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金融EDIとは?ZEDIとの関係やメリット・導入方法をわかりやすく解説

2024/05/07 2024/05/08

EDIツール

金融EDIとは

商取引情報を電子データでやりとりできる「金融EDI」。商取引では回収金額と入金額に相違がないかなどを正確に確認する必要がありますが、金融EDIを導入することで、経理業務の効率化を図ることができます。当記事では、金融EDIのメリットや、混同されがちな「ZEDI」との関係について解説します。

金融EDIとは?

金融EDIの「EDI」とは「Electronic Data Interchange」の頭文字で、受発注や請求などの商取引に関する情報を振込等に添付し、交換・共有するための仕組みです。日本語では「電子データ交換」と訳され、EDIを金融の分野で活用したシステムを指しています。

金融EDIを利用すれば、受発注データや請求書、納品書などの情報を紙ベースではなく電子データとして交換できるようになり、取引データと共に振込みの決済データを送受信できます。請求書のやり取りや入金に対する消込処理の手間を、大幅に削減できることが特徴です。

金融EDIとZEDIの関係

「金融EDI」と「ZEDI(Zengin-EDIシステム)」は混同されがちな概念ですが、金融EDIは金融機関間での情報交換を電子化するシステム全体を指す概念であり、ZEDIは全国銀行協会がそれを実装したシステムのことを指しています。

別の言葉で言い換えると「ビジネスメディア」という広い概念と、それを具現化した当サイト「ビズクロ」との関係が、「金融EDI」と「ZEDI」の関係に当てはまるでしょう。やや紛らわしい概念ですので、誤解しないように注意してください。

金融EDIの利用状況

全国銀行協会の報告によると、2021年2月時点で、のべ1,054もの金融機関がZEDIに接続を果たしており、金融機関におけるZEDIのサービス提供体制の整備はほぼ完了しています。

一方で、企業による利用件数は横ばいを示しています。主な原因としては、企業が日常的に使用している会計システムやERPシステムがZEDIに対応していないことが挙げられています。金融EDIの土台は整いつつあるものの、現場レベルの実装が進んでいないというのが現状です。

[出典:一般社団法人全国銀行協会「決済高度化に関する取組み状況」]

金融EDIを導入するメリット

企業が金融EDIを導入することで、さまざまな業務効率化が期待できます。以下に具体例を解説していきます。

煩雑になりやすい消込業務を効率化できる

請求書と入金データを紐付けて確認する「消込作業」は、定例作業である上に非常に手間がかかります。しかし、金融EDIを利用すれば、振込データと取引情報が電子的に連動しているため、この消込業務を自動化できるようになります。

つまり、従来は別々のデータを一つ一つ照合していた作業が不要になるため、大幅な業務効率化を実現できるのです。取引先や入金件数の多い大企業ほど、効果はより大きくなるでしょう。

取引に関する問い合わせにスピーディに対応できる

金融EDIを利用することで、振込データと取引情報が一元的に紐づけられ、取引に関する問い合わせへの対応が迅速に行えます。

迅速な問い合わせ対応は顧客満足度を高めるため、取引先からの信頼を得るためにも役立つはずです。また、こうした構造的な恩恵は、早期に導入するほどに多くのメリットを得られることも見逃せません。

金融EDIの導入方法

金融EDIを導入する際には、まずは自社のシステムとの互換性や、導入による経済的なメリットを評価することが重要です。以下に、具体的なステップを見ていきましょう。

金融EDIを導入すべきか社内で検討する

金融EDIを導入するメリットは大きいものの、まずは既存の会計システムやERPなどがEDIに対応しているかどうかを確認する必要があります。

EDI対応のためのシステム改修費用がかさむ場合もあり得るため、導入による費用対効果を詳細に分析し、期待されるメリットが投資効果と見合うかどうかを検討しましょう。

ただし、ZEDIはそもそも産業界からの要請で構築された仕組みであり、現在も金融界・産業界・関係省庁が連携して周知活動を続けているシステムです。長期的な展望も考慮した上で、コストパフォーマンスを評価することが求められるでしょう。

取引先とどのような情報をやり取りするか相談する

金融EDIでは、受発注データや請求書、納品書といった商取引情報と併せて、振込決済データのやり取りが同時に行われます。事前に取引先と打ち合わせを行い、どの程度の情報をEDIで交換するのが適切か、必要なデータの種類やフォーマットを入念に相談することが大切です。

可能な限りシンプルな構造とし、取引先ごとにカスタマイズする手間を省けるフォーマットを用意できると望ましいでしょう。

FBまたはIBの利用を開始し取引金融機関のEBを導入する

ATMや銀行窓口を通じて代金を決済している場合には、効率的な業務フローを実現するために一括ファイル伝送(FB)またはインターネットバンキング(IB)の利用を検討しましょう。振込や口座照会などがスムーズに行えるようになり、さらなる手間の削減に繋がります。

なお、そもそもEDIの構想は、出来る限り多くの処理を電子上で完結させることを目指しています。会計ソフトとの連携方法なども事前に確認しておくと、よりスムーズに導入が進むでしょう。

取引先へ連絡する

金融EDIを導入する環境が整い次第、取引先に対して新たな支払い・振込方法に変更する旨を伝えましょう。

支払サイクルの変更時期や、EDIで送受信するデータ項目などを丁寧に取り決めることで、双方にストレスのないスムーズな移行が実現します。取引先によっては、事前に金融EDIする旨を予告するなどの対応も必要となります。

【2024年最新】EDIツール17選比較|種類や選び方・メリットを解説

金融EDIの概要を理解し経理業務を効率化しよう

金融EDIは、企業と金融機関間の電子データ交換を実現するシステムです。受発注データなどの取引情報と併せて、振込決済データもまとめて送受信することで、従来の紙ベースの手続きを一挙に効率化し、経理業務の大幅な合理化を図ることができます。

金融EDIは業務フローを抜本的に改善し、経営資源の有効活用にもつながります。長期的な費用対効果をよく検討し、取引先とも相談しながらスムーズな導入を目指しましょう。

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ビズクロ編集部
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