基幹システムの導入方法|失敗しない進め方や抑えておきたいポイント

最終更新日時:2023/10/30

ERP(基幹システム)

基幹システムの導入方法

業務の効率化やヒューマンエラーの削減など、さまざまなメリットが期待できる基幹システムの導入。しかし進め方がわからず、導入を躊躇している企業も多いのではないでしょうか。本記事では、基幹システムの導入方法や、失敗しないための進め方とポイントを解説します。

基幹システムとは?

基幹システムとは、販売・生産・在庫管理や会計業務などの基幹業務を、効率的に管理するためのシステムです。導入によって、事業の要となる重要なデータを一元管理でき、業務の効率化や財政状況の可視化などが可能となります。

常に最新の情報を一元的に把握でき、素早い経営判断につなげられることから、企業の経営戦略と密接に関連しています。そのため、基幹システムの導入は企業の持続的な成長を支える重要なポイントになるといえるでしょう。

基幹システムの機能・できること

基幹システムは、企業の基幹業務を効率化するための多岐にわたる機能を有しています。主な機能は以下の通りです。

  • 生産管理
  • 販売管理
  • 購買管理
  • 在庫管理
  • 勤怠管理
  • 人事給与管理
  • 財務・会計管理

たとえば製造業であれば、基幹システムによるリアルタイムでの情報共有や精度の高い業務処理で、在庫管理と生産管理を効率化して損失を最小限に抑えられます。また、データの一貫性を保ちながら複数の部署や拠点間での連携を強化することも可能です。

さらに基幹システムは、一部業務の自動化や業績分析、経営戦略の策定支援など、経営層にも有益な情報を提供する機能も多く、企業全体の業績向上や競争力の強化をサポートします。

基幹システムとは?メリットや主な機能・種類の一覧をわかりやすく解説

基幹システムを導入するメリット

ここからは、基幹システムを導入するメリットを3つ紹介します。

基幹業務を効率化・標準化につながる

基幹システムの導入によって、人が行っていた業務をシステムに任せられるようになるため、業務の効率化を実現します。業務時間の短縮が進むうえに、ヒューマンエラーの削減も期待できます。

また、特定の担当者に業務を依存せずに標準化できるため、属人化の防止につながることもメリットです。

基幹業務の効率化・標準化によって人的リソースにも余裕ができ、人にしかできない業務や利益アップのためにリソースを割けるようになります。

情報を一元管理・可視化できる

基幹システムは、企業内のさまざまな情報を一元的に管理・統合できるため、リアルタイムで経営状況を可視化できます。

たとえば、在庫管理が適切にできていない場合、生産や購買などほかの業務にも支障が出て損失が発生する恐れがあります。しかし、基幹システムによって在庫状況をリアルタイムで把握し、正しい販売量や仕入れ数の管理ができれば損失を抑えられるでしょう。

このように、自社のさまざまな情報を一元管理・可視化できることは、損失の抑制に大きくつながるといえます。

経営のスピード化が実現できる

基幹システムによって、基幹業務に携わる複数の担当者間でリアルタイムで情報共有ができるため、迅速な意思決定が行えます。これにより、経営戦略のスピーディな策定にも大きく貢献し、経営のスピード化が実現可能です。

具体的には、業績の状況や市場の変動をリアルタイムでキャッチし、最適な戦略の打ち出しや方針の修正をタイムリーに行えます。また、部署間の連携もスムーズになり、経営層から現場までの情報伝達のディレイが大幅に減少します。

基幹システムは情報の迅速な伝達をサポートし、経営のスピード化が実現できるツールとしても役立つことがメリットです。

基幹システムを刷新する目的とは?刷新するメリットや失敗しない進め方

基幹システムを導入するデメリット

基幹システムの導入は多くのメリットをもたらす一方で、デメリットも存在します。

ここからは、基幹システムを導入するデメリットを2つ紹介します。

まとまった費用がかかる

基幹システムの導入には、初期費用だけではなく、カスタマイズや保守・運用に関連するコストが発生します。

基本的には自社のサーバーにシステムを設置することになり、導入時は1,000万以上の費用がかかると考えておきましょう。また、企業の要件に合わせたカスタマイズやデータ移行作業などが必要な場合は、さらにコストが上乗せされる点に注意が必要です。

まとまった費用がかかるため、導入の際は十分に予算計画を立てて検討しましょう。

不具合発生時の影響が大きい

基幹システムは企業の中核的な業務を担うため、システムに何らかの不具合が発生した場合の影響は極めて大きいものとなるでしょう。

たとえば、売上データの取り込みや在庫情報の更新などの重要な業務が停止することで、業績へのダイレクトな打撃や顧客へのサービス提供に支障をきたすリスクが考えられます。また、復旧に時間がかかる場合、損失はさらに大きくなるでしょう。

不具合の原因追求や対策の実施には専門知識が必要となるため、ベンダーのサポートを必要とするケースも少なくありません。不具合発生時のリスクを考慮し、定期的なシステムのメンテナンスや監視、バックアップ計画の策定など、万全の対策が求められます。

