NPOの資金調達の種類とは?おすすめの方法やメリット・デメリットを紹介

事業運営のためには安定した資金調達が必要です。非営利団体「NPO」に関しても、日々の活動を円滑にすすめるためには、安定した資金の確保が欠かせません。そこで本記事では、NPOの資金調達の種類や、おすすめの方法「マンスリーサポーター制度」のメリット・デメリットを紹介します。
目次
NPOの資金調達の種類
NPO(非営利組織)とは、さまざまな社会課題の解決を目指して活動する、民間の非営利団体のことです。宗教や政治、思想に関係なく、ボランティア活動や地域貢献、環境保護、国際協力など、幅広い分野で公益的な活動を行っています。
NPOが継続的に活動を行うためには、適切な資金調達方法を検討することが欠かせません。例えば、会費や寄付、事業収入など、資金調達の手段はさまざまあり、なかには国や地方自治体などからの補助金や助成金を受けて運営している団体もあります。
ちなみに、「NPO法人」という肩書の団体もありますが、NPO法人はNPOのうち一定の要件を満たし、法人格を取得した団体を指します。
ここでは、具体的な資金調達方法について解説していきましょう。
賛同者からの「寄付金」
NPOの活動理念や目的に共感し、応援したいと考える人々からの寄付が活動資金となります。寄付は自発的な意思に基づくため、NPOの活動内容への共感を呼び起こすことが何よりも大切です。
ただし、寄付金額が安定しづらいことや、継続性が不確かなことも考慮しなければなりません。
会員から徴収する「会費」
NPOには会員制度を設け、会費を主な収入源とする団体が多くあります。会費なら一定額の収入が見込めるメリットがありますが、会員数の増減によって収入が左右されるリスクも否定できません。
最低でも会員数を維持、そして極力増やす努力が常に求められます。
活動で得た「事業収入」
NPOが主催するイベントの売上や物品販売、調査研究事業による収入など、自主事業から得られる収入が事業収入に該当します。また、国や地方自治体といった公的機関から委託事業を請け負うことで得られる収入も事業収入です。
事業収入は自主財源であり、安定した収入を期待できます。その一方、事業を拡大していくには人員と設備の増強が不可欠であり、コスト面にも気を配る必要があるでしょう。
国や地方自治体、支援団体の「補助金・助成金」
NPOの公益的な活動を支援する目的で、一定の要件を満たした団体に対して国や地方自治体、支援団体から支給されるのが、補助金や助成金です。
補助金は、NPOの活動内容や事業計画などが審査され、採択された場合に国や地方自治体から支給されます。申請時に提出した書類に基づき、活動の公益性や実施体制、費用対効果など、さまざまな観点から審査が行われます。この審査に通過した場合に補助金を受け取ることができるのです。ただし、要件を満たしていても、審査の結果によっては受給できない可能性があることに留意しましょう。
一方の助成金は、財団などの民間の支援団体による資金援助です。こちらは審査がある補助金とは異なり、あらかじめ定められた一定の条件を満たせば支給が決定します。団体の活動実績や資金計画書の提出など、一定の申請手続きを経る必要がありますが、条件を満たせば確実に支給されるメリットがあります。
補助金と助成金は、いずれの場合も事業完了後には支給額の使途を報告書にて明らかにする義務があります。
金融機関からの「融資による借り入れ」
一時的な資金不足に対処するため、金融機関から融資を受けて資金を借り入れる方法もあります。ただし、計画的な返済が求められるだけでなく、金利の負担も発生するため、資金繰りへの影響に注意が必要です。
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NPOの資金調達におすすめの「マンスリーサポーター制度」
マンスリーサポーター制度とは、NPOなどの活動を継続的に支援するため、個人や企業などが毎月一定額の寄付を行う制度です。単発の寄付だけでなく、月々の小口の寄付が積み重なることで、安定した収入を得られるメリットがあります。
寄付者側も、毎月の負担額を決めておけば、計画的な支出が可能です。継続して寄付することで、NPOとの絆も深まるでしょう。NPO側も、寄付金の安定的な流入が見込めるため、活動の継続性が高まり、長期的な事業計画を立てやすくなります。
NPOが資金調達に「マンスリーサポーター制度」を利用するメリット
NPOにとって、マンスリーサポーター制度は安定した資金調達につながる手段の一つです。定期的な支援が見込めるだけでなく、支援者との継続的な関係作りにもつながるでしょう。
ここでは、マンスリーサポーター制度のメリットを具体的に紹介します。
継続的な支援者を確保できる
マンスリーサポーター制度を導入すれば、毎月一定額を寄付してくれる継続的な支援者を得ることができます。一度きり、または不定期な寄付に頼るのではなく、幅広い個人や団体からの月々の寄付金が積み重なることで、安定した収入源となるのです。
また、定期的にお知らせや報告を行うことで支援者との絆も深まり、寄付の継続につながる可能性が高まります。
クレジット決済に対応しているため事務作業を軽減できる
マンスリーサポーター制度を導入している多くの団体では、クレジット決済に対応しています。手間のかかる入金管理の手間が軽減され、NPOの事務作業の負担を軽くできるでしょう。その分、新規支援者の募集にも力を注げるようになるかもしれません。
支援者側も、クレジットで毎月自動決済ができれば、わざわざ送金する必要がなくなり便利です。
ボランティア・職員募集などの情報発信ができる
マンスリーサポーター制度を窓口として、ボランティアや職員の募集情報を定期的に発信することが可能です。支援者との定期的なコミュニケーションによって、組織のニーズを直接的に伝える機会を得るだけでなく、新たな支援者や協力者を増やす手段となります。
マンスリーサポーター制度は、NPOの活動を広く支持するコミュニティの形成につながり、多様な人材とリソースを得るきっかけとなるでしょう。
NPOが資金調達に「マンスリーサポーター制度」を利用するデメリット
マンスリーサポーター制度は安定した資金調達につながりますが、一方でデメリットも存在します。続いては、デメリットについて解説します。
賛同を得られなければ支援者が集らない
賛同を得られなければ支援者が集まらないのがマンスリーサポーター制度です。
マンスリーサポーター制度は、NPOの活動理念や事業内容に共感してくれる人々からの継続的な支援を募るものであるため、NPOの活動自体に賛同が得られなければ、支援者を集めることは難しいでしょう。広報活動を通じて認知度を高め、多くの人の共感を呼ぶ工夫が欠かせません。
寄付を辞める支援者が出る可能性がある
支援者の中には、さまざまな理由でマンスリーサポートを止める人も出てくるでしょう。個人の経済状況の変化や興味の移行、または組織への不満など、原因はさまざまです。
支援者が減るとNPOの収入が減少するリスクが生じ、資金調達の安定性に影響を与える可能性があります。定期的な評価とフィードバックの機会を提供し支援者の声を聞くことで、これらのリスクを管理することが重要です。
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活動目的に合った資金調達で安定したNPO運営を実現させよう
NPOの活動を維持・発展させるためには、安定した資金調達が必須です。寄付や会費、補助金・助成金などの方法から、NPOの目的や規模に合わせて組み合わせるようにしましょう。支援者の確保と関係性の構築にも努め、運営基盤を強化することが活動の継続性につながります。
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