ファクタリングが違法ではない理由について|違法業者の見分け方・法的根拠について

2024/05/15 2024/05/15

ファクタリング・資金調達

ファクタリングと債権譲渡登記の違い

合法的な資金調達手段である「ファクタリング」。ファクタリングは支払期日前の売掛金を現金化するサービスで、スピーディな資金調達が可能な点から注目されています。本記事では、ファクタリングが違法ではない法的根拠、違法業者の見分け方や違法ファクタリングの判例を併せて解説します。

ファクタリングとは

ファクタリングは、企業が売掛金をファクタリング会社に売却することで代金を受け取り、結果として売掛金を早期に現金化できる金融サービスです。

具体的には、企業が商品やサービスを取引先に提供後、代金の支払いを受けるまでの期間に発生する売掛金をファクタリング会社に売却します。企業は支払い期日を待たずに現金を得ることができるため、資金繰りの改善や経営の安定化を図ることができるのです。

ファクタリングの特徴として、利用する企業の財務状況に関係なく、売掛先の信用情報や売掛金そのものの価値が取引の基準となる点が挙げられます。また、ファクタリングは借り入れではないため、貸借対照表に負債として計上されることがありません。そのため、健全な財務状況を維持しつつ必要な資金を確保することができるのです。

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ファクタリングが違法ではない法的根拠

ファクタリングは企業が持つ売掛金(債権)をファクタリング会社に売却する取引ですが、この行為自体に違法性はありません。なぜなら、民法第466条第1項で「債権は譲り渡すことができる」と定められているためです。

銀行法や貸金業法など、ファクタリングについて直接言及する法規制はないものの、債権を第三者に譲渡することは法的に認められた行為なのです。

そのため、適切な手続きと条件の下で行われるファクタリングは、決して違法な行為ではありません。ただし、違法行為を行う業者も一部存在するため、利用時には業者を十分に見極める必要があります。

[出典:e-Gov 民法 第466条1項]

ファクタリングの種類

ファクタリングには、サービスの内容や契約形態によっていくつかの種類があります。ここでは主な種類とその特徴を説明しましょう。

買取型

買取型ファクタリングは、売掛金をファクタリング会社が直接買い取る、一般的なファクタリングの形式です。この方法は、主に2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの2つに分類されます。2社間では、利用者とファクタリング会社の間で取引が行われ、3社間では、利用者、売掛先、ファクタリング会社が関与します。

2社間ファクタリング

2社間ファクタリングでは、売掛金を持つ利用者とファクタリング会社の2社間で契約を行います。2社間で取引が完結するため、売掛先にファクタリングの利用を知られることがありません。

  1. 利用者が売掛先に商品やサービスを提供し、その対価として売掛金を得ます。
  2. 利用者が売掛金をファクタリング会社に売却します。
  3. ファクタリング会社は利用者に対し、手数料などを差し引いた売却代金を支払います。
  4. 売掛先が支払期日に利用者に売掛金を支払います。
  5. 利用者は売掛先から回収した売掛金をファクタリング会社に支払い、取引が完了します。

3社間ファクタリング

3社間ファクタリングは、売掛金を持つ利用者、売掛先、そしてファクタリング会社の3社にて取引を進める方法です。

2社間ファクタリングでは、利用者が売掛金回収してファクタリング会社に支払いますが、3社間ファクタリングでは売掛先が利用者を介さず直接ファクタリング会社に支払います。そのため、ファクタリングの利用について売掛先からあらかじめ承認を得ておかなければなりません。

売掛先にファクタリングの利用を知らせることになりますが、その分代金未回収のリスクが2社間ファクタリングよりも低くなることから、手数料は2社間ファクタリングよりも割安になる特徴があります。

保証型

保証型ファクタリングは、ファクタリング会社が売掛金の支払いを保証するサービスです。

買取型とは異なり、ファクタリング会社が売掛金を買い取るのではなく、利用者がファクタリング会社に保証料を支払い、保証契約を締結します。この契約により、売掛先の倒産などの理由で売掛債権が回収できなくなった場合、ファクタリング会社から保証金額を受け取ることができるのです。

保証型のファクタリングを利用することで、利用者は貸し倒れのリスクを最小限にすることができ、売掛金の支払期日を安心して待つことができます。

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ファクタリング違法業者の見分け方・特徴

ファクタリングサービスを提供する会社の中には、残念ながら違法な手口を用いる業者もいます。ここでは違法業者の見分け方や特徴を解説します。

「分割払い」を可能にしている

売掛金の支払いについて分割払いを提案された場合、その業者は違法である可能性が高いといえます。

ファクタリングは売掛金の売買であり、一括での支払いが基本です。分割での返済を可能としている場合、事実上の貸金業と見なされることがあるため、貸金業登録が必要です。このような条件を設ける業者は適切な登録を行っていない可能性が高く、利用は避けるべきでしょう。

契約書類が交付されない

正しい契約書類を提示されない場合も注意が必要です。通常のファクタリング取引では、「ファクタリング契約書」「売買契約書」「債権譲渡契約書」などが必ず交付されます。これらに代わって「金銭消費貸借契約書」や「借用書」へのサインを求められた場合、その業者はファクタリングを装った違法な金融業者の可能性があります。

