ERPをAWSで構築できる?手順やメリット・代表的なサービスを紹介

最終更新日時:2023/11/02

ERP(基幹システム)

ERPとAWS

基幹業務を統合し一元管理する、ERPシステム。長らくオンプレミス型が主流となっていたERPですが、昨今はAWSを用いたクラウド上での運用が注目がされています。本記事では、ERPをAWSで構築する手順やメリット、構築する際の注意点を詳しく解説します。

AWSとは?

Amazon Web Services(AWS)は、2006年にAmazonが提供を開始したクラウドサービスのプラットフォームです。

AWSでは、多機能な仮想サーバー、ストレージ、データベースなどのさまざまなサービスが提供され、必要なときに必要なだけ利用できる点が魅力です。

また、AWSのセキュリティ機能を利用することで、データの安全性も確保されることから、日本国内におけるビジネスシーンでも、コスト削減や業務効率化のためにAWSを活用する企業が増えています。

ERPをAWSで構築するメリット

AWS上でERPシステムを構築すると、コスト効率やスケーラビリティ、安全性の面で数々の利点が生まれます。

ここからは、ERPをAWSで構築するメリットを4つ紹介します。

導入〜運用の費用を削減できる

AWSはサーバー設置の必要がないため、設備の購入や維持に関わるコストは基本的に発生しません。また、AWSはペイアズユーゴー方式を採用しており、料金は利用した分だけを支払います。

そのため、余分に料金を支払って過剰なリソースを確保する必要がなく、初期費用やランニングコストを大幅に削減することが可能です。さらに、AWSの自動スケーリング機能を使用すれば、繁忙期や閑散期など事業の状況に合わせたリソースの調整ができ、運用コストも最適化されます。

柔軟にカスタマイズできる

従来のオンプレミス型ERPでは、物理的な制約や固定されたリソースにより、カスタマイズの範囲が限定されることが多い傾向にありました。しかし、AWSのクラウド環境では、制約が大幅に軽減されることが魅力です。

柔軟性の高さによって、使用するリソースやサービスの選定、各種APIの利用など、企業のニーズや要件に応じてERPシステムを最適化することが容易になります。特に、ビジネスの変化や市場の動向に迅速に対応する必要がある現代において、カスタマイズの柔軟性は競争力を高める要因となります。

常に最新の技術を取り入れられる

AWSは、技術の進化とともに絶えずサービス内容を更新・拡張しています。そのため、AWS上でERPシステムを運用する企業は、最新の技術やサービスを容易に取り入れられます。

たとえば、AIや機械学習、IoTなどの先進技術は、導入するには高額な費用や技術的なハードルが課題となりがちです。しかし、AWSであれば最新の技術を低コストで導入し、即座にビジネスに活用することも可能です。

高度なセキュリティ環境が確保できる

AWSでは、データセンターの24時間監視、暗号化技術を活用したデータの保護、侵入検知システムなど、幅広いセキュリティ対策が施されています。

また、複数の認証手段やアクセス制御機能を活用することで、不正アクセスの防止も可能です。特に、ERPシステムは企業の業績や戦略、顧客データなど極めて重要な情報を保持しているため、セキュリティ対策は非常に重要です。

サービス側で常に最新のセキュリティシステムを導入するため、手間なくセキュアな環境を構築できます。

ERPとは?意味や基幹システムとの違いを簡単にわかりやすく解説

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AWSの代表的なサービス

ここからは、AWSの代表的なサービスを3つ紹介します。​​

Amazon EC2

Amazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)は、AWSが提供する仮想サーバーのサービスです。サーバーの増減は柔軟に対応でき、基本的に「使った分だけ」の料金システムになっています。そのため、余分な料金を支払うことなく、運用コストの最適化が可能です。

提供元アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン■無料利用枠:無料

■モデル購入

  • オンデマンド:要問い合わせ
  • Savings Plans:要問い合わせ
  • Amazon EC2 スポットインスタンス:要問い合わせ

■専用またはリザーブドキャパシティ

  • Dedicated Hosts:要問い合わせ
  • オンデマンドキャパシティ予約:要問い合わせ
機能・特徴- コストと容量の最適化

- すべてのワークロードに最適なストレージ

- 強化されたネットワークによる 1秒あたりの高いパケットパフォーマンス

URL公式サイト

VPC(Amazon Virtual Private Cloud)

VPCは、AWSのクラウド上にプライベートなネットワーク環境が構築できるサービスです。ユーザーが定義したIPアドレス範囲、サブネット、ルーティングテーブル、ネットワークゲートウェイなどをカスタマイズできます。

VPCを用いることで、インターネット環境から隔離した状態でシステムを運用することが可能となりセキュリティが強化されます。また、オンプレミスのネットワークとの接続が容易な点も特徴です。