基幹システム導入の方法・進め方

ここからは、基本的な基幹システム導入の方法と進め方を解説します。

1.基幹システムを導入する目的の明確化

基幹システム導入の成功の鍵は、初めに目的を明確にすることです。企業が成長して業務が複雑化する中での情報の一元管理や業務プロセスの効率化、業績の向上など、導入にはさまざまな目的が考えられます。

目的を正確に定義して共有することで、後の選定や導入プロジェクトをスムーズに進行することが可能です。また、目的をもとにROI(投資対効果)の指標も設定可能となり、導入後の評価や改善の方向性が明確になります。

2.製品やベンダーの選定

基幹システム導入における次のステップは、製品やベンダーの選定です。複数の製品やベンダーからの提案を比較検討し、機能面、コスト、サポート体制、将来の拡張性などを総合的に評価します。

ベンダーからの提案内容に大きなバラつきが生じないように、「RFP(提案依頼書)」を作成して提出しましょう。RFPとは提案してほしい内容をまとめた文章のことで、複数の開発会社がRFPをもとに提案書の作成や見積もりを行います。

信頼性の高いベンダーとのパートナーシップは、基幹システム導入の成功を大いに左右します。製品の品質だけではなく、導入後のサポート体制も選定の重要なポイントです。

3.要件定義

要件定義は、基幹システム導入において最も重要なプロセスで、導入するシステムに求める具体的な機能や仕様などを明確にします。

業務プロセスを洗い出して、必要な機能やデータの取り扱い方法など、詳細な要件を定義することで、後の設計や実装が円滑に進められます。

要件定義で不明瞭な点があると、望んでいたシステムが完成しない恐れがあるため、適切なコミュニケーションを取りながら文章化して、誤解のリスクを減少させましょう。

4.システム設計の実施

システム設計の実施は、要件定義で明確にされたニーズや仕様をシステムの設計に落とし込む段階です。システム設計の目的は、効率的かつ確実に要件を満たすシステム構造やデータベース設計を行うことです。

設計書の作成やデータモデルの定義、インターフェースの設計などが主要なタスクとなります。

5.開発・テスト

設計で定められた仕様に基づいて実際にシステムを構築し、以下の順でテストを行います。

  1. 単体テスト
  2. 結合テスト
  3. 総合テスト
  4. 運用テスト

上記のテストでは、システムが要件を満たしていることや、プログラミング通りの動きをすることをチェックします。不具合や誤動作の発見・修正を繰り返すことで、実際の運用環境での安定した動作を確保するのです。

6.運用〜保守

開発・テストが終われば、長期間にわたって安定的に稼働させるために運用と保守を行います。

安定した運用が続けられるように、管理体制を整えて不具合や仕様漏れがないかを監視しましょう。システムを最新の状態に保つためのアップデートも欠かせない保守作業のひとつです。

また、システムの担当者以外もしっかりと使い方を把握できるように、マニュアルなどの配布が必要です。マニュアルの作成は、今後入社する社員もスムーズにシステムを利用するための備えとなります。

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基幹システム導入に失敗しないための進め方・ポイント

ここからは、基幹システム導入に失敗しないための進め方とポイントを紹介します。

基幹システムについて社内へ浸透させる

基幹システムの導入前に、必ず社員とコミュニケーションを取り、システムの導入理由などを社員に浸透させましょう。「導入によってどのような点が変化するか」「業務にどのような影響があるか」を具体的に説明することが大切です。

たとえば、「システムによる業務効率化で残業時間が◯時間削減される見込み」など、具体性を持って説明しましょう。また、状況に応じて基幹システムのマニュアル作成や研修を行う必要もあります。

前もって基幹システムについて社内へ浸透させておくことで、スムーズな導入につながるはずです。

ベンダーと定期的に意見交換をする

基幹システムの開発時は、ベンダーと定期的に意見交換をすることを心がけましょう。ベンダーにすべて丸投げしてしまうと、想定とは異なるシステムが完成するリスクがあるからです。

常に開発の進捗を確認し、要件通りのシステム開発が進んでいるかを確認することが大切です。ベンダーとの定期的な意見交換は、システム修正の手間やコストの大幅な削減につながります。

バッファを持たせて導入を進める

基幹システムの導入において、予期しない不具合や遅延が生じることは珍しくありません。さまざまリスクを考慮し、スケジュールにバッファを持たせて導入を進めることが極めて重要です。

バッファとは、スケジュールや予算に余裕を持たせることを指します。バッファを持たせることで、突発的なトラブルや修正に対応する時間を設けられ、全体の計画が大きく狂うことを防げます。

進め方・ポイントを抑えて基幹システムの導入を成功させよう

基幹システムの導入は、企業の経営基盤を強化する大きなステップです。導入の成功は、明確な目的設定や適切なベンダーの選定、要件定義などの一連のプロセス管理にかかっています。

特に、バッファを持った計画作りや、ベンダーとの定期的なコミュニケーションは、失敗しないための大きなポイントです。

導入後はマニュアルの配布や研修を行い、社内で効率的に運用できる環境構築を目指しましょう。

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