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返済不要な資金調達の方法!特徴やメリット・デメリットについて解説

2024/06/17 2024/06/17

ファクタリング・資金調達

返済不要の資金調達

開業や新規事業を始める際に必要な「資金調達」。特に、開業時は利益が出るまでに時間がかかるため、返済できるか不安に感じている方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、返済不要な資金調達の方法を、資金調達方法ごとの特徴や、メリット・デメリットと併せて解説します。

返済不要な資金調達とは?

返済不要な資金調達は、その名のとおり返済の義務がないため、特に資金繰りに課題を抱えるスタートアップや新しい事業を始める企業に適しています。

返済不要な資金調達は、収益性の見込みに応じて投資を受けることが一般的です。具体的には、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの出資、クラウドファンディングによる支援、または補助金・助成金などの公的資金が該当します。これらの手段を用いれば、資金を調達したあとの財務負担が軽減され、企業の成長を促進できるでしょう。

以下は、返済不要な資金調達の方法として挙げられる7つについての特徴、個人事業主の利用の可否、および資金調達スピードをまとめた表です。

方法特徴個人事業主の利用資金調達スピード
ベンチャーキャピタル未上場の新興企業や成長企業に投資する投資会社やファンド不可中〜長期
エンジェル投資家個人投資家からの少額投資不可短〜中期
クラウドファンディングインターネットを介して不特定多数の人から少額の資金調達を行う仕組み中〜長期
ファクタリング売掛債権をファクタリング会社に売却し、売掛金の支払い期日前に債権を現金化するサービス最短即日
リースバック所有する資産を売却後、リースで利用中期
補助金・助成金政府や自治体からの無償資金長期
遊休資産の売却使われていない資産の現金化中期

各資金調達方法は、それぞれ異なるニーズや状況に応じた特徴を持っています。例えば、迅速な資金調達が必要な場合はファクタリングが最適であり、長期的な支援を求める場合は補助金や助成金が適しています。個人事業主は、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家のような、株式を発行する形での資金調達はできないことには注意が必要です。

スタートアップの資金調達方法!事例やラウンド・成長フェーズ別に紹介

ベンチャーキャピタルによる資金調達の特徴

ベンチャーキャピタルとは、成長が見込まれるスタートアップや新興企業に対して資金を提供する投資家や投資グループのことを指します。

ベンチャーキャピタルは企業の成長ポテンシャルを見極め、投資を行う代わりに株式を取得することで、将来的に大きなリターンを目指します。そのため、ベンチャーキャピタルはただ資金を提供するだけでなく、経営指導やネットワークの提供など、企業の成長をサポートする役割も担っている点が特徴です。

ベンチャーキャピタルのメリット

ベンチャーキャピタルによる資金調達のメリットは、大きな資金を調達できることです。特に、市場に新しいアイデアや技術を打ち出すスタートアップにとって、この資金調達方法は事業拡大や研究開発を加速させるために有効といえます。

また、ベンチャーキャピタルは資金提供のほかに、経営のノウハウや業界の専門知識、ほかの投資家やビジネスパートナーとのつながりなど、事業を成長させるための多様なリソースも提供します。こうしたサポートを受けることで、企業は市場の中でより競争力のある立ち位置を確保することができるのです。

ベンチャーキャピタルのデメリット

ベンチャーキャピタルによる資金調達のデメリットは、対価として株式を提供するために経営権に影響が及ぶ可能性があることです。投資家は確実なリターンを求めるため、時には厳しい条件を要求したり、企業の方針に介入したりすることがあるのです。このため、創業者や経営者は自社のビジョンや戦略をスムーズに実現できない可能性もあります。

さらに、投資を受けることで高い成長とリターンを期待されるため、それに応えるプレッシャーも伴います。

個人事業主と法人の資金調達の違いについて|それぞれのおすすめ調達方法を紹介

エンジェル投資家からの資金調達の特徴

エンジェル投資家とは、個人の富裕層であり、自己の資金を用いて主に初期段階のスタートアップに投資を行う人々です。これらの投資家は、企業に対して単に資金を提供するだけでなく、自らの経験やネットワークを活かして指導やサポートも行います。

エンジェル投資の特徴は、比較的少額の投資でありながら、起業家にとって非常に柔軟な資金調達の選択肢となることです。また、エンジェル投資家は個人的な関心を持って投資するため、企業と密接に協力し、長期的な成功を目指す傾向があります。

