中小企業の資金調達は難しい?最適な方法や成功させるポイントを紹介

2024/06/10 2024/06/10

ファクタリング・資金調達

中小企業の資金調達

事業を運営するためには、「資金調達」が必須です。赤字の場合や資金繰りが悪化した場合は早急な調達が必要ですが、中小企業の資金調達は容易ではないのが現状のようです。本記事では、中小企業の資金調達が難しい理由や中小企業に最適な資金調達の方法、成功のポイントを紹介します。

資金調達とは?

企業が事業運営や成長のために外部から資金を確保することを、「資金調達」と呼びます。

中小企業では、新規プロジェクトの開始や設備投資、あるいは運転資金の確保など、さまざまな目的で資金調達が行われます。主な方法としては、銀行からの融資、国や地方自治体による助成金・補助金、投資家からの出資、またはクラウドファンディングなどが挙げられるでしょう。

これらの方法を適切に活用することで、企業は成長の機会を掴み、市場での競争力を保つことができるのです。資金調達は、事業の拡大や継続的な運営を支える重要な手段といえます。

中小企業の資金調達が難しい理由

中小企業が資金調達に苦労する主な理由は、安定した業績や十分な担保が不足していることです。この理由から、銀行やほかの金融機関からの信用が得られにくい状況があります。

金融機関からの融資を受けるのが難しい

銀行は企業の業績や信用力を重視して融資の可否を判断します。中小企業の中には赤字経営の会社も多く、金融機関の厳しい審査を通過できないケースが少なくありません。借り入れを認められるには、一定の売上や利益、将来の成長見通しなど、経営の安定性が求められるのです。

担保にできる不動産が少ない

多くの中小企業にとって、担保にできる不動産が少ないことは、資金調達を難しくする大きな要因となります。大企業と比較して保有する資産が限られているため、銀行からの融資を受ける際の信用力が不足しがちなのです。結果として、資金を調達する選択肢が制限される可能性があります。

中小企業に最適な資金調達の方法

中小企業の成長にとって資金調達は極めて重要ですが、大企業に比べると選択肢が限られがちです。ただし、中小企業向けの融資制度もあるため、それらをうまく活用することで、適切な資金調達が可能になるでしょう。

資産の売却・自己資金の活用

中小企業経営者にとって、資産の売却や自己資金の活用は、外部からの借り入れに頼らずに済む有効な資金調達方法です。

自社が保有する遊休資産を処分して現金化したり、経営者自身の蓄えを投じたりすることで、返済について心配することなく資金を調達できます。資金ニーズに合わせて柔軟に対応でき、他者に経営に介入されることもありません。

日本政策金融公庫の融資

日本政策金融公庫は、中小企業や小規模事業者支援のために設置された政府系金融機関です。

同公庫の融資制度は中小企業向けに設計されており、民間金融機関よりも緩やかな審査基準で融資を受けられるメリットがあります。金利が低いことや長期間の返済が可能な点も資金繰り改善のためにプラスです。新規開業時の「新創業融資制度」も用意されており、中小企業の重要な資金調達ルートとなっています。

制度融資

各都道府県や各市町村が中小企業の振興を目的に設けている公的な融資制度を総称して「制度融資」と呼びます。金利が民間金融機関以下に抑えられていることが多く、担保や保証人の必要がない制度も少なくありません。

経営者にとって有利な条件が整えられているため、中小企業の資金調達における重要な選択肢の一つといえます。

銀行融資

銀行融資は、中小企業が事業資金を調達する際の主要な方法の一つです。銀行融資には大きく分けて3つの種類があります。

プロパー融資

プロパー融資とは、中小企業が銀行から直接融資を受ける方式です。利用者側は信用保証協会などの保証が必要なく、銀行が完全に自身の責任で実行するという特徴があります。

プロパー融資では、中小企業の経営内容や資金計画などを銀行が審査し、与信判断を行います。信用力が最も重視されるため、経営状況が良好で将来性が認められる中小企業が利用できる融資といえるでしょう。

信用保証協会の保証付き融資

中小企業は担保が不足がちですが、信用保証協会の保証があれば銀行からの融資を得やすくなります。

信用保証協会は企業の経営内容を審査し、保証を付与する機関です。創業間もないベンチャー企業でも「スタートアップ創出促進保証」を活用できます。信用力に乏しい企業にとって有力な選択肢といえるでしょう。

