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中小企業共通EDIとは?特徴や普及率・導入するメリットについて解説

2024/06/26 2024/06/27

EDIツール

中小企業共通EDI

中小企業のアナログな受発注業務を改善するため、政府が導入を推進している「中小企業共通EDI」。簡単・便利・低コストでIT化を実現できることから普及が進んでいます。本記事では、中小企業共通EDIの強みとなる特徴や、導入するメリットを詳しく解説します。

中小企業のEDIの普及率

2022年度版中小企業白書によると、東京商工リサーチの「令和3年度取引条件改善状況調査」において、調査対象企業の約5割が電子受発注に対応済みという回答が出ています。しかしながら、半数以上の企業では、EDIの対応を検討中、あるいは対応予定がない状態にあります。

中小企業共通EDIとは、こうした企業をターゲットとした、導入ハードルの低いEDIシステムを指します。

[出典:中小企業庁「2022年版 中小企業白書」]

中小企業共通EDIとは?

中小企業共通EDIとは、IT化が遅れている中小企業のために開発されたEDIシステムです。平成28年度中小企業庁事業「次世代企業間データ連携調査事業」を受けて策定されました。

中小企業共通EDIは、中小企業取引に最適化・標準化された、「簡単・便利・低コストに受発注業務のIT化を実現できる」仕組みと表現されています。電話やFAX、紙ベースの発注書に頼っている企業がこのシステムを導入すれば、日々の業務が大幅に効率化されるでしょう。

[出典:中小企業庁「中小企業共通EDI」]

中小企業共通EDIが作られた背景

中小企業共通EDIが作られた背景は、中小企業におけるビジネス電子化の遅れに対応するためです。

中小企業庁は平成28年度に「経営力向上・IT基盤整備支援事業」を実施し、企業間のビジネスデータ連携基盤に関する実証事業を行ったところ、業務時間の削減などの効果が確認されました。この結果を受けて、より多くの中小企業がスムーズに電子化を進められるように、中小企業共通EDIが策定されています。

以下の表は、発注企業、受注企業ごとの「業務時間の削減率」についての実証事業の結果です。

モデルプロジェクト通称発注企業受注企業
北海道モデル72.7%33.0%
豊田・静岡モデル46.7%76.7%
ERPモデル28.8%70.5%
岐阜モデル84.6%41.6%
全体平均58.2%55.4%

EDIを活用すれば、全体平均として従来の5割強の業務時間を削減できることが読み取れます。

[出典:中小企業庁「中小企業共通EDI」]

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中小企業共通EDIの特徴

中小企業共通EDIの特徴について、以下に詳しく解説します。

中小企業に最適化された「共通EDI標準フォーマット」

中小企業共通EDIは、EDIの国際標準である国連CEFACT(貿易円滑化と電子ビジネスのための国連センター)に準拠しています。

つまり、中小企業共通EDIを導入すれば、世界中のさまざまな企業とのデータ交換が可能になります。このように国際的に統一された規格は、中小企業におけるEDI導入のコストパフォーマンスを、飛躍的に高めてくれるでしょう。

クラウドで提供される「中小企業共通EDIプロバイダー」

中小企業共通EDIは「中小企業共通EDIプロバイダー」というクラウドサービスのもとで稼働するため、企業は専用のサーバやアプリケーションを用意しなくてもEDIを活用できます。

また、クラウドサービスの強みとして、時間や場所に縛られずに業務を行うことも可能としれくれるでしょう。大企業と同じ技術を低コストで実現できるため、中小企業にとってはビジネスの柔軟性を高める大きなチャンスです。

相互連携可能な「中小企業共通EDI対応アプリケーション」

中小企業共通EDIには「中小企業共通EDI対応アプリケーション」というソフトウェアが準備されており、導入すれば中小企業がすぐにサービスを利用開始できるように配慮されています。

このソフトウェアを使えば、ITの専門家がいない中小企業であっても、無理なく短期間でEDIを導入できるようになるでしょう。

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中小企業共通EDIの導入メリット

中小企業共通EDIを導入することによるメリットを、以下に解説します。

中小企業の受発注業務を効率化できる

中小企業共通EDIの導入により、契約書や発注書などの書類のやりとりを電子化すれば、業務を圧倒的に効率化できるでしょう。

一般のEDIでも同様の効果がありますが、中小企業共通EDIはより導入コストがかからないように整備されたフォーマットです。ZEDI(全銀EDIシステム)などとの連携も併用すれば、さらに業務負担を削減することが可能となります。

人的ミスを削減できる

中小企業共通EDIを導入すれば、書類のやり取りの大部分が電子化されるため、入力ミスなどのヒューマンエラーが激減します。

中小企業では、限られたリソースで業務を進めることが求められるため、EDIによるミスの減少は特に大きなメリットになるはずです。また、EDIによる電子データの自動交換は、書類の紛失といった問題を予防するため、取引先からの信頼性を高める効果も期待できます。

異なる業界・業種の企業ともやり取りできる

中小企業共通EDIは、業界や業種の違いを超えて、スムーズにデータ交換を行うことを可能にします。

国際機関により標準化された規格であるため、世界中のさまざまな業界とスムーズに新規取引を開始することができるでしょう。中小企業にとっては、少ないリソースで新たなビジネスチャンスを広げる道を開けるほか、取引の効率化と正確性の向上にも貢献するはずです。

インボイス制度に対応できる

中小企業共通EDIには、インボイス制度へ対応する項目が組み込まれており、正確でタイムリーな請求書の発行が可能です。

税務関連のコンプライアンスも効率的に管理できるため、法令改正によって業務負担が増すことを心配する必要はありません。

多画面現象を解決できる

中小企業共通EDIに対応したアプリケーションと共通EDIプロバイダーを導入すれば、企業は「多画面現象」を解決できます。

多画面現象とは「端末は1つでも、画面のレイアウトや画面遷移などは取引先ごとに別々なため、実際の運用には大きな手間がかかること」と表現される課題です。しかし、中小企業共通EDIならば一元的なインターフェースで複数の取引先とのデータ交換を行うため、この課題に悩むことはありません。

【2024年最新】EDIツール17選比較|種類や選び方・メリットを解説

中小企業共通EDIを導入し受発注業務を効率化しよう

中小企業共通EDIの導入は、業務を効率化するための多くのメリットをもたらします。

受発注業務の効率化、人的ミスの削減、異業種間の円滑なデータ交換、インボイス制度への対応、多画面現象の解消などが達成されれば、中小企業はよりスムーズにし、ビジネスを成長させることができるでしょう。中小企業共通EDIの概要を理解し、導入検討に役立ててください。

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ビズクロ編集部
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