エンジェル投資家のメリット

エンジェル投資家から協力を得る最大のメリットは、初期段階のスタートアップが足場を固めるために必要な資金を、比較的容易に調達できることです。

エンジェル投資家はビジネスのポテンシャルと起業家のビジョンを重視するため、金融機関よりも柔軟な評価基準を持ちます。さらに、エンジェル投資家自身のビジネス経験や専門知識、豊富な人脈を活かした、経営面での助言や市場への導入支援を受けられることもメリットです。

エンジェル投資家のデメリット

エンジェル投資家からの資金調達におけるデメリットとしては、投資家との関係が個人的なものであるため、ビジネスの進展に対する期待が非常に高いことが挙げられます。また、エンジェル投資家個人の判断で資金が提供されるため、各投資家の意向に強く左右される可能性もあるでしょう。

これらの理由から企業の自由度が制限される場合があり、期待に応えられない場合の関係悪化も懸念されます。さらに、資金提供が比較的少額であるため、追加の資金調達が必要になる可能性も考慮しなければなりません。

クラウドファンディングによる資金調達の特徴

クラウドファンディングは、インターネットを通じて多くの人々から少額の資金を集める方法です。特に、創造的なプロジェクトや商品開発、社会貢献活動などに適しており、資金提供者と直接的にコミュニケーションを取りながら支援を募ることができます。

クラウドファンディングの大きな特徴として、市場の反応を事前に見ることができるため、実際の商品やサービスの投入前に需要の確認や改善点の洗い出しを行える点が挙げられます。また、資金調達を成功させることができれば、それ自体がプロモーション効果をもたらすこともあるでしょう。

クラウドファンディングのメリット

クラウドファンディングによる資金調達の最大のメリットは、事業やプロジェクトに対して広範囲からの支持を得られることです。新しいアイデアや創造的な取り組みに対して広い層から資金を集めることができ、資金提供者自身もプロジェクトの成功に貢献しているという実感を持つことができます。

また、融資などの従来の資金調達方法に比べて手続きが簡単な点も魅力です。

クラウドファンディングのデメリット

クラウドファンディングのデメリットとしては、「All or Nothing」タイプの場合、目標額を達成しなければ資金が得られないというリスクがあります。また、「All-in」タイプの場合は、目標額に達しなくてもプロジェクトが進行するため、支援者へのリターンなどを鑑みると赤字に終わる可能性も否めません。

クラウドファンディングは、プロジェクトを支援する人々の期待に応える必要があり、資金提供後のプロジェクトの進行や報告には透明性と責任が求められます。また、多くのクラウドファンディングプラットフォームは成功時に手数料を取るため、実際に手元に残る資金が予想より少なくなることも考慮すべきです。

ファクタリングによる資金調達の特徴

ファクタリングは、企業が持つ売掛金をファクタリング会社に売却することで資金を得る方法です。

この手法の特徴は、資金回収までの時間を待たずに、直接的に運転資金を確保できる点にあります。ファクタリングは特にキャッシュフローの改善が必要な企業に有効で、急な資金需要が発生した場合にも利用されます。

ファクタリングのメリット

ファクタリングによる資金調達のメリットは、迅速な資金確保が可能であることです。企業は売掛金の支払期日を待つことなく直ちに現金を得ることができ、急な資金需要に対応することができます。また、貸し倒れのリスクは買い取ったファクタリング会社が負うため、企業はより安心して事業運営に集中できるでしょう。

企業の財務状態や信用度に依存せずに資金調達が可能なため、中小企業やスタートアップにとっても有効な選択肢となります。

ファクタリングのデメリット

ファクタリングのデメリットとしては、コストが比較的高いことが挙げられます。売掛金の一部を手数料としてファクタリング会社に支払う必要があるため、得られる資金額は実際の売掛金額よりも少なくなります。

ただし、ファクタリングを頻繁に利用すると、財務状況の悪化の兆候と捉えられることもあります。また、ファクタリング契約の条件によっては、不利な条項が含まれている場合もあるため、契約前には詳細な検討が必要です。ファクタリングは状況に応じて慎重に選択する必要があるといえるでしょう。

【図解あり】ファクタリングとは?仕組みや種類・注意点を簡単に解説

リースバックによる資金調達の特徴

リースバックは、企業が所有する不動産や設備などの資産を一度売却し、その後同じ資産をリース(賃借)することで使用を続ける資金調達方法です。この手法は、手元の資金を増やしつつ、必要な資産を引き続き使用できるという特徴があります。

