3社間ファクタリングとは?メリット・デメリットや手数料、流れについて

2024/05/10 2024/05/10

ファクタリング・資金調達

3社間ファクタリング

ファクタリングの一種である「3社間ファクタリング」。3社間ファクタリングは、利用者・ファクタリング会社・売掛先の3社が関わる形態のファクタリングです。本記事では、3社間ファクタリングについて、利用するメリット・デメリットや手数料、利用する際の流れなどを解説します。

3社間ファクタリングとは?

3社間ファクタリングとは、債権の売り手の企業(利用者)、ファクタリングを提供する会社、そして利用者が商品やサービスを提供した取引先(売掛先)の3社の当事者が関わる取引の形態です。利用は自社の売掛金をファクタリング会社に譲渡することで、手数料を差し引いた現金をすぐに受け取ることができます。ファクタリングを利用することで、企業は資金繰りを改善し、より柔軟な運営を行うことが可能となります。

特に現金の流れが不安定な企業にとって、ファクタリングサービスは非常に魅力的でしょう。一方のファクタリング会社は、売掛金の未回収リスクを避けるため、売掛先の信用調査を行って契約の可否を判断します。

3社間ファクタリングの流れ

3社間ファクタリングの流れは以下のとおりです。

  • 売掛金の発生:利用者が売掛先に商品やサービスを提供することで売掛金が発生します。
  • ファクタリングの承認: 利用者が売掛先に対しファクタリングの利用を打診し、承認を得ます。
  • ファクタリング契約: 利用者とファクタリング会社で契約を行い、売掛金をファクタリング会社に売却します。
  • 売却代金支払い: ファクタリング会社は売掛金の代金から手数料を差し引いた金額を利用者に支払います。
  • ファクタリング利用の通知: ファクタリング会社から売掛先にファクタリング利用の通知が行われます。
  • 売掛金支払い:最後に売掛先からファクタリング会社に対して売掛金の支払いが行われます。

つまり、3社間ファクタリングを行うためには事前に売掛先から了承を得ておく必要があり、売掛金は利用者を介さず、直接ファクタリング会社に支払われることになります。

2社間ファクタリングとの違い

2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社の2社のみで取引が完結する形態のファクタリングです。この方法では、売掛先がファクタリングの流れに直接関わることはありません。ファクタリング会社からの通知もないため、利用者がファクタリングを利用したと知ることがないのです。

2社間ファクタリングでは、利用者は売掛金をファクタリング会社に売却して代金を受け取ったあと、売掛先から回収した売掛金をファクタリング会社に支払う流れとなります。

2社間ファクタリングの主なメリットは、売掛先に知られることなく利用できる点です。利用者は自社の資金繰りを外部に知られることなく管理できるため、売掛先に資金繰りの悪化の懸念を抱かせずに済みます。

2社間ファクタリングは、プライバシーを保ちつつ資金調達を行いたい企業にとって有効な手段といえますが、売掛先が参加しない分、3社間ファクタリングよりも審査が厳しく手数料が高い点などがデメリットとなります。

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3社間ファクタリングを利用するメリット

3社間ファクタリングは、利用者だけでなく売掛先も取引に参加します。これに伴う主なメリットを見ていきましょう。

2社間ファクタリングよりも手数料が安い

3社間ファクタリングは2社間ファクタリングよりも手数料が安いというメリットがあります。3社間ファクタリングでは売掛先も取引に関与するため、ファクタリング会社は未回収リスクを低く抑えることが可能です。その結果、手数料を安めに設定することができるのです。

例えば、2社間ファクタリングの手数料が最低でも売掛金の8%程度からであるのに対し、3社間ファクタリングでは2%程度からとなっています。この差は、特により多くの資金を調達したい利用者にとって大きなメリットといえるでしょう。

審査の難易度が低い

審査の難易度も、3社間ファクタリングの方が低いといえるでしょう。2社間ファクタリングの場合、売掛先が取引に直接関与しないため、架空債権や二重譲渡のリスクがあります。これを回避するためにファクタリング会社はより厳格な審査を行う必要があるのです。

一方の3社間ファクタリングでは、売掛先も取引に参加するため債権の存在を確認できます。結果として審査プロセスを簡略化でき、承認が容易になるのです。

ファクタリング会社への返済の手間がかからない

3社間ファクタリングの場合、売掛先がファクタリング会社に直接売掛金を支払うため、利用者はファクタリング会社への返済プロセスを担う必要がありません。特に多忙な企業や小規模な事業者にとって、貴重な時間とリソースの節約につながる点がメリットとなるでしょう。