オンライン融資

融資の中にはインターネット上で手続きが完結するタイプのものもあります。書類の簡素化や迅速な審査が特徴で、中小企業のニーズにマッチしているといえるでしょう。一方で、融資額に上限があったり、金利が割高になる場合があります。

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クラウドファンディング

クラウドファンディングとは、インターネット上で不特定多数の人から資金を募る方法です。資金調達の種類は「投資型」「購入型」「寄付型」の3つに大別されます。

中小企業が利用する場合は、無償の寄付を求める「寄付型」よりも、将来の製品やサービスを先行販売する「購入型」の利用が一般的です。低コストで資金を調達できますが、目標資金額に満たずに頓挫するリスクや赤字になるリスクがあります。

ビジネスローン

ビジネスローンは、銀行以外の民間金融機関などから事業資金の融資を受ける方式です。担保・保証人が不要で審査が比較的緩く、スピーディーな資金調達が可能というメリットがあります。

一方、一般的に金利が割高であるというデメリットがあります。繰り返し利用すると金利によって財務が圧迫されるリスクがあるため、利用の検討は慎重に行いましょう。

ファクタリング

ファクタリングは、企業が未回収の売掛金を金融機関やファクタリング会社に売却することによって、即時に資金を調達する方法です。この方法は売掛金回収までの待ち時間を短縮でき、急な資金需要に対応可能です。

特にキャッシュフローが重要な中小企業にとって、効率的な資金繰りの一環として利用されます。利用に手数料がかかりますが、売却した売掛金が回収不可となった場合に弁済する必要がない点も安心材料だといえるでしょう。

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助成金・補助金

助成金や補助金は、政府または地方自治体が特定の事業やプロジェクトを支援するために提供する資金です。これらを利用する最大のメリットは、返済の必要がない点にあります。

ただし、助成金・補助金を得るためには、申請書類の入念な準備と事業計画の承認が必要で、必ずしも申請が通る保証はありません。また、資金の使途が限定されている場合もある点には注意が必要です。

補助金は「原則後払い制」である点に注意!

補助金の多くは「原則後払い制」であり、実際に支払う資金は自社で先に用意しておく必要があります。また、補助金の申請は必ずしも承認されるわけではなく、却下されるリスクも考慮しなければなりません。

中小企業が資金調達を成功させるポイント

資金調達は中小企業の事業継続と発展に欠かせません。ただし、数ある方法の中から自社に最適な手段を選び、しっかりと準備を整えることが大切です。

ここでは、中小企業が資金調達を成功させるポイントを確認しましょう。

目的に合った資金調達方法を選ぶ

資金調達を成功させるためには、調達額だけでなく、目的やタイミングを見据えたうえで、最適な調達方法を選ぶことが大切です。運転資金が少しずつ必要な場合と、設備投資など一時的に多額の資金が必要になる場合とでは、適切な調達方法は異なるでしょう。

目的に合わない方法を選ぶと、必要に足る金額を調達できなかったり、不要なコストが発生したりするリスクがあります。事業の成長段階や具体的な需要に応じて最適な方法を選定することが重要なのです。

法人の資金調達方法|種類別のメリット・デメリットを解説

金利や手数料が安い資金調達方法を選ぶ

資金調達に伴う金利や手数料は、積み重なれば大きな出費となります。中小企業は資金繰りが厳しいことが多いため、できる限り低コストの調達方法を選ぶ必要があるでしょう。

公的な融資制度を活用したり、複数の金融機関の条件を比較するなどして、金利や手数料を抑えることが重要なのです。

資金調達をする前には許認可申請をしておく

資金調達を円滑に進めるためには、必要な許認可を事前に取得しておくことが大切です。許認可を適切に取得していれば融資機関からの信頼を得やすくなり、審査プロセスもスムーズに進行します。

許認可がないと、資金調達そのものが困難になるケースもあるため注意しましょう。

事業計画書を作成する

資金調達を申し込む際に、事業計画書の提出を求められることがあるため、事前に作成しておくとよいでしょう。

事業計画書には、事業の内容や収支計画、資金の使途など、事業の核心部分を詳細に記載する必要があります。きちんと準備されていれば、経営者の熱意と事業の見通しが伝わり、審査を通過する可能性が高まるでしょう。

中小企業の資金調達を成功させよう

中小企業の発展にとって、適切な資金調達は欠かせません。資金ニーズに合わせて最適な調達方法を選び、しっかりと準備を行って審査に備えることが重要です。資金調達は中小企業経営の主要な課題ですが、一歩一歩着実に取り組めば、必要な資金を確保することができるでしょう。

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