請求書の控えはどう管理する?保管方法や控えがない場合について解説

最終更新日時:2022/12/23

請求書発行システム

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請求書の控えの保管は法律で定められた義務です。しかし紙で管理するのはコストやスペースなどの問題があるので、保管方法に悩んでいる方も多いでしょう。この記事では請求書の控えの概要と保管義務の詳細、さらに保管方法や注意点、控えがない場合の対処法を解説します。

請求書の控えとは?

具体的な管理方法を説明する前に、そもそも請求書の控えがどのようなものなのかを確認していきましょう。

(1)自社で発行した請求書の元データ

請求書の控えは、自社で発行した請求書のコピーやスキャンデータ、または元データのことです。

特に請求の管理をアナログで行い、書面で発行する場合は送付した時点で、請求内容を確認する手立てがなくなります。

そのため、多くの企業が「請求書控えを発行する」「PDFデータとして請求書内容を保存する」といった手段で、元データを手元に残しているのです。

(2)未入金・入金済みの管理をする書類

未入金や入金済みの請求書の管理をするための書類として、控えを発行しているケースも少なくありません。

請求書に限ったことではありませんが、企業が作成する書類の管理は統一された形式であるがゆえに、処理済み/未処理、入金済み/未入金など進捗がわかりにくいという難点があります。

その点、各種書類の控えがあれば、アナログでの管理も容易になります。

例えば、未入金の請求書控えは入金予定日順に並び替えてまとめ、入金済みの請求書控えは入金が確認できる記録とスタンプの押印といったフローで管理します。

入金済みの請求書控えはファイリングすることで、後から確認しやすくなるため書類管理をよりスマートにできるでしょう。

請求書の控えには保管義務がある

請求書控えは法人税法によって、保管期限が定められています。控えの役割だけでなく、法律上の扱いについてもしっかりと確認しておきましょう。

(1)法人の場合は7年間・個人は5年間保管義務がある

請求書の控えについては、法人であれば7年または10年、個人事業主であれば5年間の保管期限が設けられています(ただし消費税の課税事業者は7年)。

なぜなら領収書やレシートといった書類と同様と考えられ、税務関係の帳簿書類として扱われているためです。

その中でも請求書は原本を手元に残せない書類であるという特性上、控えの保存が義務付けられているのです。

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(2)他社から紙で受け取った書類は原本を紙で保管する

他社から受け取った請求書は原本の保管が義務付けられています。保管期間は原則、法人が7年、個人が5年で同様です。

請求書である以上、納税関係書類として扱われる点は共通していますが、税務調査時にコピーによる改ざんを疑われるケースもあり、他社から受け取る請求書については原本の保管が必須とされています。

(3)インボイス制度開始後は保管義務がさらに厳格化する

2023年10月から導入されるインボイス制度では、消費税の仕入税額控除を受ける「適格請求書発行事業者」には、請求書(インボイス)の控えの作成および保存が義務化されます。

インボイス制度導入後は、認定された事業者が発行する「適格請求書」のみが仕入税額控除を受けられる対象となります。

それ以外の請求書類では仕入税額控除が利用できなくなる点には注意が必要です。税額控除を受ける場合、請求書の保管期間は7年となります。

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請求書の控えの保管方法

ここからは請求書を効率的に保管する方法を紹介していきます。

支払月別にキャビネットに保管するものと電子化できるものを区別することで、請求書控えの保管をよりスムーズに行えるでしょう。

(1)支払い月別に分類してキャビネットなどに保管する

請求書の控えを紙で保管する場合は、支払月ごとに分類してキャビネットなどに保管する方法が一般的です。

先ほど解説したように、請求書の控えには法人の場合7年または10年の保管義務があります。そのため、後から見返してすぐにわかることが重要です。

支払月別にファイリングするなどの方法で整理し、重要書類として鍵付きのキャビネットに保存することで効率的な保管を実践できます。

(2)保存要件を満たしている場合は電子データで保管する

2022年1月に改正された電子帳簿保存法により、国税関係帳簿や書類については要件を満たせば電子保存ができるようになりました。従来の紙ベースの保管から電子データでの保管によって、コストや手間などを大幅に軽減できるでしょう。

電子データ化の最大のメリットは、保管コストを削減できる点にあり、紙での書類管理ではキャビネットなどを用意しなければならず、物理的な管理が必須です。

その点、電子データはすべての情報を社内外のサーバーやオンラインストレージなどに集約できます。

保管スペースの削減やデータへの素早いアクセスなどが実現するため、日常の管理の手間はもちろんオフィスの移転があった場合でも引越し時間の短縮やスピーディーな業務の再開が可能です。

(3)保存した日と処分可能日を明記しておく

紙で管理する場合、請求書控えには保存した日と処分可能日の2つを明記しておきましょう。

保管期間を過ぎた書類を処分しなければ、書類が溜まり保管コストの負担が増す一方です。また書類が多すぎると、必要な控えを探す手間も増大します。

そのため、「◯年◯月以降処分可」「保管期間◯年◯月まで」といった形で、保存した日と処分可能日を見出しのように明記しておくと良いでしょう。なお、保管起算日は請求書の発行日ではなく、法人税の申告日が起源になる点には注意が必要です。

