EDIと電子契約の違い・共通点とは?特徴やメリット・使い分けのポイントについて

2024/05/11 2024/05/13

EDIツール

EDIと電子契約の違い

企業が紙でやり取りしていた書類を電子化する「EDI」や「電子契約」。どちらも契約に関する業務を効率化してくれますが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。本記事では、EDIと電子契約の違い・共通点について、双方の特徴や使い分けのポイントを詳しく解説します。

EDIの特徴とは

ビジネスにおけるEDI(Electronic Data Interchange)とは、企業間取引における文書や情報(発注書、納品書、請求書など)を電子データで交換するためのシステムです。

紙の文書を使用する従来の方法に比べて、EDIはデータの送受信を瞬時に行えるため、取引のスピードや精度が格段に向上します。また、一括電子処理によるコスト削減のほか、ペーパーレスにより環境保護にも貢献できる点が特徴です。

なお、EDIにはいくつか種類があり、個別EDI、標準EDI、業界VAN、Web-EDIといった区分けが存在します。以下に解説します。

個別EDI

個別EDIとは、取引先ごとに識別コードや通信方式を用意する、いわばカスタムメイドのEDIです。

取引先が求める通信要件を全て盛り込めるため、非常に柔軟性の高い通信を実現できます。一方で、取引先ごとに仕様を整える必要があるので、取引先が増加するほどにコストがかさむという欠点があります。

標準EDI

標準EDIとは、個別EDIのメリットを拡大することを目的とし、規約やフォーマット、データ形式、識別コードなどを第三者機関によって標準化したEDIです。

相手ごとに規格を準備するコストが省略化されるため、より多くの企業が低コストでEDIの恩恵を受けることが可能となります。

業界VAN

業界VANとは、特定の業界ごとに統一された標準EDIを指します。

例えば、自動車産業や医薬品産業など、業界特有の規格やコードが使われている業界で広く活用されています。互換性のある方法で情報交換をスムーズに行えるため、取引の効率化や受注ミスの減少に大きく貢献します。

Web-EDI

Web-EDI(またはインターネットEDI)とは、インターネットを通じてEDIを利用する手法です。

従来のEDIシステムが専用の通信インフラを必要としていたのに対し、Web-EDIは既存のインターネット上でも高いセキュリティで動作するため、導入コストが圧倒的に改善されます。また、導入企業は特別なEDIソフトウェアを購入する必要がなくなり、ウェブブラウザを通じてデータの送受信を行うことができます。これにより、特に中小企業にとって導入への敷居が緩和され、EDIの普及をより推進することに成功しました。

ただし、Web-EDIは標準化されていないため、より高いセキュリティを求めて独自のEDIを構築する企業や業界も存在します。

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電子契約の特徴とは

電子契約とは、従来は書面だった契約書をインターネットを介してデータとしてやり取りした場合でも、法力効力を発生させる枠組みです。

具体的には、契約書の電子データに押印の代わりとなる「電子署名」と、契印や割印の代わりに「タイムスタンプ」を使用することで、電子契約に法的証明力を付与しています。第三者機関である電子認証局が発行した電子署名とタイムスタンプによって、本人証明と日時証明がなされれば、書面の契約書と同じ法的効力が発生するためです。

これらのデジタルツールにより、契約締結のプロセスが大きく簡素化され、どこにいても安全かつ迅速に契約活動が行えるようになりました。

EDIと電子契約の違い・共通点とは?

EDIと電子契約は、どちらもビジネスを効率化する技術や手法を指す言葉であり、その境界線は必ずしも明確ではありません。

しかし、混同を避けるための指針がありますので、以下にEDIと電子契約の違い・共通点を解説します。

EDIと電子契約の違い

EDIと電子契約は、その目的と対象に大きな違いがあります。

EDIの目的は「企業間での取引プロセス全般を電子化すること」ですが、電子契約は「書面の契約処理を電子化すること」だけにフォーカスした概念とされています。EDIは企業間でのみ使用されるのに対し、電子契約は企業と個人間の契約であっても活用することができます。

EDIと電子契約の共通点

EDIと電子契約の共通点は「従来は紙ベースだった書類のやり取りを電子化し、効率を大幅に向上させること」にあります。

EDIの主眼は「大量かつ継続的な書類のやりとりの簡素化」であり、電子契約が目指すものは「電子データによる契約効果の法的整備」ですので、よく似た営みを別の角度から捉えた概念と言ってよいでしょう。

EDIのメリット

EDIの導入には多くのメリットがあり、取引の効率化だけでなく、コスト削減やエラーの減少にも大きく寄与します。具体的なメリットについて解説します。

受発注業務を効率化できる

EDIの導入により、受発注業務が大きく効率化されます。

伝票の作成や郵送などの処理は、多くのビジネスで恒久的に発生する取引です。EDIはそれらをまとめて電子処理できるため、手作業による処理時間がまるごと削減されるうえ、データの入力ミスなども大幅に削減されます。受発注のプロセスがスピーディになり、企業の生産性向上にも貢献するでしょう。

