Web-EDIとは?EDIとの違いや特徴、メリット・デメリットを解説

2024/05/14 2024/05/14

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WebEDI

インターネット回線を利用して企業間の商取引データをやり取りする「Web-EDI」。従来のEDIの課題をカバーできる多くのメリットが注目されています。本記事では、Web-EDIと通常のEDIとの違いや、導入のメリット・デメリットを詳しく解説します。

Web-EDIとは?

EDIとは、企業間の注文書や請求書などの書類を、電子データでやり取りするための仕組みです。そして、Web-EDIとはこの仕組みをインターネット上で完結させるための技術を指します。

旧来のEDIは、全ての通信を専用回線(その企業が独自に契約したISDNなど)を通して行っていました。なぜなら、当時はインターネットが未発達だったうえ、セキュリティリスクの少ない専用回線が重宝されたためです。また、紙ベースで情報を処理をしていた時代には、システムを通じて手軽にアクセスできる点も、多くの企業にとっての大きなメリットとして重宝されてきました。

この流れを受け、近年普及が進むWeb-EDIでは、これらの処理をインターネットを介して完結させています。なお、Web-EDIは大きく「ブラウザ型」と「ファイル転送型」の2種類に分けられます。以下に解説します。

ブラウザ型

ブラウザ型Web-EDIは「伝票表示型」と呼ばれ、注文書や請求書などの書面をそのままデジタル形式で再現し、Webブラウザ上で直接閲覧できるようにしたものです。

ユーザーは特別なソフトウェアをインストールする必要なく、インターネットがあればどこからでもアクセスできることに加え、紙の伝票に慣れている従業員でも違和感なく利用を始められることが強みです。

ファイル転送型

ファイル転送型Web-EDIでは、注文書や請求書などの文書のインターフェースをさほど考慮せずに、そのままファイルとしてサーバー上でやりとりする方式です。

この方式は、双方がサーバーを介して直接ファイルを交換するため、大量のデータや複雑なフォーマットの文書でも、効率的に送受信することが可能です。特に大規模な取引においては、文書の整合性やセキュリティを保ちつつ、スムーズに業務を遂行するために有効な方法とされています。

Web-EDIと従来EDIの違いとは?

Web-EDIと従来のEDIの違いは、通信経路にあります。従来のEDIはISDNや専用回線などを使用するのに対し、Web-EDIはインターネット回線を利用してデータのやり取りを行います。

つまり、Web-EDIはISDNや専用回線を用意する必要がないため、より手軽に導入できるうえにコストを抑えることが可能です。この進化により、導入コストが課題であった中小企業において、Web-EDIが導入されるケースが増えています。

Web-EDIが注目されている理由

昨今Web-EDIが注目されている理由は、従来のEDIがいわゆる2024年問題(NTTによるISDN回線サービスの提供が終了する)によって継続が困難になったためです。

従来のEDIシステムを利用していた企業は、より安定した通信手段に移行する必要に迫られた結果、汎用性の高いWeb-EDIの採用が加速しました。また、近年のインターネットは通信速度が大幅に向上しており、速度の遅いISDNからの脱却を望む潜在ニーズを後押ししたことも背景の一つと言えます。

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Web-EDIの特徴

Web-EDIには、多くの魅力的な特徴があります。以下に深掘りしていきます。

インターネット回線を利用している

Web-EDIの大きな特徴の一つは、高速なインターネット回線を使用している点です。

つまり、いつでもどこでもデータを手軽に送受信することが可能です。旧来のEDIは専用回線が主流だったので、オフィスにある特定の端末からしかアクセスできないケースが多かったようです。さらに、通信速度も現在のインターネット回線には及ばないケースが大半でした。Web-EDIでは、これらの課題はほぼ解決されています。

クラウドベースのためソフトのインストールがいらない

Web-EDIはクラウドベースで提供されるシステムなので、ユーザーは特別なソフトウェアを自身の端末にインストールする必要がありません。

インターネットに接続できる環境があれば、ブラウザから直接アクセスしてすぐに使用できるため、導入の手間が大幅に削減されます。さらに、クラウドサービスはシステムの更新や保守がプロバイダ側で行われるため、ユーザーは常に最新の機能を利用できるうえ、セキュリティ面もより強化されています。

