SCMとは?ERPとの違いや特徴・導入するメリットとデメリットを紹介
組織の最適化を図ることを目的として導入が進むSCM。言葉自体は聞いたことがあっても、どのようなものなのか良くわからないという方も多いのではないでしょうか。本記事では、SCMとは何かをはじめ、混同されがちなERPとの違いや導入によるメリットとデメリットを解説します。おすすめのサービスも紹介するので、是非参考にしてください。
目次
SCMとは?
SCMとは「Supply Chain Management(サプライチェーンマネジメント)」の頭文字をとった略称で、原料の調達から販売までのプロセスを統括的に管理し、業務の最適化を図る手法のことを指します。
具体的な取り組みは企業によって異なりますが、コスト削減のほか、在庫の適正な管理、受注から納品までのリードタイム短縮といった生産性向上などの目的にて活用されています。
SCMが注目されている理由
SCMは1990年代頃から多くの日本企業でも取り入れられてきましたが、市場のグローバル化や消費者ニーズの多様化により、その重要性が再び注目を集めるようになりました。
ほかにも、ECの普及や物流の慢性的な人手不足などもあり、サプライチェーンの最適化を図るニーズが高まっていることが大きな要因といえるでしょう。
SCMとERPとの違い
SCMとERPには、業務を最適化するための手法という共通点がありますが、管理する業務の対象範囲に違いがあります。
ERPは、「人材・製品・資産・情報」といった企業の経営資源を一元管理し、業務プロセス全体の最適化に役立てられるのが特徴です。一方SCMの対象範囲は、あくまでも企業が手掛けるサプライチェーン分野に限定されています。
ERPを経営の最適化とするならば、SCMは供給分野の最適化に役立つといえるでしょう。
▷ERPとは?意味や基幹システムとの違いを簡単にわかりやすく解説
SCMを業務に導入するメリット
実際にSCMを導入することで、以下3つのメリットが考えられます。
- 在庫状況の把握
- 人的リソースの有効活用
- 急激な需要の変化に対応
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
在庫状況の把握
SCMを導入することでリアルタイムの需要予測や販売予測を把握できるため、常に最適な在庫数を維持することが可能です。需要や販売時期の見極め不足によって在庫が過剰になった場合、資金繰りに悪影響を与えます。
一方、在庫が不足してしまうと需要が増加した際に対応できず、機会損失になってしまうことも。サプライチェーン全体で販売情報を共有できるシステムを構築することで、必要な情報をスピーディーに伝達し、適切な需要と供給のバランスを保つことが可能になります。
人的リソースの有効活用
SCMによりサプライチェーン全体の状況を可視化できるため、業務上のどこに問題が生じているのか早期発見しやすくなります。
これは、人員を追加すべきタイミングの把握にも役立つため、人的リソースを無駄なく最大限に活用することにもつながります。SCMをうまく利用すれば適切な人材配置が行えるようになるでしょう。
物流コストの削減
サプライチェーンの最適化により、物流にかかるコストカットを実現できます。近年、荷物量の増加や燃料価格の高騰などにより、物流コストが上昇しており、この問題を解決するには、物流の数量とタイミングを最適化することが重要です。小売店の在庫状況などを把握することで、適切なタイミングで必要な数量だけを運送することが可能になり、物流コストの削減につながります。
SCMを導入するデメリット
サプライチェーンの管理運営において便利な点も多いSCMですが、いくつかのデメリットも存在します。ここで紹介する懸念点を把握した上で、最終的な導入を検討しましょう。
導入時のコストが大きい
SCMを構築するには、専用のソリューションの導入やネットワークの構築のための初期費用が発生します。また、ITに関する知識を持つ人材も必要です。こうした人材が社内にいない場合、SCMの構築や運用のサポートのための費用もかかります。支払うコストに対して得られるメリットがどの程度あるのか、検討してみるのが重要です。
企業間の連携が難しい
SCMはサプライチェーン全体の最適化を図ることを目的としているため、自社以外の関連企業にも協力をお願いする必要があります。自社で優秀な人材や設備を導入しても、他社との情報共有がうまくいかない場合、機能しなくなることもあります。
取引先との商習慣に違いがあったり、情報共有を断られてしまうこともあり、導入が難しくなるケースも。準備期間には余裕を持っておくといいでしょう。