経費・人件費などの費用の削減ができる

EDIの導入は、経費や人件費の削減にも寄与します。

従来の紙ベースの文書管理では、用紙代や印刷コストが発生しましたが、EDIによる電子データ交換はこれらの費用をほぼゼロにすることができます。さらに、郵送での送受信に伴う遅延もなくなるため、迅速かつコスト効率の良い取引が実現するでしょう。また、書類の作成や郵送を行う人員の労力も削減でき、人的リソースをより生産的な業務に配置することが可能になります。

誤入力などの人的ミスを軽減できる

EDIの導入は、業務の正確性を格段に向上させる効果があります。

整備されたシステムを利用することで、手作業によるデータ入力が求められる機会が少なくなれば、自ずと誤入力や記載ミスなどのヒューマンエラーも激減するでしょう。また、EDIはデータを自動的に取引先システムに送信するため、データの一貫性と整合性が保たれ、誤った情報に基づく問題を未然に防ぐことができます。これにより、企業は低コストで信頼性の高い取引を維持することが可能となり、結果的に競争力の底上げにもつながります。

品切れ・余剰在庫の発生を防げる

EDIの導入は、在庫管理における課題を大幅に軽減します。

EDIを活用することで、発注側と受注側の在庫情報がリアルタイムで共有されるため、双方の在庫状況を正確に把握できます。これにより、必要な時に正確な数量を発注することが可能となり、品切れのリスクを限りなく低く抑えることができます。また、適切な在庫量の維持が可能となるため、不要な在庫が積み上がることを防ぎ、在庫コストの削減にもつながります。EDIは供給チェーン全体の効率化を促進し、よりスムーズで効率の良い運営を実現するための重要なツールとなっています。

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電子契約のメリット

電子契約がもたらすメリットは多岐にわたり、企業の効率性やセキュリティを向上させてくれます。以下に、具体的な利点を詳しく解説していきます。

紙代・印紙税を削減できる

電子契約の導入は、従来の書面契約にかかっていたコストを大きく削減してくれます。

印刷代、郵送費はもちろん、電子契約には物理的な印紙を必要としないため、これに関連する税負担も削減されるのが大きなメリットです。さらには、ペーパーレスによる環境負荷への軽減効果も見込めるため、CSRとしての役割を担うことも可能です。

契約に関連する業務を効率化できる

電子契約は、契約に関連する多くの雑務を省略できます。

従来の紙ベースの契約プロセスでは、契約書の印刷、郵送、そして長期間の保管が必要不可欠でしたが、電子契約を利用すればこれらの手間が削減されます。電子契約では契約書の生成、署名、送信がすべてデジタル環境で完結し、物理的な書類の取り扱いが不要となるためです。

また、類似の契約書を複製することで、更新時には変更点のみを簡単にアップデートできます。デジタル化された契約書は検索しやすく、場所を取らずに安全に保管できるため、管理の手間も大幅に軽減されるでしょう。

合意から契約締結までの時間を短縮できる

電子契約の導入は、合意から契約締結までの時間を大幅に短縮する効果もあります。

契約関連の文書をインターネット上で即座に確認し、双方がその場で署名することが可能になります。このプロセスは、地理的な障壁をほぼ解消してしまうため、海外のパートナーやクライアントとの契約には、もはや電子契約は必要不可欠と言ってよいでしょう。

コンプライアンスを強化できる

電子契約は、コンプライアンスの強化にも大きく寄与します。契約プロセスに関わった全ての人物や行動を、デジタルログとして詳細に記録することができるためです。

電子署名とタイムスタンプの使用は、ドキュメントの改ざんリスクを劇的に低減します。また、誰がいつどのような操作を行ったかが明確になるため、不正が介入する余地を大幅に減らすことが可能となり、契約文書が正当に生成されたことを強く担保してくれます。このように、電子契約は法的要件の遵守をより確実にし、企業のコンプライアンス強化にも活躍します。

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EDIと電子契約の使い分け

原則として、EDIは継続的な取引に、そして電子契約は単発取引への活用が推奨されています。

EDIは、特定の業界内で迅速なデータ交換を必要とする企業間取引に最適です。一方、電子契約は、業界や取引相手を問わず幅広く使用できるため、さまざまなシーンでの契約締結に有効です。

EDIが適用できない状況には電子契約を併用することで、取引の柔軟性を保ちつつ、プロセスの効率化を図ることが可能となります。この二つのシステムを適切に使い分けることは、現代のビジネス環境において大きなアドバンテージとなるでしょう。

EDIと電子契約を導入する際は併用も視野に入れよう

EDIと電子契約は、それぞれの特徴を理解したうえで、上手に使い分けることが肝心です。

EDIは特定の業界間での迅速なデータ交換に適しており、効率化やコスト削減に寄与します。そして、電子契約は契約プロセスのデジタル化を促進し、あらゆる取引に柔軟に取り入れることが可能です。どちらも現代のビジネスにおいて重要な役割を担っているため、これらのシステムを深く理解し、ビジネスの効率化とコンプライアンスの強化につなげましょう。

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