの性質や導入の方法によって異なります。

チャットボットは便利なツールですが、すべての課題を解決する万能なツールではありません。実際の効果を把握するには、定期的な評価と分析が必要です。

仮に想定していたような効果を得られていないとしても、ユーザーの反応やフィードバックの収集を続け、目指す形に近付くよう改善していきましょう。

対応できる範囲に限界がある

さまざまなタスクを自動化し、効率化を図ることができるチャットボットですが、対応可能な範囲には限界があります。特に、複雑な問い合わせや、高度な専門知識を必要とする質問には対応しきれません。

そこで、チャットボットにすべてを任せるのではなく、対応できない問い合わせはオペレーターが引き継ぐことを想定しておきましょう。チャットボットと人間それぞれの強みを組み合わせることで、全体としてのサービス品質を高めることができます。

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チャットボットの導入事例

ここでは、チャットボットを実際に導入した企業の事例について紹介していきます。

花キューピット株式会社

フラワーギフトの受注事業を行っている花キューピット株式会社は、カスタマーセンターを取り巻く環境変化への対応が課題でした。人材の採用の難航やコロナ禍によるロケーション確保の問題に加え、事業の性質から繁閑の差が激しく、母の日など特定のイベント前には対応しきれないほどの問い合わせが来るというオペレーション上の課題もあったのです。

そこでチャットボットを導入し、オペレーターの時給を基に算出すると500万円のコストメリットを得ることに成功しました。加えて、繁忙期に問い合わせがつながらず離脱を招くといった事態を回避できるようにもなりました。

顧客はチャットボットの提案から該当するものを選択し、知りたい情報に的を絞っていくことができます。適当な選択肢がない場合は直接入力で検索することも可能なため、ユーザーの利便性も高いと言えるでしょう。

参照元:株式会社サンソウシステムズ「お花を贈りたいという思いに寄り添ってお客様の手間をチャットボットで軽減

株式会社LIFULL

株式会社LIFULLは不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」を運営する企業です。住まいに対する理想や条件は千差万別のため、自分に合った住まいを提案してほしいという顧客のニーズを満たすため、「AI戦略室」を設けてAIの積極活用を模索してきました。

そして開発されたのがAI搭載型チャットボットの「AIホームズくんᴮᴱᵀᴬ」です。条件に合致する住まいを探す場合、これまでは不動産会社に直接相談するしかなかったところ、チャットボットの導入によってオンライン上での対応が可能になりました

これにより、遠方の住まいを探している場合や不動産会社に行く時間を取れない場合、外出が難しい事情がある場合など、さまざまなニーズに応えることに成功したのです。また、ニーズによってはオペレーターの対応に引き継がれるため、初めての住まい探しでも安心できます。現在はスマホでの閲覧のみですが、今後パソコンでの利用もできるよう開発を続けています。

参照元:株式会社LIFULL「AIホームズくんᴮᴱᵀᴬ提供開始

プレミアムウォーター株式会社

プレミアムウォーター株式会社は、ウォーターサーバーシェアで業界No.1を誇る企業です。専用カスタマーセンターを有する同社は設立時から自動化に力を入れており、2つあるチャネルのうち、電話では自動音声サービスとオペレーター対応を併用、ウェブサイトのほうでは問い合わせフォームやFAQのほか、マイページで各種手続きができるようにするなど、自動化率80%に達していました。

しかし、増える電話問い合わせにカスタマーセンターが手一杯になり、新たな電話を受け損ねることも増えてしまいました。そこで現状を分析し、自動化できる領域がまだ残っていることを発見したのです。

同社はオペレーターでなければ対応できないニーズに注力するため、チャットボットの導入を決定。ウェブサイトや公式アプリなど、それぞれに配置し、すべての質問の一時対応をチャットボットに統一したことで、入電率20%減に成功しました。

参照元:カラクリ株式会社「問い合わせ導線統一で入電数が20%減少

チャットボットの特徴を知って「できること」を活用しよう

チャットボットは日々進化し、ビジネスだけでなく、日常生活におけるコミュニケーションの形にも影響を与えています。

シンプルな問い合わせ対応からデータの収集・分析まで、多様なタスクを自動化し、時間と労力を節約できることがチャットボットの強みです。しかし、その能力には限界があることも理解しておく必要があります。

オペレーターと連携させるなど、チャットボットに最適の運用を行うことで顧客満足度を高め、業務効率を向上させましょう。

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ビズクロ編集部
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