▷基幹システムとは?メリットや主な機能・種類の一覧をわかりやすく解説
SCMサービスの選び方
SCMを導入する際は自社の状況に適したサービスを選びましょう。ここでは、SCMを選ぶ際のポイントを3つ解説します。
SCMを適用する範囲を明確にする
SCMで管理できる範囲は膨大にあります。まずは自社の課題を洗い出し、どのプロセスに対してSCMを適用するかを検討しましょう。SCMで管理する業務プロセスを明確にすることで、それに適したサービスを選択できるようになります。
既存システムとの連携から選ぶ
SCMは、既存の運用システムにも影響を及ぼします。
サプライチェーン業務と関連性の高い業務において、すでに使用している既存システムがあれば、連携機能を備えたサービスの導入がおすすめです。既存システムとの連携がスムーズでない場合、全体最適にならず生産性が落ちてしまうリスクもあります。SCMを選ぶ際は、その点についても考慮する必要があるでしょう。
サポート体制の内容から選ぶ
SCMを導入しても、運用中にトラブルが発生する可能性もあります。
サポート体制が充分でないサービスを選ぶと、トラブル発生時の対応が遅れて業務に大きな影響を及ぼすことも考えられます。自社にSCMのノウハウを持った社員がいない場合には、サポート体制の充実度でサービスを選ぶのがおすすめです。
▷【2023年最新】おすすめのERP徹底比較!大企業・中小企業向けで紹介!
導入におすすめのSCMサービス
おすすめのSCMサービスを5つ紹介します。どのサービスを使うべきか迷っている場合は、ここで紹介するサービスを参考に、比較検討してみてください。
mcframe
mcframeは、SCMの重要なポイントとなる情報共有機能が優れたサービスです。迅速に販売状況や生産状況などの情報を共有できるため、部門の垣根を超えたコミュニケーションをよりスムーズに行いたい場合におすすめです。
提供元 | ビジネスエンジニアリング株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
|
URL | 公式サイト |
Spectee Pro
Spectee Proの特徴は、SNSの投稿などから災害が発生した際の危機情報をいちはやくキャッチできることです。タイムリーな対応が求められるSCMにおいては、迅速な対応を可能にする危機情報の収集機能が役に立つでしょう。
提供元 | 株式会社Scectee |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
|
URL | 公式サイト |
PROCURESUITE
PROCURESUITEではユーザビリティに重きを置いているSCMです。画面のレイアウトなどをニーズに合わせてカスタマイズできるといった特徴があります。とにかく使いやすいSCMを探している方におすすめです。
提供元 | 大興電子通信株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
|
URL | 公式サイト |
SAP SCMソリューション
SAP SCMソリューションは予測分析やAIを用いた機械学習なども取り入れているSCMです。海外企業との連携もとりやすいので、グローバルなサプライチェーン展開を行っている企業との相性が良いSCMといえるでしょう。
提供元 | SAPジャパン株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
|
URL | 公式サイト |
楽々ProcurementII
楽々ProcurementIIは、電子承認機能を搭載しています。そのため、購入依頼や見積依頼など、各フェーズでの申請を電子承認することが可能です。ペーパーレス化を推進している企業であれば、チェックしておきたいSCMといえるでしょう。
提供元 | 住友電工情報システム |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
|
URL | 公式サイト |
SCMの特徴やERPとの違いを理解して業務に役立てよう
本記事では、SCMの特徴やERPとの違いをはじめ、メリット・デメリットについても解説しました。今回紹介したSCMは、それぞれ違った特徴を持つサービスばかりです。SCMの導入を検討している場合には、是非本記事を参考にしてみてください。
ERP(基幹システム)の記事をもっと読む
-
ご相談・ご質問は下記ボタンのフォームからお問い合わせください。
お問い合わせはこちら