資金調達とは?調達方法や種類、メリット・デメリットをわかりやすく解説

2024/06/14 2024/06/14

ファクタリング・資金調達

資金調達とは

起業時や事業拡大時に必要な運転資金を集める、「資金調達」。結果次第では企業の存続や発展にも影響するため、自社の経営状況や目的にあった調達方法の選定が重要です。本記事では、資金調達とは何か、資金調達の方法や状況別のおすすめ、スムーズに資金調達を進めるポイントを詳しく解説します。

資金調達とは?

企業が事業を運営するうえで必要となる資金を外部から調達することを「資金調達」といいます。新規事業の立ち上げや事業拡大、設備投資などのために運転資金が必要になった場合、企業は融資や出資など、さまざまな手段で資金を調達しなければなりません。

この際に自社に適した方法で資金調達を行うことで、事業の円滑な運営と成長を実現できます。

資金調達の目的・種類

資金調達の目的はさまざまです。例えば、創業時や事業拡大時に必要となる運転資金を確保することや、資金繰りを改善し事業活動を円滑に行えるようにすることなどが挙げられます。

また、資金調達の方法は主に次の3種類があります。

資金調達方法特徴
デットファイナンス融資や社債の発行など、負債を増やす形で資金を調達します。返済義務があり、金利が発生することが一般的です。
エクイティファイナンス株式の発行を通じて出資を募る方法です。投資家は企業の所有権の一部を持つことになり、利益が出れば配当を受け取ることができます。
アセットファイナンス企業が所有する資産(固定資産や売掛金など)を売却して資金を調達します。返済義務がなく、経営権にも影響を与えない方法である一方、売却できる資産が少ないと必要金額を確保できない可能性もあります。

資金調達の方法:デットファイナンス

デットファイナンスは、簡単にいうと借金をして資金を集める方法です。これには、銀行からの融資や社債発行などがあります。企業は必要な資金を得ることができる反面、将来的に利息とともに借入金などを返済しなくてはなりません。

金融機関の融資

最もポピュラーな資金調達方法が、銀行などの金融機関から融資を受けることです。企業は融資額に応じた利息を支払う必要がありますが、比較的低利で大口の資金調達が可能です。経営権に影響がないこともメリットでしょう。

一方で、融資を受けるには一定の基準を満たし審査に通過しなければならず、創業間もない企業にはハードルが高い面もあります。

自治体・金融機関・信用保証協会による制度融資

自治体や金融機関、信用保証協会などが、中小企業の事業継続や発展を支援するため、低利子で融資を行うサービスが制度融資です。一般の融資より有利な条件が得られるため、この制度をうまく活用することで、資金繰りを改善することができるでしょう。

ただし、融資の対象要件が細かく定められているため、すべての企業が活用できるわけではありません。

ビジネスローンの利用

民間金融機関が提供するビジネス向けの融資サービスも、資金調達の選択肢の一つです。審査が比較的シンプルなため、迅速に資金を調達できることがメリットです。

一方で、金利が高めに設定されていることが多く、繰り返しの利用や長期的な資金調達には適さない面もあります。

社債の発行

社債は企業が発行する債券のことで、投資家に買い取ってもらうことで資金を調達する手段です。大企業が行うことが多く、中小企業にとってはハードルが高い方法だといえます。

返済期限が長期に渡ることから、大規模な設備投資などの資金調達に活用されることがある一方で、社債発行のための手続きや準備には手間と時間がかかります。

資金調達の方法:エクイティファイナンス

エクイティファイナンスは、企業が新株や新株予約権の発行を通して、出資者から資金を募る調達方法です。資金を調達する代わりに、経営への一定の関与や利益の分配が発生します。

VC(ベンチャーキャピタル)からの出資

ベンチャーキャピタルは、未上場のベンチャー企業に対して積極的に出資を行う投資ファンドです。VCから出資を募るメリットは、大きな資金を比較的早期に確保できることに加え、VCからの経営のノウハウやネットワークの提供も受けられることです。