Web-EDI導入のメリット

以下に、Web-EDIを導入するメリットについて紹介していきます。

画像・漢字のデータも送受信できる

Web-EDIでは、従来のEDIでは難しかった画像や漢字などの、複雑なデータの送受信が可能になりました。

この機能は、詳細な画像や特殊文字を含むファイルを扱う際に役立ちます。情報の正確性が向上し、誤解を防ぐことができるようになれば、外国などの異なる文化圏との取引においても、スムーズなやり取りが期待できるでしょう。

企業間取引に必要な文書のペーパーレス化が実現できる

Web-EDIを利用することで、企業間の取引において必要な文書を完全にデジタル化し、ペーパーレス化を実現できます。

紙の文書を印刷、管理、保管するためのコストが削減されるだけでなく、印紙税や郵送費用すらも不要になります。さらには、文書の保管場所も必要なくなるため、業務の大幅なスリム化が見込めます。

通信速度がアップするため取引データのやり取りがスムーズになる

Web-EDIはインターネット回線を利用していますので、専用回線と比べ通信速度が格段に向上します。

高速な通信は取引プロセスの効率化を実現し、さまざまなコストの節約に大きく貢献します。データの更新もリアルタイムで反映されるため、誤解などのヒューマンエラーの減少も期待できるでしょう。

システムの導入・運用の手間・費用を抑えられる

Web-EDIの導入には、特別なハードウェアやソフトウェアが一切不要です。インターネット環境さえあれば、どんな端末からでもアクセスできます。

従来のEDIにあった導入や運用にかかる手間と費用を、大幅に削減できるのは大きな強みです。とりわけ、導入費用を抑えたい中小企業にとっては、大きな負担なく始められるWeb-EDIは魅力的な選択肢となるでしょう。さらに、試験運用や本格運用への移行も容易であるため、ビジネスの効率化を速やかに実現してくれます。

モバイル端末でも利用できる

Web-EDIの利点の一つは、モバイル端末からでも操作可能であることです。

スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末しか手元にない状態でも、オフィスにいるときと同様の業務を行うことができます。外出中でも取引情報の確認やデータの送受信が行えるため、ビジネスの機動性が大幅に向上します。この柔軟性は、特に時間に制約のあるビジネス環境や、リモートワークが増える現代において大きな強みとなるでしょう。

Web-EDI導入のデメリット

様々なメリットがあるWeb-EDIですが、一定のデメリットも存在します。

以下に詳しく解説します。

標準化されていないため取引先とシステムの仕様確認が必要

Web-EDIは便利ですが、完全に標準化された手法ではないことに注意が必要です。取引先ごとに仕様が異なるケースも多く、取引開始時には都度プロトコルの確認が求められます。

発注側と受注側の両方がWeb-EDIを導入している場合でも、互いのシステムが互換性を持つかどうかをよく確認し合う必要があります。このプロセスは時に時間と労力を要し、スムーズな取引開始の妨げとなることもあるでしょう。もし、互いに通信できるプロトコルを共有していない場合には、新たな通信方法を導入する必要があります。

既存システムと連携できない場合がある

Web-EDIを導入する際、古いEDIシステムとの連携がスムーズに進まない場合があります。

古いシステムや特定の仕様に基づいて設計されたシステムでは、Web-EDIとの間で互換性を担保することができず、データを手作業で移行する必要が生じることがあります。この手作業によるデータ移行は、誤入力のリスクを増大させるため、業務をスムーズにするためにあるEDIの本旨に逆行することも少なくありません。

セキュリティリスクがある

Web-EDIはインターネット回線を利用しているため、一定のセキュリティリスクを伴います。

セキュリティリスクには、外部からの不正アクセスやデータの漏洩など、様々な脅威が考えられます。このため、データの暗号化などのセキュリティ対策の強化が不可欠です。もちろん、ベンダーがセキュリティの品質を巡って激しい競争をしているため、それなりの安全性は自然と保たれるでしょう。