一方の2社間ファクタリングでは、売掛先からの支払いを受けたあとに利用者がファクタリング会社に対して支払う必要があるため、最後まで管理を徹底する必要があります。

3社間ファクタリングを利用するデメリット

3社間ファクタリングには多くのメリットがありますが、一方でデメリットもいくつか存在します。検討する際は、デメリットの確認も忘れないようにしましょう。

2社間ファクタリングよりも資金調達に時間がかかる

3社間ファクタリングでは売掛先に承認を得なければならないため、資金を得るまでに時間がかかる場合があります。即日入金も可能な2社間ファクタリングとは対照的です。

急ぎで資金が必要な場合、この時間差は特に大きなデメリットとなり得ます。3社間ファクタリングのプロセスを待つ時間的余裕がない場合は、2社間ファクタリングを選ぶ必要があるでしょう。

売掛先にファクタリング利用の承認を得る必要がある

3社間ファクタリングを利用する際には、売掛先の承認を得る必要があります。つまり、ファクタリングの利用を希望していると取引先に知られることになるため、場合によってはビジネスに悪影響を与える恐れもあります。

売掛先が利用者について資金繰りが悪化していると判断した場合や、ファクタリングの利用を好ましく思わない場合、その後の取引条件の見直しやビジネス関係の悪化につながる可能性があるのです。特に長期的なパートナーシップや信頼関係が重要とされる業界では、3社間ファクタリングの使用について慎重に検討する必要があります。

3社間ファクタリングの手数料の相場

2者間ファクタリングと3者間ファクタリングにおける手数料の相場は下表のとおりです。

ファクタリングの種類手数料の相場 (%)
2社間ファクタリング(売掛金の)8%~20%
3社間ファクタリング(売掛金の)2%~9%

3社間ファクタリングの手数料は2%から9%が相場です。対する2社間ファクタリングは手数料の相場が8%から20%であり、大きな差があります。

3社間ファクタリングは売掛先も取引に含めることで未回収リスクを低減できるため、より安い手数料でサービスを提供することができるのです。特に資金繰りに課題を抱える企業にとっては、この手数料率の差は財務状況に大きな影響を与えるでしょう。

3社間ファクタリングが向いているケース

3社間ファクタリングにはいくつかのデメリットがありますが、さまざまな場面で活用できるサービスです。ここでは、3社間ファクタリングの利用が向いているケースをご紹介しましょう。

ファクタリングを初めて利用する

ファクタリングを初めて利用する場合は、3社間ファクタリングを選ぶとよいでしょう。3社間ファクタリングでは売掛先も取引に参加するため、悪質な業者の参入リスクが低くなるためです。これはファクタリングを初めて利用する企業にとって大きな安心材料となります。

一方の2社間ファクタリングでは、利用者とファクタリング会社のみで成立するため、不透明な取引が発生しやすい一面があります。

手数料を抑えてファクタリングを利用したい

手数料を抑えたい場合も、3社間ファクタリングのほうが適しています。2社間ファクタリングではファクタリング会社に売掛金未回収リスクなどが生じるため、3社間ファクタリングよりも手数料が高額になるのです。

コストを削減するためには3社間ファクタリングを選択するようにしましょう。

資金調達に時間の余裕がある

3社間ファクタリングは、審査や契約手続きに時間がかかるため、急ぎでない資金調達の場合に利用しましょう。迅速に資金を得られる2社間ファクタリングに比べて手数料は抑えられるため、資金調達に時間的余裕がある場合に3社間ファクタリングが向いているのです。

売掛先と信頼関係を築けている

ファクタリングの利用を知られても今後の取引に影響が出ないような信頼関係を築けている売掛先であれば、3社間ファクタリングを利用しても問題ないでしょう。

一方で、ファクタリングの利用による印象の悪化が心配な場合は2社間ファクタリングの利用がおすすめです。

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3社間ファクタリングを利用して早期の資金調達を図ろう

3社間ファクタリングを利用することで、安全かつ効率的に早期の資金調達を実現できます。手数料を抑えられるため、ビジネスの持続的な成長と安定を図ることにもつながります。信頼できる売掛先との関係を生かし、スムーズな資金調達を行いましょう。

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