デメリットとしては、株式の配分によっては一定の経営権を譲渡する必要があることや、厳しい成果目標が設定されることが挙げられます。

CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)からの出資

CVCは、大手企業の中にあるベンチャー投資部門のことです。投資先ベンチャー企業の技術や製品を、協業を通じて自社の事業に取り込む狙いがあります。

大企業の支援を受けられるメリットがある一方で、事業の自由度が制約されるデメリットもあります。

個人投資家からの出資

個人でスタートアップやベンチャー企業に出資を行うのが「エンジェル投資家」と呼ばれる人々です。プロのVCに先んじて、アイデア段階の初期から出資を行います。その分リスクは高くなりますが、大成功した場合の利益が大きい点が特徴です。

返済の義務がないことや面識のある人から出資を受けられること、経営のアドバイスを得られる可能性があるといったメリットがありますが、金額的には限られた調達にとどまるケースが多いでしょう。

資金調達の方法:アセットファイナンス

アセットファイナンスは、企業が保有する資産を元手に資金を調達する方法です。返済義務や経営権の譲渡などが発生せず、場合によっては事業の効率化を図れる一方で、調達可能な金額は売却可能な資産の評価額次第です。

ファクタリング

ファクタリングは、企業が保有する売掛債権(支払いを受ける権利)を売却し、現金化する方法です。金融機関やファクタリング会社に債権を売却することで、すぐに資金を確保することができます。

2社間ファクタリングを選択すれば売掛先にファクタリングの利用を知られずに済みますが、2社間・3社間どちらの方法にしても売掛金の一定の割合が手数料として差し引かれるため、満額を調達できるわけではありません。

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手形割引

企業が保有する約束手形(支払い期日が定められた証書)を金融機関に売却し、額面金額から一定額を割り引いた金額を入手する方法です。手形の入金を待たずに資金を調達できますが、割引料が発生するデメリットがあります。

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固定資産の売却

企業が保有する土地や建物、機械設備、特許権や商標権などの有形無形の固定資産を売却することで、一時的に多額の資金を調達することができます。しかし、事業の根幹となる資産を失うリスクもあり、判断が難しい調達方法です。

リースバック

自社所有の不動産などを一旦売却したうえで、買い手からそれを賃借する形で活用を継続する方法がリースバックです。売却による一時金の調達と、引き続き資産を利用できるメリットがあります。

ただしリース契約を続けることで将来的なコストがかさむ可能性がある点がデメリットです。

M&A・事業譲渡

会社全体または事業の一部を他社に売却することで資金を調達する方法です。事業の継続が困難な状況から脱却したり、現在の事業を売却してリソースを新規事業に回したりなど、さまざまな目的で活用されています。

ただし事業の譲渡に伴い雇用を失うリスクもあり、慎重な検討が求められます。

その他の資金調達方法

これまでご紹介してきた資金調達の方法以外にも、近年注目されている手法や、政府による支援制度などがあります。

クラウドファンディング

クラウドファンディングは、インターネット上の専用サイトを通して不特定多数の人から出資や支援を募る資金調達手法です。アイデアや製品、事業計画などを公開し、それに賛同した人から小口の資金を集めていきます。集まった支援が目標額に達すれば調達完了となります。

返済義務がない点がメリットですが、目標額に届かなければ資金調達はできません。またクラウドファンディングサイトへの手数料や、リターンとして提供する製品を確保するコストもかかります。注目を集めるアイデアであることが必須であり、知名度が低い段階では調達が難しいといえるでしょう。

補助金・助成金

国や自治体は、中小企業の事業継続や新規事業の促進などを目的に補助金や助成金制度を用意しています。制度融資とは異なり、原則として返済の必要はありません。ただし、要件を満たす必要があり、用途の制限や厳格な実績報告なども求められます。

返済義務がないというメリットは大きいものの、基準をクリアできるかが課題です。申請手続きも煩雑で、審査を通過できる保証もありません。制度を理解したうえで、慎重に検討する必要があります。