しかし、外部漏洩のリスクが限りなく少ない旧来のEDIと比べれば、ある程度のセキュリティリスクを考慮しておく必要があります。場合によっては、企業独自の暗号化処理などを組み込むことも検討するとよいでしょう。

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Web-EDI選定のポイント

Web-EDIを導入する際には、選定するシステムの特徴を正確に理解することが重要です。

以下に解説します。

複数の通信プロトコルをサポートしているか確認する

Web-EDIシステムを選定する際には、より多くの取引先との互換性を保証するため、複数の通信プロトコルをサポートしているかを確認することが重要です。

Web-EDIは標準化された手法ではないため、取引先ごとに必要とされるプロトコルが異なることがあります。つまり、システムが多様なプロトコルに対応しているほど、より広範囲の企業とのスムーズなデータ交換が可能になります。なお、主な通信プロトコルは以下の通りです。

  • AS2
  • FTP/SFTP
  • HTTP/HTTPS
  • ebXML MS

これらを幅広くサポートするシステムを選ぶことにより、Web-EDIをより柔軟に、かつ広範囲にわたって利用できるようになります。

搭載されている機能を確認する

Web-EDIシステムを選ぶ際には、搭載された機能を深く理解することが必要不可欠です。

例えば、自動化機能、リアルタイムでのデータ更新、モバイル対応、複数言語のサポートなど、特定の要件を満たす機能が組み込まれているかを、導入前によくチェックしておきましょう。これらの機能は業務の流れをスムーズにし、時間やコストの削減に直結するためです。とはいえ、実際に扱ってみるまで効果的な運用方法はわからないものですので、無料体験期間などを上手に活用するとよいでしょう。

同業界での導入実績を確認する

Web-EDIシステムの選定時には、同業界での導入実績を確認することが重要です。

システムが特定の業界の要求や課題にどのように応えているか、また実際にどの程度の効果があったかを明確にするには、実際の導入例を見るのが一番です。また、業界特有のニーズに対応できるシステムを選ぶことは、後々の運用コストの面で大きな差となることも少なくありません。導入前の検討には、同業界の事例を最優先にチェックすることをお勧めします。

サポート体制・セキュリティ対策を確認する

Web-EDIシステムを選ぶ際には、ベンダーが提供するサポート体制とセキュリティ対策も大切な要素です。

適切なサポート体制は、システム導入後の運用やトラブル発生時に迅速な対応を可能にし、業務の中断を最小限に抑えてくれます。また、クラウド型Web-EDIシステムを選択した場合には、トラブル時の対応は全てがベンダー任せとなります。セキュリティ対策に強いシステムを選ぶことは、データの保護とプライバシーの確保に直結し、ひいては企業活動の信頼性を高めるための土台となるでしょう。

無料トライアルの有無を確認する

Web-EDIシステムの選定において、無料トライアルの有無も大変重要です。

無料トライアルを利用することで、事前にシステムの機能や操作感、さらにはベンダーのサポート体制を実際に体験することができます。机上の想定では出てこない必要要件も多いため、実際にシステムを扱う機会はなるべく活用しましょう。導入後に予期せぬ問題に直面するリスクを減らし、自社の業務に本当に適したシステムかどうかを慎重に評価することが可能になります。

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Web-EDIを導入し企業間取引を効率化しよう

Web-EDIは企業間の取引を大幅に効率化するツールです。Web-EDIを利用することで、文書のペーパーレス化、通信速度の向上、取引データの迅速な交換が可能となり、業務のスピードと正確性が向上します。また、インターネットを通じてどこからでもアクセスできる柔軟性は、リモートワークが増える現代において特に効果を発揮するでしょう。

ただし、導入にあたってはセキュリティ対策やシステムの選定ポイントを慎重に考慮する必要があります。適切なWeb-EDIシステムを選び、効率的なビジネス環境を整えましょう。

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