このような書類は、通常のファクタリングでは用いられないため、契約を交わす前に書類種類や記載事項を注意深く確認しましょう。

手数料が高く、金利が設定されている

手数料が高い場合や、金利を設定される場合も違法業者の可能性が高いでしょう。

ファクタリングは一回きりの売買であるため、「金利」という概念は存在しません。手数料にも相場があるため、異常に高い手数料や「金利」という名目のコストが発生する場合、その業者は貸金業に該当する可能性があります。

違法な貸金業者からの資金提供は法律に抵触する行為となるため、特に注意が必要です。

担保や保証人を要求される

違法業者からは、担保や保証人を要求される可能性があります。ファクタリングは融資ではないため、担保や保証人を求められることはありません。

担保や保証人を必要とする業者の場合、貸金業としての性質を帯びている可能性があり、違法に営業を行っている可能性が高いでしょう。特に、業者が貸金業登録を行っていない場合、利息制限法や出資法に違反している恐れがあります。

会社の所在地が公表されていない

ファクタリング業者が会社の所在地を明らかにしていない場合も、違法業者の可能性であることが疑われます。

公式な住所や電話番号が明かされていない、または実在しない住所を掲示している業者は、違法な活動を行っている可能性があります。会社情報を確認し、信用できるかどうかを慎重に見極めましょう。

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違法ファクタリングの判例

ファクタリング自体は合法な金融サービスですが、契約内容や運用方法が不適切な場合、違法と判断されることがあります。過去には、不正な手法を用いたファクタリング業者が逮捕され、有罪判決を受けた事例も存在します。

給与ファクタリング

給与ファクタリングとは、個人の給与債権を業者が買い取るサービスです。このサービスに関しては、給与ファクタリング最大手「七福神」を運営する株式会社ZERUTAの社長をはじめとする7人が逮捕された事例があります。

この業者は給与債権の買取りを装いながら、実態として無許可で貸金業を行っていました。さらに、利息制限法の上限を超える高利な利息を請求するなど、違法な金銭の貸し付けを行っていたとされています。このため、警視庁に逮捕されたのです。

近年、多額の手数料を要求する業者が増えたことが社会問題化し、金融庁は個人の給与を債権としてファクタリングを行う行為を貸金業に該当すると示しました。

偽装ファクタリング

偽装ファクタリングとは、貸金業者として未登録の闇金業者がファクタリング業者を装って債権を担保に違法な貸し付けを行う行為を指します。

警視庁は、無登録営業による貸金業違反と超高金利による出資法違反として、一般社団法人ハートフルライフ協会の幹部ら6人を逮捕しました。また、協会は「償還請求権なし」としていたものの、期日までに支払いのなかった企業に対して債権より高額の返済を求めて督促を繰り返していたとされています。

法人がファクタリングを利用するメリット・デメリット|審査項目や選び方

優良なファクタリング会社の見分け方

ファクタリングサービスを利用する際は、適切な運営を行う優良業者を選ぶことが重要です。違法業者による被害を避けるためにも、優良業者かどうかをしっかりと見極める必要があります。

ここでは具体的な見極めのポイントを紹介します。

契約書が債権譲渡契約であるか

ファクタリングは本来、企業の売掛金(債権)を専門のファクタリング会社に売却する取引です。そのため、一般的には「ファクタリング契約書」「売買契約書」「債権譲渡契約書」などが交付されます。

契約書の内容をよく確認し、債権譲渡の趣旨になっているかどうかや、不審な点がないかをしっかり確認する必要があります。「金銭消費貸借契約書」などと書かれている場合は、実質的に貸付である疑いを持ちましょう。

適切な範囲内の手数料か

ファクタリングの手数料は契約の種類にもよりますが、一般的には債権額の10%前後が相場です。この手数料はファクタリング会社の債権未回収リスクや事務コストに対するものです。

手数料率が極端に高い場合は要注意ですが、反対に手数料ゼロや極端に安い場合も違法業者の疑いがあります。

償還請求権なしの契約か

償還請求権のないファクタリング契約は、利用者にとってリスクが低く、優良業者から提供される契約です。償還請求権がある契約の場合、債権未回収時に利用者が金額を返還する必要があるため注意が必要です。

実績・社会的な信頼は十分あるか

長年の実績があり、社会的な信頼も得ている業者であれば、違法な手口に走るリスクは低いといえるでしょう。利用者や業界から高い評価を得ているかどうかは、優良業者かの判断材料になります。

コンプライアンス体制が整っているか

コンプライアンスに対する取り組みの徹底は、ファクタリング会社の信頼性を示します。法務や反社会勢力の排除について明確な方針を持ち、それを実行しているかどうかがポイントです。

顧問弁護士は公開されているか

優良ファクタリング業者は、債権譲渡などに関する法的な知見を備えた顧問弁護士を雇っていることが一般的です。顧問弁護士について公開している業者は法律遵守に努めており、安全に取引できる可能性が高いでしょう。

ファクタリングを利用する際は違法業者に注意しよう

ファクタリングは資金繰りをスムーズにする有効な手段ですが、違法業者には十分注意が必要です。優良なファクタリング会社を選ぶには、透明性の高い契約書、適切な手数料、償還請求権の有無、実績や社会的信頼、コンプライアンスの徹底といったポイントがあります。正しい知識と注意深い選定を心がけ、安心して利用できる業者を見極めましょう。

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