提供元アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン無料利用枠:無料

NAT ゲートウェイ:要問い合わせ

IPAM:要問い合わせ

トラフィックミラーリング:要問い合わせ

パブリック IPv4 アドレス:要問い合わせ

機能・特徴- 独自の IP アドレスの範囲の選択、サブネットの作成、ルートテーブルやネットワークゲートウェイの設定など、仮想ネットワーク環境を完全に制御可能

- VPCのネットワーク設定を簡単にカスタマイズ可能

URL公式サイト

Lambda

Lambdaは、AWSが提供するサーバーレスコンピューティングサービスです。必要なコードのみをアップロードし、特定のトリガー(例:HTTPリクエスト、S3バケットの変更など)に応じて自動的にコードが実行されます。

スケーリング、パッチ適用、サーバーの管理などを気にすることなく、アプリケーションやバックエンドタスクを効率的に実行可能です。

提供元アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン
  • 無料利用枠:無料
  • Lambda エフェメラルストレージ:要問い合わせ
  • Provisioned Concurrency:要問い合わせ
  • Lambda HTTP 応答ストリーム:要問い合わせ
  • データ転送およびその他:要問い合わせ
  • Lambda@Edge:要問い合わせ
機能・特徴

- カスタムロジックを使ってAWSの他のサービスをスケールすることや、AWS の規模、パフォーマンス、セキュリティを活用して運用する自社のバックエンドサービスを作成可能

-複数のイベント(Amazon API Gateway経由のHTTPリクエスト、Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)バケット内のオブジェクト変更、Amazon DynamoDB内のテーブル更新、AWS Step Functions 内の状態遷移など)に応答して、自動的にコードが実行される

URL公式サイト

Amazon RDS

Amazon RDS(Amazon Relational Database Service)は、AWSが提供するデータベースサービスです。RDSを使用すると、データベースの設定、運用、スケーリングが容易になります。

サポートされるデータベースエンジンは、MySQL、PostgreSQL、Oracle、Microsoft SQL Serverなどがあり、クラウド上での高可用性、セキュリティ、パフォーマンスを確保しながら運用が可能。バックアップ、パッチ適用、障害復旧などの作業も自動化され、手間が大幅に削減されます。

提供元アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン無料利用枠:無料

※Amazon RDS エンジン別に料金設定あり。オプションは要問い合わせ

機能・特徴- 既存のデータベースで現在既に使用しているコード、アプリケーション、およびツールをAmazon RDSで使用可能

- 簡単なセットアップとデプロイ

URL公式サイト

ERPをAWSで構築する際の注意点

最後に、ERPをAWSで構築する際の注意点を3つ紹介します。

使い方によっては高コストになることがある

AWSの料金体系は、基本的に使用したリソース量に応じたペイアズユーゴーモデルとなっています。リソースの使用量を適切に管理しないと、予期せぬ高額な請求が発生する可能性があるため注意しましょう。

特に、大量のデータを取り扱うERPシステムでは、データの転送量やストレージの使用量が増加すると、コストもそれに比例して増加します。また、不要なサービスを稼働させ続けることも、無駄なコストを発生させる要因となります。

定期的なモニタリングやAWSのコスト管理ツールを活用して、コストの見える化と最適化を行い高額請求を防ぎましょう。

導入・運用には相応の知識が必要

AWS上でERPシステムを導入・運用する際には、単なるシステム設定のみならず、AWS特有の知識や技術が求められます。

AWSは、従来のオンプレミス型とは異なる特性や管理手法を持っており、十分に特性を理解していないとシステムの不具合や障害の原因となり得ます。たとえば、セキュリティグループやIAMの設定、VPCの設計など、AWS固有の概念や設定項目を適切に構築・管理することが必要です。

また、AWSのサービス間の連携や、自動スケーリングの仕組みなども、深い知識を持って活用できればERPシステムの効率的な運用が実現します。

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セキュリティ対策に配慮しなければならない

AWSは高いセキュリティを提供しているものの、ユーザーサイドでの対応も不可欠です。システムの誤った設定や運用方法は、データ漏洩や不正アクセスのリスクを高める可能性があります。

特に、AWSはIAMのユーザーやロールの設定、セキュリティグループの設計、暗号化の適用など、細部のセキュリティ設定が要求されます。また、公開すべきではない情報が誤って公開されることを防ぐためにAmazon S3バケットポリシーの使用や、定期的なセキュリティ監査も欠かせません。

常に最新のセキュリティ情報を参照し、適切な対策を継続的に行うことが求められます。

ERPモジュールとは?機能一覧や活用する秘訣を紹介

ERPをAWSで構築し課題を解決しよう

AWSを使用することで、コスト効率や技術の最新性、高度なセキュリティを享受することが可能です。しかし、さまざまな利点を最大限に活かすためには、コスト管理や適切な技術的知識、継続的なセキュリティ対策が必要です。

適切な知識と対策を持って、AWSのポテンシャルを最大限に引き出し、ビジネスの課題解決を目指しましょう。

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