請求書発行アウトソーシングとは?外注するメリットや料金相場について
働き方の多様化から注目されている請求書発行アウトソーシング。月末に集中する・業務フローが細かい等の理由から、請求業務を「外注できたら」と感じている人も多いのではないでしょうか。本記事では、請求書発行アウトソーシングとは何か?外注のメリットや料金相場について解説します。
目次
請求書発行アウトソーシングとは?
請求書発行アウトソーシングとは、企業経営において必ず発生する請求業務を、外部のシステムや代行会社に委託・外注することです。請求データを渡すだけで請求書の印刷から封入、宛名書き、発送までの請求業務を代行してもらえます。
具体的な請求業務は以下のようなものです。
- 請求金額の確定
- 請求書作成
- 請求書送付
- 入金の確認
外注できる作業内容は代行業者やサービスによってさまざまですが、初期費用が安くて定額で1件から依頼できるサービスもあるため、請求業務をアウトソーシングする企業も増えています。
また、なかには与信審査・督促・代金の回収などに対応しているものもあります。時間がかかる業務のひとつである督促業務をアウトソーシングするだけでも、担当者の負担はかなり軽減されるでしょう。
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請求書発行をアウトソーシングするメリット
請求書発行の外注にはさまざまなメリットがあります。ここでは代表的なメリットを6つ紹介します。
- 請求業務の効率化が見込める
- 請求書発行に要する費用の削減につながる
- 誤請求・請求漏れなどの人的ミスを防止できる
- 業務の属人化防止につながる
- 働き方の多様化・ペーパーレス化の実現が期待できる
- インボイス制度への対応ができる
請求業務の効率化が見込める
請求書発行を外注することで、請求業務の効率化が見込めます。請求書作成や印刷、封入など一連の業務を削減でき、担当者がコア業務に専念する時間を確保できるためです。
また、請求に関する業務を自社で行う場合、転職や退職などで人材の入れ替えが発生した際には引き継ぎが必要になります。しかし、請求業務をアウトソーシングできれば業務自体がなくなり、引き継ぎも必要なくなるのです。
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請求書発行に要する費用の削減につながる
請求業務を外注することで、請求書発行に要していた費用の削減が可能です。自社で請求業務を行う際には、人件費をはじめ印刷費や用紙・封筒代などの費用がかかります。
一方で、請求書発行アウトソーシングを活用すれば、請求管理システムや経理業務代行業者・税理士事務所に支払う利用料のみで請求業務を行えます。結果として、請求書発行に要する費用を大幅に削減できるでしょう。
誤請求・請求漏れなどの人的ミスを防止できる
人的ミスを防止できることも、請求書発行をアウトソーシングするメリットといえます。請求金額の計算やデータ入力を手動で行っていると、どんなに気をつけていても誤請求・請求漏れなどのミスが発生してしまうものです。
これに対して、アウトソーシング先の経理業務代行業者・税理士事務所は多くの作業をシステム化・自動化しています。元となる請求データさえ間違っていなければ、ミスが発生するリスクは限りなく低いといえるでしょう。
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人材不足の解消につながる
請求書発行を外注すれば、人材不足を解消できることもメリットです。請求業務は担当者のスキルが属人化しやすいため、退職や異動などで人材が不足した際には業務が滞ってしまうでしょう。
しかし、請求業務をアウトソーシングすることで、専門知識・経験を有する人材が自社にいなくても請求業務を行えます。このように、請求書発行のアウトソーシングは人材不足解消の手段としても活用することが可能です。
働き方の多様化・ペーパーレス化の実現が期待できる
請求書発行のアウトソーシングにより、働き方の多様化や、ペーパーレス化の実現が期待できるでしょう。
自社で請求業務を行う場合では請求データの承認や押印、請求書の封入や発送手配などのために出社する必要があります。しかし、これらの業務を外注することでテレワークやリモートワークで業務を完結できるようになるため、働き方の多様化が実現できます。
また、これまで自社で用意していた用紙や封筒などが外注によって不要になるため、ペーパーレス化を推進できることもメリットです。
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インボイス制度への対応ができる
請求書発行外注することで、2023年10月に導入されるインボイス制度にも対応できます。
インボイス制度とは、複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式です。制度の導入にともない、現行の「区分請求書」から、以下の項目を記載する「適格請求書(インボイス)」に変更されます。
- 発行者の氏名または名称・登録番号
- 取引年月日
- 取引内容
- 消費税率ごとに区分して合計した金額
- 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
この適格請求書は、発行者も保存する必要があり、もともと煩雑だった請求業務の作業ボリュームはさらに増えるでしょう。しかし、請求書発行をアウトソーシングすることにより、このようなインボイス制度にともなう手間を削減することが可能です。
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請求書発行をアウトソーシングする際の注意点
メリットが大きい請求書発行の外注ですが注意すべき点も存在します。ここでは、請求書発行をアウトソーシングする際の注意点を5つ解説します。
費用がかさむ場合がある
請求書発行を外注すると、費用がかさむことがあります。例えば請求書1件ごとに料金が加算される場合、発行件数が多い企業ではその分費用がかかるでしょう。
請求書発行の外注に必要な費用は、業務の内容や事業規模、件数、期間などによって異なるのが一般的です。そのため、どこまでの業務をいつまで外注すべきかなどを考慮し、目的に合わせてうまく活用することが重要です。
なかには無料トライアルを用意している場合もあるため、使用感の確認や検討材料として利用してみるのもよいでしょう。
情報漏洩のリスクがある
請求書発行の外注には、少なからず情報漏洩リスクがある点に注意が必要です。
外注する際に渡す請求データには、顧客情報や売上金額などの重要な情報が含まれます。そのため、第三者にデータが渡り悪用される可能性がないとは言い切れません。
相場より明らかに安価なサービスは利用しない、すでに実績のある業者を利用するなど、情報漏洩のリスクを考慮した上でサービスを検討しましょう。
請求書に不備があった場合の柔軟な対処ができない
不備や誤請求などの緊急トラブルに柔軟に対処できない可能性があることも、請求書発行を外注するデメリットです。
もし請求書に不備や誤請求があった場合、外注先に変更依頼をして訂正・再発行してもらう必要があるため、社内での対応に比べて時間を要します。また、契約範囲外の業務には対応してもらえない場合もあるので注意が必要です。
自社のシステムと連携できない場合がある
外注するシステムや業者によっては、自社のシステムと連携できない場合があります。
利用するサービスを検討する際は、既存の自社システムと連携可能か、業務フローに無理なく組み込めるかを十分検討する必要があります。
請求に関するノウハウが蓄積されない
請求業務を外注すると、請求に関するノウハウが自社に蓄積されず、社内で解決できない領域が発生してしまいます。
将来的に自社で請求業務を行う可能性があるなど、社内にノウハウを蓄積したい場合は、社内で対処できない部分のみ外注するとよいでしょう。
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請求書発行アウトソーシングを活用し業務効率を上げよう
請求書発行業務は取引数に比例して増加する上、期日までにミスなくこなすためには大変な労力がかかるものです。しかし、請求書発行をアウトソーシングすれば、請求書の印刷から封入、宛名書き、発送までの請求業務を代行してもらえます。
また、請求書発行を外注することで、請求業務の効率化や費用削減、人的ミスの防止など、さまざまなメリットがあります。一方で、情報漏洩リスクや自社システムと連携できない場合があるなどのデメリットも考えられるため、目的や用途に合わせてシステム・外注先を選択することが重要です。
請求書発行アウトソーシングをうまく活用し、業務の効率化・最適化を実現しましょう。
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