また、助成金に関しては、要件を満たしたうえで申請すれば受給できますが、補助金は要件を満たしたうえで申請しても、その後の審査結果次第では受給できないケースがある点にも注意しましょう。

法人の資金調達方法|種類別のメリット・デメリットを解説

【状況別】おすすめの資金調達方法

企業を取り巻く状況によって、最適な資金調達方法は異なってきます。ここでは状況に応じたおすすめの資金調達方法をご紹介しましょう。

起業するタイミングの資金調達

起業時には自己資金の投入や家族・友人からの出資を募ることが一般的です。それだけでは資金が不足する場合は、VCやエンジェル投資家から出資を受けるエクイティファイナンスが有効です。

事業が軌道に乗るまでの間、出資者から経営支援を受けられるメリットもあります。この段階での借り入れは返済の重荷がのしかかるリスクがあるため、なるべく避けたほうがよいでしょう。

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中小企業の資金調達

中小企業では、金融機関からの融資(デットファイナンス)が一般的な選択肢となります。地方銀行や信用金庫などが提供する低利子の制度融資を活用するのがおすすめです。

また、資金繰りの短期的な改善のためならば手形割引やファクタリングなどのアセットファイナンスも検討できます。事業基盤が整っていれば、投資家からの出資(エクイティファイナンス)を募ることも可能でしょう。

中小企業の資金調達は難しい?最適な方法や成功させるポイントを紹介

業績が悪化しているタイミングでの資金調達

業績不振時は、金融機関からの融資が難しくなります。この状況では、まずは政府の支援策(補助金・助成金、制度融資)を有効活用することが重要です。

自社の保有資産を現金化するアセットファイナンス(固定資産売却、リースバックなど)で一時的に資金を確保し、事業再建に注力するのも一案でしょう。

M&Aをした際の資金調達

M&A用の資金調達は規模が大きくなるため、デットファイナンスとエクイティファイナンスを組み合わせた調達を行うことが一般的です。例えば、シンジケートローン(銀行団の融資)と新株発行、ハイブリッド金融商品の活用などが該当します。

投資を支えるための社債発行も有力な選択肢となります。自社での資金の捻出が困難な場合は、M&A専門のファンドからの出資を検討するのも一案です。

スムーズに資金調達を進めるポイント

資金調達を成功に導くためには、計画的な準備と適切なタイミングが重要です。ここでは具体的なポイントを紹介します。

資金の用途や金額を明確化する

まずは調達する資金の使途と金額を明確に設定しておくことが大切です。金融機関などに対して、資金をどのように活用し、いつ頃採算が取れるようになるのかを具体的に説明できれば、審査をクリアしやすくなります。

曖昧な資金計画では融資側の判断材料が不足し、調達が難航する可能性が高まってしまいます。

資金調達に適したタイミングを見極める

資金調達に適したタイミングを捉えることも重要なポイントです。業績が上向きで借り入れに対する返済能力が高まっているタイミングで調達を行えば、審査に通過しやすくなります。

一方、業績不振時は借り入れが難しくなる可能性が高いでしょう。タイミングを見極めて、有利な条件での調達ができるよう熟考することをおすすめします。

自社に適した金融機関を選ぶ

自社に適した金融機関を選び、信頼関係を築くことも重要です。自社の置かれた状況を把握している金融機関に融資を申し込めば、スムーズな調達が期待できます。

一方、付き合いがなく、自社の情報が伝わっていない金融機関に融資を求めると、審査が厳しくなる可能性があるため注意が必要です。

自社の経営状況・目的に合わせた資金調達方法を選ぼう

企業経営においては、自社に最適な方法での資金調達が欠かせません。資金の目的や調達時期、自社の置かれた状況などを踏まえ、複数の方法を比較検討するのもおすすめです。審査に向けた準備もしっかり行い、スムーズな資金調達を目指しましょう。

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