請求書の控えを電子化して保管する場合の注意点

請求書の控えを、電子データとして保管する場合の注意点についても確認しておきましょう。注意点は次の3点です。

  • 真実性の要件を満たすようにする
  • 誰でも検索・閲覧できるように可視性の確保をする
  • スキャナ保存する場合の要件を確認する

(1)真実性の要件を満たすようにする

電子帳簿保存法で定められている規定の1つに「真実性の確保」があり、請求書の控えを保管する場合には、元データであり、いつ・誰が発行したかを明確にすることが求められています。

そのため、電子署名やタイムスタンプの利用が必須と考えられています。請求書発行にエクセルなどのツールを利用している場合にも、真実性の担保が必要な点については理解しておきましょう。

(2)誰でも検索・閲覧できるように可視性の確保をする

電子データの保管においては、電子帳簿保存法により「可視性の確保」の定めがあることも把握しておきましょう。

「可視性の確保」とは、誰でも必要な書類をすぐに確認できる状態にしておくことを指します。

この取り決めがあることでシステムを導入する企業も増えていますが、請求書控えの数が限られている場合は、専用のフォルダ内のタイトルを整理するという形でも問題ありません。

(3)スキャナ保存する場合の要件を確認する

スキャナ保存する場合も、一定の要件がある点には注意が必要です。

電子帳簿保存法の改正により、税務署長による事前承認制度や適正事務処理要件などは廃止され、タイムスタンプ要件も緩和されたため、以前に比べてスキャナ保存の処理にかかる負担は大幅に軽減されています。

ただし、スキャナ保存するケースでは、重加算税が加算される可能性があるため書類の扱いには注意が必要です。

隠蔽や仮装された事実に重加算税が加算されるため、請求書の発行日時や付随する書類などを用いて、真実性を証明できる体制を整えておきましょう。

請求書の控えがない時の対処法とは

ここでは、請求書の控えがない場合の対処法について解説していきます。

(1)取引先に送付データを共有してもらう

請求書の控えがない場合の1つ目の対処法が、取引先に送付データを共有してもらうというものです。

決しておすすめできる方法ではありませんが、請求書の原本をファックスやメールで送り返してもらうことで、控えの代わりにすることができると考えられています。

ただし、日数が経過している場合に「取引先の負担になる」「信用を損なう可能性がある」というリスクが伴うことも理解しておきましょう。

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(2)請求書以外で取引が実行された日時を証明できる書類を代替する

請求書の控え以外でも、取引の日時が証明できる書類で代替えできるとされています。

関係書類やデータを探すのに余計な手間がかかりますが、取引先から了承を得た金額や日時がわかるメール、銀行振込の入金確認ができるもので代替可能とされています。

請求書は原則保管が必要!ミスを防いで効率的に保管する方法

最後に請求書を効率的に保管する方法を紹介していきます。

請求書に関連する業務に関わらず、IT化による業務効率化が進められているため、システムの利用を視野に入れた保管方法を実践していきましょう。

(1)ログが残る方法で請求書を発行する

ログが残る形で請求書を発行することが、1つ目の効率的な保管方法です。すでに手書きで請求書を作成することが少なくなっている昨今ですが、エクセルを用いる場合でもログが残る方法で発行を行いましょう。

エクセルで請求書を作成する場合は、「必ず個別の名称を付ける」「PDF化までの処理を一貫して行うこと」が重要です。

専用システムを利用すれば保存履歴が残りますが、エクセルの場合は印刷した後に保存し忘れることでログが残らない場合がある点には注意が必要です。

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(2)請求書の通し番号をつけて管理する

請求書そのものに通し番号をつけることも、効率的な保管方法の1つです。エクセルで作成する場合にも目立たない箇所に通し番号を記載しておきましょう。

通し番号があると、自社で管理する時だけでなく、取引先からの問い合わせにも迅速に対応できます。請求書控えを出していない場合や紛失した場合などに気づきやすくなるメリットもあります。

ただし、一部の担当者間で属人化しないように全社的なルールの徹底が必要です。

(3)請求書発行システムを用いて発行から保管まで一元管理する

請求書管理において、もっとも効率的な方法が請求書発行システムを用いて一元管理するというものです。

選ぶシステムによって機能が違うこともありますが、基本的には発行ログの取得、控えの発行、入金管理までの全フローの自動化が可能です。

請求書に関わる一連の業務の負担を軽減でき、ミスも防止できる点は請求書発行システムならではの魅力といえるでしょう。

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請求書の控えの保管は義務!ミスなく効率的に保管しましょう

請求書の控えには法人・個人ともに保管義務が定められています。適切に管理するためには、自社で保管ルールを統一し、ミスが起こらないよう運用体制を整える必要があります。

ここで紹介したように、請求書の控えは紙ベースでも管理することはできますが、もっとも効率的かつ担当者の負担を軽減できるのはシステムの活用でしょう。

請求書発行システムにはさまざまな種類があるので、機能や費用などを比較し、自社にあったものを導入しましょう。

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