リースバックは、特にキャッシュフローの改善が必要な企業にとって有効な手段であり、大きな初期投資を回避しつつ運転資金を確保するために利用されます。

リースバックのメリット

リースバックによる資金調達のメリットは、即座に大きな現金を手に入れることができる点にあります。このため、企業は新規事業への投資や借入金の返済など、急な資金需要に対応することが可能です。

また、資産を売却しても使用権は維持できるため、業務運営において大きな変更を避けられるメリットもあります。リースバックを用いて財務改善を図ることで、将来的な融資の可能性が広がることも期待できるでしょう。

リースバックのデメリット

一方、リースバックによる資金調達のデメリットとしては、長期的にはリース料としての出費が発生し続けることです。これは、売却した資産をリースするためのコストが時間とともに積み重なっていくことに起因します。結果的には資産を保有していた場合と比較して高い費用がかかる可能性があるのです。

また、資産を売却することによって、その資産に関連する所有権や将来的な価値の増加から得られる利益を失うことも考慮する必要があります。企業の資産価値が減少するリスクも忘れてはなりません。

補助金・助成金による資金調達の特徴

補助金・助成金は、政府や地方自治体などの公的機関が、特定の条件を満たす事業やプロジェクトを支援するために提供する資金です。主に、社会的な価値や経済的な発展を促進する目的で用いられます。開業や新規事業の立ち上げにおいて、補助金は設備投資や研究開発、助成金は雇用創出や職業訓練など、特定の活動を対象に支給されることが多い傾向があります。

ただし、申請に必要な書類が煩雑であることや、採択までに時間がかかることに注意が必要です。

補助金・助成金のメリット

政府や地方自治体からの資金提供を受けることには、事業の社会的信用度を向上させる効果があります。ほかの投資家やステークホルダーからの信頼獲得にもつながるでしょう。

さらに、補助金・助成金は、新技術の開発や環境保護など、社会的に意義のある活動に使われることが多いため、事業の公共価値を高めることにもつながるでしょう。

補助金・助成金のデメリット

補助金や助成金は後払い制が多く、プロジェクトや活動を進めたあとで支給されるため、初期段階での資金調達には不向きです。また、助成金の場合は特定の条件を満たし申請を行うことで受給が可能ですが、補助金に関しては条件を満たして申請しても審査に通過するとは限らないため、資金計画の不確実性が増します。

補助金や助成金の申請プロセスは非常に煩雑であり、必要な書類の準備や詳細な計画書の提出が求められます。こうした手間や時間は、特に中小企業やスタートアップにとっては大きな負担となる可能性があるでしょう。

さらに、補助金や助成金は使途が限定されているため、資金を自由に使いたい場合には向いていません。

遊休資産の売却による資金調達の特徴

遊休資産の売却は、使用されていない土地や空きビル、未使用の機械設備などを市場に出して資金を調達する方法です。この手段は、眠っている資源を効果的に活用し、必要な現金を得ることができるという点で大きなメリットがあります。

遊休資産を売却することで、企業は保有コストを削減し、その資金をほかの事業活動に再投資することができます。特に、資金繰りに課題を抱える企業にとって効果的な選択肢となるでしょう。

遊休資産の売却のメリット

遊休資産の売却による資金調達の主なメリットは、不要な資産から即座に現金を得ることができる点です。企業は急な資金需要にも応じられるため、財務の柔軟性を向上させられるでしょう。

また、遊休資産を保持していることに伴う維持管理費や税金の負担を軽減できるため、運営コストの削減も可能です。これらの資産を市場に出すことで、企業の資産効率が改善されるだけでなく、投資家に対するアピールポイントとなることも期待できます。

遊休資産の売却のデメリット

一方で、遊休資産の売却にはいくつかのデメリットも存在します。資産の市場価値が予想よりも低い場合、期待しただけの資金を得られないことがあるでしょう。

また、売却に伴って一時的には資金を得られますが、将来的にその資産の価値が増す可能性を失うことにもなります。さらに、売却プロセスが長引くことや、売却後の税金問題など、予期せぬ手間やコストが発生する可能性も考慮しなければなりません。これらの点を理解し、慎重に決定することが重要です。

返済不要の資金調達にはデメリットがあることも理解しよう

返済不要の資金調達は魅力的ですが、利用には慎重な検討が必要です。ベンチャーキャピタルやエンジェル投資では、資金提供と引き換えに一部の経営権を手放す可能性があります。クラウドファンディングでは目標金額に達しないリスクやリターンが負担になることがあり、補助金や助成金は限定的な使途や煩雑な申請プロセスがハードルとなります。それぞれの方法にはデメリットもあることを理解したうえで最適な資金調達を行いましょう。

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